Amazon、楽天、Yahooの3大出品モールを徹底比較!|ユーザー数や売上などの違いを分析
利用者数やシェア、費用など15項目でAmazon・楽天・Yahooを比較。出品に適したECモール選びに
日本国内で三大ECモールといえば、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの3つ。中小企業がEC事業を始める場合、いずれかに出品・出店するのが定番の戦術といえます。
そこで今回は、出品先としてのAmazon・楽天・Yahooを比較し、それぞれの特徴をお伝えします。ユーザー数やシェア、費用を含め15項目を比べるので、出品するECモールを選ぶ際の参考にしてください。
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この記事の目次
- 利用者数やシェア、費用など15項目でAmazon・楽天・Yahooを比較。出品に適したECモール選びに
- Amazon・楽天・YahooのECモールとしての特徴
- 【出品者目線】Amazon・楽天・Yahooを10項目で比較
- 1. ユーザー数で比較:Amazon・楽天が同程度、Yahooは半分以下
- 2. 売上・シェアで比較:Amazonと楽天が同程度の流通総額
- 3.出品タイプで比較:Amazonはマーケットプレイス型、楽天・Yahooはテナント型
- 4. 審査難度で比較:Amazonの審査が最も易しく参入しやすい
- 5. 出品費用で比較:Amazon・Yahooは初期費用・月額料金0円でも出品可能
- 6. 配送代行で比較:Amazonのフルフィルメント(FBA)が定番
- 7. SEOで比較:Amazonと楽天市場が上位表示されやすい
- 8. 広告で比較:いずれもモール内外で商品・ブランドを宣伝可能
- 9. サポートで比較:Amazonは無料で24時間対応、楽天は基本サービスが充実
- 10. 海外展開で比較:越境ECなら世界共通のAmazon一択
- 【ユーザー目線でも比較】Amazon・楽天・Yahooの利便性、メリット
- まとめ
Amazon・楽天・YahooのECモールとしての特徴
まずはAmazon・楽天・Yahooを比較した場合のそれぞれの特徴を紹介します。後述する各項目の比較に関するサマリーです。
Amazon:個人を含め小規模事業者でも気軽に参入できる
Amazonは、費用が安い・審査が簡易的・配送代行がある点で、個人を含む小規模事業者・中小企業におすすめです。とにかくECにチャレンジしてみたいという場合にはAmazonを選んでおけば間違いないでしょう。
Amazonはユーザー数や流通総額などで楽天市場と肩を並べる国内最大級のECモールです。全世代で人気ですが、とくに10代・20代の若者からの支持が厚く、将来性にも優れています。
また世界共通のプラットフォームを持ち、各国に拠点があるAmazonは、越境ECも強みとしています。67カ国に商品を簡単に発送できるため、海外展開を考える事業者にもおすすめです。
楽天:本格派に適した国内最大級のテナント型EC
楽天市場は、国内随一の規模を誇るテナント型のECモールです。約5.7万の出店数を誇る巨大なバーチャルマーケットに仮想店舗を構え、商品を陳列、販売できます。
楽天市場では、スタンダードプランで目標月商が140万以上に設定されており、本格的なネットショップを目指す事業者向きです。基本サービスの中でECコンサルタントや各種機能(管理や分析等)も利用できます。
ただし、楽天市場はAmazon・Yahooに比べて、初期費用および年間の固定費が高額で、審査も厳しめです。そのため、気軽にチャレンジするというよりは、稼げるビジネスモデルを明確に描いてから出店するのがよいでしょう。
Yahoo:初期費用&月額0円でテナント出店が可能
Yahoo!ショッピングは、Amazon・楽天に次ぐ規模を持つ国内三番手のテナント型ECモールです。出店店舗数は約120万、商品数は約3億ともいわれており、これらはAmazon・楽天に勝ります。
Yahoo!ショッピングの強みは、初期費用・月額料金0円でテナントを出店できること。固定費を抑えて気軽に出店したい小規模事業者・中小企業に向いています。ECサイトを作る代わりとしてYahoo!ショッピングに出店するのもよいでしょう。
