注目のスタートアップ

廃棄素材を使用したクラフトジンの生産などを展開する「エシカル・スピリッツ」が2億円調達

company

2022年8月23日、エシカル・スピリッツ株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。

エシカル・スピリッツは、廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営しています。

日本酒づくりの過程で廃棄されることが多かった酒粕を原料に使用したクラフトジンや、コーヒーの出がらしを原料としたクラフトジン、コロナ禍によって余剰在庫となったビールを再生させたクラフトジンの生産・販売を行っています。

また、コーヒー&ジンスタンド「The Ethical Spirits & Coffee」では、コーヒーやジンの販売も行っています。

2021年1月に、エシカル生産と消費に特化した再生型蒸留所「東京リバーサイド蒸溜所」を東京蔵前に建設しています。

他にも2021年6月に、国立森林総合研究所が開発した木から発酵製品を製造する技術「湿式ミリング処理」をもとに、木のお酒である「WoodSpirits」の製品化・販売に挑戦することを発表しています。

今回の資金は、建設を進めている新たな再生型蒸留所と、海外を拠点とした販路のさらなる拡大に充当する予定です。

ジンは植物(ボタニカル)によって香りがつけられていることが特徴的な有名な蒸留酒のひとつです。

バーではジントニックやマティーニなどカクテルのベースとしてよく利用されています。

近年、世界では少量生産でこだわりを持って作られたジンであるクラフトジンが流行しています。

ジンの特徴である香りについても、従来の伝統的なボタニカルだけでなく、産地特有のものなどが利用されており、非常に個性豊かであることが特徴的です。

また、ジンは熟成を必要としないためスピーディな生産が可能で、かつコストがかからないという特徴があります。そのためプレミアムなジンであっても、他のプレミアムなお酒よりも安い傾向にあります。このことも消費者からの注目が集まる要因であると考えられます。

伝統的なジンは、大麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀物を蒸留し、雑味のないベーススピリッツを製造し、そこにボタニカルを加えて香りをつけたあと、もう一度蒸留するというプロセスで生産されます。

しかし、クラフトジンの流行により、ベーススピリッツについても伝統的な原料以外が利用されるケースが増え、より香り高いジンをつくれることがわかってきました。

エシカル・スピリッツは、このベーススピリッツの製造において、酒粕を使用することで、豊かな香りを持ったスピリッツが生まれることを発見し、クラフトジンとして展開しています。

この酒粕は料理などで利用されることもありますが、酒粕の需要減少によって廃棄される量も増えているようです。

こうした廃棄されるものを価値のある新たなものに生まれ変わらせることは、SDGsが推進される現在では非常に重要な取り組みであり、消費者の注目も高まっています。

エシカル・スピリッツ株式会社のコメント

このニュースを受けまして、エシカル・スピリッツ株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

千葉県における新蒸留所の建設によって生産量増加及び“木のお酒”『WoodSpirits』の生産を行うこと、海外におけるさらなる販路拡大が主な目的です。

・今後の展望を教えてください。

国内外での販路拡大とともに、『WoodSpirits』をはじめとした新商品の開発・販売を行い、世界をリードするスピリッツブランドを目指してまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

捨てられてしまう酒粕、コーヒの出し殻のように、ポテンシャルがありながら脚光を浴びない才能が数多く眠っています。エシカル・スピリッツは、そういった才能をステージに上げることで輝かせ、これからも皆様にこれまでになかった体験をお届けしてまいります。

SDGsは人類として長期的に取り組んでいかなくてはならないことですが、これはビジネスチャンスでもあります。トレンドでもあるため資金調達がしやすいという側面もあります。「冊子版創業手帳」では、さまざまな起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考を知ることは、新たなビジネスの創造・成長にとって役に立つでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ WoodSpirits アルコール エシカル・スピリッツ エシカル消費 エシカル生産 お酒 クラフトジン コーヒー ジン 再生型蒸留所 木のお酒 東京リバーサイド蒸溜所 株式会社 湿式ミリング処理 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
普通の人が起業するには?成功する5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「クラウドスタッフィング」が「エーピーシーズ」と資本業務提携 派遣スタッフ管理システムを共同開発
2023年6月6日、株式会社クラウドスタッフィングは、株式会社エーピーシーズと、資本業務提携に合意したことを発表しました。 クラウドスタッフィングは、人材派遣のクラウド管理システム「クラウドスタッフィ…
ソーシャルコマースプラットフォーム「pippin」を運営する「EC-GAIN」が2億円調達
2023年6月12日、株式会社EC-GAINは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 EC-GAINは、ソーシャルコマースプラットフォーム「pippin(ピッピン)」を運営しています。 …
日本語会話学修プラットフォーム「日本語.COM」運営の「GEパートナーズ」が資金調達
2020年7月7日、GEパートナーズ株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 2020年6月1日から、日本語会話学修プラットフォーム「日本語.COM」のβ版を提供しています。 日本語検定合格…
AI肌診断アプリ「HADABON」を開発・提供する「AquaAge」が資金調達
2023年1月24日、AquaAge株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 スマートフォンで顔写真を撮ることで、AIによる肌診断ができるアプリ「HADABON」を開発・提供しています。 6…
農地管理支援ソリューションや営農支援ソリューションを提供する「サグリ」が10億円調達
2024年8月8日、サグリ株式会社は、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 サグリは、衛星データをAI技術を用いて解析する技術をコアに、農地状況把握アプリ「アクタバ」や、作付け調査効…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集