YouTube(動画)マーケティングとは?方法や種類、ポイントや成功事例など紹介
YouTubeマーケティングのメリット・デメリットは?効果が出るポイントと成功事例を押さえよう!
今や「YouTubeはテレビを超えた」とも言われるほど、YouTubeの影響力は増してきています。実際に、この記事を読んでいるあなたも、YouTubeから情報を得ることは多いのではないでしょうか。
これをビジネスに活かさない手はありません。本記事では、YouTubeマーケティングの特徴やメリット、ポイントや方法、成功事例などをまとめてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
YouTube(動画)マーケティングとは?
世界で24億9,100万人ものユーザー数を誇るYouTubeは、今やグローバルなマーケティングプラットフォームとして欠かせない存在となっています。80カ国語以上で視聴されるこのプラットフォームで展開されるYouTubeマーケティングは、企業が自社の商品やサービスを世界に発信する強力な手段として注目を集めています。
特に日本では、インターネットユーザーの約8割がYouTubeを利用しているという驚異的な普及率を誇り、その市場規模は年々拡大を続けています。
YouTubeマーケティングの形態は多岐にわたります。自社チャンネルでの商品紹介や企業活動の発信から、動画再生時に表示される広告まで、様々な方法で顧客へのアプローチが可能です。このような柔軟性と幅広い訴求力を背景に、YouTubeをマーケティング戦略の核として位置づける企業が急増しています。
YouTubeの特徴
世界のソーシャルメディアの覇者といえばFacebookとYouTubeです。2024年1月現在、Facebookは30億7,000万人のアクティブユーザーを抱え首位に立っています。その後を追うYouTubeは24億9,100万人のユーザー規模を持ち、確固たる2位の座を維持しています。
日本国内でもYouTubeの存在感は絶大で、2023年5月の調査では18歳以上の月間アクティブユーザーが7,120万人を突破しました。
また、アプリ市場分析ツール「App Ape」によると、2024年4月のYouTubeアプリのユーザーあたりの1日平均利用時間は1時間17分にも上りました。
ユーザー数の多さ、利用時間の長さは、他のSNSと比較しても圧倒的であることがわかるでしょう。
YouTubeマーケティングのメリット
以下では、YouTubeマーケティングのメリットをご紹介します。
圧倒的なユーザー規模
まず注目すべきは、世界24億人以上のユーザーベースを持ち、日本国内でも8割以上のインターネットユーザーが利用している圧倒的なリーチ力です。幅広い年齢層にアプローチできることも大きな強みといえます。
動画コンテンツならではの情報伝達力
動画コンテンツならではの高い情報伝達力も見逃せません。視覚と聴覚の両方に訴えかけることで、商品やサービスの特徴を分かりやすく伝えられます。さらに、ストーリー性のある内容で視聴者の感情に訴えかけることができ、テキストや画像以上に詳細な情報を届けることが可能です。
投資対効果
投資対効果の面でも優れています。チャンネル開設や動画投稿は無料で始められ、一度投稿した動画は半永久的に視聴可能です。また、SEO効果も高く、検索エンジンでの露出も期待できます。過去の動画は資産として蓄積され続け、長期的な集客効果をもたらします。
効果測定しやすい
効果測定の面でも優れており、視聴回数、視聴継続時間、クリック率など、詳細なデータ分析が可能です。これにより、ターゲット層の反応を正確に把握し、戦略を適切に改善できます。
顧客とコミュニケーションしやすい
さらに、コメント機能を通じて視聴者と直接対話ができ、商品やサービスへのフィードバックをリアルタイムで得られる点も重要です。このような双方向のコミュニケーションを通じて、強固なファンコミュニティを形成することができます。
多様なコンテンツを配信できる
活用方法も多岐にわたり、商品紹介やハウツー動画、ブランドストーリーの発信、カスタマーサポート、採用活動、社内教育など、様々な用途に対応できます。また、SNSやブログなど他のメディアとの相互連携も容易で、既存のマーケティング施策を効果的に補完・強化できます。
