「国産ドローン」で新たなビジネスモデルの構築に挑戦! 日本ドローン活用推進機構

一般社団法人 日本ドローン活用推進機構の石岡常務理事に、事業の展望を聞きました

(2020/05/28更新)

様々な領域での活躍が期待されるドローン。産業での実用化に向けて、中国をはじめ、各国が競って開発に取り組んでいます。日本では2020年2月、政府が国産ドローンの開発を支援に力をいれることを発表しました。

現在、国産ドローン開発に取り組んでいる団体の一つに、一般社団法人「日本ドローン活用推進機構」があります。株式会社青い森地域総合研究所(以下、青い森総研)が中心となって、2019年11月に立ち上げた一般社団法人で、純国産ドローンの開発をはじめ、ドローンを活用したビジネスモデルの構築を目指しています。一般社団法人日本ドローン活用推進機構の常務理事を務める石岡有佳子氏に、事業の展望や、国産ドローンで実現を目指している未来について話をききました。

石岡 有佳子(いしおかゆかこ)一般社団法人日本ドローン活用推進機構 常務理事
artstudio tete代表/株式会社青い森地域総合研究所 営業企画部長

大学卒業後、宮城県、福島県にて特別支援学校、高等学校の常勤講師を務め、その後、青森市にUターンし、青森県立美術館にて美術企画課教育普及担当して勤務する。平成31年4月にartstudio teteを起業し、県内各地のこども園、高齢者施設、自治体にてワークショップを開催し、青森県立美術館でも各種企画の講師を務めている。専門は教育(美術・障害児・幼児)、地域コミュニティ、起業支援。

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多様なバックグラウンドを持つ企業・団体・個人と協力できる組織を目指して

ー日本ドローン活用推進機構(通称:JDUI)を設立した理由を教えてください

石岡:日本ドローン活用推進機構の代表理事である小山内高雄氏(アスアール株式会社 代表取締役)より、2019年7月ごろ「ドローンレースを実施する団体を立ち上げたい」と当社(青い森総研)に相談がありました。 その際、当社から「ドローンのレースをするだけでなく、活動範囲を広げたほうがよい」と提案いたしました。

企画立案から検討、相談を重ねた結果、全国の中小零細企業や個人が参加してドローンを活用したビジネスモデルの構築や、産業活用を想定した研究開発等を行う目的で、2019年11月にJDUIを設立しました。

一般社団法人の形を選んだのは、なぜでしょうか

石岡:地域の会社や団体、個人、行政、研究機関など、多様なバックグラウンドを持つ方が参加できる組織にするためにはどうすればよいか、協議・検討しました。その結果、公共性、公益性を担保するために一般社団法人という組織形態が適していると考えました。

ー事業の進捗を教えてください

石岡:ドローンの開発については、まだ着手していません。現在、事業の枠組みづくりや、人材の確保、研究機関との調整、クラウドファンディングを利用した資金の調達など、開発へ向けた準備を行っております。事務局を担う青い森総研が中心となって、夢を実現するために様々な方のお力を借りながら進めております。
事業の進捗状況については、定期的にご協力、ご支援いただいている方々へのご案内、SNSなどで発信していきます。

純国産ドローンにこだわる意義とは

ー日本で国産ドローンの研究・開発が進んでいない理由はどこにあると考えますか

石岡:一番の理由は開発にかかる研究コストだと考えます。 1から開発するとなると、最低でも10億円はかかる試算です。また、開発して商品化したとしても、世界的なシェアを誇る海外製品に、性能や品質で勝つことができるのか、という不安があるのではないかと推察されます。

ーなぜ純国産ドローンにこだわるのでしょうか

石岡:現在、国内で流通しているドローンは、中国をはじめとする海外製品がほとんどを占めています。個人や企業といった民間で使用されているドローンだけではなく、警備や防災等の人命にかかわる分野にも、海外メーカーのドローンが利用されています。

海外製品の割合が高くなると、故障や事故などの問題が起きた場合に、迅速な対応ができないケースが出てきます。実際、新型コロナウイルスの世界的な流行の影響で工場の操業がストップすることや、運搬手段となる交通機関の運休により、国内で利用されているドローンについて、故障などのトラブルに対応できずに放置される状況があったと聞いております。国内でドローンを生産・供給する体制を整えることができれば、問題が起きた時の影響を小さくできる可能性が高まります。

ほかにも、海外製品のドローンを利用することで、大事な情報が国外に漏えいしているのではないか、という懸念が指摘されています。アメリカの国土安全保障省がアメリカ国内の企業などに対し、中国製のドローンの使用について中国への情報流出の恐れがあると警告していたことが明らかになりました。セキュリティ面を担保するという点でも、国産ドローンが優位だと考えます。

ーどんな場所で活躍するドローンの開発に取り組んでいく予定ですか

石岡:私たちは「漁業・農業・測量・防災・警備・プログラミング教育」の領域で開発を行っていく予定です。

  • 青森県むつ市の「川内町漁業協同組合」と共同開発する密漁監視用ドローン
  • 台風、地震、火事等の災害時に救助や避難誘導に活用できるドローン
  • プログラミング教育やワークショップなど、コミュニケーションを深めるツールとしてのドローン

例えば上に挙げたような、幅広い用途で活躍するドローンを、会員企業や行政、地域、学校機関と円滑に連携して開発できるようビジネスモデルを構築したいです。

ー国が国産ドローンの開発支援拡大を発表しました。今後、国内でもドローン開発が積極的に行われると予想します。その中で、貴団体はどのようなポジションになりたいと考えますか

石岡:安倍晋三首相の施策方針演説で、国がドローンの支援開発を内外に表明したことはプラスに働くと思います。しかし、現状国からの支援について具体的な内容は固まっていません。新型コロナウィルなどの社会情勢を考えると、場合によっては来年度以降の支援になるかもしれないとみています。

JDUIとしては、利用できる制度、支援を最大限に活用し、行政をはじめ法人、団体、研究機関など、幅広い分野、職種の方を開発ルートにつなぐハブとなり、各専門分野の力を最大限に引き出せるよう連携を図りながら研究に取り組んでいきたいと考えています。

また、この記事を読んでいただいた方の中で一緒に研究開発を協力したい方があれば連絡いただきたいと思います。

ー国産ドローンの開発に取り組む他の企業や団体と、どのような関係づくりを行っていきたいですか

石岡:より良い国産ドローンを開発するにあたり実証データの収集など、協力体制を築ければと思います。私たちの活動が国産ドローン開発の伸び悩んでいた部分の活性化や一つの産業として確立するなど、産業の発展に大きく寄与できたとすれば、私たちとしても喜ばしいことです。

ー起業家に向けて、一言メッセージをお願いします

石岡:起業の方法には、たくさんの形があります。その奥には、たくさんの「夢」と「信念」があると思います。信念をもって経営することで、壁にぶち当たっても乗り越えるための工夫を思いついたり、応援する仲間が増えたりします。
失敗や挫折は成功のためのプロセスです。苦労した時に力になってくれる仲間を増やして欲しいと思います。

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(編集:創業手帳編集部)

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(取材協力: 一般社団法人 日本ドローン活用推進機構/石岡 有佳子)
(編集: 創業手帳編集部)

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