個人事業主におすすめのビジネスローン10選!メリット・デメリットや選び方も解説
個人事業主もビジネスローンで資金調達しよう
個人事業主が資金調達をする方法として、銀行や日本政策金融公庫からの融資を活用する方法以外に、ビジネスローンの利用があります。
しかし、ビジネスローンを活用するにはメリットとデメリットを把握しておくことが必要です。
今回は、ビジネスローンの基本的な概要を解説すると共に、個人事業主におすすめのビジネスローンや活用するメリット・デメリットなどを紹介していきます。
ビジネスローンを選ぶ際のポイントも解説していくので、ビジネスローンの活用を検討している人や資金調達方法で悩んでいる個人事業主は参考にしてみてください。
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この記事の目次
ビジネスローンは個人事業主でも使える?
ビジネスローンは、法人だけではなく個人事業主も使える商品です。
事業性資金や運転資金、設備投資資金、つなぎ資金などの事業に関わる内容が資金用途となるため、事業を営んでいることが前提となり、個人利用はできません。
ビジネスローンは、銀行や信託会社、独立系・ファクタリング系会社が扱っていますが、金利や限度額、審査の厳しさはそれぞれ異なります。
法人と個人事業主どちらにも対応しているビジネスローンを提供している機関もあれば、法人向け・個人向けに分けて提供している場合もあります。
また、ビジネスローンを提供している機関によって、条件にも違いがあります。例えば、年齢制限です。
代表者の年齢が満20歳以上や満69歳以下などの条件があるケースもあるため、あらかじめ確認しておいてください。
個人事業主におすすめのビジネスローン8選
次に、個人事業主が活用できるビジネスローンを提供している機関や会社ごとに紹介していきます。
それぞれの特徴も解説していくので、資金調達で悩んでいるのであれば活用を検討してみてください。
銀行系金融機関(預金・決済サービスも提供)
個人事業主が活用できるビジネスローンとして、預金や決済サービスなども提供している銀行系金融機関が提供しているカードローンが挙げられます。
PayPay銀行
利用限度額 | 1,000万円 |
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金利 | 1.8%~13.8% |
毎月の返済額 | 2,000円~130,000円 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
手数料 | 不要 |
PayPay銀行は、インターネットバンクで24時間365日振込みができるほか、ローンの申し込みもできる魅力の高い金融機関です。
開業したてでも、スマートフォンで手軽にビジネスローンの申し込みが可能です。
ほかの金融機関や会社と比較すると、利用限度額は高く、金利が低く設定されている点が魅力となっています。
月々の返済は少額から可能なので、無理なく返していける点がメリットです。
東京スター銀行
利用限度額 | 1,000万円 |
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金利 | 4.5%~14.5% |
融資期間 | 1年以上10年以内 (完済時年齢75歳以下) |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
手数料 | 不要 |
東京スター銀行が提供しているスタークイックビジネスローンは、申込時の年齢が満20歳以上、満69歳以下であれば利用できるビジネスローンです。
最長借入れ期間が10年と長めに設定されており、毎月の返済負担を軽減できます。
また、アイフル株式会社が保証会社となっているため、担保や保証人は不要です。
さらに、インターネットで申し込みができるので、わざわざ銀行まで足を運ぶ必要もありません。
スタークイックビジネスローン以外にも、スタービジネスカードローン、スター不動産担保ビジネスローンなど、様々な種類のビジネスローンが用意されています。
信販会社系(クレジットカード会社・カード事業も展開)
ここからは、信託会社系が提供しているビジネスローンを紹介します。
クレディセゾン
利用限度額 | 950万円 |
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金利 | 2.8%~9.6% ※利用可能枠110万円以上が対象 |
毎月の返済額 | 32,000円~284,000円 |
担保 | 不要 |
手数料 | 10,000円以下:110円 10,001円以上:220円 |
クレディセゾンのビジネスサポートローンは、低金利で融資を受けられます。融資利用限度額は最大で950万円かつ年収の1/3以内です。
原則2営業日以内での振込みとなるので、急な資金調達にも対応しやすい点が特徴です。
オリコ
利用限度額 | 証書貸与タイプ:1,000万円 クレジットライン設定タイプ:500万円 |
