8/31開催「大学発ベンチャー表彰2017」各分野の最先端技術が勢ぞろい!

創業手帳

創業手帳編集部が潜入取材!

(2017/09/01更新)

大学等における研究開発成果を用いた起業および起業後の挑戦的な取り組みや、大学や企業等から大学発ベンチャーへの支援等をより一層促進することを目的とする「大学発ベンチャー表彰2017」が、8月31日に東京ビッグサイトで行われました。
今回で4年目を迎えましたが、果たして今年はどんな企業が受賞されたのでしょうか?会場の様子を創業手帳編集部が潜入取材してきました。

大学発ベンチャー表彰とは

「大学発ベンチャー表彰」とは、大学等の成果を活用して起業したベンチャーのうち、今後の活躍が期待される優れた大学発ベンチャーを表彰するとともに、特にその成長に寄与した大学や企業などを表彰するイベントです。
大学等における研究開発成果を用いた起業および起業後の挑戦的な取り組みや、大学や企業等から大学発ベンチャーへの支援等をより一層促進することを目的としています。

賞は6部門あり、今年は経営者が40歳未満かつ設立後3年以内の企業のうち、大きな活躍が期待できる大学発ベンチャーを表彰する「アーリーエッジ賞」が新設されました。

イベント当日の模様をちょっとだけお見せします!


8月31日、イベント初日に創業手帳編集部が潜入してきました!


まず驚いたのは、会場の入り口からズラーっと並んだ大学の研究発表ブース。
どれから見ていけば良いのか迷ってしまうくらい魅力的な展示が並んでいました。


隣接している企業ブースでは、3mほどのロボットの視覚をVRで体験できるブースがあるなど、各社ユニークな事業をアピールしているので、見て回るだけでもおもしろかったです。

表彰式がスタート!栄えある受賞者をご紹介

14時30分から、いよいよ表彰式がスタート。
全6部門の受賞者が続々と発表されていきました。

アーリーエッジ賞:株式会社 Lily MedTech


今年から新設されたアーリーエッジ賞は、株式会社 Lily MedTechが受賞しました。

同社は、医用超音波技術を活用した、痛みなく、被爆もせずにベッドに寝てじっとしているだけで乳房の撮像が行える撮像技術の開発・製造を行っており、東京大学 大学院医学系研究科 教授 東 隆 氏の支援を受け、運営しています。

代表取締役の東 志保 氏がこの事業を始めたきっかけは、実の母をがんで亡くしたことだそうです。
受賞者ピッチにて東 氏は「乳がんは早期発見ができれば必ず助かる」と話しており、早期実用化に対しての強い意志を感じました。

日本ベンチャー学会会長賞:ORTHOREBIRTH株式会社


日本ベンチャー学会会長賞は、整形外科分野で利用する手術用人工骨充填材の製造販売を行っているORTHOREBIRTH株式会社が受賞しました。

同社の受賞理由は、「綿状人工骨」の実用化。従来まで顆粒状やブロック状のものが主流だった人工骨に比べ、圧倒的に形成力の高い製品が評価されていました。既に海外にも事業展開しており、整形外科の分野に新たな治療法が提示されたのも大きなポイントとのことでした。

新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞:株式会社FLOSFIA


新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞は、パワーデバイスの開発・製造販売を行う株式会社FLOSFIAが受賞しました。

「コランダム構造酸化ガリウム」という新材料を用いた超低損失・低コストなパワーデバイスの開発・製造販売を行っており、使っているとすぐに熱くなってしまうACアダプタの改良やモーター駆動回路への利用など、様々な分野で活用できることが評価されました。

科学技術振興機構理事長賞:株式会社サイフューズ


科学技術振興機構理事長賞を受賞したのは、再生医療・創薬支援用途等の細胞製品の開発・製造を行っている株式会社サイフューズ

同社の事業は、自社で開発した「剣山」を用いて、細胞のみで作成された組織をつくる、というもの。
人体の組織を開発するために、従来は「足場材料」という素材を使わないと臓器の弾力や厚みは再現できませんでしたが、細胞のみで作られるので、安全性と機能性が高く、将来的には血管・神経・肝臓など、ヒトへの移植を視野に入れた組織を作ることができます。
再生医療の分野に大きなインパクトを与えた点が評価されました。

経済産業大臣賞:ティエムファクトリ株式会社


経済産業大臣賞は、超軽量透明断熱材SUFA(スーファ)の事業化を行ったティエムファクトリ株式会社です。

SUFA(スーファ)とは、最も断熱性が高い素材の一種で、最大の特徴は「無色透明な断熱材」だということ。
現在は窓ガラスにも対応できる断熱材を開発中とのことで、将来的には「冬の寒い日なのに窓ガラスの近くが寒くない!」といったことが実現しそうです。

文部科学大臣賞:株式会社PKSHA Technology


最後に発表された文部科学大臣賞は、株式会社PKSHA Technologyが受賞しました。

アルゴリズムの研究を行う技術者・研究者により創業した同社が行っているのは、自然言語(特に日本語)の内容を理解し、分類・類型化を高速に行う「テキスト理解モジュール」や、顧客行動に関する未来予測エンジン「PREDICO(プレディコ)」といった、特化型アルゴリズムの開発。
それらを各領域のトップ企業に提供し、急速に成長していったことが評価されました。

創業手帳編集部が注目したのはこの企業!

各分野の最先端を行く事業を紹介してくれた6社のなかで、創業手帳編集部が注目したのは、細胞製品開発を行っている株式会社サイフューズ。
開発した技術を使うと、安全で丈夫な人体組織を生成することが可能で、「将来的には心臓をはじめ、人体の重要な臓器を創っていきます」と同社の担当者が話していたのが印象的でした。

大学発ベンチャー表彰2017 概要

日時:平成29年8月31日(木)午後2時30分~午後4時15分
会場:東京ビッグサイト 東1ホールセミナー会場 (東京都江東区有明3-11-1)
URL:http://www.jst.go.jp/aas/ceremony.html

(編集:創業手帳編集部)

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