その業者、商標登録してる?フランチャイズ業者の見分け方!
フランチャイズ加盟を考えている方必見!フランチャイザーのココを見よう
(2015/08/19更新)
コンビニエンスストアを代表として、近年さまざまな分野に拡大しているフランチャイズビジネス。フランチャイザーのノウハウに基づいて独立開業できるので、脱サラの選択肢として検討される方も多いのではないでしょうか。
その一方で、頼りになる業者からちょっと怪しげな業者までさまざまなフランチャイザー(フランチャイズ本部)がいるので、その選び方が重要となってきます。
今回は、フランチャイザーもフランチャイズ加盟を検討している方も必見の、商標登録で見るフランチャイズ業者の選び方をお伝えします。
この記事の目次
フランチャイズビジネスの根幹とは、商標パワーにあり!
そもそも、何でフランチャイズシステムが成り立つのでしょうか。その答えは、商標パワーにあります。商標には、使えば使うほど「信用」が蓄積していきます。その「信用」を得ることができることこそが、フランチャイズ加盟の一番のメリットです。
あなたがドライブしていてお弁当を買いたくなったとして、聞いたこともないようなコンビニエンスストアに入るのは少々不安がありますよね。お弁当がおいしいかなんてわかりませんし、お値段も少々高めかもしれません。
一方、「セブンイレブン」や「ローソン」などのなじみのある店名を見つけたら安心して入っていくのではないでしょうか。お弁当の味や価格など、ここならこのくらいのものが出てくるだろう、期待を裏切らないだろうというように、お店を信用しているからです。
フランチャイズシステムは、ノウハウの提供などももちろん大事ですが、お客様たちの信用が蓄積した商標という「看板」を使う権利が得られるのが何よりの魅力です。なじみのある商標を掲げているからこそ、開業したてのお店でもお客さんが安心して入っていけるのです。
店名を商標登録してない?そんな業者は論外です!
では、フランチャイズシステムにおいて、なぜ商標が重要なのでしょうか。
それは、商標登録していなければ、フランチャイズシステム自体が成り立たないからです。以下、具体的にその意味を説明していきます。
まず、フランチャイザーが店名「○○」を商標登録していなかったとすると、その店名は原則として誰でも使用することができます。
つまり、わざわざ高額なフランチャイズ加盟料を払わなくても、信用の乗っている「○○」という商標を使用することができてしまうわけです。
そうすると、品質コントロールもできないので、その店名の下で質の悪い商品を売り出す第三者なども現れて、「○○」という商標の価値もどんどん下がっていくことでしょう。
また、一番怖いのは、第三者がフランチャイザーと同一・類似の商品・サービスについて店名「○○」と同一又は類似の商標登録を取得してしまった場合です。
こうなるともはやその「○○」商標を使用することは当該第三者の商標権侵害となってしまいます。つまり、商標(店名)の変更が強いられるわけです。
商標(店名)の変更というのは口で言うほど簡単なことではありません。
看板は作り直さなければならないし、飲食店であれば店名が刻印されているお皿から制服からメニュー表から何から作り直さなければならなくなるわけです。これはちょっと考えただけでもかなりの費用がかかるであろうことがわかっていただけると思います。
このような事態になればその責任はフランチャイザー側にあるのが通常だとは思いますが、商標登録さえいい加減に考えていた業者がそれによる損害を賠償してくれるかは現実的に考えて怪しいところです。
したがって、フランチャイザーが店名を商標登録しているか事前チェックするのは、自己防衛のための必須事項と言えます。
フランチャイザーは、どの範囲で商標権を取ればいい?
では、フランチャイザー側としてはどの範囲で商標権を取っておくといいのでしょうか。
必須とも言えるのは、その提供する商品・サービスについてです。
たとえば、レストランのフランチャイズでしたら第43類の「飲食物の提供」が主になるでしょう。これをフランチャイジーにライセンス許諾するわけです。
また、フランチャイズ業務としての指定役務である第35類の経営コンサル関係のサービスについても取得しておく必要があります。
優先順位としては当然前者が先ですが、フランチャイズビジネスを見据えているのであれば後者も早々に取っておくべきでしょう。そうでないと、第三者に先取りされてしまう可能性があります。
まとめ
このように、フランチャイズビジネスには商標登録は必要不可欠です。フランチャイズへの加盟を検討している方としては、フランチャイザーの信頼度を図るバロメーターとして調査してみるのがいいでしょう。
また、フランチャイザーとしては、フランチャイズシステムを成功させるための基本中の基本としていち早く取得しておくべきです。弊所では、フランチャイズビジネスの内容やビジネスの進展度合いに応じて最適な商標戦略を提案するようにしています。
(取材協力:「ベンチャー支援・外国商標・マドプロに強い商標専門事務所」
フルブルーム国際商標事務所 髙橋伸也 弁理士)
(編集:創業手帳編集部)