注目のスタートアップ

ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査を開発・提供する「Varinos」が6億円調達

company

2022年8月3日、Varinos株式会社は、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。

Varinosは、ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査の開発・臨床実装を展開しています。

2017年12月に、子宮内の超微量な菌を検出する子宮内フローラ検査を世界で初めて臨床検査として開発・実用化しています。

子宮内の菌環境が妊娠率に影響することがわかっていることから、国内の不妊治療クリニックなど250以上の医療機関に導入されています。

2022年7月には子宮内フローラ検査が先進医療に認定されており、保険診療との併用も可能となっています。

今回の資金は、子宮内フローラ検査の海外展開、子宮内フローラ検査技術を応用した新規プロダクトの研究開発に充当する予定です。

ヒトゲノム(人間の全遺伝子情報)の解読が2003年に完了してから、解析技術や情報処理技術の開発が進み、ゲノム情報の活用のハードルは大きく下がりました。

ゲノム情報は医療で大きく活用されており、とくにゲノム解析を活用した臨床検査では実用化が進んでいます。

たとえば、国内では2019年6月1日から遺伝子の変化や遺伝子の違い(遺伝子変異)を解析し、最適ながん医療の選択に役立てる「がんゲノム医療」が保険適用されています。

Varinosが展開する子宮内フローラ検査は、子宮内膜液を採取し、含まれている菌の遺伝子を調べることで、子宮内の細菌環境を把握する検査です。

これまで子宮内は無菌だと考えられていましたが、2015年に子宮内にも常在菌がいることが判明しました。また、2016年に子宮内フローラの乱れによって体外受精の成功率が低下することがわかっています。

子宮内フローラ検査によって子宮内の細菌環境がわかれば、体外受精を実施するかどうかを判断することができますし、子宮内の状態がいいときに胚移植をすることで着床率を向上させることもできます。

また、サプリメントや抗菌薬などによって子宮内の細菌環境が改善された例も報告されています。

子宮内フローラが妊娠率に影響することがわかったのは2016年と最近のことであるため、研究が進むことによる新たな発見も期待されています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ゲノム ゲノム医療 ゲノム解析 不妊 不妊治療 医療 医療機関 妊娠 子宮内フローラ 子宮内フローラ検査 株式会社 検査 資金調達 遺伝子 遺伝学的検査
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

コンテンツプロデュース事業などを展開する「Minto」が資金調達
2022年5月10日、株式会社Mintoは、総額約6億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、株式会社カカオピッコマと資本業務提携契約を締結したことも併せて発表しました。 Min…
ローカル・コミュニティやコワーキング・スペース運営の「ATOMica」が1.8億円調達
2020年3月26日、株式会社ATOMicaは、総額約1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 株式会社ビットキーと株式会社ディーサイングループのジョイント・ベンチャーとして2019…
「HATALUCK」と「凸版印刷」が資本業務提携 メーカーとシフトワーカーをつなげる「店舗DXスタッフアプリ『はたLuck』活用サンプリング」を提供開始
2023年8月1日、株式会社HataLuck and Personと、凸版印刷株式会社は資本業務提携を結んだことを発表しました。 また、「店舗DXスタッフアプリ『はたLuck』活用サンプリング」を20…
ESG/SDGsに特化した非財務データプラットフォーム「TERRAST」提供の「サステナブル・ラボ」が資金調達
2022年3月9日、サステナブル・ラボ株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ESG/SDGsに特化した非財務データプラットフォーム「TERRAST(テラスト)」(β版)を提供しています。…
「リンクアンドモチベーション」が衛星データにより地球のデジタルツインを自動生成するAIを開発する「スペースデータ」に出資
2022年12月22日、株式会社リンクアンドモチベーションは、株式会社スペースデータに出資したことを発表しました。 スペースデータは、衛星データにより地球のデジタルツインを自動生成するアルゴリズムを開…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集