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金利 | 6.0%~15.0% |
返済回数・返済期間 | 証書貸与タイプ:1~60回(最長5年) クレジットライン設定タイプ:1~36回(最長3年) |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
手数料 | 収入印紙代といった契約手続きに必要な費用 |
オリコのビジネスサポートプランは、みずほ銀行系の信託会社です。業歴1年以上の個人事業主及び法人が対象となっています。
事業資金であれば資金使途は自由で、来店せずに契約できます。年会費や入会金もないので安心です。
セゾンファンデックス
利用限度額 | 500万円 |
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金利 | 6.5%~17.8% |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
手数料 | 不要 |
セゾンファンデックスは個人事業主向けのカードローンを提供しています。
売上金が入るまでの資金や急な出費に備えるための資金など、様々な用途に利用できるサービスです。
全国14万台以上ものATMで土日や深夜を問わず借入れが可能となっています。
インターネットから申し込み手続きができ、原則24時間最短数十秒ほどで登録した口座に振込まれます。手数料がかからず、負担を抑えた利用が可能です。
独立系・ファクタリング系(銀行や信販会社の系列でなく独立)
最後に、独立系・ファクタリング系でおすすめの会社を紹介します。
ファンドワン
利用限度額 | 売掛債権担保融資:5,000万円 不動産担保融資:1億円 車担保融資:500万円 |
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金利 | 売掛債権担保融資:5.00%~18.00% 不動産担保融資:2.50%~15.0% 車担保融資:5.00%~18.0% |
担保 | 売掛債権担保融資:売掛債権 不動産担保融資:不動産 車担保融資:車 |
遅延損害金 | 年20.00% |
ファンドワン事業者向けビジネスローンを展開している会社です。個人事業主向けに様々な融資サービスを提供しています。
事業者ローンは法人のみしか利用できませんが、担保ありの融資は個人事業主でも活用できます。
申し込みには、身分証明書を含めた様々な書類が必要となります。活用する商品によって必要書類が異なるので、事前に確認しておいてください。
アクト・ウィル
利用限度額 | 500万円まで |
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金利 | 10.00%~20.00% |
返済期間 | 12カ月以内 |
担保 | 不要 |
保証人 | 場良いによって必要 |
遅延損害金 | 年率20.00%以内 |
アクト・ウィルが提供している信用保証融資は、運転資金や仕入れ資金、つなぎ資金として活用できるサービスです。
借入れしてから12カ月以内で一括返済する必要がありますが、しっかりとした返済計画があれば活用しやすい商品です。
オージェイ
利用限度額 | 1億円 |
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金利 | 10.00%~18.00% |
返済期間 | 1カ月~60カ月 |
返済方法 | 一括返済 元金均等 元利均等 自由返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
オージェイの無担保融資(ビジネスローン)は最短で即日融資に対応しているため、急な資金調達が必要になった場合でも安心できるサービスです。
返済方法には4種類あり、財務状況に合わせて最適なものを選べる点も特徴です。
個人事業主がビジネスローンを使うメリット・デメリット
ここからは、個人事業主がビジネスローンを利用するメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
個人事業主向けのビジネスローンの多くは、無担保・無保証での利用が可能です。担保や保証人が必要であれば、ローンに申込むハードルが高くなってしまいます。
しかし、無担保・無保証であれば思い立った時にすぐに申し込みができ、ハードルが下がる点がメリットです。
また、審査や融資までの対応スピードが早いのもメリットです。公的融資の場合、審査や融資に長い期間を要するケースもあります。
すぐに資金が欲しい場合には、融資までに時間がかかると不便に感じてしまうかもしれません。
一方、ビジネスローンの多くは、最短即日から数日以内に借入れが可能です。素早い対応に期待するなら、ビジネスローンの活用を検討してみてください。
デメリット
