アパレルブランドの立ち上げ・起業方法|費用や経営で気を付けるポイントも紹介

創業手帳

アパレルブランドの立ち上げはネットショップからはじめてみよう


アパレルブランドの立ち上げには、ブランドコンセプトの設定や広報活動、商品の施策といった多くの行程が必要です。
ネットショッピングが普及することによって、実店舗を持たずに世界中の人に商品を届けることも可能になりました。

ここでは、アパレルブランドの立ち上げについてステップに分けて紹介します。

創業手帳では、「起業したいけど何からはじめていいかわからない」という多くの声から『創業カレンダー』を作成いたしました。起業予定日を起点とし、前後1年間のやることをカレンダー形式でリスト化。TODOを管理するにも非常に便利なツールとなっています。無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。


創業カレンダー

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

この記事の目次

アパレルブランドを立ち上げる方法


アパレルブランドを立ち上げるには、大きく分けて実店舗を開店する方法とネットショップを開設する方法があります。
実店舗は顧客が商品を手に取って見ることができ、対面で接客することが可能です。
しかし、実店舗は費用面の負担が大きいため、ネットショップを開設してアパレルブランドをはじめる方法を選ぶケースが増えています。
ここでは、実店舗とネットショップの両方について立ち上げの方法を紹介します。

開業の費用を準備する

アパレルブランドを立ち上げる時に費用も問題は避けられません。実店舗の場合であれば、賃貸契約費用と家賃のほかに内装工事費や設備費が必要です。
場所によって違いはありますが、実店舗を契約するだけで数百万はかかります。

ネットショップであれば、店舗の家賃や水道光熱費といった店舗運営費用は不要です。
小規模であれば人件費もかからないため、商品の仕入れ費用など最小限の開業費用で立ち上げできます。

資金調達の計画を立てる

開業にかかる費用を計算したら、どのようにして資金を調達するか考えてください。
ネットショップの開業であれば、小規模なら数万円程度からスタートできますが、実店舗であれば1,000万円以上かかることもあります。
開業資金は自己資金か融資を受けるのが一般的です。融資を受けるには事業計画書も求められます。
ビジネスの目的や売上目標、資金調達手段まで考えておいてください。

アパレルブランドを立ち上げるための費用の目安


アパレルブランドの立ち上げにかかる費用は、その事業の規模や扱う商品、店舗の有無によって大きく変わります。
一般的には、法人を設立してアパレルブランドを立ち上げた時は、最初の資金額が1,000万円程度が多いといわれています。

一方で、個人事業主としてアパレルブランドを立ち上げる場合、無料のネットショップサービスを使えば商品の製作費用と包装代といった最低限の費用しかかかりません。
ただし、商品を自分で作る自製か工場に外注するかによっても違うので注意してください。

自製であれば、製造するための機械や材料といったイニシャルコストがまず発生します。
一方で外注する時には、イニシャルコスト低めに抑えやすいものの、工場に支払う外注費用がランニングコストとして発生します。
自分が販売したいと考えている商品を製作するためにいくら必要なのか、工場に見積もりを取って調べてみてください。

自分のアパレルブランドを立ち上げるメリット


アパレルブランドを立ち上げるメリットのひとつとして、特別な資格、スキルが不要である点があります。
食品を扱う業種のように、起業までに資格や許可を取得しなければいけない業種もありますが、アパレルブランドであれば資格を取得するための時間や費用がかかりません。
商品の仕入れや商品の製造が完了すれば、すぐに販売を開始できます。

アパレルブランドの立ち上げは、事業としてスタートしやすいだけでなく、ブランドを大きくしていくこともできる夢が大きい事業でもあります。
ファッションが好きな人にとっては自分が好きで自信を持っている商品を売って、消費者から支持される、ファンを創造していける仕事は大きなやりがいになるでしょう。

アパレルブランド立ち上げの準備


アパレルブランドの立ち上げまでには、様々なことを決めなければいけません。立ち上げまでのスケジュールを組んで計画的に進めるようにしてください。

販売形態の選択

アパレルブランドを立ち上げるために、どういった販売形態で商品を売るか考えましょう。
アパレルブランドの立ち上げには、実店舗での販売のほか、ネットショップやフリマ、ポップアップストアを利用する方法があります。

実店舗は、初期費用が大きくなる点がデメリットです。フリマやポップアップストアは、スペースが限られていて商品数を絞らなければいけません。
ネットショップでは初期費用は抑えられますが、実際に商品を手に取ってみてほしい場合には不向きです。

販売形態はそれぞれの方法のメリット・デメリットを比較して、ターゲット層や商品に最適な方法を選んでください。
初心者であれば、費用を抑えて多くの商品を販売できるネットショップがおすすめです。

