起業家にもおすすめ!自己分析に活用できるMBTI診断について徹底解説

創業手帳

MBTI診断で起業家に向いているか自己分析してみよう


起業はやろうと思えば、誰にでもできます。しかし、会社員とは異なり、経営に関することは基本的にすべて自分で行わなければなりません。
責任も人一倍大きくなるため、起業家には向き・不向きがあるといえます。

自分が起業家に向いているのか自己分析したいのであれば、MBTI診断がおすすめです。MBTI診断という言葉は聞いたことはあるけど、具体的にどのような診断なのか知らない方も少なくないはずです。
そこで今回は、MBTI診断の基本知識や起業家向きの性格について解説します。

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MBTI診断とは?


MBTI診断は、心理学に基づいた性格診断の一種です。就職活動や将来のキャリア、人との向き合い方などを自己分析する際に用いられています。
1926年に開発されてから90年以上も性格診断に活用されており、実績のある診断です。

まずは、MBTI診断の詳細と診断方法についてご紹介します。

MBTI診断の概要

MBTIとは、「Myers-Briggs Type Indicator(マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)」の略語です。
この診断は、ブリックスとマイヤーズというアメリカ人親子によって開発されました。

MBTI診断の特徴は、質問を答えることで16種類の性格のうちどれに当てはまるのか把握できることです。
世間との接し方や物事の考え方、判断の基準など自分自身の特性を知るのに役立つでしょう。

具体的には興味の方向性から内向的と外交的の2種類に分け、さらに外界との向き合い方から感覚型・直感型・思考型・感情型・判断型・認知型の6つに分類します。
この結果から16種類のうち1種類の性格を導き出すのです。

MBTI診断の方法について

MBTI診断のやり方は、93問の質問に対してYesとNoのどちらに近いのか答えていくだけです。
質問例には、「定期的に新しい友達を作るか」「他人が泣く姿を見て、自分もすぐに泣きたくなるか」などがあります。
実際にMBTI診断を受けたい時は、「16Personalities性格診断テスト」という診断サイトを利用するのがおすすめです。診断は無料で行えます。

質問には自分の直感を信じて正直に答えてください。中立な回答ばかり選んでしまうと、正しい結果を得られない可能性があります。
すべての質問に答えると、自分の性格が表示されます。
診断結果か自分が起業家向きの性格であるか、仕事や人との向き合い方など自分の性格が何に活かせるのか分析することが可能です。

診断結果を活用する上で注意したいのは、結果の内容がすべて正しいと思い込んでしまうことです。
MBTI診断は、あくまでも自分の性格の傾向を客観的に判断しているにすぎません。
人には診断だけでは見抜けない魅力や強みなどがあるので、性格の傾向を把握するための手段のひとつと考えてください。

MBTI診断でわかる性格タイプ4つ


MBTI診断では、大きく分析家、外交官、番人、探検家の4つのタイプに分類されます。さらに、各性格で4つのタイプに細かく分別されます。
それでは、4つの性格ごとに特徴を紹介していきましょう。

1.分析家

分析家は、豊かな想像力を持ち、探求心が旺盛な性格の人です。
性格を細分化すると、建築家型(INTJ)・理論学者型(INTP)・指揮官型(ENTJ)・討議者(ENTP)に分けられます。

