無料で使えるメール配信システム総まとめ!仕組みからメリット・デメリットまで紹介

創業手帳

無料のメール配信システムはメリット・デメリットを把握して利用しよう


企業が行うデジタルマーケティングの中でも、メール配信は長く使われてきた手法です。メール配信は様々なチャネルと組み合わせでき、集客やファン育成にも役立ちます。

無料で使えるメール配信システムもあります。紙のダイレクトメールよりコストを下げたいときにも検討してほしい手法です。
また、マーケティング費用を削減したい事業主も無料のメール配信システムはおすすめです。

ここでは、無料で使えるメール配信システムを紹介していきます。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

メール配信システムで何ができる?


取引後の、顧客に対するフォローアップやリピーターの育成を課題としている企業は多くあります。
効果的な施策として注目されているのがメール配信システムです。メール配信システムでどのようなことができるのか紹介します。

メール配信システムとは?

メール配信システムとは、メールの文面作成から、配信先のメールアドレス登録、指定アドレスに向けて一斉送信といったメール配信のために必要な機能を備えたツールのことです。

利用した飲食店や美容院からのプロモーションメールを受け取った経験を持つ人は多いかもしれません。
メルマガやお知らせメールといったメールは、特定の顧客に対して一斉に送ります。一斉送信されるメールの多くは、メール配信システムを利用して送られています。

メール配信システムの目的

メール配信システムの目的は、顧客とのコミュニケーションの最適化です。企業は数十万通のメールを送ることもあります。
大量のメールを遅延なくやミスなく配信するのは手作業では不可能に近いため、メール配信システムが利用されています。

もともとのメールは、1対1のコミュニケーションツールでした。しかし、企業のメールはひとつの企業が複数の顧客に向けて配信します。

顧客とコミュニケーションを取るため、より顧客それぞれに合ったメールを配信できる
顧客のタイミングや好みに合わせたメールが主流になりつつあります。
メール配信は既存顧客の掘り起こしやメルマガの効果分析、自社の魅力を伝えるためにも有効な手段です。

メール配信システムの機能

メール配信システムは、単純にメールを配信するだけではありません。どういった機能があるのか紹介します。

HTMLエディタ

HTMLエディタは、コーディングしなくてもメール文面をテキストエディタで作成する機能です。
メール配信システムを選ぶときには、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、複数の画面サイズに合わせて自動的に最適化(レスポンシブデザイン)できるかどうかも確認してください。

セグメント配信

セグメント配信は、顧客のリストから顧客の属性に合わせてメールを配信する機能です。
性別や年齢、地域、嗜好といった条件で分類できます。

ステップメール・シナリオメール配信

ステップメールは、指定した条件に該当する顧客の抽出、定期的なフォローを配信する機能です。
購入後のフォローメールや誕生日クーポンメールなどで使われています。
ステップメールの進化版といえるシナリオメールは、メールの開封やクリック、サイト訪問といった顧客の行動結果に対応してシナリオを分岐したメールを配する機能です。

ABテスト配信

ABテストは、メールの内容を2通り用意して、より効果があるメールを自動的に選択肢して配信できる機能です。
メールマーケティングの成果を上げるためにABテストは多くの企業に活用されています。

効果測定

効果測定は、メールの開封率やクリック率、コンバージョンを計測するために使われる機能です。
測定だけでなく、マーケティングの成果を可視化して分析するためにも必須といえます。

承認機能

承認機能は、メール配信システムを運用するときにメールの配信システム設定者と承認者を権限として分ける機能です。
メールの内容やコンテンツ、宛先に不備があればクレームにつながります。承認機能を使って、内容を複数人でチェックする運用をおすすめします。

