etika 宮村 佳祐 | CRMで急成長!Zoho(ゾーホー)の専門家が活用法を解説

創業手帳
※このインタビュー内容は2023年06月に行われた取材時点のものです。

コスパ優秀なCRMなら「Zoho」!その魅力を徹底深堀


起業や経営で顧客管理は重要です。今ある見込み客を管理するだけでも売上アップが見込め、管理面でも良い効果が期待できます。さらに、ワークフローを組む事で業務の自動化も可能です。

そんなCRMの中でも、業界トップシェアのセールスフォースだと多機能だけど価格的に手が届かないという層向けに、簡単で安いCRMとして成長しているのがZoho(ゾーホー)です。株式会社etika代表取締役でZoho導入の専門家である宮村さんに、Zohoの使い方について詳しくお聞きしました。

宮村 佳祐(みやむらけいすけ)
株式会社etika 代表取締役
1983年生まれ。株式会社イノベーションにてMAツール「リストファインダー」を立ち上げ、一時国内No.1のMAツールに成長させる。2018年に株式会社etikaを設立し、Zoho認定パートナー資格を取得。ZohoCRMのの導入支援サービスを展開中。Zoho認定マーケッター資格を保有。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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CRMは企業と顧客双方に大きなメリットがある

大久保:CRMはなぜ導入したほうが良いのでしょう?また、どんな効果が期待できますか?

宮村:私がCRMを導入した方が良いと思うポイントは、以下のように大きく4つあります。

・業務効率化が実現できる
・お客さまと良好な関係が築ける
・お客さまに関して深く洞察できる
・コストダウンが図れる

CRMを使うと、導入企業だけにメリットがあるわけではなく、お客さま側にもメリットがあります。

「タイミングでもないのにしつこく営業から連絡がくる」
「欲しいものを理解してもらえない、要望と違うものを売りつけてくる」
「営業担当が変わると前の情報が引き継がれていないことがある」

みなさんもこう思った経験、ありますよね。

購買活動においてお客さま側(消費者側)は不満に思うことがあります。このようなことが起きないよう、お客さまと過去の接点を正確に記録すれば、次のアクションに生かしていくことができるため、お互い嬉しいですよね。

だからまとめると、企業の売上構成に欠かすことができないお客さまと強固な関係性を構築できるシステムとも言えますね。

大久保:効果が上がった具体的な事例はありますか?

宮村:某企業さまのCRMの乗せかえ案件ですね。

少数精鋭の企業さまで、マーケティングから商談管理までの煩雑な業務プロセスをできる限り省略化、自動化したいというご要望でした。当初別のCRMを入れていたのですが、複雑で使いこなせず設定に時間がかかる上にコストが高いということで、弊社で別CRMへの切り替え実行をご提案しました。

最初のCRMは導入して一年経っても希望通りの設定が進まなかったのに、弊社で乗せかえをしたところ、1ヶ月半で全ての設定を完了し、さらに運用コストも月額9割削減が実現できました。スピード感、機能、操作性全てにおいてご満足いただいており、私たちも安心しています。

Zohoと他のツールの違いは「機能」と「コスト」


大久保:Zohoやセールスフォースを他のツールと比較した場合、違いは何ですか?

宮村:ではZoho、セールスフォース、Kintoneで比較してみましょう。

よくZohoとセールスフォースの話になるとKintoneも話題にあがるのですが、Zoho&セールスフォースとKintoneは大きく異なります。なぜならKintoneはCRMと言える機能はなく、クラウド化されたExcelだと考えてください。

すでに使っているExcelやAccessをクラウド化したいというだけならKintoneで十分です。しかし、顧客管理や商談管理の業務を効率化させたいなどをお考えであれば不向きです。なぜなら、あくまでExcelなので自分たちで0から、且つ、業務効率化できる状態にしようと構想して構築せねばなりません。実際には非常に難しいでしょう。

