熊本最大級のコワーキングスペース「未来会議室」”3つの変える”とは
熊本から「未来を変える」、未来会議室の取り組みとは
(2016/06/21更新)
熊本市の中心街には、熊本から「未来を変える」ことを目論む人達のためのコワーキングスペースがあります。その名も「未来会議室」。エレベーターを降りてオフィスに入ると、すぐにワクワクするような異空間が広がります。
3Dプリンターなど、アイデアを形にするための設備をそなえたオフィスは、熊本の起業シーンにどのような変化を起こそうとしているのでしょうか。未来会議室広報の工藤氏に取材しました。
「協業」を促進する本格派オフィス
工藤:未来会議室は、2014年の11月にオープンしました。
シリコンバレーや東京で盛んなスタートアップに着目し、人口や経済規模の面からすると、熊本にも『コワーキング=協業』を促進する環境が必要ではないかという結論にたどり着いたのです。
オープン前には、実際にシリコンバレーを中心に多くのベンチャー企業やコワーキングスペースを視察し、協業の理想的なスタイルを模索しました。
工藤:熊本にも以前はコワーキングスペースが2〜3件ありましたが、現在は法人用の本格的なスペースは未来形議室のみです。
私達自身が主体となって、熊本という地域を牽引していきたいと思っています。
イノベーションを生む「3つの変える」
工藤:未来会議室の施設の特徴は、コワーキングスペースの重要要素である「コミュニケーション」を促進するための工夫がいたるところに凝らされている点にあります。
会議室やイベントスペースも、機能的でありながら普段なかなか目にすることのない内装ですので、間違いなく働くことが面白くなると思います。
また、空間コンセプトには「3つの変える」というものがあります。
一つ目は、「場所」です。
普段仕事を行っている会社や自宅、カフェではなく、コワーキングスペースという空間で仕事を行うことが生産性の向上につながると考えています。
コワーキングスペースには、既存の施設にはない、利用者間のコミュニティや出会い、交流があります。
二つ目は「視点」です。施設内の「ハイテーブル&ハイチェアー」が象徴している通り、普段の目線を変えることによって、頭を刺激し、アイデアが出るような仕掛けがいたるところにあります。
最後に、「姿勢」です。
デスクワークを長時間し続けると、身体的にも精神的にもストレスが溜まりがちです。
未来会議室には、姿勢を変えるためのソファーやハンモックのエリアがあります。
同じ敷地内に色んなエリアがあるので、リフレッシュしながら仕事に集中することが出来ます。
以上のように、未来会議室の施設は快適なワークスペースで生産性を上げるだけでなく、コミュニティが醸成されていくようなものになっています。
情報のプラットフォームを目指す
工藤:ハード面では、イニシャルコストを抑えながら街中にオフィスが持てるということで、熊本での起業を底上げしていきたいと考えています。
もちろん自宅やカフェでも作業自体は可能ですが、「生産性」や「持続性」の観点から考えると、コワーキングスペースの価値はまだまだ上昇していくと考えられます。
本当に一人でも多くの人に活用していただきたいですね。
オープンから1年が経過し、利用者も増えてきていますので、「コミュニティ」としての価値も増していき、提供できる価値も上がっていくと思います。
工藤:未来会議室は、会社や所属、業種の異なる様々な人が集まる事で情報が集約される「プラットフォーム」を目指しています。
未来会議室での出会いがコラボレーションに繋がって、熊本の地域経済の発展にも寄与していくことも大きなミッションの一つです。
そのためにも、未来会議室自身、常に新しい取り組みにチャレンジしていきたいと考えています。
ますます加速する熊本の起業シーン
工藤:労働人口の減少や地域の過疎化は熊本にとっても死活問題です。
ただ、インターネットや多くのウェブサービスは個人の仕事を大きく後押ししてくれるものだと思います。
今後、投資案件やクラウドファンディング等を活用した資金調達も生まれれば、熊本の起業シーンもますます盛り上がると思います。
未来会議室としても、熊本から新たな価値を創造し、イノベーションを起こしていくような起業家を輩出したいです。
それぞれが理想とする熊本の現実に向けて、未来会議室が環境面で貢献し、牽引していきたいですね。
工藤:世界は常に変化しています。
既存の価値観や組織、常識も絶えず変化しています。仮に一つの事業がうまくいかなかったとしても、命をとられることはないでしょうし、経験という何事にも代えられない財産がのこります。
イノベーションの多くは異端者から産まれているものです。未来会議室自身も、起業家マインドを持って、チャレンジする人を全力でサポートさせていただきたいと思います。
(取材協力:未来会議室/工藤 英揮)
(編集:創業手帳編集部)