注目のスタートアップ

電力卸売業の「エナジーグリッド」が12億円調達

company

2022年10月3日、エナジーグリッド株式会社は、総額12億円の資金調達を実施したことを発表しました。

エナジーグリッドは、2022年2月から、小売電力事業者として事業を開始しています。

エナジーグリッドがポジションを取って先物取引・デリバティブ・オプション取引などの金融手法を用い、電力価格の大きな変動を抑え、新電力会社に電力の安定的な調達機会を提供しています。

今回の資金は、新電力各社からの拡大する需要に十分に応えるための電力の調達、財務基盤の強化に充当します。

2016年4月、電力会社間の競争を促し、電力の安定供給の実現や電気料金を低下させることを目的に、電力の小売事業が全面的に自由化されました。

新たに電力事業に参入した電力小売事業者は新電力と呼ばれ、東京においてはシェアが30%を超えています(2022年6月時点)。

新電力の登場により電力会社間での競争が促され、消費者が自由に電力会社を選ぶことができるようになったことは良い変化ではあります。

一方で、2021年1月には、市場連動型プランを採用していた新電力において最高で10倍に価格が高騰するというできごとがありました。

これは、火力発電に必要なLNG(液化天然ガス)の在庫不足によって発電所が停止したこと、大寒波によって電力需要が高まったことが重なったことで電力が逼迫し、JEPX(日本卸電力取引所)でのスポット価格が、平均7.0円/kWhだったものが、1日平均100円/kWhに高騰してしまったことが原因です。

JEPXを介さず大手電力会社と直接取引することができればこのようなリスクにさらされずにすみますが、ほとんどの中小規模の新電力会社はリソースの問題から直接取引できないため、価格変動の激しいJEPXを利用しています。

また、2021年秋から電力市場は高値状態が続いていることから、新電力は安定的な価格で電力を調達できる仕組みを求めています。

エナジーグリッドはこうした状況の中、電力の卸売により価格変動リスクを抱える新電力会社に対し、安定した価格の電力を提供しています。

起業ではオフィス、電気、インターネットなど様々な契約が必要となります。なるべくコストを抑えた契約をしたいと考えるのが起業家です。また、環境・社会・ガバナンスに関するサスティナブルな取組みを行っている企業に投資するESG投資が注目されていることもあり、コストだけではなく中長期的な面を考慮するのもよいかもしれません。「冊子版創業手帳」では、オフィス契約の際の注意点などについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ エナジーグリッド エネルギー 卸売 新電力 株式会社 資金調達 電力 電力自由化 電気
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業の仕方サムネイル
起業の仕方を大解剖!初めての素人でも失敗しない起業の6つのステップと手順とは?
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

会員制・招待制カレーブランド「6curry」が資金調達
2019年8月21日、株式会社シックスカレーは、総額数千万円の資金調達を実施したことを発表しました。 住所非公開・会員制カレーブランド「6curry」を展開しています。 2018年9月にオープンした恵…
「Greater Fukuoka」が環境配慮素材「LIMEX」を展開する「TBM」に出資
2023年4月3日、株式会社Greater Fukuokaは、株式会社TBMに出資を行ったことを発表しました。 TBMは、石灰石を主原料とした新素材「LIMEX(ライメックス)」や再生材料を50%以上…
ヘリカル型核融合炉の開発を目指す「Helical Fusion」が資金調達
2022年5月25日、株式会社Helical Fusionは、資金調達を実施したことを発表しました。 直近では、2022年5月10日に6,500万円の資金調達の実施を発表しています。 Helical …
セミパーソナライズのファッションを開発・提供する「SOLIT」が資金調達
2021年11月2日、SOLIT株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 多様性や多様な価値観をすべて受け入れることのできる社会のビジネスの面からの実現を目指しています。 ひとつのサービス・…
ロボット遠隔制御サービス「HATS」開発の「キビテク」が1.5億円調達
2022年2月16日、株式会社キビテクは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ロボット遠隔制御サービス「HATS(Highly Autonomous Teleoperati…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集