J-GoodTech(ジェグテック)とは?概要などを詳しく解説!
J-GoodTech(ジェグテック)は無料で使えるビジネスマッチングサイト
自社の商品・サービス、技術を国内の大手企業や海外企業にアピールして、ビジネスチャンスを掴みたい時におすすめしたいのが、「J-GoodTech(ジェグテック)」です。
J-GoodTech(ジェグテック)は無料で使えるビジネスマッチングサイトで、登録している企業同士で情報交換やマッチングができます。
そんなJ-GoodTech(ジェグテック)はどのようなサービスなのか、概要やメリット、マッチング事例、申し込み方法などについて解説します。
J-GoodTech(ジェグテック)に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
J-GoodTech(ジェグテック)とは
J-GoodTech(ジェグテック)は、日本の中小企業と大手企業や海外企業とつながることを目的にしたビジネスマッチングサイトです。
このサイトは独立行政法人中小企業基盤整備機構によって運営されています。まずは、現状の会員数や登録している企業について紹介します。
現在の会員企業数
2024年4月時点の会員数は以下のとおりです。
中小企業 | 約26,000社 |
大手企業 | 約1,000社 |
海外企業 | 約8,000社 |
合計で約35,000社以上の企業が登録しており、業種も様々です。
登録されている中小企業は、優秀な技術・サービスを持つ企業や1,000社程の支援機関から推薦された企業となっています。
また、海外企業は海外政府機関などから推奨される優良企業です。
そのため、J-GoodTech(ジェグテック)を利用すれば、数多くの優良企業とつながることができます。
現在登録している企業を紹介
J-GoodTech(ジェグテック)に登録している大手企業は多岐にわたります。どのような企業が参加しているのか、一例をご紹介します。
建築 | 旭化成ホームズ株式会社 エクシオングループ株式会社 株式会社大林組 など |
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食品 | イオンアグリ創造株式会社 一正蒲鉾株式会社 キッコーマン株式会社 など |
繊維・紙 | クラボウ スタイレム瀧定大阪株式会社 東洋紡株式会社 など |
化学 | アステラス製薬株式会社 花王株式会社 artience株式会社 など |
石油・窯業 | 出光興産株式会社 株式会社INPEX 宇部マテリアルズ株式会社 など |
鉄鋼・金属 | 岡部株式会社 株式会社栗本鐵工所 株式会社神戸製鋼所 など |
機械 | 株式会社IHI イーグル工業株式会社 リンナイ株式会社 など |
電子機器 | シャープ株式会社 東芝株式会社 ソニー株式会社 など |
輸送用機器 | トヨタ自動車株式会社 日産自動車株式会社 マツダ株式会社 など |
精密・諸工業 | 株式会社アシックス オリンパス株式会社 株式会社MTG など |
商業 | 伊藤忠エネクス株式会社 株式会社パルコ 株式会社東急ハンズ など |
運輸・倉庫 | ヤマトホールディングス株式会社 佐川急便株式会社 東日本旅客鉄道株式会社 など |
情報・通信 | 株式会社NTTドコモ KDDI株式会社 ソフトバンク株式会社 など |
電力・ガス | 東京電力ホールディングス 東京ガス株式会社 関西電力株式会社 など |
サービス | 株式会社西日本新聞社 株式会社船井総合研究所 マックスバリュ関東株式会社 など |
その他業種 | 三菱地所株式会社 住友生命保険相互会社 独立行政法人都市再生機構 など |
いずれの企業も中小企業との連携や取引への関心を強く持ち、積極的にWin-Winな関係を築きたいと考えています。
J-GoodTech(ジェグテック)に登録してできること
J-GoodTech(ジェグテック)に登録することで具体的にできることを挙げていきます。
ビジネスパートナー探し
J-GoodTech(ジェグテック)には、登録している企業の製品・サービス・技術などの情報を検索できる機能があります。
それを活用し、自社の事業と親和性のあるビジネスパートナーを効率よく探すことが可能です。
例えば、業務繁多によって自社のみでは対応しきれない状態であれば、同業種の知見や技術を持つ企業を見つけて協力関係を結ぶことができ、事業の効率化を図ることができます。
他にも自社製品の製造のために原料の調達に協力してくれる企業や、お互いの技術・知識を活用して共同開発が可能な企業などを探すことが可能です。
企業間のコミュニケーション
登録している企業同士でコミュニケーションを取ることが可能です。オープン型のコミュニケーション機能があり、そこで新規取引や提携などの情報交換ができます。
また、海外企業とコミュニケーションを取りたい時は、中小機構のコーディネーターのサポートが受けられます。
そのため、海外企業とどのようにコミュニケーションを取ればいいのか悩んでいる企業も安心です。
他にも会員を対象に開催される大手企業との商談会やイベント情報も入手でき、そこから他の企業とつながるきっかけを得ることが可能です。
手掛けている技術やサービスの発信
自社が保有する技術や手掛けている事業・サービスを発信することで、様々な企業からコンタクトを得られます。
登録するとMYページを開設でき、テキストや動画などを活用して自社の特色を紹介することが可能です。
また、初回開設に限り、中小機構が無料で英訳ページを作成してくれます。海外企業にも自社の特色を的確にアピールできるでしょう。
情報ボードから登録している企業が公開するニーズ情報を閲覧でき、その情報に対して提案をすることも可能です。
J-GoodTech(ジェグテック)を利用するメリットとは?
