コロナ融資の返済はどうする?対処法を紹介します!

創業手帳

利用できるサポートを知って、コロナ融資の返済計画を立てよう


新型コロナウイルス感染症によって、影響を受けた事業者は少なくありません。
苦境に立たされる中で、民間金融機関や政府系金融機関などによるコロナ融資は資金難に悩む多くの事業者の助けになりました。

感染症拡大が続く中ではあるものの、コロナ融資で借り入れた資金の返済のタイミングがスタートしています。
コロナ融資を取り巻く環境や利用できるサポート、返済が困難な場合の対策を下記にまとめました。

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コロナ関連融資制度とは?


新型コロナウイルス感染症は、社会や経済に大きな打撃を与えました。
今まで想定していなかった事態に、事業の方向転換や縮小を迫られた事業者も少なくありません。
そこで、新型コロナウイルス感染拡大で業績が悪化した起業に向けて、政府系金融機関と民間金融機関による融資、コロナ関連融資制度が実施されました。

コロナ関連融資制度には様々な種類があるため、条件に該当するかどうか、限度額などの融資条件から自社に合うものを選択できます。

政府系中小企業向け無利子・無担保融資を延長へ

新型コロナウイルス感染症の拡大のほか、原油価格や物価上昇により、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しく、大幅な改善は困難な状況にあります。
さらに、民間金融機関での無利子・無担保融資も2020年度で終了しました。

そこで、2022年4月に「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の決定が発表されました。
その中で、中小企業支援として政府系金融機関による実質無利子・無担保融資を9月末まで延長という取組みがあります。
併せて、セーフティネット貸付の金利の引き下げや、事業再構築補助金への特別枠の創設も発表されました。

経済産業省が策定する「中小企業活性化パッケージ」では、中小企業の収益力改善と事業再生、再チャレンジの総合的支援を行っています。
政府では資金繰り支援を継続し、打撃が大きかった中小企業の立ち直りをサポートしています。

日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付とは

日本政策金融公庫の新型ウイルス感染症特別貸付は、新型コロナウイルス感染症の影響で業況が悪化している事業者や個人を支援する制度です。
無担保で利用できて、返済期間は20年以内(うち据置期間5年以内)、融資限度額は直接貸付6億円です。

利率は中小企業事業の基準利率ですが、3億円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%で、4年目以降に基準利率になります。
一部の対象者は中小企業基盤整備機構から利子補給を受けることで、当初3年間が実質無利子になるので、まずは窓口で相談してみましょう。

コロナ融資はどのように活用されている?


コロナ関連融資制度は、迅速に進められてきました。
帝国データバンクでは、新型コロナ関連融資に関する現在の状況や方針などの企業の見解について調査しています。
2022年2月14日~2022年2月28日に調査されたもので、調査対象は全国2万4,213社、その中で有効回答企業数は1万1,562社でした。
調査でどのようなデータが得られたかを、以下で紹介します。

小規模企業の5割強が利用したと回答

まず、新型コロナ関連融資について、「借りていない」と回答した企業は42.4%でした。
一方で、「借りた・借りている」と回答した企業は52.6%と、半数以上が利用していることがわかります。

さらに、その中でも小規事業者は61.8%が「借りた・借りている」と回答しています。
大企業の「借りた・借りている」の27.8%を大きく上回っている数値です。
業種別にみると、旅館・ホテル、飲食店などでは7割を超えました。
利用した企業からは、コロナ関連融資のおかげで余裕ができたとなどの声も寄せられています。

人件費や仕入れへの活用が多い

コロナ関連融資を利用した企業は、調達資金をどのように活用しているのでしょうか。
資金の使い道として回答されたのは、人件費が50.1%でトップ、そのあとに原材料や商品の仕入れなどが続きます。
ここでの人件費には、給与・賞与・福利厚生も含みます。