YouTubeマーケティングのデメリット
メリットも多いYouTubeマーケティングですが、いくつかデメリットもあります。以下でご紹介します。
労力とコスト
最も大きな課題は、質の高いコンテンツ制作にかかる労力とコストです。視聴者の興味を引く魅力的な動画を作るには、企画立案から撮影、編集まで多くの時間と手間がかかります。また、機材の購入や専門スタッフの確保など、予想以上の費用が発生する可能性もあります。
継続的な運用が大変
継続的な運用も大きな課題となります。YouTubeでは定期的な投稿が重要ですが、毎回新鮮なアイデアを考え、質の高いコンテンツを作り続けることは容易ではありません。この継続性の要求は、特に人的リソースの限られた中小企業にとって大きな負担となります。
コンテンツ同士の競争が激化している
競争の激しさも無視できません。膨大な数の動画が日々アップロードされる中で、自社のコンテンツを目立たせることは極めて困難です。また、競合他社も同様にYouTubeマーケティングを行っており、差別化が難しい状況です。
誹謗中傷への対応
ネガティブな反応への対応も重要な課題です。コメント欄での批判的な意見や誹謗中傷、競合他社からの妨害的な行為に遭遇する可能性があります。これらへの適切な対応は、企業のイメージ管理の面で大きな労力を要します。
効果が表れるまでに時間がかかる
効果が表れるまでに時間がかかることも念頭に置く必要があります。チャンネルの認知度を上げ、安定した視聴者数を獲得するまでには、通常かなりの期間を要します。この間、目に見える成果が得られないことへの組織内での理解を得ることが難しい場合もあります。
ジャンルによっては効果が薄い
最後に、企業の製品やサービスによっては、動画コンテンツでの表現が難しい場合があります。特に、専門的なB2Bサービスや抽象的な価値提案を行う場合、視聴者の興味を引く魅力的な動画に仕上げることが困難な場合があります。
YouTubeマーケティングの方法
一口に「YouTubeマーケティング」と言っても、方法・やり方はいろいろあります。以下でそのやり方をご紹介します。
自社チャンネルの運営
自社チャンネルの運営は、最も一般的なYouTubeマーケティング手法です。商品やサービスの紹介、使用方法の解説、企業の取り組みや企業文化の発信など、様々なコンテンツを通じて顧客との長期的な関係構築が可能です。例えば、化粧品メーカーがメイクテクニックを紹介したり、食品メーカーがレシピ動画を公開したりする形です。
自社チャンネルでは、教育コンテンツを提供することも有効なマーケティング手法です。製品の使用方法や業界知識、専門スキルなどを教育的なコンテンツとして提供することで、顧客のロイヤリティを高め、同時に商品価値の理解も深めることができます。
さらに、直接的な商品宣伝ではなく、視聴者にとって価値のある情報や娯楽性のあるコンテンツを発信するのも自社チャンネルの使い方として有効です。例えば、業界のトレンド解説や専門知識の共有、ハウツー動画の配信などを通じて、ブランドの認知度向上や信頼関係の構築を図ります。
インフルエンサー・口コミマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、影響力のあるYouTuberとのタイアップを通じて商品やサービスを紹介する方法です。インフルエンサーのファン層に対して自然な形で製品をアピールでき、信頼性の高いプロモーションが可能です。美容製品や食品、ゲームなどの分野で特に効果を発揮します。
また、顧客の使用レビューや成功事例、社員インタビューなどを通じて、製品やサービスの信頼性を高めることができます。実際のユーザーの声を届けることで、潜在顧客の購買意欲を刺激します。
YouTube広告
YouTube広告は即効性の高いアプローチです。TrueViewインストリーム広告やバンパー広告(6秒の短尺広告)など、目的に応じて様々な広告フォーマットを選択できます。ターゲティングも細かく設定可能で、効率的なリーチが可能です。
YouTube広告の種類
YouTubeマーケティングにおいても、広告を使うアプローチは有効です。以下でその広告の種類と特徴をご紹介します。