Kintoneのようなアプリ構築ツールでは、CRMや販売管理ではなく特定の個別業務のアプリ化を行うのがおすすめです。

次にZoho CRMとセールスフォースはどう違うのか。

ずばり、セールスフォースは大規模でゴリゴリに自社特有のカスタマイズがしたい企業向け、Zoho CRMは中堅中小で柔軟に対応できるシステムを求める企業向けと考えています。

正直、機能面ではセールスフォースができることはだいたいZoho CRMでもできます。
ですので、どうしてもセールスフォースでしか実現できないことをフルカスタマイズで実装したいから費用がかかっても大丈夫という大企業さま以外には、コスト面を鑑みてZoho CRMをご提案することが多いですね。

世界で25万社以上、7,000万人以上のユーザーを誇るZoho

大久保:Zohoとはどんなものですか?

宮村:Zohoとは、Zoho社が提供するクラウドサービスのビジネスアプリケーション全般を指す言葉です。
マーケティング(MA)から顧客管理(CRM)、営業支援(SFA)、カスタマーサポートなど、ビジネスプロセスをカバーするさまざまなツールを提供しています。

中でもZohoはカバーする領域が広く、コストパフォーマンスが良いことが特徴です。弊社では、「コスパ最強CRM」と謳っています。

大久保:Zohoはどんな会社ですか?

宮村:Zohoは日本での知名度はあまり高くないですよね。でも実はグローバルでは非常に有名な企業なのです。

Zohoは全世界で25万社以上、7,000万人以上のユーザーに利用されているトップレベルのシェアを誇っているほどの企業なのです。日本での活動は2001年に日本法人が設立され、現在は横浜や静岡に拠点を置いて20年以上運営しています。

中小企業におすすめのZoho。理由は充実した性能と安さにあり

大久保:Zohoはどんな人に向いていますか?

宮村:業種業態や規模問わず使えますが、特に中堅中小のお客さまへおすすめします。理由は、豊富な機能と拡張性の高さ、そしてコストの安さです。

Zoho CRMは、最大手と言われるセールスフォースと同等の機能を持ち合わせてるといっても過言ではありません。さらに、Zoho独自のアプリや多くの他ツールとの連携も可能なところも魅力です。

中堅中小のお客さまは変化の激しい状況にある中で、変化に応じて対応できる拡張性の高さはうってつけです。コストも安いというところも中堅中小のお客様には大きな魅力ですよね。

大久保:Zohoのメリット・デメリットは何ですか?

宮村:前のお話しとかぶりますが、Zohoのメリットは「CRMを中心としたデータ連携が充実している」と「コストが安い」です。

1点目は、お客さまと良好な関係性を構築できる仕掛けがたくさんあります。たとえば、データ収集・分析ツール(BI)やマーケティング自動化ツール(MA)とのデータ連携はもちろんのこと、CX(顧客体験)を高度化させる各種アプリとデータ連携できます。そのため、どのような業種、業態でも使いやすいです。

2点目は、とにかく安い。機能が豊富にあったり、柔軟に連携できたりするにもかかわらず、他のCRMツールと比較すると約1/3程度の費用で運用できます。機能が充実してて安いって本当にすごいなと思います。

デメリットは、「なんでもできすぎる」。Zohoは独自のアプリも豊富なので、他ツールとの連携もありやろうと思うことは大体できます。それゆえに、思うままあるがまま作ってしまいあとで混乱する、業務効率化と逆行するということはあり得ます。

ですので、一プロセスだけでしか活用しないと決めているなら別ですが、業務効率化を図りたいなら最初の全体設計がすごく重要になるので、プロが介在したほうがおすすめです。

あとは、コストが安い分カスタマーサクセス担当によるオンボーディングがないこともデメリットと言えますかね。ですので、カスタマイズ等が必要な際は認定パートナーに相談することをおすすめします。

大久保:価格はどれくらいですか?