各タイプの主な特徴は以下のとおりです。

建築家型(INTJ) 戦略的思考に長けており、決断力があり、野心も強い性格です。その一方で、引っ込み思案な一面もあります。
知識欲や好奇心が強いものの、修得した知識を他者と共有する協調性も持ち合わせています。しかし、物事に対して夢中になりすぎたり、完璧主義であったりすることが災いし、孤独に陥りやすいです。
論理学者型(INTP) 理論的思考を持ち、発明力や想像力などに優れています。他者にはない独特の視点や高い知性が強みです。
ただし、自分の考えや行動に問題がないかという不安から行動に移せない、悪い結果になった時は自信を失いやすいことが欠点です。
指揮官(ENTJ) 天性のカリスマ性を持ち、常に自信に満ち溢れています。目標に向かって、権威を示しながら人をまとめられるリーダータイプです。
合理的な思考の持ち主が多く、目的達成のためであればどのような手段も使う一面があるのも特徴です。強い意志と回転の速い頭脳を活かし、問題を解決していきます。ただし、冷徹で無神経な性格からトラブルを招く恐れがあります。
討論者(ENTP) 目的達成のための議論ではなく、議論をすることを目的にしている特徴があります。相手の議論や信条を無慈悲に打ち砕くことを生きがいとしており、「究極の悪魔の代弁者」とも呼ばれています。
分析家に共通する探究心の強さから、ほかのタイプに負けず知識欲や情報欲は強めです。議論が得意なことから、弁護士や検察官などの仕事が向いています。

2.外交官

外交官は、共感や協力、人とのつながりを大切にできる性格の人に多いです。
性格は細かく提唱者型(INFJ)・仲介者型(INFP)・主人公型(ENFJ)・運動家型(ENFP)に分けられます。

各性格の特徴は以下のとおりです。

提唱者型(INFJ) 天性の理想主義者で、道徳心を持ち合わせています。計画性が高いので、ただ単に理想を述べるのではなく、具体的な取組みで目的を達成し、永続させる影響力を持ちます。
穏やかで献身的な性格が多いです。そのため、教師やカウンセラーなど人を支え、人から信頼される仕事で活躍できます。
仲介者型(INFP) 完璧な理想主義者で、あらゆる人・状況の中でも善を探ろうとする特徴があります。控えめで内気な性格と捉えられがちですが、厚い情熱と激情を秘めています。
人の話を聞くことや人の間に立つことが得意で、様々な課題解決に貢献してくれる人物です。ただし、善を追い求めることに夢中になって、日常生活が疎かになりがちという欠点があります。
主人公型(ENFJ) 生まれつき情熱とカリスマ性を持ち、周りに強い影響力を与える人物です。他者に優しく、恐れず声を上げることができるので、度胸や信頼性のある人柄で人々を魅了していきます。
リーダーとして優れている一方で、物事を楽観視しすぎてしまう、他者に望み以上のものを押し付けてしまうことが多い点に注意が必要です。
運動家型(ENFP) 根本的に自由奔放で社交的、心が広く、明るく楽観的な性格です。周りの人と精神的なつながりを望んでおり、人間関係や社会生活を充実させることに情熱を注ぎます。
感情の浮き沈みが激しい傾向にありますが、フレンドリーな性格ゆえに、すぐに人の輪に戻れることも強みです。調和を重視して他者の感情を尊重するあまり、自分自身が疲弊しやすい点が弱みです。

3.番人

番人は、客観的に得た事実を重視する人に多いです。性格を細分化すると、管理者型(ISTJ)・擁護者型(ISFJ)・幹部型(ESTJ)・領事型(ESFJ)に分けられます。