またYahoo! JAPAN(検索エンジン)との親和性があることもYahoo!ショッピングの特長です。具体的にはYahoo! JAPANに広告を出せたり、「ショッピング」フィルターからのアクセスが得られたりします。
【出品者目線】Amazon・楽天・Yahooを10項目で比較
以下では、出品者の目線からECモールとしてのAmazon・楽天・Yahooを比較します。
1. ユーザー数で比較:Amazon・楽天が同程度、Yahooは半分以下
順位 | 媒体名 | 視聴者数 |
---|---|---|
1 | 楽天市場 | 5,104万人 |
2 | Amazon | 4,729万人 |
3 | Yahooショッピング | 2,288万人 |
4 | au PAYマーケット | 961万人 |
5 | Omni7 | 849万人 |
最も頻繁に利用するECモール | |
---|---|
Amazon | 49.63% |
楽天 | 32.41% |
Yahoo!ショッピング | 9.85% |
ZOZOTOWN | 2.14% |
Qoo10 | 2.03% |
メルカリShops | 1.86% |
au PAYマーケット | 1.01% |
その他 | 1.07% |
上記の通り、ユーザー数の点ではAmazon・楽天市場が2強です。ただし、Yahoo!ショッピングも他のECモールに比べると利用者が多く、Amazon・楽天に次ぐ第三勢力の地位を保っています。
なお、執筆時点で最新となる2023年6月の調査(表2)では、楽天市場よりAmazonのほうが人気であるという結果が出ています。楽天市場の32.41%に対し、Amazonは49.63%。この調査結果に基づくと、Amazonのほうが楽天より17.22ポイント支持者が多く、1.3倍ほど人気です。
Amazonは若年層、楽天・Yahooは中高年層の利用者が多い
年代別 ECモール利用者比率 | ||||
---|---|---|---|---|
Amazon | 楽天 | Yahoo | 左記以外 | |
10代 | 41.74% | 16.35% | 〜10% | 〜35% |
20代 | 30%〜 | 20%〜 | 〜10% | 〜30% |
30代 | 30%〜 | 30%〜 | 10%〜 | 〜25% |
40代 | 30%〜 | 30%〜 | 15%〜 | 〜25% |
50代 | 30%〜 | 30%〜 | 20%〜 | 〜20% |
60代 | 30%〜 | 30%〜 | 20%〜 | 〜15% |
年代ごとに見ると、10代・20代の若者は顕著にAmazonを選択する傾向があります。一方、30代以降の中高年では楽天・Yahooも盛んに利用されており、とくに50代以降にはYahoo!ショッピングも人気です。
ECモールはインターネットのサービスであるため、ネットリテラシーの高い若者※がAmazonを選択していることは重要な観点だといえます。今後、全世代でネットリテラシーが向上していけば、中高年にもAmazonのユーザビリティがより評価されるようになる可能性はあるでしょう。
※総務省(2021)「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」において、情報リテラシー高の割合が最も高かったのは20〜29歳(43.5%)
Amazon・楽天・Yahooとも利用者の性差はほとんどない
ECモール 利用者男女比率 | ||
---|---|---|
男性 | 女性 | |
Amazon | 51.92% | 48.08% |
楽天 | 48.68% | 51.32% |
Yahoo!ショッピング | 50.87% | 49.13% |
利用者の男女比率の調査では、Amazon・Yahooがわずかに男性優位、楽天がわずかに女性優位という結果が出ています。
しかし、割合は全て48〜52%の間に収束しており、男女差の傾向はほぼないといってよいでしょう。よって、ターゲットとする性別は、出品・出店するECモールを選ぶ際の有益な判断材料にはならないと考えられます。
2. 売上・シェアで比較:Amazonと楽天が同程度の流通総額
Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング |
---|---|---|
6兆円 | 5.6兆円 | 1.5兆円 |
国内EC流通総額では、Amazon・楽天市場がともに6兆円程度の規模を誇ります。流通総額とは、ECモールにおいて消費者が購入した商品・サービスの売上合計のことです。
2022年における物販系ECの市場規模は14兆円弱※なのでAmazon・楽天でマーケットをほとんど占有していることになります。そのため、リーチ可能な顧客の数という観点では、Amazon・楽天市場の2択でしょう。
とはいえ、市場規模が大きいということはライバルが多いということでもあります。そのため、事業者や商品の性質などによっては、Yahoo!ショッピングが狙い目ということもあるでしょう。
※経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によるとBtoC-EC・物販系分野の市場規模は13兆9,997億円
3.出品タイプで比較:Amazonはマーケットプレイス型、楽天・Yahooはテナント型
Amazonは、全事業者が共通のプラットフォームに出品するマーケットプレイス型のECモールです。それぞれが独自の店舗ページを持つわけではなく、Amazonという大きな店舗に各社が商品を陳列するイメージになります。
一方、楽天・Yahooは、事業者それぞれが店舗ページ(簡易のECサイト)を持つテナント型のモールです。そのため、Amazonは「出品」ですが、厳密には楽天・Yahooは「出店」と言うほうが適切でしょう。
マーケットプレイス型とテナント型の主なメリット・デメリットについては、下記を参考にしてください。
マーケットプレイス型 (Amazon) |
テナント型 (楽天・Yahoo) |
|
---|---|---|
売り手の呼称・立場 | 出品者・セラー | 出店者・テナント |
出品にかかる労力 | 比較的少ない 基本的に商品さえあれば個人でも出品可能 |
比較的大変 店舗ページの構築や決済システムの契約等が必要 |
商品ページの作成 | ・様式が決まっているので簡単に作成できる ・デザインが画一的だからこそのユーザビリティも |
・各自でページを企画、構築する必要がある ・デザインを決められるのでブランディングしやすい |
独自のセールやキャンペーン | 基本できない | ある程度は可能 |
4. 審査難度で比較:Amazonの審査が最も易しく参入しやすい
マーケットプレイス(出品)型のAmazonは、審査難易度が低いことで知られています。法人・個人事業主ともに、本人確認のみの簡易的な審査をパスすればAmazonに出品が可能です。
一方、テナント(出店)型の楽天市場とYahooショッピングの審査は比較的厳しいといわれています。楽天・Yahooでは、本人確認に加え、販売する商材に関する審査も実施されます。
5. 出品費用で比較:Amazon・Yahooは初期費用・月額料金0円でも出品可能
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
初期費用 | – | 60,000円 | – |
基本料金 | 小口出品:100円/商品 大口出品:4,900円/月 |
がんばれ!プラン:19,500円/月(年間一括払いで234,000円) スタンダードプラン:50,000円/月(半年ごとの2回分割払い, 1回300,000円) メガショッププラン:100,000円/月(半年ごとの2回分割払い, 1回600,000円) |
– |
販売手数料 | 8〜15%ほど | システム手数料 がんばれプラン:パソコン 3.5〜6.5%/モバイル 4.0〜7.0% その他プラン:パソコン 2.0〜4.0%/2.5〜4.5% |
– |
システム利用料 | – | 月間売上高の0.1% | – |
ポイント等の原資 | – | 楽天会員の購入代金×付与率(通常1.0%) | ストアポイント原資負担:1〜15%(1%は必須) キャンペーン原資負担:1.5%は必須 |
アフィリエイト利用料 | – | アフィリエイト経由売上の2.6〜5.2% | アフィリエイトパートナー報酬:1〜50%(1%は必須) アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬の30% |