中小企業がJ-GoodTech(ジェグテック)を利用することには、様々なメリットがあるのでご紹介します。
自社の強みをアピールしやすい
登録している企業に向けて、自社の強みをアピールしやすいことがメリットです。
優れた製品・サービス、技術を有していても、それを上手くアピールできず、ビジネスチャンスを逃しているケースは少なくありません。
しかし、J-GoodTech(ジェグテック)には、取引や提携を前向きに考えている企業が多数参加しています。
MYページから自社が手掛ける事業や技術などを積極的に発信できるため、ビジネスパートナーになり得る企業と出会える確率が上がります。
アドバイザーによるサポートを受けられる
企業間のマッチングはアドバイザーがサポートしてくれます。
アドバイザーは国内取引や海外取引を熟知しているプロなので、マッチングにつなげるためのあらゆる悩みを相談することが可能です。
例えば、MYページでの効果的な記載方法やマッチングを実現するための提案などのサポートを受けられます。
特に海外取引はより専門的な知見が求められます。海外に向けて製品の販売や事業提携などの海外展開するためのサポートも無料で受けられるのは大きなメリットです。
豊富な実績を有している
J-GoodTech(ジェグテック)では、年間1万件のビジネスマッチングが行われている実績があります。
この実績から、多くの企業が盛んにマッチングしていることがわかるでしょう。
アドバイザーがマッチングをサポートしてくれる点も、マッチングの成功率の高さにつながっていると考えられます。
積極的にビジネスマッチングが行われているので、売上の拡大・新市場への進出・新製品の開発・新たな取引先の開拓など、それぞれの企業が抱える課題を解消できる可能性が高いです。
無料で利用できる
J-GoodTech(ジェグテック)では、登録からサービスの利用まですべて無料となっているのも大きなメリットです。
本来、取引先やビジネスパートナーの開拓は自ら営業活動を行う必要があり、その際に営業コストが生じます。
しかし、J-GoodTech(ジェグテック)は営業コストをかけずに、企業が伝えたい情報を全世界に発信やビジネスに関する幅広い情報の収集が可能です。
商談が成約した際などの成功報酬の支払いも発生しないので、安心して利用できます。
マッチングの成功事例4選
J-GoodTech(ジェグテック)を通じて優良企業とマッチングした企業は多岐にわたります。
ここでどのような企業がマッチングに成功しているのか、事例を4つご紹介します。
1.新分野進出で成功した事例
J-GoodTech(ジェグテック)でのマッチングを通じて、新分野進出に成功した企業はいくつもあります。
例えば、プラスチック製品の企画・製造・販売を手掛ける大和化学工業株式会社は、大手非鉄金属メーカーE社とマッチングしました。
E社は超高性能特殊樹脂の加工ができる企業をニーズ機能で探していました。
そこで顧客の様々な要望に対応できる技術力を持つ大和化学工業株式会社が、自社の強みを活かした提案を行います。
その後、E社からの試作依頼での対応から求める加工能力があることが証明され、大和化学工業株式会社はニーズに対応するために超高性能特殊樹脂専用のラインを立ち上げて共同開発を始めました。
2.既存の分野で新規顧客の獲得に成功した事例
J-GoodTech(ジェグテック)を通じて、既存の分野で新規顧客の獲得した企業もあります。
金属異物除去装置メーカーのダイカテック株式会社は、化学薬品や樹脂の製造販売を手掛ける大手A社とマッチングに成功しています。
ダイカテック株式会社は、J-GoodTech(ジェグテック)内でパンフレットやPR動画を掲載し、積極的に自社の強みや技術をアピールしていました。
一方、A社は固体中に含まれる金属異物の検出や除去する装置を求めており、ダイカテック株式会社の掲載情報を見て、コンタクトを取ります。
マッチング後、ダイカテック株式会社はデモ機や確認試験などを実施した上でA社が求める機能が搭載された装置を製造し、A社に納入しました。
3.伝統産業と大企業のマッチングが成功した事例
伝統産業と大企業がマッチングし、新たなビジネスチャンスを掴んだ事例もあります。
江戸末期に創業した和紙メーカーの山伝製紙株式会社は、食品メーカーのH社とのマッチングに成功しています。
山伝製紙株式会社では、販路や取引先拡大の課題を抱えており、新しい取引先との出会いに期待してJ-GoodTech(ジェグテック)に登録しました。
すると、H社からウコンを使った製品の製造過程で生じる絞りかすを利用し、名刺に使う和紙を製造してほしいという依頼の連絡が来ました。
山伝製紙株式会社にとって今までにないチャレンジとなりますが、試行錯誤の末、H社の担当者が満足する色味や品質の和紙を完成させています。
