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マイクロCTC検査を活用したがんリスク検査事業を展開する「セルクラウド」が4.4億円調達

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2023年11月10日、株式会社セルクラウドは、総額約4億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

セルクラウドは、マイクロCTC(Circulating Tumor Cells:血中循環がん細胞)検査を活用したがんリスク検査事業を展開しています。

欧米で主流のCTC検査の品質・検査精度をさらに進化させ、「上皮間葉転換」した悪性度の高い、浸潤・転移の高い能力を持つ「間葉系のがん細胞」を特定し、高精度で検出できるCSV(細胞表面ビメンチン)抗体を利用することで、高い精度のリスク判別を実現しています。

これにより従来の検査手法に比べ、安全かつ手軽に全身のがんリスク判定を可能にします。

今回の資金は、検査センターの検査精度向上を目的とした検査装置購入、専門人材の採用、認知拡大を目的としたマーケティング・PRなどに充当します。


がんは1981年から2022年にかけて連続で国内死因の第1位である疾患です。

がんは国民病ともいえる疾患であり、2019年のデータによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.5%、女性が51.2%と、2人に1人以上ががんと診断されることがわかっています。

かつては不治の病とされることも多かったがんですが、現代は医療が発展し、早期発見早期治療ができれば、9割が治療が可能です。

したがって早期発見を実現するためのがん検診が重要なのですが、「平成28年国民生活基礎調査」によると、40歳~69歳の受診率は、もっとも高い肺がん検診で、男性が51.0%、女性が41.7%と低い水準にあります。

日本人ががん検診を受診しない理由としては「受ける時間がない」ことがもっとも大きな割合を占めていることから、既存のがん検診よりも簡単に受けられる検査が求められています。

CTC検査は、血中に流れている小さながんを超早期に発見する検査です。CTC検査は画像診断では困難な大きさのがんも発見できるほか、採取した血液のみで検査が可能という特徴を有しています。

セルクラウドはこのCTC検査をさらに進化させた「マイクロCTC検査」をコア技術に、がんリスク検査を展開しています。

株式会社セルクラウドのコメント

このニュースを受けまして、株式会社セルクラウドよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

今回の資金調達を通して、マイクロCTC検査を活用した、がんリスク検査の検査センターにおける検査精度向上を目的とした検査装置の購入、専門人材(高いスキル・経験を持つ検査技師)の採用、認知拡大を目的としたマーケティング・PRへの投資などを見据えています。

・今後の展望を教えてください。

資金調達に留まらず、当社は今年から多業種多企業との業務提携を行うなど、がんリスク検査事業を拡大してきました。今回の資金調達、多企業との業務提携を契機とし、今後、「がんの不安と苦しみをなくす」という当社のミッション実現に向け、より一層事業を加速してまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

「マイクロCTC検査」は今年の5月より全国のクリニックに導入を開始し、現在150院を越えるクリニックに導入頂いております。

より一層がんリスク検査事業を拡大し、「マイクロCTC検査」をご利用頂く機会を増やすことで、がんの早期発見・早期治療が進み、がんの不安と苦しみがない世の中になることを目指します。

事業のさらなる成長のためには、戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

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