ビジネスマンは侍になれるか?現代人が武士道から学べること

創業手帳

今こそ学ぶべき、武士道八か条とは

bushido

(2016/09/14更新)

武士道とは、侍の生き方のことです。現代に生きる起業家が、武士道を生活に取り入れるとしたらどうなるでしょうか?武士道の美徳を今日でも具現化する方法についてお伝えします。

侍と聞くと、誰もがちょんまげに下駄、そして腰に立派な刀を下げているイメージを真っ先に思い浮かべます。同時に日本では、その美徳と面目を大切にする姿勢もよく知られています。

それほどヘビーな日本ファンでなくとも、武士道という言葉ぐらいは聞いたことがあるはずです。侍の生と死に関する一連の指針が武士道ですが、武士道の概念に親しんでいない者からすれば、理解に苦しむ部分もあります。

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武士道とは?

武士道とは、文字通りに言うと「武士の道」です。大まかに言えばヨーロッパの騎士道に似たところもありますが、武士道を支えている美徳は今でも日々の暮らしに活かすことができます。

起業家にとっては、武士道から刺激を受けたり、生き方を考える上で大きなヒントを得ることができるかもしれません。ビジネスマンが武士道をビジネスに活かす方法について紹介します。

Rectitude or Justice:清廉さ、正義

武士道で最も重きを置かれる美徳であり、すべてのビジネスパーソンの核であるべきものです。正義の定義とは、伝統的に「行動方針に基づいて決断する力で、道理に則ってためらうことなく下される。死がふさわしいときは死に、討つのがふさわしいときは討つ」ということだとされています。

起業家は、不公正で不道徳な世界に生きています。何が公正であるか知り、それに従って行動することは、ビジネスにおいても普段の生活においても大きな違いをもたらします。結局のところ、立派な倫理的価値というのはいつの時代も歓迎されるものなのです。

Courage:勇気

武士道では、勇敢さと勇気とは明確に区別されています。論語で孔子は、「何が正しいか理解していながらそれを行わないのは、勇気の欠如である」と述べています。

起業家にとっては、自分のエゴを満たすことの追及よりも、一般のニーズを優先させるべきということになります。起業家は必ずと言っていいほどモラルの壁にぶつかりますが、その壁を打ち破ってビジネスを発展させていくには、勇気が不可欠です。

Benevolence or Mercy:慈悲

慈悲とは他者への愛やあわれみ、優しさ、そして慈悲深さなどを現します。武士道においては人間として最高の性質であるとされます。私たちの生きる冷酷で厳しい世界で抜きん出るためには、慈悲が必要です。

結局のところ、無慈悲な上司の元で働きたい部下はいないので、企業でリーダーシップをとる立場では特に慈悲が大切になってきます。慈愛や忠義を感じさせるのは、上に立つ人間として重要なことです。

Politeness:礼節

礼節は慈悲と密接に関連しています。他者の気持ちに対する尊重を示す概念です。ビジネスでは多くの場面で共同作業を必要とするので、起業家に礼節がなければそのゴールは遠のいてしまうことでしょう。

ビジネスパートナーや同僚、上司、顧客、そして直接には関わりのない人たちとの関係においても、礼節は欠かせないものです。

Honesty and Sincerity:誠実さ

「武士道」の著者である新渡戸稲造は、誠実さを欠けば「礼節は茶番であり芝居である」と書いています。ビジネスにおいて誠実さがもたらす影響は把握しがたいこともあれば、明らかなこともあります。誠実な起業家は顧客からの尊敬を得て、共に働く人たちからの信頼を育むことでしょう。

Honor:道義

武士は道義という感覚を頑なに大事にします。「個人の価値観と尊厳という鮮明な意識」と説明されますが、武士はその職業的権限だけでなく、道徳的責任について重んじるよう育てられました。

起業家の多くは自主独立的で、侍と似た考え方をしています。ビジネスの道を志す誰しもにとって、天から与えられた自らのスキルと責任を見つめることは、正しい方向に進んでいく一歩となります。

Loyalty:忠義

上司への敬意や忠義も侍ならではの特徴でした。武士道では忠義に大きな重きを置いていたことも、驚きではありません。企業においては従業員にもリーダーにも忠義が求められます。

自らの使命やビジョンに忠実であり続けることは困難な時もありますが、だからこそ自分の信じることに対する忠義は、特に重要とされるのです。

Character and Self-Control:品性と自制

ビジネスの世界とは違い、武士道には交渉というものはありません。規範では武士は絶対的な道徳基準に従うのみであり、そこには解釈の余地はありません。正しいことと間違ったことは明確にされているのです。

交渉がないのは融通がきかないようですが、実践する人の品性と自制を強固にすることは間違いありません。起業家として成功するには品性と自制の両方を兼ね備えていなければなりません。

これらの原則をいつも守るには、相当な規律が要求されます。しかしことわざにもあるように、良いことは簡単には起こりませんし、武士道の道徳的美徳について疑義をさしはさむ人もいないはずです。

武士は過去のものかも知れませんが、その影響は今でも感じることができます。むしろ、将来に渡って武士道のよい部分が私たちに示唆を与えてくれるよう望みます。

(編集:創業手帳編集部)

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