開業資金の準備・資金調達

事業計画から初期費用と運転資金を算出し、資金調達方法を検討してください。

実店舗は敷金、礼金、内装工事に費用が発生するので開店まで1,000万円以上かかることもあります。

ネットショップは無料のプランも用意されていることが多いため、商品さえ用意すればすぐにビジネスをスタートできます。
ネットショップ作成サービスに支払う決済手数料も、そもそも売上げがなければ発生しません。
実店舗のように売上げが少ないのに家賃や水道光熱費、人件費だけ発生し続けて赤字になるようなことはありません。

ポップアップストアやフリマは、レンタル代金を支払ってスペースを借りて営業します。
場所や時期によって違いはありますが、商業施設内でも1日数千円~2万円が相場といわれています。

資金調達の方法としては、働いて自己資金を貯めるか、金融機関から融資を受けるのが一般的です。
資金調達する時には利用できる補助金や助成金がないかチェックしてみてください。例えばIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金などが有名です。
各地方自治体でも起業、創業者向けの補助金を用意していることがあるので調べてみてください。

アパレルブランドの立ち上げ手順


ここでは、アパレルブランドを立ち上げるまでの手順を紹介します。事業計画書を作成する時にも重要になる部分なので、できる限り具体的に考えておいてください。

ステップ1:ブランドアイデンティティの構築(ネーミング・ロゴ・世界観など)

ブランドのコンセプトは、事業の核でありアイデンティティとなります。ブランドに込める思いや独自性を、ネーミングやロゴ、世界観として表現します。

ブランドアイデンティティの構築には、どのような人に向けて発信するかを明確にすることも重要です。
例えば、「働く女性に向けてリーズナブルで着心地にこだわった服を販売する」といった形です。

ブランドの名前やロゴは、コンセプトに沿ったキーワードやイメージを挙げて、言語を変えたり組み合わせたりして作ります。
ブランドイメージの根幹になる部分なので、時間をかけて形にしてください。

ステップ2:商品企画と製造

ブランドアイデンティティが決まったら、商品をどのように用意するのか考えます。
自分で作るのか、仕入れるのかを決めてください。どういった方法をとるかによって費用や販売戦略が変わります。

オリジナル商品を作る場合

オリジナル商品を作る場合、まずはブランドコンセプトを意識しつつ、市場のニーズに合った商品をデザインします。
オリジナル商品は製造するまでに手間はかかりますが、競合他社と差別化しやすく、こだわってコンセプトに合った商品を製造可能な点がメリットです。

オリジナル商品と聞くと専門知識や経験が必要だと思われがちですが、外部業者にうまく依頼することで解決します。
工場に依頼したり、裁縫や工芸の技術を持つ人を探して委託したりすることが可能です。
近年はスキルを持つ人と依頼したい人をマッチングするサービスもあるので利用してみてください。

商品を仕入れる場合

商品を外部から仕入れる場合には、問屋や工場から商品を仕入れて販売します。制作にかかる費用や時間を圧縮できる点がメリットです。
しかし、ブランドコンセプトを表現しにくく、商品が他社と被ることもあるので、差別化を工夫しなければいけません

商品の仕入れは、国内の問屋サイトや中国などの海外仕入れサイトを使って、ネットショッピングをするように仕入れられます。
販売するもののイメージが明確であれば、直接、メーカーや工場に問い合わせる方法もあります。

ステップ3:ネットショップの立ち上げ

ネットショップの立ち上げは、比較的手軽にアパレルブランドを立ち上げる方法です。
ネットショップ作成サービスによって、サービスの利用料や利用できる機能が違うので比較して選ぶようにしてください。

ステップ3:ネットショップの立ち上げにおすすめのサービス

ネットショップの立ち上げに利用できるサービスでおすすめのものを以下で紹介します。

  • BASE
  • STORES
  • カラーミーショップ
  • Shopify
  • MakeShop

ネットショップ作成サービスを利用する時には手数料体系や入金のタイミング、初期費用がかかるかどうかなどを確認してください。
海外展開をする予定があるかどうか、クーポンを発行するかどうかなど事前に販売戦略を組み立ててから比較すると違いがわかりやすいです。

ステップ4:プロモーション活動の実施(宣伝・集客)

どれだけ良い商品を用意しても、商品を知ってもらわなければ売上げにつながりません。商品を企画する時には、どのように宣伝、集客するかも合わせて考えるようにしてください。

SNSマーケティング

アパレルブランドを宣伝する時に、まず初めておきたいのがSNSです。
SNSアカウントにホームページやオンラインショップを紐づけておくなど、ほかのツールと連携して運用するようにします。