大企業に技術を認められたことをきっかけに食品残渣から和紙を作る技術を発信し、新たなビジネスチャンスにつなげました。
4.ニーズを的確に掴み海外企業との技術提携に成功した事例
J-GoodTech(ジェグテック)を活用している中小企業の中には、海外企業と技術提携に至った企業もあります。
自動車部品の試作品や量産用金型などを製造しているユーアイ精機株式会社は、元々取引があった顧客がタイに進出し、その際に現地調達の支援を行っていました。
その経験もあってタイに進出を決め、工場を設けました。
せっかくならパートナーを探そうと考え、J-GoodTech(ジェグテック)のニーズ機能を活用しています。
そこでプレス部品メーカーのB社とマッチングし、技術提携することになりました。
知財権に気を付けながらも包み隠さずに情報を積極的に開示することで、お互いに良い印象を持ち、良い結果につながったそうです。
J-GoodTech(ジェグテック)の申し込み方法
J-GoodTech(ジェグテック)を利用するためには、事前に登録が必要です。ここで、会社の規模ごとにJ-GoodTech(ジェグテック)に申し込む方法をご紹介します。
中小企業の場合
・対象企業
J-GoodTechが募集している中小企業は、事業展開やマーケット開拓、事業連携など事業拡大の意欲を持つ企業です。
また、以下の条件に該当する企業・業種が登録できます。
製造業 | 製造業、または情報サービス業としての固有の技術を保有する中小企業 (製造企画関連・ソフトウェア関連を含む) |
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流通業 | 生産財・消費財を扱う卸売業、専門商社 |
サービス業・建設業など | 対事業所向けサービスを営む企業で、主にモノを対象にしたサービス(貨物運送、倉庫・保管、据付・修理・保全など)、および情報を対象にしたサービス業(情報処理・販売促進・広告など)、建築業など |
対事業所向けサービスを営む企業で、主にモノを対象にしたサービス(貨物運送、倉庫・保管、据付・修理・保全など)、および情報を対象にしたサービス業(情報処理・販売促進・広告など)、建築業など
一般消費者向けの取引や金融、保険、賃貸、人材派遣、コンサルティングなどの業種は対象外なので注意してください。
・申し込み方法と流れ
本申請フォームにて法人情報や担当者情報などを入力し、送信すると中小機構が審査を行います。
審査が終わるとメールで採択通知が届き、さらにJ-GoodTechのアカウント登録の連絡メールが届く流れとなっています。
審査から連絡メールが届くまでの期間は、約2週間程度です。
また、申請フォームで入力する項目は多く、入力作業に時間がかかる可能性があります。
一時保存機能があるので、作業の一時中断ができ、空いた時間に入力を再開することが可能です。
大手企業の場合
・対象企業
大手パートナー企業として原則法人単位で会員登録ができ、法人ごとに複数のアカウントの発行が可能です。
登録対象となる大手企業の条件は以下のとおりです。
-
- 大手・中堅企業、商社、流通企業など
- その他、通称機構が認める企業、団体(独立行政法人など)
また、J-GoodTechの趣旨に賛同して、サイトの活用や会員登録を促進する、反社会的勢力ではないことなど、各種の要件に同意できることも登録条件となっています。
・申し込み方法と流れ
大手パートナー企業登録申請フォームにて必要事項を入力して送信すると、中小機構が申請内容を確認します。
入力情報などに不明な点があると別途連絡があるので、その際は対応してください。
確認が完了すると、J-GoodTechのアカウント登録に関する連絡メールが届くので確認しましょう。
支援機関の場合
中小企業にJ-GoodTechを活用してもらえるように、それを促進してくれる地域支援機構を募集しています。
登録することで、支援先企業への支援ツールとして活用することが可能です。
支援機関の場合、支援機関登録申請フォームから申し込みができます。必要事項を入力して送信したら、アカウント登録の連絡メールが届くまで待ちましょう。
まとめ・自社の成長を目指すならJ-GoodTech(ジェグテック)の利用を前向きに検討しよう
中小機構が運営するサービスであり、国内外の優良な企業が登録しているので、安心して利用することが可能です。
無料でサービスを利用でき、積極的に国内外の企業に製品・サービス、技術をアピールし、ビジネスチャンスへとつなげることが可能です。
売上や販路の拡大、新事業への参入、海外進出とあらゆる課題の解決に活用できるので、ぜひJ-GoodTechへの登録を検討してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)