商標登録なんて必要ないと思ってた…後悔してもしきれない事例3つ

創業手帳

起業の先輩たちの失敗に学んで商標登録について考えよう

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(2015/06/04更新)

商標はよくビジネスの保険と言われます。商標登録も保険も、トラブルに遭遇してはじめてそのありがたみがわかるものだからです。
少なからぬ資金を投入し、情熱と想いを込めた新事業、トラブルで足止めを食らうのは避けたいですよね。

ここでは、先輩起業家の失敗事例を紹介したいと思いますので、同じ失敗をしないよう参考になさってみてください。

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失敗事例1 警告状は突然に…

脱サラしてカフェ経営をはじめたAさん。
はじめは細々と経営し、丁寧な接客サービスと妥協のない高品質なコーヒーの提供を続けていたところ、ある日地元メディアに取り上げられて一躍町の有名店に。

食べログなどの口コミサイトにもいい評価がつきはじめ、このコンセプトで全国展開しようとした矢先…突然内容証明郵便で警告状が送られてきました。

警告状の内容は、Aさんのカフェの店名が別の県にある企業Bが運営しているカフェの商標権を侵害しているというものでした。
おそらく企業BはインターネットでAさんの店の存在を知ったのでしょう。

たしかに企業Bの登録商標と似ているみたいだし、警告状には弁理士や弁護士などのお堅い方々の印鑑も押されており訴訟なんてことになったら怖いので、Aさんは泣く泣く店名を変更したのでした。

【解説】警告状が来たら・・・どうする?

警告状が来てもその内容が正しいとは限らないので、基本的には弁理士や弁護士などに相談してみるのが好ましいでしょう。
弊所も含め、初回相談は無料で行っているところも少なくないので、まずは相談してみましょう。

もちろん、商標登録をしていれば、登録商標は独占的に使えるわけですから、このような事態も避けられたわけです。
企業Bの商標が先に登録されていて自分のお店の名前が商標登録できなかったとしても、有名になる前の段階で店名変更することでダメージを最小限にできたと思われます。

失敗事例2 先に使ってた商標をパクられた!しかも私が侵害者??

実家が経営していた家具屋を継いだCさん。
これまでは地元密着型の経営でしたが、代替わりを機にインターネットに詳しいという強みを生かしてネット販売を始めました。

実際に見てみないと商品を選ぶのが難しい家具ですが、Cさんはストーリー性のある商品説明でイメージ戦略に成功し、全国から注文が舞い込むようになりました。

事業も軌道に乗ってきたし、そろそろ商標登録をしようかなと知り合いの弁理士に商標出願を依頼したところ、「すでに類似商標がD社により出願されていて登録は難しい」と言われました。

あわてて詳細を見せてもらうと、たしかにCさんのお店の名前を少し変えただけの類似商標が出願されていました。
インターネットで出願人D社を調べてみると、Cさんの店と似たようなコンセプトの家具店を開いているようです。

さらに弁理士は、「この出願が登録されるとCさんが今の店名を使用することはできなくなります」と言います。
ウチの真似をしたのはあっちの会社なのに…Cさんは営業資料やウェブ、看板などを店名に関わるものすべてを変えなければならなくなることに愕然としました。

【解説】先取り出願を許すと、自社が使えなくなります

もちろん、こちら側が商標登録していないことに乗じて第三者が先取り出願する場合もありますが、比較的誰もが思いつきやすいような商標だと、たまたま別の企業が同じ商標を先に出願しているような場合もよくあります。

どちらの場合も基本的には早い者勝ちなので、実際には先に使っていてもいきなり使えなくなる可能性があります。

したがって、「この商標でやっていくんだ!」と決めたのであれば、基本的にはその時点で商標出願しておくことをお勧めします。
10年間のビジネスの保険が、1年あたり1万円ちょっとからという費用で手に入るのですから費用対効果はとても大きいと思います。

失敗事例3 軌道に乗るはずだったのに…商標調査を怠って大商談を逃す

起業家人生を賭けた新商材のポテンシャルを信じて毎日営業に励んできた起業家のEさん。そのかいあって、ついに大口の商談がもう一歩でまとまるというところまで来ました。

そこで、お客様から「法務部から確認するように言われているんだけど、これって商標登録してありますよね?」の一言。
商標なんかぜんぜん気にしたことがなかったEさんが調べたところ、すでに同業他社により商標登録されていたことが判明。

「トラブルに巻き込まれるのはイヤだから、今回の話はなかったことに」…商標登録を怠ったがために、大商談を逃してしまいました。

【解説】商標まわりをきちんとしておかないと、取引先にも迷惑をかけます

商標権侵害している商品を購入した小売店が、それを消費者に販売した場合にはその小売店も商標権侵害となります。
よって、流通業にとっては取扱商品が違法なものではないかというのは大きな関心事で、弊所でも相談が寄せられることがあります。

メーカー側としては、原則まず商標調査を行い、登録されていれば商品名の変更を検討し、登録されていなければ商標出願を検討すべきでしょう。
ただし、ごく短期間しか販売しない場合や識別力がない場合など、例外的な場合もありますので、弁理士にご相談いただくのが賢明です。

まとめ

見ていただくとわかるように、商標登録をしていないとさまざまな面で法的リスクやトラブルを抱えることとなります。
逆に言えば、事前にしっかり商標登録をしておくことでそうしたトラブルを回避し、安心して事業運営することができるのです。

まずは、気軽に相談に応じてくれる信頼できる弁理士に相談するところから始めてみましょう。

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(取材協力:「ベンチャー支援・外国商標・マドプロに強い商標専門事務所」
フルブルーム国際商標事務所
 髙橋伸也 弁理士)
(編集:創業手帳編集部)

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