エラー解析

配信したメールは不達になってしまうこともあります。
エラー解析は、送信先ごとにエラーパターンを分析して、到達率を上げるための機能です。

DKIM、TLSへの対応

DKIMは、メールの電子署名を検証し、メールの正当性を確認してなりすましを防止する機能です。
TLSは、通信経路を暗号化してインターネット上で盗み見を防止するために使われます。これらに対応していないメールは、警告文が表示されることもあります。
顧客からの信頼を損なわないためにも、DKIMとTLSに対応しているかどうかをチェックしてください。

メール配信システムを使うメリット・デメリット


メール配信システムを導入すれば、顧客とのコミュニケーションも大きく変わります。導入する前に、メリット・デメリットを把握してください。

メリット①メール配信業務効率化

メール配信システムを使わない場合、顧客それぞれにメールを作成、送信しなければいけません。
アドレスを個別で設定していれば膨大な時間がかかる上、ミスも起こりやすくなってしまいます。
メール配信システムを使うことで、作業を自動化して時間短縮になり、送信ミスを防げます

メリット②プロモーションの効果をアップできる

プロモーションのためにメールを使う場合、顧客が読みたい、クリックしたいと感じるようなメールを配信する必要があります。
メール配信システムであれば、HTMLやCSSといった専門的な知識がなくてもデザイン性が高いメールを作成できます

メリット③メール到達率を改善できる

メールは、送信者が送信したとしても受信者のフォルダに届いていないことも珍しくありません。迷惑メールと判断される恐れもあります。
メール配信システムであれば、メールが届かない原因を分析して適切な対応が可能
受信者にメールを確実に届けるためには、メール配信システムが有効な手段です。

メリット④セキュリティを高められる

顧客に対してメールを送信するのであれば、ウイルス感染や情報漏えいへの対策は必須です。
メール配信システムは、セキュリティ対策が実装されているので、大量配信にともなうリスクを減らし安心して利用できます。

メリット⑤効果測定できる

メールマーケティングは、現状の開封率やクリック率を知って対策することが重要です。
効果測定して配信内容を変更したり、属性によって配信のタイミングを変えたりすることでマーケティングを改善できます。
メールの配信から、効果を測定して分析、改善するPDCAサイクルを構築してください。

メリット⑥無料で使えるメール配信システムもある

メール配信システムには、無料のものもあります。無料で使えるため、マーケティングコストを減らしたい企業にも適しています。

しかし、使える機能やできることが有料のメール配信システムと比較して限定されることもあるので注意が必要です。
導入するときには、機能やセキュリティを比較するほか、有料プランやオプションの料金も調べておくようにしてください。

デメリット①迷惑メールに振り分けられることがある

メール配信システムで送るメールは、対策していたとしても迷惑メールに振り分けられて読まれないこともあります。
これは受信するサーバーがスパムフィルターで誤判定したり、顧客がメールアドレスを迷惑メールとして登録したりすることなどが原因です。

顧客に確実にメールを届けるために、ユーザー属性に沿ったコンテンツになっているかどうか、容量が大きすぎないかもチェックしてください。

デメリット②受信環境に左右される

デザインや画像にこだわったメールであっても、顧客の受信環境によって配信側の意図した見え方にならないケースがあります。
視覚に訴えるマーケティングを目指す場合には、HTMLメールとテキストメールを自動的に振り分ける機能がついたメール配信システムを、相手の環境によって選びましょう。

無料で使えるメール配信システムおすすめ8選


提供されているメール配信システムはいろいろあるため、どれを選ぶか迷う人もいるかもしれません。
ここでは、無料で使えるメール配信システムの中からおすすめのものを紹介します。

SendGlid(センドグリッド)

SendGlidは、マーケティングに役立つ機能が標準装備かつ、リアルタイム分析も可能なメール配信システムです。
イベントの発生やパフォーマンスがすぐにわかるので、よりスピーディーに施策を打てます。

SendGlidは、配信量に応じた従量課金制を採用している点も特徴です。
無料プランは、通数上限が12,000通で、段階的に月額料金が上がるため、メール送信数に応じたプランを選べます。