中小規模の企業にとって、雇用の維持や運転資金の確保は重要です。
さらに、2割強の企業が新規投資として新規設備投資や事業拡張に資金を活用しています。

借入企業の約1割が返済に不安を感じている

コロナ関連融資によって、資金繰りや事業の安定が可能になった企業がある一方、融資を受けた企業は返済も考えなければいけません。
コロナ関連融資を現在借りている企業に返済状況を質問したところ、半数の企業が「条件通り返済している」と回答しました。
今後の返済についても、企業の8割は「融資条件通り、全額返済できる」と見通しが立っています。

一方で、「返済が遅れる恐れがある」、「金利減免や返済額の減額・ 猶予など条件緩和を受けないと返済は難しい」、「返済のめどが立たないが、事業は継続できる」などの回答もありました。

これらの返済に不安がある企業は、約9%でした。
今後事業環境がどのように変わっていくのかが不透明の中、心配を抱えている企業もあることがわかります。

コロナ融資の返済が困難なときはどうする?


コロナ関連融資は多くの企業を救ったものの、いずれは返済が必要です。
据置期間を短くしていた企業では、すでに返済が始まっています。

新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化すると思っていなかった、さらなる社会情勢の変化を予測していなかった事業者は多いでしょう。
業績回復を見越して、据置期間を1年で融資を受けた事業者も多くいるようです。

その中で、業績が芳しくなく返済に困っている企業も決して少なくありません。
もしも、コロナ関連融資の返済ができなかったり難しかったりする場合には、どうすれば良いのでしょうか。

金融機関に据置期間の延長を申し出る

コロナ関連融資の返済が始まっても返済できない場合、決してしてはいけないのが、返済できないままに放置することです。
返済ができないとわかった時点で、速やかに金融機関に対して「据置期間の延長」を申し出てください。

金融庁からも据置期間や返済期間が到来する融資に対して、中小企業と小規模事業者などの実情に応じて最大限柔軟に対応するように要請しています。

ただし、据置期間の延長がすぐに認められるかどうかは状況などによります。
金融機関によっては、据置期間の延長を渋られてしまうこともあるかもしれません。
そういった場合には、政府からの要請があることを要請書類を見せるなどして伝え、冷静に交渉します。
据置期間の延長ができるかどうかの最終的な判断は金融機関なので、できるだけ冷静に丁寧な対応で相談すると良いでしょう。

返済条件を見直そう

据置期間の延長をしたとしても、いずれ返済する必要があります。
事業の状態や経営環境によっては、返済のめどが立たない場合もあるかもしれません。

どうしても返済が厳しい場合には、借入金の返済条件を見直してください。
融資時に立てた返済計画を金融機関とともに見直して、返済期間を延ばして返済額を減らすことができないかを考えます。

例えば、毎月100万円の返済だったものを70万円の返済にできれば、その月の出費が30万少なくなり、毎月30万円の余裕ができれば、資金繰りが楽になる可能性があります。

ただし、返済条件の変更やリスケジュールをすれば、追加融資は難しくなると考えてください。
返済を遅らせている状態で、金融機関から新たに融資を受けるのは困難です。

返済条件の見直しやリスケジュールについては、金融機関に相談してみましょう。
政府からの要請も出ており、金融機関にとっても資金繰りが厳しく破綻してしまうと融資した資金を回収できません。
スケジュールに変更があったとしても、完済してもらうほうが金融機関にとってもメリットがあります。

新型コロナ特例リスケジュールとは

コロナ関連融資の返済が難しい場合には、企業は据置期間の延長や返済条件の見直しを求めることができます。
しかし、事業者が金融機関を相手にして交渉するのは大変な面もあるでしょう。

そこで、利用されているのが「新型コロナ特例リスケジュール」です。
これは、中小企業再生支援協議会が事業者と金融機関との間に入って調整してくれるリスケジュール支援策です。
中小企業再生支援協議会は国の公的機関で、再生支援のプラットフォームとして47都道府県に設置されています。

複数の金融機関との調整も可能である上、金融機関経験者・公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士など専門家の意見も聞けます。
相談の対象となるのは、開業届を提出している中小事業者や個人事業主で、職種などは問いません。

