業界シェア80%!クラウドサインの電子契約とは
電子契約サービス「クラウドサイン」。機能や安全性、コスト、メリット・デメリットを解説
近年電子契約を導入する企業が増加しています。
紙面による契約書の交付、合意署名はこれまでの主流でしたが、電子契約サービスは今後さらに広がっていくと予想されます。
「クラウドサイン」は電子契約でシェアNo1のサービスで、業界をけん引しています。
「クラウドサイン」はどのような機能を持つか、高いシェアを占める人気の秘密はどこにあるのか、導入のメリット・デメリットをチェックしています。
使いやすく、安全性に問題がなければ、導入を検討してみてください。
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この記事の目次
電子契約とは
電子契約とは、インターネット上で電子ファイルによる契約書を交わし、電子署名を行う契約方法のことです。
電子契約のためにシステムを構築し、サポートを行う電子契約サービスを行う会社も増えてきました。
感染症対策による在宅勤務、リモートワーク化も電子契約の普及に拍車をかけているようです。
電子契約サービスの市場規模は100億円超とも言われており、今後のさらなる拡大も予想されます。
まずは、これまでの契約との違いや電子契約の種類といった、基本的な情報をチェックしておきましょう。
書面契約との違い
これまでの契約の多くは、紙の契約書を使った書面契約でした。書面契約とは、紙の契約書を作成し、そこに印鑑を押して、成立させる契約方法です。
契印・割り印をして改ざん防止を行い、契約相手と自社の双方に1部ずつ作成し、それぞれが社内の書庫などに保管していました。
電子契約では紙の書類のやり取りは一切行いません。やり取りはインターネット通信を通して行い、保管も印刷などは行わずサーバー上で行います。
また、書面契約では金額に応じて必要だった印紙も不要です。
電子契約の種類
電子契約で使われる証明の種類には、電子署名、電子サイン、タイムスタンプがあります。
電子契約で使われる書類はデータなので、紙よりも端末を不正に使用して改ざんした跡が残りません。
そのため、電子署名、電子サイン、タイムスタンプといった複数の証明によって契約を完全なものにしていきます。
まず電子署名は、印鑑の代わりに誰がどんな契約をしたか証明します。
電子認証局が厳格に本人確認を行った証明書を用いて本人であることを証明するもので、非常に効力が強い署名です。
電子サインも本人を証明するものですが、メールで認証を行い、システムのログで本人確認をします。電子署名より簡易的で証拠力は強くありません。
タイムスタンプは、本人証明と内容の証明に加えて、時間の証明を行うものです。第三者機関によっていつ書類が作られたか証明します。
電子契約のメリット・デメリット
電子契約は、これまでの主流である紙の契約とは使うものも仕組みも全く異なります。そのため、メリットやデメリットも電子契約独自のものが出てくるでしょう。
良い面も多い電子契約ですが、使いにくいと感じられることもあります。電子契約のメリットデメリット両面を確認して、導入の判断に生かしてください。
電子契約のメリット
電子契約は、これまで紙の契約書を作成、送付を行ってきた手間やコストを削減できる可能性を持っています。
紙面による契約を続けてきた企業も、こうした電子契約サービスの注目度が高まってきたことで契約の在り方を見直しても良いかもしれません。
契約がスピーディー
電子契約のメリットは、契約のスピードと効率アップ効果です。電子契約にすることで、これまで作成や稟議と押印の手順、発送の手間と時間を削減できます。
電子契約では、パソコンなどの端末からシステムに契約書を作成、アップロードするだけで、そのまま外部の取引先も契約書を確認することが可能です。
担当者から課長、課長から部長への書類の共有と確認といった、社内のプロセスも持ち運ばずに済ませられ、取引先へも書類完成後、すぐに届けられます。
郵送の手間も時間もカットできるので、取引がこれまで以上にスムーズになるでしょう。
コスト削減
電子契約では、これまでの書面の契約とは違い、契約書作成に紙もプリンターも必要なくなります。また、契約書のやり取りに使っていた郵送も必要ありません。
電子契約サービスの利用コストはかかりますが、書類作成や押印の流れにかかっていた人件費も削減できたと考えれば、マイナスになることはないとも考えられます。
