XのGrokとは?ChatGPTを超えた?特徴や違いを解説
X(旧Twitter)のGrokとは?無料で使える?日本語でも使える?使い方・活用事例・方法は?
X(旧Twitter)を日常的に使っている人は、突如として現れた「Grok」の機能に戸惑われた方もいるでしょう。GrokはChatGPTのような生成AIで、質問を投げると、それに合わせた回答をしてくれます。すでに試してみた方もいるかもしれません。
本記事では、X(旧Twitter)上で利用できる新たな生成AI「Grok」とは何か、「Grok」の使い方などとあわせてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
X(旧Twitter)のGrok(グロック)とは?運営会社は?いつから使える?
2023年7月、イーロン・マスク氏は新たなAI企業「xAI社」を設立しました。xAI社の目標は、宇宙の理解を目的とした優れたAGI(汎用人工知能)を構築することです。同社が開発・公開している対話型AIがGrokです。
Grokは2023年11月に公開されて以来、X(旧Twitter)を介したリアルタイム情報へのアクセスやオープンソース化などで注目を集めています。xAI社によると、Grokは「あらゆる質問に答えること」を目的としており、一般的な対話型AIが回避するような、道徳や社会に反する質問にも回答する点が特徴です。また、他の対話型AIよりも人間味のあるユーモアな回答が得意で、時には反抗的な態度をとることもあると公式サイトで紹介されています。
2024年3月、xAI社はGrokの新しいモデル「Grok-1.5」を発表しました。さらに、わずか2週間後にはマルチモーダル版である「Grok-1.5V」を発表し、テキストプロンプトに加えて、図表や写真、空間情報などを処理できるようになりました。
その後、2024年8月には「Grok-2」を、2025年2月18日(日本時間)には「Grok-3」をリリースしており、日々アップデートが繰り返されています。
Grok-3は最大100万トークンのコンテキストウィンドウを備え、長文の分析・要約・情報抽出タスクにも適しているとのことです。このコンテキストウィンドウの大きさは、Googleが開発した「Gemini 2.5 pro」と同等です。
xAI社は現在、Grok-3を無料公開しており、ユーザー層を拡大しています。
後継モデルとなる「Grok-3.5」は現在開発中で、イーロン・マスク氏は「Grok-3.5はまもなく登場する。Grok-4は今年の後半にリリース予定。」とXで発信しています。
イーロン・マスク氏率いるxAI社のGrokは、革新的な機能と高い目標を掲げ、AI業界に新たな風を吹き込もうとしています。今後のGrokの進化と、xAI社の取り組みに注目が集まっています。
Grok(グロック)の特徴は?
Grokの特徴としては以下の3つが挙げられます。
リアルタイム情報へのアクセス
Grokは、X(旧Twitter)を通じて、最新のニュースや話題をリアルタイムで取り込むことができます。これにより、ユーザーは常に最新の情報を得ることができ、より的確な対話が可能になります。
ユーモアのある自然な回答
Grokには、「ユーモアモード」と「標準モード」の2つの動作モードが用意されています。「標準モード」では、通常の対話型AIとして機能し、情報提供や問題解決に重点を置きます。一方、「ユーモアモード」では、よりジョークや皮肉を交えた対話が可能で、ユーザーを楽しませることができます。この2つのモードを切り替えることで、ユーザーは目的や好みに合わせて最適なコミュニケーションを選択できます。
Xとの統合・SNS特化
GrokはX内での投稿作成やトレンド調査、画像解析(OCR含む)など、SNS活用に特化しています。
ChatGPTはより汎用的なAIで、ビジネス文書やコーディングなど幅広い用途に強みがあります。
画面分割機能
他にもGrokの特徴の1つとして、画面分割機能があります。この機能により、ユーザーは複数のチャットを同時に進行させることができます。例えば、プログラミングの場面では、異なる言語のコードを並行して表示し、比較検討することが可能です。これにより、言語間の違いを素早く把握し、最適なコードを選択する際の意思決定を円滑に行えます。
また、この機能は、コンテキストの切り替えに伴う時間のロスを最小限に抑えることができます。通常、複数のタスクを同時に処理する際には、それぞれのコンテキストを行き来する必要があり、集中力が分散してしまいがちです。しかし、Grokの画面分割機能を活用することで、関連するタスクを1つの画面に集約し、シームレスに作業を進めることができます。
GrokとChatGPTの違いは?