宮村:初期費用なしで1ユーザーから利用が可能です。使いたい機能によって変わりますが、価格帯は1,680円/人から用意されています。

50名規模の会社ですと、月額84,000から、最大でも312,000円。だいたいのお客さまはエンタープライズプランまでで済むことが多いですよ。

導入時のポイント解説!業務の自動化にも対応

大久保:最初に導入するとしたらどんなところから始めると良いですか?また、つまずくポイントと対処法を教えてください。

宮村:まず一つのサービスから使いたいということでしたら、やりやすいのはCRMからですね。今、Excelやスプレッドなどで管理をされていればスムーズに移行できると思いますよ。

つまずくポイントと始める時の注意点は一緒で、業務単体で考えて導入をせずに全体最適をしてから導入しましょうということです。現在の業務あるがままシステムに置き換えてしまうと、業務効率向上どころか生産性が落ちかねません。

今の業務プロセスを整理した上で、最適なプロセスとそれに合わせたシステムの構築、運用という進め方が最善です。

大久保:ワークフローの自動化はできますか?

宮村:できます。
Zohoではワークフローの自動化もできるため、たとえばお問い合わせが入ったら、自動的に担当者を割り振りタスクを生成するということもできます。

また、承認ワークフローも構築でき、社員の方々の業務も軽減しますし、スピーディに承認を回すことができるので、ぜひ使ってほしい機能です。

Googleフォームからの乗り換えも。アプリを最適に組み合わせて業務効率化

大久保:他にどんな使い方がありますか?

宮村:CRMやMA以外にも、お問い合わせ対応やカスタマーサポートの強化、プロジェクト管理なども可能です。最近では、販売管理や業務システムまで含めた構築のご相談が増えています。

あとは、GoogleフォームからZoho Creatorに乗り換えたフォーム構築事例などもあります。
あらゆるチャネルから行っていた業務をZoho CRMのデータベースに集約すること、さらにそこからもう一歩踏み込んで基幹業務にまで展開できるので、Zohoは本当に面白いです。

大久保:他にコツや活用法などがあれば教えてください。

宮村:Zohoは画面もシンプルでわかりやすい構成になっていますし、記事やブログでも専門家がいなくても簡単に導入が可能であると見かけます。実際、ユーザーとして使う際には全くその通りで非常にわかりやすい画面のため、直感的に動作が可能なため、すぐに使い始められます。

しかし、カスタマイズの設定も同様に画面を見てスイスイできるかというとそうではありません。Zoho独自の関数が必要になったり、またやりたいことを実現する上で数多くあるアプリをいかに組み込むか、最適な組み合わせを考えるのも重要です。

Zohoはアプリがたくさんある分、同じことを複数のアプリが実現することができ、どれを選ぶのか判断が難しいところです。ここでは、御社が今後考えていることを踏まえてどう組み合わせていくべきなのか、さらにそれを連携させる設定などはやはりZohoのプロにお任せいただくのが一番です。

多機能&低コストなCRM「Zoho」で一気通貫のDXを

大久保:最後に読者にメッセージをお願いします!

宮村:今までお伝えした通り、Zohoでは、オンラインでのマーケティング施策から営業の商談管理、受注時の営業事務、受注後の業務管理まで一気通貫でDXを進めることができます。

これを低価格で簡単にできるのがZohoの最も大きなメリットではありますが、実際の導入や運用をスムーズに行うためには当社のようなZohoのことを熟知して伴走支援可能なパートナーをうまく利用するのも一手かと思います。

当社では、マーケティングオートメーションやCRMを導入したい、今使っているツールが高額・使いにくいので移行したい、今CRMを利用しているが活用しきれていない、というお客様を中心に、初回無料で現状のヒアリングと適切なツール選定(Zohoに限らず当社が知る範囲で適切なツールを推挙します)や活用アドバイスを行っています。是非お悩みの際は一度ご相談くださいませ!

起業を支援する冊子「創業手帳」では、多くの起業家のインタビューを掲載しています。起業経験者による体験談をご覧いただき、ぜひ今後にお役立てください。
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(取材協力: 株式会社etika 代表取締役 宮村 佳祐
(編集: 創業手帳編集部)



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