魅力があるビジネスローンには、欠点もあります。例えば、金利が高い点です。ビジネスローンは、公的融資と比較すると金利が高い傾向にあります。
日本政策金融公庫の金利は1.0%~3.0%台ですが、申込内容や申込者の信用力によって金利が下がるケースもあります。
一方、ビジネスローンは年2.00%~18.00%ほどと幅広い金利です。日本政策金融公庫と比較をしても上限金利が高いため、返済の負担が重くのしかかる欠点があります。
また、ビジネスローンを利用すると信用情報に記載されます。
新しく融資を受けたい場合、融資残高が残っていたり、過去に遅延があったりする場合には審査に通りにくくなるため、注意が必要です。
銀行融資の審査に影響を与える可能性もあるので、資金計画や返済計画をシミュレーションした上で利用することが大切です。
ビジネスローンを選ぶ際のポイント
最後に、ビジネスローンを選ぶ際のポイントを解説していきます。以下のポイントを参考にして、最適な商品を見つけてみてください。
個人事業主も利用できるか
ビジネスローンは、法人向けの商品も幅広く展開されています。
銀行や信託会社によっては法人向けのものしか取り扱っていないケースもあるので、まずは個人事業主向けの商品が用意されているかどうかを確認してみてください。
また、利用限度額の確認も忘れてはいけません。融資を申込む際には、法人よりも低めの限度額を設定されるケースもあります。
500万円~1,000万円ほどが相場となりますが、それ以上の金額を借入れできるケースもあります。
どの程度の資金が必要か理解した上で、金融機関を選ぶことが大切です。
素早く資金調達ができるか
事業資金が必要になる場合、「遅くても3日後までには用意したい」「すぐにでも受け取りたい」などと考える人も多いでしょう。
ローンの条件が良くても、融資を受けるまでに1週間以上必要になれば選択肢には入れられません。
早い段階での融資を望んでいるのなら、素早い対応をしてもらえる商品の申し込みをすることが大切です。
ビジネスローンを提供している機関によっては、即日対応してくれるところもあります。
ただし、スムーズな手続きができなければ即日対応してもらえません。用意する書類も多くあるので、事前に必要な書類は確認しておくようにしてください。
赤字・債務超過でも利用可能か
赤字や債務超過でも利用できるローンはあります。
業況に問題があれば、銀行融資は利用できないため、銀行融資の審査に落ちた後にビジネスローンを申込む個人事業主も多いです。
ただし、ビジネスローンでも、審査の際には個人事業主の経営状態の確認を行います。
経営状態が悪ければ返済が滞る可能性がり、そのようなリスクを抱える企業には融資は行いにくいと判断されます。
しかし、ビジネスローンの中には審査が甘いものも多いです。
審査の難易度は公表されていませんが、ノンバンクが提供しているものは審査が甘い傾向です。赤字や債務超過の状態であれば、活用を検討してみてください。
担保や連帯保証人が不要か
金利が高く少額の融資でも担保を要求する「商工ローン」は、2000年代に大きな社会問題になりました。
無担保ローンと謳っているにも関わらず、後から担保を要求する業者も存在します。
連帯保証人を後から要求してくる業者もあるため、ビジネスローンを提供している会社の情報をチェックすることが大切です。
申し込みを行う際には、担保や連帯保証人が本当に必要ないかどうかをしっかりと確認するようにしてください。
低金利で借りられるのか
ビジネスローンを活用すれば、必ず返済が必要になります。返済時には元本に利息を上乗せして支払わなければいけませんが、金利の値に注目してください。
ビジネスローンでは、「○%~○○%」のように上限と下限の金利が記されているケースが多くあります。
借入金額が大きい場合や金融機関とのつながりがなければ、上限金利に近い金利が適用となるケースが一般的です。
そのため、ローン選びでは上限金利を比較して検討することが大切といえます。
信頼できる金融機関・会社なのか
借入先に信頼感や安心感があるかどうかも重要なポイントです。
ビジネスローンを取り扱っている会社の中には、賃金業者の登録をしないで貸付業務を行う闇金も混ざっています。
闇金と契約すれば、法外な利息の支払いや保証金を騙し取られるといった危険性もあります。
リスクを負わないためには、大手企業を選択するか、金融庁のホームページに掲載されている「登録貸金業者検索サービス」に該当する業者を選んで利用するようにしてください。
まとめ・自分に合ったビジネスローンを選ぼう
ビジネスローンは、資金調達が必要になった際に利用できるサービスで、提供している金融機関や会社によって融資の上限や金利、条件が異なる点が特徴です。
必要なタイミングで安心して資金を借りることは重要なことです。依頼する業者を比較して、自分に合ったビジネスローンを選択してください。
創業手帳別冊版「資金調達手帳」では、個人事業主が活用できるビジネスローン以外の資金調達の方法もチェックできます。個人事業主が事業運営に役立つ内容となっているので、事業継続のためにも活用してみてください。
(編集:創業手帳編集部)