Mailchimp(メールチンプ)

Mailchimpは、アメリカで誕生した世界的にも有名なメール配信システムです。
直感的に作業しやすく、ノーコードで作業できるので、パソコンに強い人材がいなくても利用しやすい点が魅力です。

FacebookなどのSNSと連携したり、ランディングページの作成、アンケート機能があったりと、多彩な機能があるので顧客とのコミュニケーションに幅が生まれます。
ただし、すべて英語表記なので慣れるまでに時間がかかるかもしれません。翻訳ツールも利用しながら、機能を活用してください。

まぐまぐ

まぐまぐは、メルマガプラットフォームの老舗です。芸能人など著名人のメルマガにもまぐまぐが使われています。
まぐまぐは有料メルマガと無料メルマガの2種類があり、導入費用や管理コストなしで発行できます

専用のサポートセンターもあり、今までメルマガを発行したことがない企業でも安心して利用できる点も魅力です。
メルマガの読者を増やしたい人向けのメニューを有料で提供しています。

Mailsales(メールセールス)

Mailsalesは、作成したHTMLを自動的にスマートフォンやタブレットの表示に最適化してくれる、レスポンシブデザイン対応です。
配信したメールの開封率や開封ユーザーの情報、クリック状況を確認できます。そのため、データをベースにして、顧客の興味関心に対応したコミュニケーションが可能です。

配信アドレス数に応じた料金プランで、無料トライアルは100件までです。無料トライアルは期限なしで利用できるので、自社のペースで体制を構築できます。

める配くん

める配くんは、登録アドレス数120件、利用期間2週間までは無料で利用可能です。
期間限定ではありますが、添付ファイル機能を除くすべての機能を利用できるので、使い勝手を試したい場合におすすめです。
クリックカウントやマルチパート配信といった機能が充実しているので、自社のメールマーケティングに合わせて使ってみてください。

ワンステップメール

ワンステップメールは、2009年から公開されている完全無料で使えるメール配信システムです。
機能制限がなく、すべての機能を無料で利用できます。

必要事項をフォームに入力してメール作成できるので、パソコンに不慣れな人でも使いやすい点が特徴です。
無料であるにもかかわらず、メール配信数やメルマガ登録者数に制限がないので、安価にメール配信を試してみたいと考えている人にもおすすめです。

HubSpot(ハブスポット)

HubSpotは、直感的に操作しやすいため、デザイナーやIT担当者でなくてもメールの作成から配信が可能です。
送信する相手に合わせて自動的にパーソナライズされたメールを作成できます

様々な目的に合わせたメールテンプレートが公開されているほか、マーケットプレイスでコンバージョン促進につながる無料テンプレートが提供されています。
メール配信を自社のブランディングに使いたいと考えている企業にもおすすめです。

acmailer(エーシーメーラー)

acmailerは、無料にもかかわらず送信数無制限で利用可能です。予約配信やパーソナライズメール作成、不着メール管理といった多くの機能を使えます。
広告なども一切入ることなく自由に使えるメール配信システムです。

まとめ

メール配信システムを使った顧客とのコミュニケーションやマーケティングは、低コストで高い効果が期待できます。
メール配信システムを導入する前には何のために導入するのか、自社に必要な機能が揃っているかどうかも確認してください。
無料のメール配信システムを使って、実際の使用感を試して比較するようにおすすめします。

創業手帳(冊子版)」は、企業の手助けとなる記事を多数掲載しています。ビジネスやライフプランのサポーターとして創業手帳(冊子版)をお役立てください。
関連記事
メールマーケティング成功のカギ!メール到達率をアップさせる方法【初級編】
創業期のマーケティングに欠かせないメール配信システムとは?

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳冊子版は毎月アップデートしており、起業家や経営者の方に今知っておいてほしい最新の情報をお届けしています。無料でお取り寄せ可能となっています。

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
今すぐ
申し込む
【無料】