注目のスタートアップ

モノの形状・鏡面・透明物質を認知できる近接覚センサーを活用したロボットハンドの実現に取り組む「Thinker」が1億円調達

company

2022年9月30日、株式会社Thinkerは、1億円の資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社を無限責任組合員とするOUVC2号投資事業有限責任組合(OUVC2号ファンド)です。

Thinkerは、大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻小山佳祐助教の技術シーズをもとに、独自のセンシング技術である近接覚センサーを実現しました。

Thinkerの近接覚センサーは、対象物との距離・傾きを同時に計測し、死角部分を含めたモノの形状や、鏡面・透明物資を認知できるセンサーです。

この近接覚をロボットハンドに導入することで、対象物に触れることなく指の姿勢や手先位置を調節できます。

また、AIと組み合わせることで、従来の産業用ロボットでは難しかった臨機応変なピックアップやティーチング負担軽減を実現します。

半導体向けシリコンウエハーの搬送装置や透明部材のピッキングなどの用途でのロボットハンドへの実装を想定しています。

今回の資金は、近接覚センサーの量産化の推進に充当します。

ロボットハンドとは、ロボットアームの先端に取りつけられた、手のような役割を果たす機構のことです。

人間の手のように5本の指がついたものから、吸盤によって吸着するものなどさまざまなものがあります。

ロボットハンドは、主に対象物のピックアップ(持つ、移動させる、置く)で利用されています。

ロボットハンドが対象物を破損することなく正しく掴むためには、対象物の形・サイズ・摩擦係数・強度などを正しく理解する必要があります。

ロボットハンドが対象物を認識するために使われているセンサーには、関節部にかかるトルクを検出し掴んでいる状態を推定するトルクセンサーや、モーターのトルクを推定するモーター入力電流センサー、ロボットハンドの手首部に取り付ける力覚センサー、指先の触覚センサー、カメラによる認知などがあります。

モノを掴んでから認識するタイプのセンサーは、モノの許容量よりも大きな力で掴んでしまう可能性があることから、強度のある対象物にしか適用できない、あるいは極めてゆっくり掴む必要があるという課題を抱えています。

一方で、カメラは非接触でモノを認識できますが、透明・鏡面の対象物は上手く認識できないという課題を抱えています。

近接覚センサーはこのようなロボットハンドにおけるモノの認識に関する課題を解決するセンサーです。

最先端技術の開発には資金調達が必要不可欠です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受ける方法など、創業期の資金調達のノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Thinker センサー ロボット ロボットハンド 大阪大学 株式会社 認知 資金調達 近接覚 近接覚センサー
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」などを提供する「TXP Medical」が24.6億円調達
2024年10月23日、TXP Medical株式会社は、総額約24億6000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TXP Medicalは、急性期病院や自治体向けの医療データプラットフォーム…
「起業支援ファンド」
「起業支援ファンド」のご案内です。 独立行政法人中小企業基盤整備機構のファンド出資事業です。 国内の創業または成長初期段階にある有望なベンチャー企業(中小企業)が新事業等に取り組む際、ファンドによる資…
森林資源を活用した事業創造に取り組む「このほし」が資金調達 森の宿泊サービス「awake」など2事業を立ち上げ
2024年10月1日、株式会社このほしは、資金調達を実施したことを発表しました。 このほしは、森林が持つ多様な価値を創出し、地域に新たな資源と経済の循環を生み出すことを目指し、森林資源を活用した事業創…
モノ置きシェアの「モノオク」が資金調達
2019年10月7日、モノオク株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 空いたスペースを活用して荷物を預かりたい人と、荷物を預けたい人をマッチングするサービス「モノオク」を運営しています。 …
子供向けSTEAM教材開発の「ワンダーラボ」が資金調達
2021年3月3日、ワンダーラボ株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 2020年7月の資金調達と合わせて、総額3.1億円の調達となります。 ワンダーラボは、STEAM教育領域において、思…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集