その他 | FBA配送代行手数料:208〜5,625円/商品 FBA在庫保管手数料:4,370円〜/月 |
R -Messe:月間固定費 3,000円〜 楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5〜3.5% |
ストア決済サービス手数料:決済金額の3.0〜4.48%ほど |
上記の通り、Amazonの小口プランとYahoo!ショッピングでは、初期費用・月額料金0円で出品が可能です。そのため、固定費を抑えて出品したい事業者に向いています。
一方、楽天市場は固定費がかかる分、各種手数料のパーセンテージを抑える料金体系となっています。ただし、プラン料金が年間一括ないし半年ごとの2分割払いなので、初期費用が高額になることに注意が必要です。
なお、Amazon・楽天・Yahooのどれが一番安く出品できるかはケースバイケースです。商品のカテゴリや販売個数、配送手段などによって実際にかかる金額は前後します。また安く出品できるモールでは、価格競争により、売上単価が落ちることも考えられます。
そのため、費用面の検討では、価格競争や配送なども加味しつつ、詳しいシミュレーションをするのがよいでしょう。その際は、各公式サイトの料金シミュレーターも役立ちます。
6. 配送代行で比較:Amazonのフルフィルメント(FBA)が定番
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
配送代行サービスの特徴 | フルフィルメント by Amazon(FBA) ・商品の保管・ピッキング・梱包・発送を代行 ・カスタマーサポート・返品管理も任せられる ・商品が「Amazonプライム」対象に ・海外配送にも対応(67カ国以上が対象) ・「小型軽量商品プログラム」や「定期おトク便」など各種割引も |
楽天スーパーロジスティクス(RSL) ・宅急便100サイズまで全国一律380円で配送 ・「あす楽」「土日祝出荷」に対応 ・オプションでギフトラッピングやメッセージカード封入にも対応 ・専任のECコンサルタント・物流コンサルタントによるサポート |
独自の配送代行サービスなし ・提携の物流代行サービスを紹介 ・選択肢は「ヤマト運輸」「SBフレームワークス」をはじめ20社以上 ・倉庫連携システムの紹介も |
ECモールの配送代行サービスでは、Amazonのフルフィルメント by Amazon(FBA)が有名です。2020年時点ですでに、Amazonに出品する中小企業者の過半数にあたる80,000社以上が利用していました。2024年現在では、さらに利用する中小企業・個人事業主が増えているかもしれません。
AmazonのFBAは、商品の保管からピッキング、梱包、配送、カスタマーサポートまで、全てを任せられるサービスです。事業者はAmazonの物流拠点に商品を発送するだけでEC事業を実施できます。少ない労力でECを始めてみたい中小企業や個人事業主におすすめです。
一方(楽天には「楽天スーパーロジスティクス」もありますが、)楽天・Yahooの場合は自社で物流会社と個別に契約する形が基本となります。労力はかかりますが、配送料を下げられたり、独自のサービスが利用できたりといったメリットが得られる可能性があります。
7. SEOで比較:Amazonと楽天市場が上位表示されやすい
Yahoo! JAPAN | ||
---|---|---|
雑誌 | Amazon | Amazon |
化粧水 | Amazon | Amazon |
サプリメント | Amazon | Amazon |
パソコン | Amazon | Amazon |
デスク | Amazon | 楽天市場 |
米 | 楽天市場 | 楽天市場 |
シャツ | 楽天市場 | 楽天市場 |
ランニングシューズ | 楽天市場 | 楽天市場 |
財布 | 楽天市場 | 楽天市場 |
洗剤 | Amazon | Amazon |
上記の通り、SEOのサイトパワー※ではAmazonと楽天市場が2強です。ブラウザで検索すると「雑誌の通販ならアマゾン」「【楽天市場】米の通販」のように2サイトがおおむね上位に表示されます。
