起業に必須?Twitterビジネスアカウントの作成方法と運用のコツ

創業手帳

起業時のマーケティングに欠かせないTwitterビジネスアカウントのメリットや作り方、運用方法を徹底解説


日本では5800万以上のユーザーがいると言われるTwitter。手軽なマーケティングツールとして人気が高く、スタートアップや中小企業にとってもTwitterビジネスアカウントを設けるのが常識になってきました。

とはいえ個人アカウントと同じように使うだけでは、ビジネスの成功にはつながりません。この記事ではTwitterをビジネス活用したい起業家の方に向けて、Twitterビジネスアカウントのメリットから作成する手順、実際に運用するコツまでわかりやすく解説します。

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Twitterビジネスアカウントとは?

個人アカウントとビジネスアカウントの違い

Twitterビジネスアカウントとは、企業が販促やブランディングなどの目的で運用するアカウントのこと。といってもTwitterでは、基本的に個人と企業の区別がありません。そのため個人アカウントと同じように、無料で誰でもビジネスアカウントを開設することができます。

Twitterのビジネスアカウントは広報やPR担当者が運用するケースが一般的ですが、企業やブランドのキャラクターになりきって投稿するケースなど、利用方法はさまざま。またビジネスアカウントは複数持つことができるので、目的にあわせて複数のビジネスアカウントを使いこなす企業もあります。他のSNSと比べて、手軽で自由度が高い点が特徴です。

商用利用者向け「Twitter Pro」とは?

Twitterでは個人アカウントと同じようにビジネスアカウントも開設・運用ができますが、商用利用者向けに「Twitter Pro」というサービスが2021年から登場しています。

「Twitter Pro」で使える機能

  • ビジネスアカウントのプロフィール欄をより詳しく載せられる(Proプロフィール)
  • 所在地や営業時間を掲載できる(ロケーションスポットライト)
  • 有料のTwitter広告をより簡単に掲載できる(クイックプロモート)

「Twitter Pro」を利用するには?

開設時からProアカウントにすることはできないため、まず通常のビジネスアカウントを開設した後にProへ移行します。なおProに移行する際に、Twitter側の審査があります。

現状「Twitter Pro」で使える機能はそれほど多くありませんが、今後機能が増える可能性もあります。「Twitter Pro」への移行にコストはかかりませんので、ある程度Twitterビジネスアカウントの運用に慣れたら移行も検討しましょう。

Twitterビジネスアカウントを作る2つのメリット

10代、20代の若年層にリーチできる

TwitterはSNSの中でも若いユーザーが多い点が大きな特徴です。総務省が2021年に行った調査によると、10代の約67%、20代の78%がTwitterを利用しています。なお男女比はほぼ半々となっています。

Twitterビジネスアカウントをうまく利用すれば、若年層向けの販促や集客効果が期待できます。

Twitterのリアルタイム性・拡散性を活用できる

Twitterは140文字以内の短文を投稿するSNS。そのため「今起こっていること」を投稿する傾向が強く、他のSNSよりもリアルタイム性が高い点が特徴です。つまり期間限定キャンペーンなどのプロモーションに向いています。

もうひとつTwitterの大きな特徴が、情報が拡散されやすい点。Twitterでは情報を仲間と手軽に共有できる「リツイート」機能がよく使われます。そのため話題になれば、一気に膨大なユーザーへ拡散されます。商品名や企業名がTwitter上で拡散されれば、少ないコストで大きな宣伝効果が期待できます。

こうした特徴を踏まえ、多くの企業ではTwitterビジネスアカウントを使ってリアルタイムで話題になりやすいトピックを投稿しています。

Twitterビジネスアカウントを作る方法

Twitterビジネスアカウントを作る流れ

Twitterビジネスアカウントの作成方法は個人アカウントと全く同じです。アカウント作成ページにアクセスし、名前、メールアドレス(または電話番号)、生年月日を登録。その後でパスワードとアカウントネームを設定すればOKです。

なおアカウントネームは@からはじまるもので、日本語は使えません。投稿などに表示されますので、企業名やサービス名などわかりやすいものにしましょう(後から変更もできます)。

なお運用後に緊急時など他の人に対応してもらう可能性もあるでしょう。そのため設定した情報は、社内で共有しておくことをおすすめします。

Twitterビジネスアカウント作成時に必要なもの

  • プロフィール画像
    投稿時に表示されるアイコン(正方形または円形)で、Twitterで最もよく目にする画像です。ビジネスアカウントでは企業やブランドのロゴを載せるのが基本となっています。
  • ヘッダー画像
    アカウントごとのトップページ上部に表示される画像です。アイコンより大きく掲載できるので、キャンペーンや新製品などの画像を載せるビジネスアカウントも多くあります。
  • プロフィール紹介文
    アカウントのトップページ画像の下に表示されるテキストです(160文字以内)。企業やサービスの説明とあわせて、企業サイトのURLを掲載しておきましょう。

