【最大2,000万円!】7月2日締切「下請中小企業自立化基盤構築事業」
下請企業必見!概要を解説します。
(2018/06/19更新)
グローバル化の進展で新興国企業とのコスト競争が激化するにともない、親事業者の生産拠点の海外移転が進んできています。そんな中、「受注減少」という厳しい現実に直面している製造業の下請企業も多いのではないでしょうか。
そのような下請企業の自立化を支援する補助金制度が6月4日から開始されました。特に、下請けとして創業して間もない企業の方にとっては朗報です!気になるポイントをチェックして創業期の資金源として活用しましょう。
この記事の目次
下請中小企業自立化基盤構築事業とは?
「下請中小企業自立化基盤構築事業」とは、特定下請連携事業計画※1の一つで、下請企業の振興と経営の安定に寄与することを目的とした補助金の制度です。
補助率は補助対象経費の3分の2以内、 補助限度額は認定事業計画1件あたり2,000万円です。
※1
特定下請連携事業計画:新製品の開発や新たな生産方式の導入等の新事業活動を行うことにより、既存の親事業者以外の者との取引を開始、拡大することで特定の親事業者への依存の状態の改善を図るための計画。
補助対象者
補助の対象となるのは、下請中小企業振興法第8条に基づく特定下請連携事業計画の認定を受けて事業を実施する連携参加者(大企業、協力者を除く)です。
特定下請連携事業計画を実施する連携参加者
名称 | 対象となるもの |
特定下請業者 | 前事業年度又は前年度において一の特定親事業 者への取引依存度が20%以上の※2下請事業者 |
特定会社 | 特定下請事業者が資本金の額又は出資の総額の1/2以上を出資している会社 |
共同事業者 | 特定下請連携事業を共同で行う特定下請事業者以外の者 |
協力者 | 特定下請連携事業の実施に協力する一般社団法 人、一般財団法人その他の者 |
※2:下請事業者の定義
資本金の額又は出資の総額 | 常時使用する従業員の数 | |
製造業、建設業、運輸業、その他 | 3億円以下 | 300人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下の会社及び個人 |
ゴム製品製造業(一部を除く) | 3億円以下 | 900人以下の会社及び個人 |
ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下の会社及び個人 |
補助金額
補助率
補助対象経費の3分の2以内
補助限度額
認定事業計画1件あたり2,000万円
交付決定下限額
100万円
補助金の額は、経費区分毎の補助対象経費に補助率を乗じて得た額の合計額となります。 ただし、補助限度額が上限となります。
補助対象経費
補助対象となる経費の区分は以下の通りです。
経費区分 | 経費内容 |
事業費 | ①謝金 |
②旅費 | |
③借損料 | |
④連携構築費 | |
⑤産業財産等取得費 | |
⑥雑役務費 | |
⑦委託費 | |
販路開拓費 | ⑧展示会等出展費 |
⑨広報費 | |
⑩委託費 | |
試作・開発費 | ⑪原材料費 |
⑫借損料 | |
⑬機械装置等制作・購入費 | |
⑭試作費 | |
⑮実験費 | |
⑯委託費 |
事業費
①謝金
事業遂行に必要な指導・助言等を受けるために依頼した専門家に謝礼として支払われる経費のことです。
②旅費
事業遂行に必要な情報収集や各種調査を行うため、会議や打ち合わせ等に参加するため及び販路開拓のための旅費又は事業遂行に必要な指導・助言等を依頼した専門家、代表者又は特定下請連携事業計画を実施する連携参加者(大企業、協力者は除く)に支払われる旅費のことです。
③借損料
事業遂行に必要な機器・設備類のリース料、レンタル料として支払われる経費(試作・開発費に係るものを除く。)のことです。
④連携構築費
- 連携に必要なシステム構築費
連携体を構築する上で必要な情報システム等を構築するためのソフトウェア開発委託費、ソフトウェア購入費として支払われる経費のことです。 - 契約締結費
連携事業を行う上で必要な収益配分・秘密保持等の内容の契約書、連携体参加企業に共通な工程管理マニュアル等を作成するために支払われる経費(収入印紙代を除く)のことです。 - 会場借料
連携事業を行う上で必要な勉強会等を開催する場所を借り上げるために支払われる経費のことです。
⑤産業財産権等取得費
事業遂行に必要な特許権、実用新案権、意匠権、商標権等(以下「産業財産権等」という。)を取得するために支払われる経費のことです。
⑥雑役務費
事業遂行に必要な業務・事務を補助するために臨時的に雇い入れた者(パート、アルバイト)の賃金、交通費として支払われる経費のことです。
⑦委託費
上記①~⑥に該当しない経費であって、事業遂行に必要な調査等を委託するために 支払われる経費(販路開拓費及び試作・開発費に係るものを除く。)のことです。
販路開拓費
⑧展示会等出展費
試作品、商品等を紹介する展示会等を開催する又は展示会等へ出展するために支払われる経費のことです。
⑨広報費
事業遂行に必要な商品紹介等のパンフレット・ポスター等の作成又はウェブページ開設等の広報媒体を活用する際に支払われる経費のことです。
⑩委託費