サイトパワーが強いと、各ECモールの訪問者だけでなく、検索エンジン全体のユーザーを顧客にできる可能性があります。つまりGoogle等の検索フォームからの流入が見込めるということです。自社制作のECサイトでAmazon・楽天に勝つのは難しく、この点はモールに出品すること特有のメリットといえるでしょう。
なお、Yahoo! JAPANでは「ショッピング」のフィルターで絞り込むとYahooショッピングのみの商品が表示されます。Amazon・楽天ほかは表示されないため、Yahoo!ショッピングにも一定のアドバンテージがあります。ちなみに検索エンジンとしてのYahoo! JAPANのシェアはPCで8%弱、モバイルで18%強(2023年10月時点)です。
※SEOとは「検索エンジン最適化」、サイトをできるだけ上位に表示させる取り組みのこと。SEOに優れていることを「サイトパワー(ドメインパワー)が強い」ということがある。
8. 広告で比較:いずれもモール内外で商品・ブランドを宣伝可能
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
主な広告サービス | ・スポンサープロダクト広告:商品検索結果ページや商品詳細ページなど、Amazon内に表示。関連商品を探している購入者にリーチする。 ・スポンサーブランド広告;ブランドと商品ポートフォリオの紹介。ブランドロゴやカスタム見出し、一部商品が検索結果に表示。 ・スポンサーディスプレイ広告:セルフサービスで作成した広告をAmazon内外に掲載。購買行動に基づき関連性の高いユーザーにリーチ。 ・ストア:各ブランド向けにカスタマイズされた追加費用無料のランディングページ。ブランドストーリーや商品を手軽に紹介。 |
・RMP – Sales Expansion:楽天市場の検索結果に表示される検索連動型の広告。 ・RMP – Brand Gateway:ブランド紹介のディスプレイ広告。 ・RMP – Showroom:クーポンなどのプロモーションを表示できるディスプレイ広告。 ・RMP – SEM:大手検索エンジンの検索結果に表示される検索連動型広告。 |
・検索広告:Yahoo! JAPANの検索結果にテキストリンクの広告を表示。 ・ディスプレイ広告(運用型):Yahoo!ニュースなどに画像・動画付きの広告を表示。 ・ディスプレイ広告(予約型):画像・動画付き広告の掲載期間と表示回数を保証。 |
上記の通り、Amazon・楽天・Yahooともに複数の広告サービスが用意されており、モール内外での宣伝が可能です。広告での宣伝は、商品ページへのアクセス強化やモール内でのSEO強化などに役立ちます。
費用の支払い方法ですが、Amazon・Yahooは基本的にクリック課金制で、広告の閲覧に応じて料金が発生する仕組みです。楽天の広告はものによって固定費がかかるものもあります。
9. サポートで比較:Amazonは無料で24時間対応、楽天は基本サービスが充実
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
主なサポート内容 | ・Amazonテクニカルサポート ・Amazon出品大学 ・マーケットプレイスコンサルティングサービス(有料) |
・ECコンサルタント ・コールセンター ・Eラーニング RUx ・店舗構築機能 R-Storefront ・受注・管理機能 R-BackOffice ・分析機能 R-Karte |
・ストア構築(有料) ・ストア管理(有料) ・ストア運用(有料) ・ストア販促(有料) |
出品者向けのAmazonテクニカルサポートでは、メールで24時間、チャット・電話では9〜21時にサポートを受けられます。またWebの無料トレーニングであるAmazon出品大学でたいていのことは調べられます。
楽天市場のサポートは、基本サービスの中でECコンサルティングや各種の管理機能を使えることが魅力です。ECの構築や運用に詳しくない事業者でも安心して事業を進められるでしょう。
Yahooショッピングでは、ストアの構築から販促まで、有料のサポートサービスが網羅的に用意されています。必要な領域だけを自分でカスタマイズして利用可能です。
10. 海外展開で比較:越境ECなら世界共通のAmazon一択
