注目のスタートアップ

アフリカ最大の小売店プラットフォームの構築を目指す「WASSHA」が11.4億円調達

company

2022年6月10日、WASSHA株式会社は、総額11億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

WASSHAは、アフリカ現地の購買行動の起点である小売店(キオスク)を活用したプラットフォーム事業に取り組んでいます。

2022年6月現在、未電化地域向けの電力サービス事業(Energy as a Service, EaaS)を展開しています。

自社開発した太陽光充電式のLEDランタンを、未電化地域の所得の安定しない一般消費者に向けて貸し出しています。

このLEDランタンの電源はAndroidアプリから制御でき、現地で普及してる電子マネー送金サービスで利用料金を支払った場合のみ1泊分利用できる仕組みです。

キオスクの与信判断を自動化するアプリケーションや、キオスクでの在庫管理を効率するアプリケーションを自社開発し、オペレーションで活用しています。

2023年内には、タンザニア・ウガンダ・モザンビーク・西アフリカへの進出を予定しています。

今回の資金は、新規事業や、既存事業のアフリカ域内での他国展開、IPOに向けた人材獲得、組織強化に充当する予定です。

独立行政法人国際協力機構の資料「JICAによるアフリカ電力開発支援」によると、2014年の時点では、サブ・サハラアフリカ全体の電化率は35%程度で、農村部に限ると19%と低い電化率になっています。人口でいうと6億人を超える人びとが電気のない生活を送っています。

こういった地域では固定電話もまったく普及していません。一方でフィーチャーフォンやスマートフォンは2000年あたりから普及し、2021年時点で携帯電話の普及率が90%を超えている国も多く、またモバイルブロードバンドにアクセスできる人口も50%前後となっています。

アフリカで携帯電話が急速に普及したのは、固定電話回線の線での整備よりも、基地局の点での整備のほうが手間もコストもかからないからです。

未電化地域も多いのですが、携帯電話であれば電気のある場所に行って充電をすればいいですし、太陽光発電といったものもあります。

こういった事情から、アフリカでは電話番号でお金のやり取りが行えるモバイル送金サービスが爆発的に普及しています。アフリカでは銀行口座も持っていない人が多く、クレジットカードも普及していないのですが、このモバイル送金サービスが銀行口座やクレジットカードの代わりを果たしています。

アフリカはインフラや法律の整備が遅れていますが、この状況を新たなビジネスを試すことができるとプラスに捉える企業も多く、携帯電話といったテクノロジーを軸としたサービスを展開する企業が増えているのです。

社会課題の解決は、ビジネスとして行えるものもあります。しかしビジネスとして成立させるためにハードルがあることも少なくなく、継続的に資金を必要とする企業もあるでしょう。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EaaS Energy as a Service LED WASSHA アフリカ キオスク ランタン レンタル 小売店 未電化地域
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

モノの貸し借りアプリ「Alice.style」を運営する「ピーステックラボ」が「阪急阪神ホールディングス」のコーポレートファンドから資金調達
2023年8月3日、株式会社ピーステックラボは、阪急阪神ホールディングス株式会社が設立した「阪急阪神イノベーションパートナーズ投資事業有限責任組合」から、資金調達を実施したことを発表しました。 ピース…
NFTレンタルプラットフォーム「EXA」を開発する「Tavern」が3,450万円調達
2022年8月10日、Tavern株式会社は、総額3,450万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Tavernは、NFTをワンクリックで簡単かつ安全にレンタルできるプラットフォーム「EXA(エ…
光パターン形成LED照明提供の「パイフォトニクス」が1億円調達
2019年12月26日、パイフォトニクス株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」の開発・製造・販売を手掛けています。 工場内の労働…
アフリカでタクシードライバー向けマイクロファイナンス事業を展開する「HAKKI AFRICA」が19.7億円調達
2025年2月3日、株式会社HAKKI AFRICAは、総額19億7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 HAKKI AFRICAは、アフリカ・ケニアでタクシードライバー向けマイクロファ…
スマホ向けバッテリー・スタンド運営の「INFORICH」が10億円調達
2020年3月16日、株式会社INFORICHは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 スマホ充電器のシェアリング・サービス「ChargeSPOT」を運営しています。 駅などに設置され…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集