TrueViewインストリーム広告
YouTubeのマーケティング手法の中で、TrueViewインストリーム広告は特に効果的な認知獲得ツールとして注目されています。これは動画コンテンツの視聴時に表示される広告形式で、従来のTVCMと比較して低コストで実施できる点が特徴です。
この広告は表示タイミングによって3つの種類があります。動画再生前に表示される「プレロール」、コンテンツの途中で表示される「ミッドロール」、そして動画終了後に表示される「ポストロール」です。
さらに、TrueViewインストリーム広告には視聴形式による2つのタイプがあります。1つは動画視聴開始から5秒後にスキップが可能となる「スキッパブル広告」、もう1つは動画を最後まで視聴する必要がある「ノンスキッパブル広告」です。
特に「スキッパブル広告」では、最初の5秒間が視聴者の興味を引くための重要な時間となります。この5秒間は必ず視聴されるため、短時間で効果的なメッセージを伝え、視聴者の関心を引き付けることが成功の鍵となります。
インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
インフィード動画広告は、YouTubeユーザーの自然な視聴体験に溶け込む形で展開される広告フォーマットです。ユーザーが関心を持ちそうなコンテンツの周辺に、広告主のブランドや商品、サービスを効果的に配置することができます。
この広告は、ユーザーの目に留まりやすい3つの重要な場所に表示されます。YouTube検索結果ページ、視聴中の動画の横に表示される「次のおすすめ」セクション、そしてYouTubeアプリを開いた際に最初に目にするホームフィードです。このような戦略的な配置により、ターゲットとなるユーザーへの自然なリーチが可能となります。
バンパー広告
広告による視聴体験への影響を最小限に抑えつつ、効果的なブランドメッセージを届けられる手法として、バンパー広告が注目を集めています。わずか6秒という短い尺の中で、インパクトのある簡潔なメッセージを発信し、幅広いユーザー層へのブランド認知向上を図ることができます。
この6秒という時間制限は、一見すると制約のように思えますが、むしろクリエイティブな可能性を引き出す要素となっています。限られた時間の中で本質的なメッセージを凝縮して伝えることで、視聴者の記憶に鮮明に残る広告表現が可能となります。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、従来の動画広告の概念を拡張した新しい広告形式です。YouTubeなどの動画プラットフォーム内で表示される一般的な動画広告とは異なり、ウェブサイトやアプリケーション、SNSなど、動画コンテンツ以外の場所に設置された広告枠で展開されます。
この広告形式は、動画コンテンツの視聴に限定されないより広範な露出機会を提供し、新たなマーケティングの可能性を開きます。
マストヘッド広告
YouTubeの広告フォーマットの中で最も注目度が高いのが、ホームフィードのトップに表示されるマストヘッド広告です。ユーザーがYouTubeを開いた瞬間に目に入る最上部の広告枠を占有するため、圧倒的な視認性を誇ります。
この広告枠は特別な予約制で運用されており、一般的な広告出稿とは異なるプロセスを経る必要があります。具体的には、広告代理店を介してGoogleの営業担当者と直接やり取りを行い、広告枠を確保する形となります。プレミアムな広告枠だけに、掲載までの手続きも他の広告形式とは一線を画しています。
オーバーレイ広告
オーバーレイ広告は、PCでのYouTube視聴体験に特化した広告フォーマットです。動画再生開始から10秒が経過すると、視聴画面の下部に横長のバナーが重なるように表示されます。
動画コンテンツの視聴を妨げすぎない絶妙な配置でありながら、視聴者の視界に自然に入る位置に表示されるため、効果的なブランド認知の獲得が期待できます。動画視聴中のユーザーの目線の動きを考慮して設計された、巧みな広告形式といえます。
YouTubeショート広告
YouTubeショート広告は、YouTubeのショート動画フォーマットに特化した広告形式です。縦型(9:16)の短い動画広告で、通常60秒以下の尺で制作され、特にスマートフォンでの視聴に最適化されています。