各性格の特徴は以下のとおりです。

管理者型(ISTJ) 誠実な性格で、物事を実用的に考えられる人物です。伝統や規律、規範を重んじる傾向にあり、与えられた任務や義務はやり遂げる性格です。
自らとる行動に対して強い責任感を持ち、誇りを持って仕事に打ち込めるのも特徴です。真面目過ぎるゆえに、他者から無感情な人物と勘違いされることもあります。
擁護者型(ISFJ) ユニークな性格であるゆえに、様々なタイプが存在し、多方面で活用できます。例えば、内向的でありながらも対人能力に優れ、絆の強い信頼関係を築くことが可能です。また計画性の高い性格でありながら、目新しいアイデアや予定外の変更も受け入れる柔軟性を持ち合わせている人もいます。
擁護者型は、細かい部分までこだわるほど完璧主義な傾向になります。慎重派は特にその傾向が強いです。時間はかかるものの、決められた予定どおりに作業を終わらせることが可能です。
幹部型(ESTJ) 人や社会をまとめることが得意で、リーダーシップのある人物です。尊厳や献身、正直さを重んじ、怠惰や不正を嫌う傾向にあります。
真面目な性格であるため、不誠実な相手や約束を守れないことに対しては怒りを露わにすることが多いです。それゆえに、他人からは融通が利かない人と思われてしまうこともあります。
また、チームプレイを好み、周囲に対して強い期待を持っているため、人にプレッシャーをかけやすい点にも注意が必要です。
領事型(ESFJ) 外交的で、輪の中心にいるムードメーカー的な存在です。他者と楽しい時間を共有することを好み、パーティーやイベントへの参加や主催に積極的です。
他人が楽しんでくれることを喜びに感じており、気配りに長けています。さらに義理堅いため、長く良好な人間関係を築けます。ただし、自分の考えや行動を理解してくれない相手に対しては、意地を張ってしまいやすいことが欠点です。

4.探検家

探検家は、常にエネルギーに満ち溢れ、退屈を嫌う人に多いです。
性格は、巨匠型(ISTP)・冒険家型(ISFP)・起業家型(ESTP)・エンターテイナー型(ESFP)に細分化されます。

各性格の特徴は以下のとおりです。

巨匠型(ISTP) 冷静な理性と強い好奇心を持ち、自らの手で探究することを好む性格です。企画力に優れ、どんどん新しい企画にチャレンジできる強みを持ちます。
少しミステリアスな性格であるのも特徴です。フレンドリーでありながら引っ込み思案な一面があったり、理性的かと思えば突然自発的な行動をとったりと、親しい間柄でも予測不可能な行動を起こします。
巨匠型は、感情の予測や共感が苦手です。行動を通じて人と関わろうとするので、時に人間関係にもどかしさを感じることがあります。
冒険家型(ISFP) 独創的な視点や価値観で思考や発見することを好む性格で、美的センスやデザイン力に長けています。型にはめられることを苦手に感じる傾向があります。
冒険家は自発性が高くて内向的な人が多く、自分だけの時間を有意義に過ごすことを好みます。強い探究心から危険な行動をとることもあり、親しい人からはトラブルメーカーと思われがちです。
しかし、他者の感情には敏感で、調和を大切にしています。批判されると感情的になりやすいことが欠点です。
起業家型(ESTP) 常にエネルギッシュで、賢く鋭い近くを持つ存在です。常に大勢の輪にいる人物で、素直な性格とユーモアセンスで人々を魅了しています。
チャレンジ精神が強く、危険なことにも果敢に挑む傾向があります。ただし、せっかちな部分があり、人の話をあまり聞かないという欠点があります。
エンターテイナー型(ESFP) 人を喜ばせたり、励ましたりするために時間やエネルギーの消費を惜しまない性格です。脚光を浴びることを好むので、有名な俳優に多いタイプになります。
コミュニケーション能力やファッション感覚に優れています。好奇心も強いので、常に新しいスタイルやデザインを追い求める傾向にあります。
欠点は目の前の快楽に夢中になり、義務や責任を怠りやすいことです。

起業家型(ESTP)の性格とは?


MBTI診断で導き出される16種類の性格の中に、起業家型(ESTP)が存在します。ここで、起業家型の性格について、詳しく解説します。

起業家型(ESTP)とは?

起業家型は、探検家に含まれる性格タイプのです。ESTPとも呼ばれています。
ESTPは、外向型(Extroverted)・感覚型(Sensing)・思考型(Thinking)知覚型(Perceiving)の頭文字からとったものです。

社交場の中心に立つことが多く、人を楽しませることを好みます。また、周囲に大きな影響力を与えるカリスマ性を持ち合わせています。
起業家型の全人口のうち約4%しかいないといわれているので、比較的少数の性格タイプです。

起業家型はリーダーとしての素質あり!