また、電子契約では印紙代はかかりません。
これまでの契約書をデータ化し保存することも可能です。すべての書類をデータ化することで、保管場所や管理の手間もなくなり、紛失リスクも減ります。
コンプライアンス強化
電子契約書にすることで、コンプライアンスの強化にも繋がります。
契約や更新のスケジュール、プロセスもオンラインで管理することができるため、契約時のミスやトラブルも防ぐことが可能です。
契約締結の流れは、ステータス管理で滞りなく行われていることを確認できます。締結漏れや更新・解約漏れを防ぎ、取引への悪影響も抑えられるでしょう。
また、電子契約書は閲覧制限やバックアップで守られるので、安全です。
電子契約のデメリット
電子契約は、良い面も多いですが、まだまだ新しいサービスのため使い勝手に戸惑うこともあります。
また、メリットを生かし切れずにコスト高になってしまうこともあるようです。使い始めてから後悔しないために、電子契約のデメリットを把握しておきましょう。
なじみが薄く受け入れられないことがある
電子契約は、新しい契約方法として注目されていますが、まだまだ導入している企業は少ないです。
一般的にはあまり浸透している方法とは言えず、電子契約の仕組みを理解できない人もいます。
そのため新しい契約方法に変えたいと提案しても、取引先の反対によって電子契約を利用できないこともあるでしょう。
認知度の低さは今後の電子契約のシェアの拡大によって、徐々に解消されていく問題ではあります。
しかし、今から始めようとしている企業にとっては取引先の考え方によってデメリットと感じられることがあるかもしれません。
プランによってはコストがかかる
電子契約は電子契約サービスのシステムを利用して行います。そのため、利用コストとして月額費用や契約書作成送信の手数料などがかかります。
無料で行えるサービスも中にはありますが、ビジネスで利用するにはサービス内容が十分ではないため、有料の契約が必要となるでしょう。
電子契約にすることで紙代やプリンター代、送料などは無料になりますが、電子契約サービスにかかるコストとどちらが割安か慎重に判断することが必要です。
クラウドサインとは
クラウドサインとは電子契約サービスの一つです。電子契約利用企業の約80%が使用しており、電子契約業界ではNo1のシェアとなっています。
弁護士ドットコムが運営しているサービスで、様々な機能を持っています。
主な機能
クラウドサインには以下のような機能があります。
契約締結 | たったの数分間で契約を締結。 |
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契約書保管 | セキュアな保管機能で、コンプライアンスの強化。 |
契約書検索 | 契約書名や企業名、日付や金額等、様々な条件での検索。 |
本人確認 | メール認証に加えて、送信者の任意でアクセスコード認証。 |
テンプレート | PDFファイル・宛先等の情報をテンプレートとして保存。書類の送信時に呼び出し。 |
API | 自社システムとの連携。 |
また、セキュリティー面としてはクラウドサインとの通信はSSL/TLSで常に暗号化され、アップロードファイルもAES-GCMによる暗号化で保存されています。
情報セキュリティマネジメントの国際標準規格の認証取得済みです。
使える書類
クラウドサインで作成できる書類は以下のようなものです。取引先など社外との契約書はもちろんのこと車内の申請や稟議で利用することもできます。
-
- 売買基本契約書
- 基本契約書
- 秘密保持契約書
- 申込書
- 発注書/注文書
- 請求書
- 雇用契約書
- 業務委託契約書
データの保存期間
クラウドサインでのデータの保存期間は無期限です。
特に期限は設けられていないためクラウドサインに登録している間は、締結済みの契約書類はいつでも自由にダウンロードが可能です。
ただし、アカウントを完全に削除してしまうと書類データのダウンロードはできなくなります。
クラウドサインを解約する場合にはあらかじめデータをダウンロードして保存しておくことが必要です。
クラウドサインのメリット・デメリット
クラウドサインは電子契約サービスのトップシェアとして充実したサービス内容を展開しています。しかし一部のサービスでは使い勝手が悪いと感じることもあるようです。