Amazonは日本だけでなく、アメリカ・欧州をはじめ世界各国共通のプラットフォームで展開されています。そのため、世界中のユーザーが日本のAmazon(amazon.co.jp)を容易に利用できます。
またAmazonなら商品の海外配送も容易です。先述したFBAを利用すれば、追加手数料0円・追加手続きなしで67カ国に商品を届けられます。よって、越境ECのしやすさを重視するなら、選択肢はAmazon一択でしょう。
ちなみに楽天の越境EC向けサービス(楽天グローバルマーケット)は2020年6月末に廃止されました。Yahooは日米でショッピングの運営が異なり、越境ECに特化したサービスやサポートもありません。
【ユーザー目線でも比較】Amazon・楽天・Yahooの利便性、メリット
購入者にとっての使いやすさの観点でも、Amazon・楽天・Yahooを比較してみましょう。
一般的にユーザビリティが高いほうが顧客を惹きつけやすいため、事業者にとってもよいといえます。ただし、ユーザビリティの高さが事業者の負担によって実現されているケースもあることには注意が必要です。
1. 価格差で比較:Amazonが最安と言われるが商品によりけり
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
大手女性誌 2024年1月17日号 | 750円 | 750円 | 750円 |
有名ブランド 導入化粧液 400ml | 1,992円 | 2,490円 | 2,238円 |
大手ブランド 持続型ビタミンC サプリ | 549円 | 449円 | 473円 |
有名ブランド エルゴノミクスマウス | 7,800円 | 7,900円 | 7,900円 |
有名ブランド パソコンデスク | 5,786円 | 5,780円 | 5,137円 |
魚沼産コシヒカリ 5kg 令和5年産 | 3,790円 | 3,790円 | 3,790円 |
大衆ブランド インナーシャツ メンズ | 950円 | 980円 | 940円 |
大手ブランド ランニングシューズ | 6,480円 | 4,880円 | 5,720円 |
有名ブランド ロゴポーチ | 3,080円 | 4,461円 | 3,330円 |
大手ブランド 洗濯洗剤 大容量 | 2,186円 | 2,380円 | 2,980円 |
最安値10項目中 | 6項目 | 4項目 | 4項目 |
任意の10商品の価格差を調べたところ、Amazonが最安値となるケースが最多でした。実際、ネットでも「Amazonが一番安い」とのコメントが一般的に見られますが、商品によっては楽天・Yahooのほうが安い場合もあります。
ちなみにAmazonの安さは配送料無料の「Amazonプライム」によるところが大きいと考えられます。Amazonプライムは、月額600円ないし年間5,900円でお急ぎ便・お届け日時指定便を含めた配送特典が無料になるサービス。Prime VideoやAmazon Music Primeなども追加料金なしで利用できるようになります。
そんなAmazonプライムの対象商品となるのは、主にFBAを利用する事業者が出品したモノです。つまり無料となる配送料の原資(の一部)は、FBA配送代行手数料等として事業者が負担していることになります。
2. 検索しやすさで比較:Amazonでは同一商品が1つのページに表示される
Amazonでは一つの商品に対してカタログページは一つしかないのが基本です。楽天・Yahooと異なり、同一商品で重複したカタログが複数表示されることがないため、購入者には戸惑いが少ないといえます。
しかし、この仕様は事業者にとっては厳しい環境でもあります。同一商品を出品する競合が多ければ、価格や知名度などで激しい競争が繰り広げられることになるからです。一番になれなかった事業者の商品は「その他○件の出品」の欄に追いやられてしまいます。
そのため、小規模事業者が定番の商品を仕入れて売る場合は、Amazonでなく楽天・Yahooのほうが健闘しやすいかもしれません。
3. ポイントで比較:楽天とYahooは関連サービスの併用で高還元に
Amazonがプライムのユーザビリティを推しているのに対し、楽天・Yahooはポイント還元を強みとしています。Amazonにもポイントはありますが、楽天・Yahooは関連サービスと組み合わせて使うことで高還元になるのが特徴です。
