琉球アスティーダ 早川 周作|国内で初めてプロスポーツチームを上場させた秘訣

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※このインタビュー内容は2021年12月に行われた取材時点のものです。

コロナからの復興を祈願して12月20日、21日行われるアスティーダフェスティバルの詳細も

琉球アスティーダ 早川 周作|国内で初めてプロスポーツチームを上場させた秘訣
「プロスポーツチームの上場会社」と聞くとありそうなイメージですが、意外なことにこれまで一つも存在しませんでした。そんな快挙を日本で初めて成し遂げたのが、早川周作氏率いる琉球アスティーダです。

琉球アスティーダは卓球Tリーグに加盟するプロ卓球チームで、2021年3月30日に東京証券取引所が運営する特定投資家向け株式市場TOKYO PRO Marketに上場しました。コロナ禍という逆風をものともせず成し遂げられた偉業です。

早川氏に、プロスポーツチーム初の上場を目指した経緯や、2021年12月20日、21日の二日間をかけて実施されるアスティーダフェスティバルの詳細などについて聞きました。

早川周作氏

早川 周作(はやかわ しゅうさく)琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社 代表取締役

大学受験直前に実家が倒産し、無理心中寸前まで追い込まれるが、前向きな上昇志向で明治大学法学部へ進学。在学中より学生起業家として数々の企業に参画した後に元首相の秘書として約2年間勉強し、28歳で国政選挙に出馬するも、次点で落選。経営者に戻ってからは「日本のベンチャーを育てる」という意志の下、日本最大級の経営者交流会を全国で主催。弁護士、行政書士、公認会計士、税理士、社労士が在籍する総合コンサルティンググループ「日本リーディングコンサルティング株式会社」代表として約90社の数多くのベンチャーの顧問やアドバイザーの立場で法務・財務・営業支援などを指揮してきた。2018年2月、沖縄から卓球のプロリーグであるTリーグに参戦する「琉球アスティーダ」やトライアスロンチーム、飲食店を運営する琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社を設立し、代表取締役に就任。2021年3月、プロスポーツチームとして日本初となる上場を果たす。2021年4月、女子チームに参入し子会社の九州アスティーダ株式会社を設立し、取締役に就任。同年8月、子会社のアスティーダマーケティング株式会社、AMG株式会社取締役に就任。

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プロスポーツチーム国内初の上場

プロスポーツチーム国内初の上場

ー本日はよろしくお願いします。琉球アスティーダは、プロスポーツチームとして国内で初めて上場されました。上場を目指すとなると、審査などのプロセスが色々と大変だと思われますが、なぜ上場を目指されたのでしょうか。

早川:よろしくお願いします。

スポーツは人々に夢と感動を与えるもので、それゆえに普遍的な価値を持っていると私は考えています。そのような普遍的な価値を持つマーケットであるにもかかわらず、お金の循環の多様性がない。そこが問題だと思っていました。ガバナンスやディスクロージャーの大変さゆえ、そのような状況に陥っていたのです。

そこで「スポーツに新しいお金の循環を創るべき」と考え、上場を目指すことにしました。起業直後から上場を目指していたので、着々と必要な準備を行っていった形です。海外のプロスポーツチームには上場しているチームがたくさんあるので、日本もそうした状況になればいい、と考えています。

ー上場先としてTOKYO PRO Marketを選択されました。TOKYO PRO Marketでの上場には、どういったメリットがあるのでしょうか。

早川信用力と採用競争力の向上です。沖縄県内には上場会社が8社しかないため、信用力は格段にアップしました。あまり知られていないですが、素晴らしい市場です。

ー上場を目指す過程は大変でしたか。

早川:国内初のプロスポーツチームの上場案件だったので、やはり大変でした。とくにKPI管理、予実管理の面で苦労しましたね。

琉球アスティーダのビジネス戦略

琉球アスティーダのビジネス戦略

ー卓球Tリーグ以外にもさまざまなビジネスを展開されていますよね。

早川:そうですね。スポーツを基軸としつつも、スポーツと何かを掛け合わせて色々な角度で事業展開しています。

直営の飲食店や卓球教室といった展開しやすい領域での事業展開はもちろんしています。

変わったところでは、沖縄地域の貧困問題に取り組むべくスポーツ用品メーカーUNDER ARMOUR(アンダーアーマー)の廃棄品を沖縄の児童養護施設に寄付する活動や、京セラのセンサモジュールを選手たちが利用することによる実証実験事業などもあり、展開は幅広いです。

ースポーツビジネスの成功のコツは何だと思いますか。スポーツのビジネス面での魅力もあわせて教えてください。

早川:中世の時代から、スポーツや芸術には不変のエモーショナルな価値があります。これからさらにテクノロジーが進化して生活様式が変わっていったとしても、スポーツの価値は揺るぎません。今までもそうでしたから。

そうした「普遍的な価値」という軸からズレずに、社会課題の解決などの領域も手がけることで、より世の中に必要とされる会社に育てていくことが、ビジネス上の成功においても重要と考えています。

ー沖縄の地元密着ビジネスという面もあります。沖縄でビジネスを展開する魅力について教えてください。

早川:台湾まで40分、ほかのアジアの主要都市へもアクセスが最高にいいです。アジア圏のマーケットを狙うビジネスにおいては、非常にいいのではないでしょうか。

琉球アスティーダも、人口・経済ともに成長し続けているアジア市場で、積極的に事業展開をしていく予定です。

アスティーダフェスティバルについて

アスティーダフェスティバル

ー2021年12月20日、21日の二日間をかけて、沖縄アリーナでアスティーダフェスティバルが開催されます。フェスのテーマや魅力について教えてください。

早川:「沖縄」、「スポーツ」、「テクノロジー」、「エンターテインメント」、「食」という5つのテーマを掛け合わせたイベントです。

当日には福原愛さん、 斎藤佑樹さん、かりゆし58のしんごさん、島谷ひとみさんなどの豪華スペシャルゲストもお招きします。

また、メルカリCEOの小泉 文明さんなどの著名経営者もお招きしていますし、ビジネスマッチング交流会も開催するなど、ビジネス系のイベントも開催しますので、創業手帳読者の方々にもお楽しみいただけるかと思います。

ほかにも、沖縄で美味しいお肉を提供している店舗が出展する「肉王フェス」や、アスティーダのホームゲームなど、イベントが盛りだくさんです。

これまで観光で支えられてきた沖縄の経済は、今回のコロナ禍ではとくに打撃を受け、困窮を極めました。コロナからの復興の狼煙をあげるイベントにすべく、2日間で2万人の来場者数を目指しています。

ぜひご来場いただき、最高のエンターテインメントとビジネスマッチングをお楽しみください。

ー本日はありがとうございました。
アスティーダフェスティバルには、創業手帳代表の大久保も登壇致します。
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(取材協力: 琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社 代表取締役 早川 周作
(編集: 創業手帳編集部)



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