上記⑧から⑨に該当しない経費であって、事業遂行に必要な調査等を委託するために支払われる経費(事業費及び試作・開発費に係るものを除く。販路開拓における課題の解決方法そのものを委託する場合は補助対象外とする。)のことです。
試作・開発費
⑪原材料費
事業遂行に必要な材料・部品を購入するために支払われる経費のことです。
⑫借損料
事業遂行に必要な機器・設備類のリース料・レンタル料として支払われる経費(事業費に係るものを除く。)のことです。
⑬機械装置等製作・購入費
- 事業遂行に必要な機器・設備類の購入、試運転及び据付を行うために支払われる経費のことです。
- 事業遂行に必要な機器・設備類の設計(デザインも含む。)、製造、改良、加工を行うために支払われる経費のことです。
⑭試作費
事業遂行に必要な試作品等の製造・改良・加工を行うために支払われる経費のことです。
⑮実験費
事業遂行に必要な試作品等の実験・分析を行うために支払われる経費のことです。
⑯委託費
上記⑪から⑮に該当しない経費であって、事業遂行に必要な試作・開発等を委託するのことです。
ために支払われる経費(事業費及び販路開拓費に係るものを除く。試作・開発等における技術的課題の解決方法そのものを委託する場合は補助対象外とする。)のことです。
評価内容
①事業内容A~Eのうちいずれかを満たしていることが必須です。
その上で、②経理内容③その他④政策的意義の項目を満たしていると加点となります。
①事業内容
A.組織体制 一つの事業主体として活動できるよう、明確な目的・事業方針をメンバー間で共有し、事業戦略を定め、規約等において対内的、対外的な役割分担を明確にしていること。
B.中核的な役割を担う者の存在 事業計画の立案、実施に当たって中核的な役割を担う者(リーダー)が存在し、 リーダーは、個々のメンバーの意見を十分に聞くことと、方針に従って実行していくことの両方のバランスを取りつつ事業を進めていること。
C.課題解決型ビジネスの実施 ノウハウ等の共有・向上に向けた取組(知識連携)と、実際の取引獲得のための 取組(取引連携)とを組み合わせ、グループとして持続的に取引獲得に向けた活動を行うとともに、メンバーそれぞれの事業活動(本業)においても効果があるものとして、下記の活動を行うこと。
- 受注を待ちの姿勢で行うのではなく、市場・顧客との情報交換を通じて、取引先の課題・ニーズを把握すること。
- 自社及びグループメンバーの強み・弱みを分析し、複数の企業の技術・ノウハウ等の組み合わせによる相乗効果を発揮して、課題解決の幅を拡大していること。
- 顧客に対して、企画・提案を実施し、取引につなげていること。
D.事業の遂行方法、数値目標、スケジュールが具体的かつ現実的であること。
E.事業内容の先進性・創造性等 先進性:発展の段階、進歩の程度が他の中小企業より進んでいること。
②経理内容【加点】
- 補助事業の各費目(内訳、単価等)における金額が妥当であること。
- 「中小会計要領」や「中小会計指針」に拠った信頼性のある計算書類が作成され ていること。
③その他【加点】
- 特定下請連携事業計画におけるリーダー推薦書(任意)の添付があり、内容が評価できること。
- 小規模事業者が参画する取組であること。
- 小規模事業者が参画する取組であること。
④政策的意義【加点】
本評価項目は、申請者の取組みについて評価します。
- 平成29年において、企業による従業員向けの教育訓練費支出総額(外部研修 費用、資格取得・技能検定の受験料、定時制高校の授業料等に対する企業による 補助等の総額)が給与支給総額の1%以上であるか。
- 平成29年の給与支給総額が、平成28年と比較して1%以上増加しており、かつ、平成30年の給与支給総額を平成29年と比較して増加させる計画があるか。
- 平成30年の給与支給総額を平成29年と比較して1%以上増加させる計画を有し、従業員に表明しているか。
申請書類
- 下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金(下請中小企業自立化基盤構築事業)計画書
- 補助事業計画書
- 明細経費表
- 特定下請連携事業計画におけるリーダー推薦(任意)
- 直近2期分の貸借対照表、損益計算書
- 会社案内等事業概要の確認ができるパンフレット※申請者全員分
- 平成28年や平成29年における給与支給総額が分かる資料(源泉徴収簿(票)又は賃金台帳等)や、平成29年における従業員向け教育訓練費支出額が分かる資料(損益計算書又は領収書等)、平成30年に賃上げ等を実施予定であることが分かる資料(賃上げ率等具体的実施内容の記載及び代表者印の押印があるもの)
応募方法
問い合わせ先
主たる事業を実施する場所を所轄する経済産業局(詳しくはこちら)。
受付期間
平成30年6月4日(月)から平成30年7月2日(月)
10:00~12:00、13:30~17:00/月曜~金曜(祝日を除く)
郵送の場合は、受付最終日の 17:00 までに必着のこと。
下請中小企業自立化基盤構築事業の詳細は中小企業庁公式ホームページをご覧ください。
まとめ
いかがでしょうか。受注を待っているだけでなく、積極的にニーズを把握し事業を行っている下請企業にとって大きなチャンスです。意欲のある方はぜひチャレンジしてみてください。
(編集:創業手帳編集部)