-
- ChatGPTよりも最新の情報を提供することができる
- ユーモラスな言い方、伝え方で回答してくれる
- プログラミング能力はGPT-4oよりも優れている
Grok AIとChatGPTはどちらも高度な言語モデルですが、いくつかの顕著な違いがあります。
項目 | Grok(X連携AI) | ChatGPT(OpenAI) |
---|---|---|
リアルタイム性 | Xの投稿・トレンドを即時反映 | 基本は学習データベース |
会話性 | ユーモア・皮肉・カジュアル | 丁寧・中立・適応型 |
SNS活用 | Xに特化、トレンド調査や投稿支援 | SNS連携は限定的 |
コーディング・汎用性 | プログラミングも対応、SNS特化 | コーディング・文章生成・学習等幅広い |
画像生成・解析 | OCR・画像解析(Grok-1.5V以降) | DALL-E等で画像生成(Pro) |
利用条件 | Xプレミアム/プレミアムプラス限定 | 無料・有料(Web/アプリ/API) |
最新バージョン | 2025年5月時点で「Grok 3」 | GPT-4o、GPT-4 Turboなど |
その他、データソースの面では、ChatGPTはOpenAIによって開発され、インターネット上のある時点までの公開データセット(ウェブページ、書籍、その他のテキストソース)でトレーニングされているのに対し、Grok AIはElon Muskによって設立されたxAIによって開発されており、Xプラットフォーム(旧Twitter)からのリアルタイムデータを含む独自のデータセットを使用しています。
これにより、Grokは特に最新のトピックやトレンドについて、ChatGPTよりも最新の情報を提供することができます。
コミュニケーションスタイルの面では、ChatGPTは直接的で情報提供に優れた応答をすることで知られており、さまざまなプロンプトに柔軟に適応しますが個性は控えめです。
一方、Grok AIは機知に富みつつユーモアさも持ち合わせており、やり取りをより魅力的で面白くします。
特別な機能としては、ChatGPTはGPT-4o(ビジョン機能)、DALL-Eによる画像生成、プラグインやカスタムGPTなど、追加の機能を提供しています。
一方、Grok AIはリアルタイムデータアクセスに焦点を当て、Xプラットフォームからのフィードバックを統合することで、最新情報を提供しながら会話に独特のひねりを加えています。
また、DeepSearchモードでWebを繰り返し検索し、最新情報を提供可能です。そして、Thinkモードでは、回答に時間をかけることで、より深みのある応答を生成しています。
(出典:xAI)
Grok 3は、特に数学(MATH)と科学(GPQA:84.6%)でGPT-4oを上回る一方、プログラミング(HumanEval)や一般能力(MMLU)ではGPT-4oとほぼ互角またはわずかに劣っているのが現状です。
Grok(グロック)は無料で使える?有料?料金プランは?
Grokは無料でも利用できますが、有料プラン(Super Grok)を契約することで、より多くの機能を利用でき制限も開放されます。
「Super Grok」プランは、1ヶ月で30$、1年プランで300$で利用できます。
Grok | Super Grok |
---|---|
Grok 3 モデル | より多くのGrok 3 100クエリ/2h |
オーロラ画像モデル | さらに多くのオーロラ画像 100画像/2h |
コンテキストメモリ | さらに優れたメモリ 128Kコンテキストウィンドウ |
Thinkingへのアクセス制限 | Thinkingへの拡張アクセス 30クエリ/2h |
DeepSearchへのアクセス制限 | DeepSearch への拡張アクセス 30クエリ/2h |
DeeperSearchへのアクセス制限 | DeeperSearchへのアクセスを拡張 10クエリ/2h |
また、Xの「プレミアム」プラン、「プレミアムプラス」プランのどちらかに契約すれば利用できます。
Xプラン | 月額(年額)料金 | Grok利用可否 |
---|---|---|
ベーシック | 368円(3,916円) | × |
プレミアム | 980円(10,280円) | ○ |
プレミアム+ | 6,080円(60,040円) | ○ |
Grokを初めて利用する方は、無料プランから始め、より多くの機能が使いたいと感じたタイミングで有料プランに移行するといいでしょう。
Grok(グロック)の使い方。実際にGrokを使ってみた
プレミアムプランに加入している筆者が、WebブラウザからGrokを実際に使ってみます。
左のメニューからGrokという箇所をクリックすると、以下の画面になります。
そこで、「Grokに聞く」という表示があるところに、入力してみます。日本語で答えてもらうためには、「日本語で答えて」と入力することをおすすめします。英語で答えることも多々あるようです。
「日本語で答えてください。Grokとは何ですか?」と質問すると、以下の回答が返ってきました。
やや、アメリカンジョーク的なテイストが入っている回答です。やはり、ChatGPTの回答とは一味違っているように感じます。
