注目のスタートアップ

コオロギの養殖事業を展開する「CricketFarm」が協調融資により4,100万円調達

company

2022年9月29日、株式会社CricketFarmは、諏訪信用金庫と日本政策金融公庫長野支店農林水産事業から、4,100万円の協調融資を受けることを発表しました。

CricketFarmは、AIやロボットなどのテクノロジーを活用したコオロギの養殖事業を長野県で展開しています。

養殖にあたっては、遺伝子操作を行わず、自然のままの養殖にこだわっています。

また、昆虫食に対するマイナスイメージを払拭するため、工場見学ができる茅野養殖場を8月にオープンしています。

今回の資金は、養殖場や、直売所の改修、機械導入に伴う設備資金・運転資金に充当します。

世界的な人口増加により、早くて2030年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れ、需要が供給を上回りはじめると予想されています。これをタンパク質危機と呼びます。

一方で、動物性タンパク質である畜産肉については、畜産で利用可能な土地がもう残されていないことや、ウシ・ブタは必要とする飼料用穀物の量に対してタンパク質の変換効率が低いといった課題を抱えています。これら家畜が食べている穀物を人間に配れば食糧問題が解決するとさえいわれています。

またウシはげっぷとして温室効果ガスであるメタンガスを放出します。米国では排出するメタンガスの約25%がウシによるものと推定されています。

そのため新たなタンパク質とその生産方法などについて世界中で研究開発が進められており、その結果として現在植物肉が高い注目を集めています。

一方、植物肉の主な原料は大豆であるため、植物肉は植物性タンパク質となります。人間は植物性タンパク質よりも動物性タンパク質のほうが吸収の効率が優れているため、動物性タンパク質をどう確保するかが問題となっています。

その新たな動物性タンパク質として注目されているのが昆虫です。

とくにコオロギは飼育が容易で、食性が雑食、食味が良いという特徴があり、昆虫食のなかでもメジャーなものとなると考えられています。

一方で、コオロギは産業として確立されていなかったため品種改良なども進んでいません。

食品残渣などを利用して育てることが可能か、持続可能な養殖は可能か、といったことも踏まえ、コオロギの養殖事業が展開されていくことになるでしょう。

株式会社CricketFarmのコメント

このニュースを受けまして、株式会社CricketFarm 代表取締役 坪井大輔氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

更なるIT化及び設備増強、コオロギ商品の販売強化です。

・今後の展望を教えてください。

コオロギを口にすることへの嫌悪感と障壁を排除し、多くの方がSDGsを体現できるように努めることです。

・読者へのメッセージをお願いします。

コオロギはスーパーフードです。

粉末にすることで、抵抗感なく摂取できますので、是非、世界が取り組む飢餓対策に私たちも積極的に参加しましょう!

SDGsは大きなビジネスチャンスとなり得ます。世界に先んじて革新的なプロダクトやサービスを開発できれば、大きなシェアを獲得できるでしょう。そのためには開発やマーケティングのために豊富な資金が必要となります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報について詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ AI タンパク質危機 テクノロジー ロボット 昆虫食 株式会社 養殖
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
起業するには何から始める?誰でもできる起業の仕方や手続き【5ステップで解説】
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

独自AIコア「epRobo」を開発する「ロボケン」が資金調達
株式会社ロボケンは、資金調達を実施しました。 引受先は、株式会社アルコパートナーズです。 AI 技術として一般的であるディープラーニングが行うことができない累積学習も可能にする、新たな AI コア技術…
森林埋葬サービス「RETURN TO NATURE」を監修する「at FOREST」が5000万円調達
2025年3月7日、at FOREST株式会社は、総額5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 at FORESTは、遺骨を森林に埋葬するサービス「RETURN TO NATURE」を提供…
「ビルドサロン」がオンライン・サロン上で投げ銭を受け取れる新サービス「ビルド投げ銭」の提供を開始
2021年1月2日、株式会社ビルドサロンは、「ビルド投げ銭(なげせん)」の提供を開始したことを発表しました。 「ビルド投げ銭」は、オンライン・サロン上でZOOMを配信する際、視聴者からリアルタイムで投…
わさびの自動栽培に取り組む「NEXTAGE」が資金調達
2023年2月22日、株式会社NEXTAGEは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス・ソリューションプロバ…
日本円連動ステーブルコイン「JPYC Prepaid」を取り扱う「JPYC」が資金調達
2025年1月27日、JPYC株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は約17億円となります。 JPYCは、日本円連動ステーブルコイン「JPYC Prepa…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集