これらの広告は、ショート動画フィード内や視聴中の広告枠、そしてホーム画面のショート動画セクションなど、様々な場所に表示されます。TikTokやInstagramリールズと同様の形式を採用しており、特に若年層へのリーチに効果的とされています。
特徴は、高いエンゲージメント率とスワイプ操作による直感的な視聴体験にあります。また、モバイルユーザーへの訴求力が高く、比較的低コストでの制作が可能な点も魅力です。ユーザーの視聴習慣に合わせた広告配信ができ、短時間で効果的に商品やサービスをアピールできることも大きな利点となっています。
効果を出す・成功するYouTubeマーケティングのポイント
YouTubeマーケティングで効果を出すためのポイントをご紹介します。
明確な目的とターゲット設定
明確な目的とターゲット設定が最も重要です。視聴者に何を伝えたいのか、どのような行動を期待するのか、そしてターゲットとなる視聴者層は誰なのかを明確にすることで、効果的なコンテンツ戦略を立てることができます。
コンテンツの質と一貫性
コンテンツの質と一貫性も成功の鍵となります。最初の数秒で視聴者の興味を引く工夫が必要で、その後も飽きさせない展開で視聴時間を伸ばすことが重要です。また、定期的な投稿を通じて、視聴者との継続的な関係を構築することも大切です。
SEO対策
SEO対策も忘れてはいけません。タイトルや説明文、タグには適切なキーワードを含め、サムネイルは視覚的にインパクトのあるものを使用します。これにより、検索結果での露出を高めることができます。
ユーザーのエンゲージメントを高める
視聴者とのエンゲージメントも重視する必要があります。コメントへの返信やコミュニティ投稿の活用など、双方向のコミュニケーションを通じてファンとの関係を深めることで、チャンネルの成長を促進できます。
データ分析と改善
データ分析と改善も欠かせません。視聴者の属性、視聴時間、離脱率などの分析データを活用し、コンテンツを継続的に改善していくことが重要です。特に視聴者の反応が良かった要素は積極的に取り入れ、効果の低かった部分は見直しを行います。
長期的な視点を持つ
最後に、長期的な視点を持つことが重要です。YouTubeでの成功は一朝一夕には得られません。継続的な努力と改善を重ねながら、徐々にチャンネルの価値を高めていく姿勢が必要です。視聴者にとって本当に価値のあるコンテンツを提供し続けることで、持続的な成長が実現できます。
YouTubeマーケティングの効果はある?成功事例をご紹介
YouTubeマーケティングの成功事例をご紹介します。
美容師 長門政和氏
美容師である長門政和氏は、自身のYouTubeチャンネルにて、女性向けにヘアケアのポイントや、ヘアアレンジのテクニックなどを紹介しており、登録者数は19.5万人を誇ります。
YouTubeの概要欄には美容室の予約ができる公式LINEやヘアケアグッズが購入できるECサイトのリンクを貼り、自身のビジネス展開につなげています。
葬儀・葬式CH有限会社佐藤葬祭
「葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭」は、その名の通り、有限会社佐藤葬祭の代表が、葬儀の知識を発信するチャンネルです。チャンネル登録者数は8万人を超えています。YouTube動画の概要欄に自社の資料請求フォームへのリンクを貼り、自社の売上アップにつなげています。
ラーメン店 王道家
千葉県柏市にあるラーメン店「王道家」の公式YouTubeチャンネルは、登録者数9万人を超えています。エンターテイメント性を保ちつつ、自社商品へのこだわりが動画を通じて伝わってくるコンテンツには、実際にお店に足を運んだ顧客からの喜びの声がたくさん届いています。
あなたの企業でもYouTubeマーケティングを始めましょう
以上、企業がYouTubeマーケティングをするメリットやポイント、成功事例などをご紹介しました。ぜひあなたも、YouTubeマーケティングをビジネスの成長につなげてみてください。
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(編集:創業手帳編集部)