注目のスタートアップ

救急医療データプラットフォーム「NEXT Stage ER」提供の「TXP Medical」が15億円調達

company

2022年4月5日、TXP Medical株式会社は、総額約15億円の資金調達を実施したことを発表しました。

TXP Medicalは、救急医療データプラットフォーム「NEXT Stage ER」を提供しています。

救急現場と病院間における紙や電話による情報のやりとりをデジタル化し、救急医療の現場において、効率的な患者情報記録・スタッフ間の情報共有・研究用データの蓄積を同時に実現するシステムです。

カルテには、主訴(患者が訴える主な病状)、既往歴、臨床診断名、重症度スコアなどの情報が書かれていますが、文章の一部であるため利活用が困難であるという課題がありました。「NEXT Stage ER」はこの非構造化データをAIによって利用可能なデータへと変換することで、カルテに記載された医療データの利活用を促しています。

また、自治体には、病院と救急隊の即時情報連携を実現する入力支援AI機能を搭載したモバイルアプリ「NSER mobile」を提供し、適切な救急搬送先選定・救急搬送時間の短縮を実現しています。

今回の資金は、既存事業の拡大、複数の新規事業の立ち上げ、人材採用の強化に充当されます。

救急搬送の際、救急隊は患者を受け入れてくれる病院を探すため、順番に病院に電話をかけていくことになります。

病院はできる限り受け入れるようにしていますが、事情によっては受け入れを断らざるを得ないこともあります。

救急患者の受け入れを行う二次救急病院は、24時間体制で救急医療体制を構築しなくてはなりません。多くの病院は救急科専門医が不足しており、通常の医師が当番制で内科・外科当直として対応にあたることもあります。

これらの医師は自らの専門領域があるため、患者の状態によっては救急医療を行うことができないケースもあり、このような場合は断るしかなくなります。また、診療中の患者数によっても受け入れが決まってきます。

救急医療における患者の受け入れの判断は複雑な事情がからみあっていますが、現状では救急現場と病院間における情報が分断されているため、効率的に受け入れ可能な病院を探すことができない環境となっているのです。

TXP Medicalは、この救急現場と病院間における情報の分断を解消し、救急医療の課題を解決することを目指しています。また同時に、カルテ内の文章などの非構造化データを利用しやすい形に変換することで、これまで困難であった急性期領域における医療の質の可視化も実現しています。

ビジネス領域においても様々なSaaSが利用されるようになっています。これらシステムのデータを連携することでさらなる効率化を図ることができます。「冊子版創業手帳」では、社内システムの整備ノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NEXT Stage ER NSER mobile TXP Medical データ デジタル化 プラットフォーム 医療 救急 株式会社 自治体 資金調達 連携
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

遺伝子治療による視覚再生の早期実用化を目指す「レストアビジョン」が12.7億円調達
2023年6月5日、株式会社レストアビジョンは、総額12億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 レストアビジョンは、慶應義塾大学医学部と名古屋工業大学の共同研究成果をもとに、2016…
クリエイター・アーティスト向けNFTサービスを開発する「Siremo」が6,500万円調達
2022年8月25日、株式会社Siremoは、総額6,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、NFTオンラインストア(β版)の9月に予定するローンチに向け、クリエイターの事前登録を開…
企業向けAIソリューション事業や非接触型AI肌測定アプリなどを展開する「AquaAge」が資金調達
2024年8月19日、AquaAge株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は8200万円になりました。 AquaAgeは、企業向けAIソリューション事業や…
クラウド決算開示管理サービスやバックオフィスのコンサルティング事業を展開する「Uniforce」が2億円調達
2022年11月24日、Uniforce株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Uniforceは、クラウド決算開示管理サービス「Uniforce 決算開示管理サービス」、I…
登山・アウトドア向けアプリなどを手がける「ヤマップ」が20.4億円調達 損害保険会社を設立
2024年5月28日、株式会社ヤマップは、総額20億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ヤマップは、登山地図アプリ「YAMAP」や、登山・アウトドアのセレクトオンラインストア「YA…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集