SNSは、商品画像や動画といった情報をスピーディーに共有するには最適のツールです。
費用が大きくかからないので立ち上げたばかりで宣伝費の予算が少ない時にもおすすめです。
ブランドのコンセプトや新商品、コーディネートを発信することによって、ブランドのファンを作ることができます。

インターネット広告

インターネット広告には、リスティング広告やアフィリエイト広告、ディスプレイ広告など多くの種類があります。
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、検索結果の画面に自社サイトへの導線を表示する広告です。
ディスプレイ広告は、メディアの広告枠に自社広告を表示できます。
アフィリエイトは成果報酬型で、広告をクリックした顧客が成果まで到達した場合に広告料が発生する仕組みです。

インターネット広告ごとに違いがあるので、費用対効果や自社のイメージ似合うものを比較して選ぶようにしてください。

アパレルブランドの立ち上げ・起業の際に気をつけること


アパレルブランドの立ち上げは、思い立てばすぐにでもはじめられるビジネスです。副業や学生の起業としても適しています。
しかし、すでに人気があるアパレルブランドは多くあり、新規参入する時には注意しなければいけません。どういった点に気を付ければいいのか紹介します。

初期費用を抑える

アパレルブランドに限らず、新規ビジネスの立ち上げ時はできるだけ初期費用を押さえてください。初期費用が多いとそれだけ失敗時のリスクも高まります。
実店舗でのスタートを考えているのであれば、費用を抑えるために初めはネットショップからスタートすることも検討してください。

類似したブランドがないか

自分が考えたブランドのコンセプトに類似したブランドがないか下調べしておいてください。すでに存在している場合は差別化が難しくなってしまいます。
商品自体が類似していると盗作が疑われてしまうこともあるので、良く調べておくことをおすすめします。

アパレルブランドを立ち上げたら?経営で気をつけること


立ち上げてから、安定して利益が出るようになるまでビジネスは気が抜けません。どういった点に注意すればいいのか。

適切な在庫管理

アパレルブランドを立ち上げてから注意してほしいのが適切な在庫管理です。
あまりに在庫が少ないと、すぐに売り切れてしまって収益機会を逃します。在庫が多すぎれば売れ残ってしまうことがあります。
初めは、少なめの在庫からスタートして、販売動向を見極めつつ適正な在庫量を維持できるようにしてください。

顧客とのリレーション構築

安定して利益を上げるためには、リピーターやブランドのファンといえる人を増やしていく必要があります。
SNSを活用して、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、ファンを増やすようにします。
コメント欄で交流したり、顧客が参加できるイベントを企画したりして長期的な関係を目指してください。

アパレルブランドの立ち上げ成功例


ここでは創業手帳に掲載しているアパレルブランドを立ち上げた方の事例を簡単に紹介します。インタビュー記事のリンクもあるのでぜひ参考にしてください。

「釣り×アパレル」という新たなニーズの開拓に挑戦した株式会社GOODIE

専門的な分野に特化したブランドを立ち上げる戦略で成功しているのが、株式会社GOODIEです。クラウドファンディングを7回成功させ、630万円以上の資金を調達しました。
株式会社GOODIEが立ち上げたのは、ニーズが高まっていた釣りに特化したアパレルブランドです。普段使いしやすく撥水性が高いウェアは高く評価されています。
起業する前の仕事で得た商品の選定スキルやマーケティングの経験を強みとして起業したケースです。

自身を与えてくれるヴィクトリースーツRe.muse(レ・ミューズ)

Re.muse(レ・ミューズ)はオーダーメイドで最高峰のクオリティのスーツを提供しています。
着ることで自信がが生まれ、さらに結果がついてくることからヴィクトリースーツとも呼ばれています。
Re.muse(レ・ミューズ)は一貫して「人を自信で包み、夢を叶えるヴィクトリースーツ」という明確なコンセプトを打ち出した点が大きな特色です。
20万円以上のスーツを1年間で500着売った女性社長は書籍も発売しています。

まとめ・アパレルブランドは初心者でも立ち上げ・起業しやすい

アパレルブランドの立ち上げには、特殊な資格やスキルは必要ありません。
しかし、企業から販売までの流れや広告手法を押さえておかなければ成功への道が遠ざかってしまいます。
アパレルブランドはポイントを押さえておけば初心者でも立ち上げ、起業しやすい業種です。どういった準備が必要なのかまずは書き出してみてください。

創業手帳(冊子版)は、スタートアップや創業時の手助けとなる記事を多数掲載しています。起業する時には創業手帳をお役立てください。あわせて『創業カレンダー』もご活用ください。


創業カレンダー

関連記事
【実例あり】店舗兼住宅の間取りのポイントやメリット・デメリットなどご紹介
店舗販売でスマホ決済を導入する4つのメリット!導入するならどのサービスを選ぶべき?

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す