注目のスタートアップ

不整地における作業負担軽減や効率化に取り組むハードウェアスタートアップの「CuboRex」が7,500万円調達

company

2021年11月4日、株式会社CuboRexは、総額約7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

ねこ車電動化キット「E-cat kit」や、電動クローラーユニット「CuGo」を開発・提供しています。

「E-cat kit」は、農家や土木事業者が利用する一輪車(ねこ車・手押し車)を電動化する電動タイヤキットです。

手持ちの一輪車のタイヤ部分を「E-cat kit」に取り替え、付属のレバーを取りつけるだけで簡単に電動化することができます。

「CuGo」は、テスト機などを簡単に制作できるテスト用電動クローラー(キャタピラ)ユニットです。

たとえばこのユニットにカゴを取りつけるだけで収穫サポートロボットをつくることができます。

CuboRexは、これら電動化キットやユニットの提供により、不整地(農地や建築現場などの凸凹のある土地)での作業負担軽減や効率化に取り組んでいます。

今回の資金は、サービスロボットの研究・開発体制の拡充や、既存ソリューションの市場拡大・体制強化などに充当されます。

旅行などで電車に乗ると、日本は山ばかりだなという印象を抱くと思います。じっさい山地は日本の国土の約6割を占める地形であり、丘陵地も含めると全体の7割を山・丘が占めていることになります。

日本ではこの山が多く平地が少ないという土地の特性から、山で行われる農業も相対的に多くなっています。

山の近くと山間の農業地域のことを中山間地域と呼びます。この中山間地域における農業は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割を占めており、日本の農業のなかで重要な位置を占めています。

この中山間地域の問題はやはり平坦な土地が少なく高低差が激しいことであり、このような土地での農業を効率化するためには、中山間地域向けの農業機器やロボットが必要となることは想像に難くありません。

みかん畑や茶畑などで運搬用の農業用モノレールがよく利用されていることも、中山間地域での農業が大変であることをあらわしています。

しかし農業用モノレールは非常に高価なものであるため、小・中規模の農家の場合はそのような機械は利用できず、いわゆるねこ車を手で押して農作物を運搬しているという状況にあります。

平地であれば農作物を積載したねこ車であっても押すことはできますが、坂になるととたんに厳しくなります。

女性・高齢者にとってはさらに厳しいため、運搬できる範囲まで積載量を落とすことになり、効率が下がってしまいます。

そのため電動アシスト付きのねこ車のニーズが高いのですが、このような中山間地域などの不整地では特殊な形状のねこ車を利用していることが多く、オーダーするとなると高価になってしまいます。

「E-cat kit」はタイヤを取り替え付属のレバーを取りつけるだけで手持ちのねこ車を電動化できるため、みかん専用のねこ車などであっても電動化することができます。

みかんの一大産地である和歌山のJAありだと直接取引を行うなどの実績をあげているCuboRexのプロダクトは、今後中山間地域といった不整地での作業の効率化に大きく貢献していくことでしょう。

ロボットの開発に潤沢な資金が必要となります。シリーズ発行累計150万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ CuboRex CuGo E-cat kit ねこ車 ハードウェア ロボット 効率化 土木 建築 建設 株式会社 資金調達 農業 電動化
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

VRゲーム開発の「Thirdverse」が20億円調達
2021年8月10日、株式会社Thirdverseは、総額約20億円の資金調達を実施したことを発表しました。 VRメタバース実現のため、日米にある2つのスタジオにおいてVRゲームの企画開発を行っていま…
泡盛粕から美味しい食用藻「うま藻」をつくる「AlgaleX」が2.5億円調達
2023年10月25日、株式会社AlgaleXは、総額約2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AlgaleXは、泡盛の粕から美味しい藻「うま藻」をつくるサステナブルフードテック企…
フリーランス向けファクタリングサービス「ペイトナーファクタリング」を提供する「ペイトナー」が14億円調達
2025年1月23日、ペイトナー株式会社は、14億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ペイトナーは、フリーランス向けファクタリングサービス「ペイトナーファクタリング」を提供しています。 取引先…
農業経営の交付金(ゲタ対策)・セーフティネット対策(ナラシ対策)「経営所得安定対策」
農林水産省は「経営所得安定対策」を実施しています。 「経営所得安定対策」は、担い手農家の経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する交付金(ゲタ対策)と、農業者の拠出を前提…
「menu」「レアゾン・ホールディングス」「KDDI」がデリバリーサービス「menu」成長に向け提携強化 
2023年4月28日、menu株式会社は、株式会社レアゾン・ホールディングス、KDDI株式会社、menuの3社は資本業務提携をさらに強化したことを発表しました。 これによりmenuは、KDDIが50.…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集