事業復活支援金、1月31日に申請スタート!給付対象者や給付要件、申請フローなどを解説
法人は上限最大250万円、個人事業主は上限最大50万円が支給される事業復活支援金について、給付要件や申請フロー、今後のスケジュールなどを解説していきます
昨年11月に発表されていた「事業復活支援金」について、1月18日付で追加情報が公開されました。
事業復活支援金の制度詳細(申請要領・給付規程等)の公表、事前確認の受付開始は1月24日の週にて、事業復活支援金の通常申請受付開始は1月31日の週に行われるということです。
今回は1月18日付で公開された「事業復活支援金」の概要について見ていきたいと思います。
※1月26日付で公表された情報を追記しています。申請は1月31日(月)から5月31日(火)までとなります。
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この記事の目次
申請期間
申請開始は予定では1月31日(月)15時以降となっています。
給付対象について
事業復活支援金のリーフレットより引用
ポイント1:新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者としては下記のものが該当します。
- 【需要の減少による影響】
-
①国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少
②国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止に伴う、自らの財・サービスの個人消費の機会の減少
③消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行に伴う、自らの財・サービスの個人需要の減少
④海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制に伴う、自らの財・サービスの海外現地需要の減少
⑤コロナ関連の渡航制限等による海外渡航客や訪日外国人旅行客の減少に伴う、自らの財・サービスの個人消費機会の減少
⑥顧客・取引先※が①~⑤または⑦~⑨のいずれかの影響を受けたことに伴う、自らの財・サービスへの発注の減少
※顧客・取引先には他社を介在した間接的な顧客・取引先を含む
- 【供給の制約による影響】
-
⑦コロナ禍を理由とした供給減少や流通制限に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な財・サービスの調達難
⑧国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な取引や商談機会の制約
⑨国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請に伴う、自らの財・サービスの提供に業務上不可欠な就業者の就業制約
ただし、以下のような場合については、給付要件を満たしていないことになり、支給対象外となります。
事業復活支援金のリーフレットより引用
• 売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合
• 要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成り又は事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合 等
今回支給対象とされているいずれかの影響を受けた事業においても、その裏付けとなる書類(※)の追加提出を求める場合があります。
※書類の具体例:自治体等の要請文、他者がコロナ禍を理由として休業・時短営業等を行ったことが分かる公表文、自らの事業との関連性を示す書類(店舗写真等) 等
ポイント2:売上高について
ポイント1で解説した、新型コロナウイルスの影響を受け、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上又は30%以上50%未満減少した事業者が対象となります。
給付額について
給付額については、以下の算出方法となります。
(※1)基準期間:「2018年11月~2019年3月」、「2019年11月~2020年3月」、「2020年11月~2021年3月」のいずれかの期間
(対象月を判断するため、売上高の比較に用いた月(基準月)を含む期間であること)
(※2)対象月:2021年11月~2022年3月のいずれかの月
(基準期間の同月と比較して売上が50%以上又は30%以上50%未満減少した月であること)
給付上限額
給付上限額は以下の表のとおりになります。
売上高減少率 | 個人事業者 | 法人 | ||
---|---|---|---|---|
年間売上高1億円以下 | 年間売上高1億円超~5億円 | 年間売上高5億円超 | ||
▲50%以上 | 50万円 | 100万円 | 150万円 | 250万円 |
▲30%以上~50%未満 | 30万円 | 60万円 | 90万円 | 150万円 |
※売上高については、基準月(2018年11月~2021年3月の間で売上高の比較に用いた月)を含む事業年度の年間売上高
申請フローについて
給付要件を満たす事業者については、以下のSTEPにて申請までの手続きが進められます。
過去に一時支援金または月次支援金を受給している場合は、事業復活支援金の申請を行う際に、原則として改めて事前確認を受ける必要はありません。
STEP1:アカウントの申請・登録
事業復活支援金では、申請前に登録確認機関から事前確認を受けることが必要になります。
事前確認を受ける際には、事業復活支援金事務局が設置する予定のWEBページにて発行される「申請ID」を登録確認機関に伝えることが必要なため、あらかじめ申請IDを作成する必要があります。
また、一時支援金又は月次支援金の既受給者は、作成済のアカウントを活用可能となる予定です。
(オンラインでの申請が困難な方は、申請サポート会場の設置を予定しています。)
STEP2:必要書類の準備
事業復活支援金のリーフレットより引用
「事前確認」や「申請」に必要な書類を準備します。
書類 | 一時支援金・月次支援金既受給者(※2) | 一時・月次未受給かつ登録確認機関と継続支援関係あり | 一時・月次未受給かつ登録確認機関と継続支援関係なし |
---|---|---|---|
確定申告書 | 〇 | 〇 | 〇 |
対象月の売上台帳等 | 〇 | 〇 | 〇 |
履歴事項全部証明書(法人)、本人確認書類(個人) | 〇 | 〇 | 〇 |
通帳(振込先が確認できるページ) | 〇 | 〇 | 〇 |
宣誓・同意書 | 〇 | 〇 | 〇 |
基準月の売上台帳等 | ― | ― | 〇 |
基準月の売上に係る1取引分の請求書・領収書等(※3) | ― | ― | 〇 |