Grokのビジネス活用アイデア・活用法・活用事例
Grokをビジネス活用する際のアイデア・活用法をご紹介します。
X(旧Twitter)の投稿コンテンツ作成
Grokは、コンテンツ生成の分野で非常に強力なサポートを提供します。新鮮で魅力的なマーケティングコピーやブログ記事を作成する必要がある場合、Grokがサポートします。「コンテンツは王様」と言われるほど重要な役割を担うコンテンツ作成において、Grokは驚くほどの速さと質の高さを兼ね備えています。
特にX(旧Twitter)での投稿作成には威力を発揮します。Grokは、これまでのXでの投稿傾向を分析し、投稿者らしいスタイルを学習します。これにより、ブランドイメージに合致した、一貫性のある投稿を作成することができます。また、Grokは最新のトレンドや話題をリアルタイムで取り込むことができるため、旬な話題を織り交ぜた投稿を提案してくれます。
また、Grokは過去の投稿を活用するアイデアも提供してくれます。数年前のキャンペーン投稿を今の文脈に合わせて書き換えたり、新しい視点で再解釈したりすることで、既存のコンテンツに新たな価値を生み出すことができるのです。
Grokのコンテンツ生成機能を活用することで、あなたのXアカウントをより魅力的なものにすることができます。質の高いコンテンツを一貫して発信し続けることで、フォロワーとのエンゲージメントを高め、あなたのブランド価値を向上させることができるでしょう。
プログラミング
Grokの魅力は、そのプログラミング能力です。例えば、アイデアを言葉で説明するだけで、それを瞬時にコードに変換してくれます。また、コードのレビューや改善点の提案、バグの発見など、常に寄り添ってアドバイスをくれる頼れるメンターのような役割も果たします。
さらに、複数のプログラミング言語に対応しており、あるプログラミング言語で書かれたコードを別の言語に翻訳することも可能です。
コードの最適化も得意分野の一つです。効率性とパフォーマンスを高めるための提案もしてくれます。
複雑なコードの解説や難解なスニペットも、分かりやすく丁寧に説明してくれます。
Grokは確かに強力なツールですが、それでも人間の創造性や判断力に取って代わるものではありません。むしろ、開発者の能力を最大限に引き出し、より創造的で効率的な仕事を可能にする、素晴らしいパートナーと言えるでしょう。
トレンドの調査
Grokがトレンド調査に非常に有効なのは、リアルタイムの情報にアクセスできるからです。GrokはX(Twitterの後継)の投稿をリアルタイムで読み取り、その情報を使ってトレンドを調査することができます。これにより、従来のトレンド調査よりもはるかに迅速かつ頻繁に更新された情報を入手することが可能になります。
例えば、Grokを使えば、特定のキーワードやハッシュタグの使用頻度、地域別の使用傾向、関連するトピックとの関係性など、詳細な分析が可能です。これらの情報は、マーケティング戦略の立案、新商品の開発、顧客ニーズの把握など、ビジネスのさまざまな場面で活用できます。
また、Grokは単にデータを収集するだけでなく、そのトレンドが持つ意味や背景についても解釈し、ユーザーに分かりやすく説明してくれます。これにより、トレンドの表面的な理解にとどまらず、より深い洞察を得ることができます。トレンドからどんなことが読み取れるのか、専門家レベルで解説してもらえるため、実際の業務にも活かしやすいでしょう。
さらに、Grokを使ったトレンド調査は、従来の手法と比べて非常に効率的です。リアルタイムのデータ収集と自動解析により、人手で行う作業を大幅に削減できます。貴重な時間とリソースをコア業務に振り向けることができ、ビジネス全体の生産性向上も期待できます。
以上のように、Grokを活用することで、トレンド調査の精度、速度、効率が飛躍的に向上します。リアルタイムのデータアクセスと高度な分析機能を備えたGrokは、現代のビジネス環境において欠かせないツールとなっています。トレンドの把握と理解は、競争力を維持するための鍵となるため、Grokのようなアドバンテージを積極的に活用することが重要です。
Grokをビジネスに有効活用しましょう
Grokは、イーロン・マスク氏が設立したxAI社が開発した対話型AIで、X(旧Twitter)と連携することで、リアルタイムのトレンドや投稿情報を即時に取得・分析できるのが最大の特徴です。
ChatGPTと同様に自然な対話が可能ですが、Grokはよりユーモアや皮肉を交えたカジュアルな応答スタイルを持っており、SNS上での利用に特化しています。
有料プランもあり、Xの「プレミアム」プラン以上で利用可能で、「Super Grok」では検索回数や画像生成の上限が大幅に拡張されます。
X投稿の自動生成や過去投稿のリライト、トレンド分析、プログラミング補助など活用の幅が広いので、ぜひ活用してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)
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