起業型の性格を簡単にまとめると、以下のとおりです。

  • 退屈を嫌い、変化を好む
  • 好奇心が強くチャレンジ精神が旺盛
  • 常にポジティブでリスクを恐れない
  • リスクを背負う覚悟がある
  • コミュニケーション能力に優れている
  • 安定性がある
  • 洞察力が高い
  • 臨機応変に対応できる適応力を有している
  • 多芸多才
  • 成果主義でありながら、情に厚い

リスクや失敗を恐れず、変化を追い求める性格をしています。また、大勢の輪の中心にいることが多く、人を魅了し、引っ張る力がある人が多いです。
起業家に向いている性格といえますが、確実に向いている性格だと示しているわけではないので、注意してください。

ESTP-A・ESTP-Tの違い

起業家型は、ESTP-A(自己主張型)とESTP-T(慎重型)の2種類に分けられます。
2種類の違いは簡単に説明すると、性格や思考がポジティブ寄りなのか、ネガティブ寄りなのかということです。

ESTP-Aは、ポジティブ思考で感情が安定しており、外からの影響をあまり受けません。否定的な感情を持ちにくく、神経性は低い傾向にあります。
一方、ESTP-Tは逆に繊細でネガティブな思考を持っているので、外部からの影響を受けやすいです。神経性が高いため、否定的な感情を感じやすい傾向にあります。

起業家型の強みと弱み

起業家型の強みと弱みは以下のとおりです。

強み 弱み
・率直で理論的、実践的な行動力や話術を持つ
・探究心が強く、クリエイティブな思考が得意
・外向的で誰とでも気軽に話せる高いコミュニケーション能力や協調性を持つ
・小さな変化にも気付けるほど感覚が鋭い
・目先のことばかりに取り組む傾向があり、計画性が低い
・現在進行しているタスクやプロジェクトに集中するために、衝動的な行動をとってしまいやすい
・速いペースを好むため、短気な傾向がある

クリエイティブな思考やコミュニケーション能力、鋭い感覚は、まさに起業家向けの特徴といえます。
しかし、計画性の低さや衝動的になりやすい、短気な性格という弱みもあり、これらの要素は起業や経営に悪影響を及ぼす可能性があります。
起業家を目指すのであれば、弱みを克服していく努力も必要です。

起業家型が向いている仕事は?

起業家型は、細かく管理されることやルールに縛られる環境が苦手です。リーダーとしての素質があるので、以下のような自由に創造できる仕事が向いています。

  • コンサルタント
  • ファイナンシャルプランナー
  • クリエイティブディレクター
  • プロジェクトマネージャー
  • 司書
  • 研究者
  • 建築士
  • CFO (最高財務責任者)

将来、独立や起業を考えているのであれば、これらの分野で成功を収められる可能性があります。

起業家型が苦手な仕事は?

逆に苦手な仕事は、形のない仕事や長時間パソコンと向き合う仕事です。例に挙げるなら、心理カウンセラーや教師、Webライターが該当します。
心理的に人を支えるカウンセラーは、得体のないものを扱うことが苦手な起業家型には不向きです。教師は規則が厳しく、これも相性が良いとはいえません。

Webライターは長時間パソコンと向き合う必要があり、行動派である起業家型の特性に合わないと考えられます。

まとめ

今回は自分の性格を自己分析できるMBTI診断についてご紹介しました。MBTI診断では、16種類ある性格から自分の性格を大まかに導き出すことが可能です。

自分の性格がわかれば、独立や起業をする際に強みをどう活かすか、弱みをどうカバーするかなどを考えられるようになるでしょう。
診断サイトを活用すれば簡単に性格を把握できるので、一度試してみてください。

創業手帳(冊子版)」では、独立や起業に役立つ情報をお届けしています。経営の基本知識や資金調達などビジネスに関する幅広い情報を得られるので、ぜひご覧ください。
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(編集:創業手帳編集部)

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