クラウドサインの導入を検討している場合にはメリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
クラウドサインのメリット
クラウドサインのメリットは弁護士監修の安心感や無料でも使えるサービスです。
電子契約自体が新しいサービスであるため、安心感とお試しで使える無料プランは特に助かります。
弁護士監修で安心
クラウドサインは弁護士検索法律相談のポータルサイト「弁護士ドットコム」の会社が運営しています。
弁護士ドットコムは日本最大級の法律相談ポータルサイトです。日本の法律に詳しい弁護士監修のもとで運営されているため非常に安心感があります。
無料プランも利用できる
クラウドサインには無料プランと有料プランがあります。無料プランは個人向けですが、月額費用無料・送信件数ごとの費用無料とコストをかけずに利用することが可能です。
法人向けには有料プランがお勧めですが、導入を検討中の企業が試しに使ってみるために無料プランを活用することもできます。
電子署名と認定タイムスタンプを使える
クラウドサインには電子署名とタイムスタンプのサービスがあります。
証明書として法的根拠の強い電子署名が利用でき、さらに時間の証明を行うタイムスタンプを使うことが可能です。
重要な契約を抱えている企業でも安心して使えます。
クラウドサインのデメリット
便利なクラウドサインですが、デメリットもあります。全体としては小さなデメリットにすぎませんが、使ってみて不便に感じることがあるかもしれません。
利用前に必ず確認をして理解した上で導入を検討しましょう。
無料で使えるサービスの規模が小さい
クラウドサインのデメリットは無料で使えるサービスの規模・内容が小さいことです。
基本的に無料プランは個人向けなので、コストがかからないぶんユーザー数は1名まで、送信件数も5件までとなっております。
また使えるサービスも限られた範囲となり、有料で利用できるテンプレート作成やチーム管理、英語での契約締結などのサービスは利用できません。
多数の契約を抱えている企業には無料プランは使い勝手が悪いと言えるでしょう。
確認依頼メールのタイトルを変更できない
クラウドサインで作成する確認依頼メールのタイトルは変更できません。プロフィールに書かれた内容がそのまま反映され定型文として送られます。
そのため、確認依頼メールのタイトルを変更したい場合にはプロフィール情報を修正することが必要です。
クラウドサインの操作方法
クラウドサインを利用するにあたっては、送信者受信者ともにパソコンもしくはタブレットなどでの操作が必要です。
操作手順に心配がある場合には、以下で操作方法を確認してください。基本的には契約書の受信者側は簡単な操作で契約書を確認署名することができます。
また受信者はクラウドサインに登録していなくても契約の締結は可能です。
送信者側
- 【クラウドサインの契約者集まり送信者側に必要な操作の流れは以下の通りです。】
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- 書類のアップロード
- 宛先の設定
- 入力項目の設定
- 送信内容の確認
クラウドサインで契約書類を送付し、受信者に確認・同意をもらいます。手順は自分のアカウントにアップロードし、確認依頼メールを送信するだけです。
受信者側
クラウドサインでの受信者側の手順は送信者よりも簡単です。確認依頼メールを受信したらメールに記載されているリンクをクリックし書類の内容を確認します。
書類のURLは有効期限があるので、有効期限内に確認してください。有効期限が過ぎると、送信者に再送してもらわなければなりません。
送信者側もあらかじめ有効期限があることを受信者に対して伝えることが必要です。
まとめ
クラウドサインは、電子契約サービスのひとつであり、シェアの高いメジャーなサービスです。
便利に使える機能やセキュリティ面の充実していることで、ビジネスの効率化と安全性が両立でき、今後の電子契約サービスの利用拡大とともに需要の高まりが予想されます。
紙面による契約よりも利便性が高くよりスムーズな取引が期待できるため、電子契約への転換を検討してみることをおすすめします。
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(編集:創業手帳編集部)