注目のスタートアップ

小型SAR(合成開口レーダー)衛星開発・運用の「QPS研究所」が38.5億円調達

company

2021年12月9日、株式会社QPS研究所は、総額38億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

独自開発した小型衛星用の収納式大型軽量アンテナにより、従来のSAR(合成開口レーダー)衛星の1/20の質量かつ1/100のコストを実現した、100kg級高精細小型SAR衛星の開発に成功しています。

2021年12月現在、2025年以降を目標に36機の小型SAR衛星を打ち上げて衛星コンステレーション(多数個の人工衛星の一群・システム)を構築し、約10分ごとの準リアルタイム地上観測データサービスの提供を目指しています。

このプロジェクトの実現のため、衛星「イザナギ」「イザナミ」の2機の開発・製造・打ち上げに取り組み、2021年5月には「イザナミ」による最高精細の画像取得に成功しています。

今回の資金は、2022年打ち上げ予定の衛星3号機~6号機の開発・運用に充当される予定です。

世界の宇宙ビジネスの市場規模は、2010年に約27兆円だったものが、2019年には約40兆円にまで成長しています。

また、2040年代には100兆円以上の市場規模へと大きく成長することが予測されており、大きく注目されている市場です。

2021年7月にAmazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏が宇宙旅行を成功させたことや、ZOZOを創業した前澤友作氏が国際宇宙ステーションに滞在するなど、起業家自身が宇宙に進出していることもあり、今後も話題に事欠かない市場であるといえます。

宇宙ビジネス市場でもっとも大きな割合を占めているのが、衛星の打ち上げや衛星から得られたデータを活用する衛星サービスです。

衛星サービスでは衛星の打ち上げが必須であるため、打ち上げコストが下がれば下がるほど収益率は向上しますし、また市場に参入するプレイヤーも多くなります。

衛星打ち上げを低コスト化するには、衛星を小型化することがもっとも効率が良いと考えられています。

衛星が小さければ小さいほど打ち上げに必要なロケットが小さくなり、低コスト化が実現できます。

そのため世界中で衛星の小型化のための研究開発競争が行われているのです。

最新技術を活用したプロダクトの開発には豊富な資金が必要です。シリーズ発行累計200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ QPS研究所 SAR 宇宙 宇宙ビジネス 株式会社 衛星 衛星コンステレーション 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

美容従事者向け複合型シェアサロン「SALON VILLAGE」運営の「WBP」が資金調達
2021年11月15日、株式会社WBPは、資金調達を実施したことを発表しました。 美容従事者(美容師、ネイリスト、アイリスト、エステティシャン)向けの複合型ビューティーシェアサロン「SALON VIL…
ブロックチェーン×OSSによる開発者収益化サービス「Dev」運営の「フレームダブルオー」が資金調達
2019年9月27日、フレームダブルオー株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 ブロックチェーン×OSSによる開発者収益化サービス「Dev」を運営しています。 トークン・エコノミーを活用す…
台湾を中心にチャットマーケティング「ChiChat」を展開する「人々」が資金調達
2023年2月3日、株式会社人々は、資金調達を実施したことを発表しました。 人々は、台湾を中心にチャットマーケティング「ChiChat」を展開しています。 「ChiChat」は、サイトからの離脱ユーザ…
「求人ジャーナル」と企業向けにSEOコンテンツ制作に関する人材教育・リスキリング事業を行う「アクリファ」が資本業務提携
2023年6月9日、株式会社求人ジャーナルは、株式会社アクリファと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 アクリファは、SEOコンテンツ制作に関する人材教育・リスキリング事業や、内製化支援事…
不動産業向け管理・編集SaaS「Forest」運営の「オープンルーム」が2,500万円調達
2020年2月27日、株式会社オープンルームは、2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 不動産業向け管理・編集SaaS「Forest(フォレスト)」を開発・運営しています。 物件図面の…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集