事業再生の専門家が事業計画の作成、企業の資金状態の診断まで無料で請け負ってくれます。
秘密は徹底して守られるため、まずは近くの中小企業再生支援協議会に問い合わせてみてください。

経済産業省のサポートも利用しよう

コロナ関連融資は受ける段階だけでなく、返済まで考えなければいけません。
特に、資金繰りの改善や経営環境への対応はできるだけ早めに対処するようにおすすめします。
以下に、経済産業省で提供しているサポートをまとめました。

1.経営相談

経済産業省では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている、影響を受ける恐れがある中小企業や小規模事業者を対象に経営相談を提供しています。
土日祝日にも対応しているので、平日は時間を設けられない事業者でも利用しやすい窓口です。

問い合わせ窓口は経済産業省のホームページから確認できます。
持続化給付金に関する相談のほか、支援策全般や資金繰りの相談も受け付けているので、最寄りの窓口に問い合わせてみてください。

2.資金繰り支援

資金繰りの支援としては、政府系金融機関による融資が提供されています。
基準金利によるセーフティネット貸付のほか、新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策マル経融資、商工中金による危機対応融資があります。
さらに、特別利子補給制度もあるので、どれを利用できるか確認しましょう。

3.給付金

国や地方自治体が提供している、給付金や助成金も活用できるものもあります。
例えば、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの事業復活支援金があり、2022年1月31日から6月17日までが申請期間です。

事業再構築補助金の第6回公募期間は、3月28日から6月30日までです。
事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナに対応するために、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編のほか規模の拡大など、思い切った事業再構築をしようとしている中小企業を支援する目的があります。

ただし、申請したすべての事業者が採択されるわけではなく、事業計画書を提出して審査を受けることになります。
事業計画書をしっかり作成しても、申請手続きの不備で不採択となるケースもあるので、ミスがないように慎重に作成し、期間に余裕をもって申請してください。

事業再構築補助金について詳しくはこちらの記事を>>
事業再構築補助金 第6回の公募が発表!気になる変更点や新設枠、今後のスケジュールなど解説します

4.設備投資・販路開拓支援

社会の変化に対応するために、設備投資や販路開拓をする企業の向けた支援も実施されています。
例えば、⾮対⾯・遠隔の海外展開支援事業 (越境EC)では、海外の渡航が難しい場合でも海外ECサイトでの日本産品の販売を支援します。
また、設備投資や販路開拓に対する補助金も公募されているので、スケジュールをチェックしてみると良いでしょう。

5.経営環境の整備

新型コロナウイルス感染症に際して、取引上のしわよせに悩む事業者も少なくありません。
政府は納期遅れやコスト負担などについて、親事業者などに配慮を求めるように要請を行っています。

それでも、取引上の悩みが払拭されない場合には、「下請かけこみ寺」も設置されています。
「下請かけこみ寺」は中小企業庁の委託事業で、相談員や弁護士が無料で相談を受け付けてくれる支援です。
不当な取引きや未払いなどのトラブルがあるときには相談してみるのも良い方法のひとつです。

6.税・社会保険・公共料金

経営環境が悪化していると、税金などの支払いが困難になる場合もあります。
国税に関しては、事情があれば税務署に申請すれば、換価や納税の猶予が認められることがあります
また、厚生年金保険料なども、猶予制度があるので年金事務所に相談してみてください。

電気やガス料金も、新型コロナウイルス感染症の影響で支払いが難しい場合にも、供給停止の猶予が要請されています。

まとめ

新型コロナウイルス感染症によって、多くの中小企業や小規模事業者が影響を受けています。コロナ融資を受けたものの、返済に苦しんでいる事業者も少なくありません。

事業者の助けとなる支援策も、政府や各地方自治体によって提供されています。
加えて、農林漁業者が活用できる資金繰り支援のほか、政府系金融機関や信用保証協会の支援策もあります。
様々なサポートも提供されているため、自分が利用できるものがないか確認してみましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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