基準月の売上に係る通帳等(取引が確認できるページ)※3 | ― | ― | 〇 |
(※1)上記は主な書類であり、特例を用いる場合など、別途必要書類がある場合があります。また、審査時に給付要件を満たさないおそれがある場合には、他の書類(例えば、事業を行っていることが分かる書類や、新型コロナウイルス感染症影響の裏付けとなる書類など)の提出も求める可能性があります。
(※2)一時支援金・月次支援金の既受給者は、受給時の入力データを活用することができます。
(※3)事業において通帳等を全く用いていない場合など、合理的な理由により提出ができない場合に限り、理由書(様式を提示予定)を提出することで代替することができます。
提出が必要となる確定申告書
2019年(度)、2020年(度)(※1)及び選択する基準期間(※2)を全て含む確定申告書が必要です。
(※1) 11月が決算月の法人は、上記事業年度を1カ年遡った年度
(※2) 基準期間は、①2018年11月~2019年3月、②2019年11月~2020年3月、③2020年11月~2021年3月のうち、基準月を含む期間
事業復活支援金の概要についてより引用
STEP3:登録確認機関の検索及び事前予約
STEP4の「事前確認」を依頼する登録確認機関を検索し(検索一覧は準備中)、依頼先を決めた後、その登録確認機関にメール又は電話で事前確認の依頼を行います。
同機関から事前確認することの了承を得た場合、事前確認を行う日程、方法(※)等を相談の上、予約します。
(※)テレビ会議システム、対面、(継続支援関係がある場合は)電話
過去に一時支援金または月次支援金を受給している場合は、事業復活支援金の申請を行う際に、原則として改めて事前確認を受ける必要はありません。STEP5から始めることができます。
STEP4:事前確認の実施
申請前に登録確認機関から「事業を実施しているか」、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けているか」、「給付対象等を正しく理解しているか」などの事前確認を受けることが目的になります。
過去に一時支援金または月次支援金を受給している場合は、事業復活支援金の申請を行う際に、原則として改めて事前確認を受ける必要はありません。
事前確認の主な内容
-
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① 「申請ID」、「電話番号」、「法人番号及び法人名(法人の場合)」、「氏名及び生年月日(個人事業者等の場合)」の確認
② 「継続支援関係」の有無の確認
③ 「実施方法」、「確認の種別(一部確認・全部確認)」、「事前確認の対価(報酬)」の確認
④ 本人確認
⑤ 「確定申告書の控え」、「帳簿書類」、「通帳」の有無の確認
→上記の書類が存在しない場合、その理由について確認
⑥ 「帳簿書類」及び「通帳」のサンプルチェック
→ 基準月及び登録確認機関が任意に選んだ年月における取引の確認
⑦ コロナの影響による売上減少について聴取及び該当項目の確認
⑧ 宣誓・同意事項等を正しく理解しているかについて口頭で確認
⑨ 登録確認機関が事前確認通知番号※3を発行
(発行後、申請者はマイページより申請可能に)
→ 事前確認通知番号は申請者が申請に用いることはありません。
継続支援関係の場合、④~⑥は省略可能になります。⑦も登録確認機関が既に把握済であれば省略が可能です。
事業復活支援金の登録確認機関と「継続支援関係」について
登録確認機関と申請希望者が以下の「継続支援関係」にある場合は、事前確認を一部簡略化することができます。
継続支援関係にない場合(一時支援金・月次支援金の既受給者を除く)は、事前確認を行うとともに、申請時に、一部追加的に提出する書類(※)があります。
(※)主な必要書類の項目を参照
事業復活支援金の概要についてより引用
STEP5:申請
事業復活支援金特設Webページのマイページにアクセスして、必要事項を入力するとともに、必要書類を添付して、申請を行います。
今後のスケジュール
現時点で公表されているスケジュールは以下のとおりとなります。
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1月18日
●概要資料の公表
●申請を検討している方等からの給付対象及び保存書類等に関する質問の募集開始
●事務局コールセンター 開設
●事務局ウェブサイト 開設
●事前確認スキームの詳細の公表
●登録確認機関の登録受付の開始(4月15日まで)1月24日
●事業復活支援金の制度詳細(申請要領、給付規程等)の公表1月27日
●事業復活支援金の事前確認の受付開始(5月26日まで)
●申請アカウントの登録受付開始1月31日
●通常申請の受付開始※15時以降(5月31日まで)2月1日
●申請サポート受付開設(全都道府県・64会場)2月18日
●特例申請受付開始(5月31日まで)
また事業復活支援金の特例申請についての詳細はこちらの記事よりご確認ください。
お問い合わせ
事業復活支援金事務局 ホームページ
URL:https://jigyou-fukkatsu.go.jp/
事業復活支援金事務局 相談窓口
【申請者専用】
TEL:0120-789-140
IP電話等からのお問い合わせ先:03-6834-7593(通話料がかかります)
【登録確認機関専用】
TEL:0120-886-140
IP電話等からのお問い合わせ先:03-4335-7475(通話料がかかります)
※いずれの相談窓口も受付時間は、8時30分~19時00分(土日、祝日含む全日対応)
(最新の受付時間は、事業復活支援金事務局ホームページをご確認ください。)
※携帯電話からでもフリーダイヤルにお電話していただくことができます。
※お問い合わせの際は、電話番号をよくお確かめのうえ、お掛け間違いのないようにお願い申し上げます。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの事業者が日々の経営に影響が及んでしまっているかと思われます。今回新たに設置された事業復活支援金をうまく活用していただき、事業の継続と成長を続けていかれることを切に願います。
ただし、申請後から給付に至るまでは、事務局側においても少しでも早く給付できるような審査体制の確保を目指してはいるものの、申請件数や書類不備などの対応に追われ、給付までに時間がかかることが予想されます。
まずは提出書類の不足や記入漏れなどの不備がないことを確認し、申請を行うようにしましょう。
また、他からの資金調達なども視野にいれ、今後の経営を検討していきましょう。
※本記事は2022年1月18日時点で公表された概要をもとに作成しています。最新の情報については、事業復活支援金HPよりご確認ください。
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