楽天市場では、楽天カードや楽天モバイル、楽天銀行などの併用でポイント還元率が最大50倍ほどにまで高まります。また対象期間の買い物の回数に応じて還元率が高まる「お買い物マラソン」も頻繁に実施されています。
一方、Yahooは、PayPay・LINE・ソフトバンクとの連携が売りです。加えて、商品券やクーポンの配布によっても顧客獲得が目指されています。
楽天・Yahooに出店する場合、こうしたポイントがもたらす「お得感」にうまく乗っかることで利益を伸ばせる可能性があります。ただし、両モールとも、ポイント原資を負担するのは事業者であることには注意が必要です。
4. 公式カードで比較:YahooのPayPayカードが最も高還元
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
公式クレジットカード | Amazon Prime Mastercard/Amazon Mastercard | 楽天カード/楽天ゴールドカード/楽天プレミアムカードほか | PayPayカード/PayPayカード ゴールド |
年会費 | 無料 | 無料/2,200円/11,000円 | 無料/11,000円 |
基本還元率 | 1.0% | 1.0% | 1.0%/1.5% |
各モールでの還元率 | 1.5%(Amazonプライム会員は2.0%) | 3.0%(「5」と「0」のつく日は5.0%) | 5.0%(LYPプレミアム会員は最大7.0%、上限あり) |
その他の特徴 | コンビニ3社で1.5%還元 iD決済に対応 |
楽天銀行で引き落とせば+1.0%還元 | PayPayアプリの登録で+最大0.5%還元 |
大手ECモールの公式クレジットカードのうち、モールでの還元率が最も高いのはYahooのPayPayカードです。キャンペーンや関連サービスを活用すれば、楽天カードもPayPayカードに準ずる高還元になります。
先述した通り、楽天とYahooはポイント還元を強みとしています。出店者自身でも公式カードが高還元であることを発信等することで販促につながるでしょう。
5. セールで比較:イベントやキャンペーンの内容は似通っている
Amazon | 楽天 | Yahoo | |
---|---|---|---|
主なセール | 小中規模:Amazonタイムセール(毎日)、タイムセール祭り、ファッションタイムセール祭りなど 大型セール:初売りセール、プライムデー、プライム感謝祭、Amazonブラックフライデーなど |
小中規模:24時間限定タイムセール、楽天お買い物マラソンなど 大型セール:楽天スーパーセール、楽天ブランドデー、楽天イーグルス感謝祭、楽天ブラックフライデーなど |
小中規模:24時間タイムセール、5のつく日キャンペーン、ハッピーアワーなど 大型セール:ワイ!ワイ!SALE(旧プレミアム感謝デー)、超PayPay祭、年末大感謝祭など |
Amazon・楽天・Yahooのセールやキャンペーンの内容はどれも似通っています。もちろん詳細に違いはありますが、日々のタイムセール等に加えて、年に数回ビッグセールがあるというイメージです。
こうしたセールは販促や在庫処分などに活かせるため、自社に一番マッチするのはどのモールのイベントかを調べてみるのもよいでしょう。
まとめ
三大ECモールのうち、気軽に参入できて小規模事業者を含め万人におすすめなのはAmazonです。楽天市場は参入のハードルは高いものの、成功すれば月商140万円を超える大きな利益や安定性が見込めます。
Yahoo!ショッピングは固定費を抑えてチャレンジできるテナント型ECです。同じく初期費用がかからないAmazonと併用して始めるのもよいでしょう。
創業手帳では、「起業したい」と思ったけど何から準備を始めたらいいかわからないという方のために無料でご利用できる「創業カレンダー」をご用意致しました。創業予定日を起点とし、前後1年におけるやることリストをカレンダー方式で確認ができるものになっています。起業の成功率は事前の準備で上がるとも言われていますので、是非こちらをご活用していただき、事業を成功へと導いていただきたいと思います。
(編集:創業手帳編集部)