年間報酬3000万円超の人気経営コンサルタント ビジョナリーパートナー和仁達也氏インタビュー(前編)
「社長はカッコいい!」から始まった経営コンサルタントの道
「どのように会社を経営していこうか?」という点は、創業者にとって大きな課題です。
その際に、「創業したときに決めたビジョンと売上げ、どっちを取るか?」という決断を迫られている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、「年間報酬3000万円越えが10年続くコンサルタントの経営数字の教科書」の著者である、和仁達也氏にインタビューを行いました。和仁氏は、経営者のビジョンとお金、両方の成功をサポートしており、数多くの顧問先をもつ人気コンサルタントです。
前編では、和仁氏が「経営コンサルタント」という仕事を選んだ理由や、自身が起業した際のエピソードについて、お話を伺いました。
1972年生まれ。ビジョンとお金を両立させる専門家「ビジョナリーパートナー」
株式会社ワニマネジメントコンサルティング代表取締役
一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会代表理事
月給25万円のサラリーマン時代から一転、1999年27歳で独立。
当初は月1回訪問月額15万円からのスタート。現在は月額30万円以上の顧問先が5~7年以上継続するパートナー型コンサルティングの第一人者として実績を積む
著書に4増刷の「年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの経営数字の教科書」(かんき出版)ほか多数。
社長はカッコいい!憧れから始まったキャリア
和仁:大学を卒業してから会計事務所系のコンサルタント会社に入社しました。
4年半、新規開拓営業とコンサルティングを経験した後、27歳で独立しました。
今年で、コンサルティング会社を立ち上げて20年目になります。
現在は、経営コンサルティング・出版・セミナー・同業者にコンサルティングのやり方そのものを教える講座も開催しています。
また、「一般社団法人日本キャッシュフローコーチ協会」という※キャッシュフローコーチ®養成塾を卒業したメンバーで組織されている協会活動にも力を入れています。
キャッシュフローコーチ®が広まって、質が高いコンサルティングができるようにすることが事業の柱になっています。私自身も現役でコンサルティングをしていますが、コンサルティングをより広い範囲へ届けられるような仕組みを作ることに注力しています。
※キャッシュフローコーチ®:経営数字を使って、経営者の本業の発展に貢献するコーチのこと。「経営者の意思決定の判断基準や根拠を裏付けすることで、実践を後押しすること」、「顧問先の社員向けにお金の勉強会をすることで、社長と社員の立場の違いからくる危機感のズレを縮め、方向性を揃えること」を主な役割としている。
ちなみに、大学では農学部林産学科に所属していました。
普通だったら、木材をどうやって活用するかといった農業や林業に関連する企業へ就職するのですが、就職活動の時に「自分がやりたいことはこれではない」ということに気付いてしまいました。
そこで、文系の人たちと同じように就職活動をした結果、コンサルティング会社へ就職する道を選びました。
和仁:私は、ずっと「社長はカッコいい」というイメージを持っていました。
社長は自分のビジョンを掲げて、リスクを背負ってそれを実現させる。
それがカッコいいと思ったのです。
しかし、経営について全くの素人の私が、大学を卒業してすぐに社長ができるとは思えませんでした。
そこで、次に「社長を手助けする仕事もまたカッコいいのではないか?」と考えたのです。
そうしたら、社長を手助けする「経営コンサルタント」という仕事があることを知り、まずは経営コンサルタントを目指すことにしました。
入社してから4年半ほど、コンサル部門に配属されて営業活動をしていました。会社からリストをもらい電話をかけまくってアポを取るなど、先輩の元で研修とコンサルの見習いをしました。
儲かるかどうかの前に、あり方・価値観が大切
和仁:実は、一度転職してから独立することも考えましたが、27歳で独立すると決めていたので、転職ではなく独立する道を選びました。
24歳くらいの時に絵を描いたんですね。A4サイズの紙に、真ん中に自分の似顔絵と「27歳で中小企業診断士として独立!」と書いて、自分の周りにお客様のような方に応援されている絵です。
当時、私は中小企業診断士の勉強をしていまして、その絵を眺めながら、27歳で独立する!と自分にインプットしていました。
よく「20代で独立することに不安はなかったのですか?」と聞かれることがありますが、私は、むしろ独立するなら若い方がいいと思っていました。20代の方がカッコいいと思っていました(笑)。
私の場合、儲かるかどうかの前に「カッコいいかどうか」といった「あり方」の方が優先順位が高いのです。もちろん、先立つものも要るからキャッシュフローも大事ですが、どっちが優先順位が上かといわれたら、カッコいいことが優先です。
自分がどうしたいかがはっきりしていて、それに向かってチャレンジしていることが「カッコいい」という価値観なのです。
ちなみに、あとで大学の後輩に聞いたら、「和仁先輩は、大学の時から社長になると言っていました」と言われましたが、当時は全く意識していませんでした(笑)。
和仁:起業する直前は、「起業後、どの仕事でいくらもらって、いくらの収入にするのかイメージすること」が大変でした。
私の場合、月額15万円のクライアントを4社とって60万以上になればお金がまわると考えました。ですが、前例がないので、ちゃんとお金がまわっていくシナリオを作っていかなければいけません。
「27歳で、クライアントである社長のパートナーとして、社長のビジョンを明確にして※PDCAサイクルをまわし、社外No.2のポジションで貢献し、月額15万円もらう」
これがちゃんと成立するのかどうか?そのイメージを作ることが大変でしたね。
※PDCAサイクル:事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
その課題は、すでにあるサービスを参考にして乗り越えていきました。
前の会社の先輩に、月30万以上の契約をもらっている方がいました。
スキルも経験もそのレベルは難しいと思いましたが、既にあるコンサルサービスを見て、自分に合うかどうか取捨選別をしていきました。
全く何も無い状態からサービスメニューを作るのは大変ですが、既にあるサービスをサンプルにして、賛同できることと賛同できないものに分けてみると、いい案が浮かぶことがありますよ。
元同僚の言葉に衝撃を受ける
和仁:元同僚が開いてくれた送別会の席で、独立後の営業展開について聞かれたときです。そこで、「飲食やシステム開発会社などに業種を絞って、A4サイズのチラシを配り、見込客を集めて営業していこうと思っている」と話したところ、
「和仁がやりたいことと、今やろうとしていることはズレているんじゃない?」
と衝撃的なことを言われました。
「和仁は、社長のやりたいことを実現する手助けがしたいんだよね?それって、思い入れがある社長だからこそサポートしたい気持ちになるんじゃないの?見ず知らずの人にDMを送ってそこから出会った人にアプローチするって、どうなのかな。」と言われて、その通りだと思ったのです。
当時の私は、どこかで保険をかけていたのかもしれません。知り合いに提案した時に、万が一断られても傷つかなくても済むように、自分のことを全く知らない人たちに営業をかけようとしていたのです。
お力になりたいと思っている社長が周りにいるなら、正面突破で、はじめから声をかけたほうがいいと言われたのです。
そこから考えを改めた結果、月15万円の契約を4社いただくことができました。
(取材協力:株式会社ワニマネジメントコンサルティング/和仁達也)
(編集:創業手帳編集部)
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