なおビジネスアカウントの場合、Twitter上でユーザーから様々な問合せが来ることも想定されます。そこでプロフィール紹介文にて「DMやリプライ対応はしません」など、問い合わせへの対応方針を載せるケースが一般的です。

Twitterビジネスアカウントを運用するときのコツ

運用ルールと体制を整える

Twitterは気軽に情報発信できるツールですが、ビジネスアカウントはあくまで企業としての発信。投稿内容やタイミングが不適切だと、かえって企業イメージの低下につながりかねません。安全にビジネスアカウントを運用するために、運用ルールをあらかじめ決めておきましょう。投稿してもよい内容や表現のルールとあわせて、リツイート、いいね、リプライ、コメント、フォローについてのルールをまとめておくと安心です。

なお中小企業の場合、ビジネスアカウントを1人で運用するケースも多いでしょう。しかし1人だけでは、担当者の不在時に対応できません。ビジネスアカウントではメイン担当とあわせ、サブ担当も決めておきましょう。投稿だけではなく、定期的にアカウント状況をチェックする体制も整えておきたいところです。

セキュリティを強化する

Twitterでは、しばしばアカウントを第三者に乗っ取られてしまうという事件が起こっています。万が一Twitterビジネスアカウントを乗っ取られ、勝手に投稿やDM(ダイレクトメッセージ)のやりとりをされてしまうと、大きなトラブルにつながる可能性も。こうなると企業イメージに大きな影響が出てしまうため、要注意です。

Twitterビジネスアカウントの乗っ取りを予防するためにも、可能な限りセキュリティ対策をしておきましょう。パスワードの管理を厳重にすることが基本ですが、さらに2要素認証(※)を使えば安全性が向上します。また新しい端末からログインされた時に通知メールが届く設定にしておくと、不正アクセス防止につながります。

またDM機能を使わない想定のビジネスアカウントなら、DMを受け取らない設定に変更しておくことをおすすめします。

※2要素認証とは、パスワードとあわせて他の要素で認証してログインする方法。

フォロワーを増やすため、広告も検討する

Twitterビジネスアカウントを開設しただけでは、多くの人に見てもらえません。まずはフォロワーを増やす施策を検討しましょう。

多くのTwitterビジネスアカウントがフォロワーを増やすために行っているのが、キャンペーン。フォローとリツイートをしたユーザーに特典を付与する、というキャンペーンが一般的です。キャンペーンの露出を増やすため、Twitter上に広告を出す企業もあります。

キャンペーンや広告を行うには当然コストがかかりますが、まとまったフォロワーを短期間に集めるためにも、ある程度の予算はかけたいところ。地道にフォロワーを増やす考え方もありますが、ビジネスでは短期間で効果を出すことも必要です。

投稿ではユーザーとのコミュニケーションを意識する

ビジネスアカウントとはいえ、一方的に自社の情報を投稿するだけではユーザーに支持されにくいでしょう。実際のところ「あなたの推しは何ですか?」「体験談を募集!」というように、双方向のコミュニケーションを意識しているビジネスアカウントも多いようです。

さらにフォロワーの投稿へ積極的に「いいね」を押すなど、能動的にアクションするビジネスアカウントもあります。こうした取り組みにはリスクもありますが、可能な範囲で検討しましょう。

効果測定をする

Twitterでビジネスアカウントを運用していると「どの投稿が人気なのか?」「どのタイミングで投稿するのが効果的か?」ということが知りたくなってくるはずです。

こんな時は、Twitterに付属している「Twitterアナリティクス」という無料の効果測定ツールが役立ちます。このツールを使えば、投稿ごとの反応(閲覧数やいいね、リツイート数)のほか、フォロワー数の増減状況などもチェックできます。定期的に効果測定をして、ビジネスアカウントの運用改善を図りましょう

炎上リスクを把握して準備しておく

拡散性の高いTwitterはネガティブな情報も広がりやすく、炎上しやすいリスクもあります。これまでにも、ちょっとした説明不足や表現の間違いで大炎上した企業がありました。

Twitterビジネスアカウントを運用するには、炎上リスク対策もしておきたいところです。

  • ルールや体制を整える
    投稿してもよい内容などのルールを決めておきましょう。また不適切な文言や表現がないか、事前に投稿者以外のメンバーがチェックする体制も必要です。
  • ビジネスアカウントの定期チェック
    炎上に気づくのが遅れるほど、影響は大きくなります。まずは炎上にすぐ気づけるよう、定期的にコメントなどの状況をチェックしましょう。
  • 炎上してしまった時の対応方針を決めておく
    炎上後の対応で失敗するとさらなる炎上につながります。万が一炎上したときに誰がどのような流れで対応するか、方針を決めておきましょう。

Twitterビジネスアカウントの成功事例


運用のコツを知るためには、他社の事例をもチェックしておきたいところです。ここでは、Twitterビジネスアカウント活用に成功した2社の事例を紹介します。

1か月で新規フォロワーを9,000件も獲得した「赤い帽子」

洋菓子「赤い帽子」ブランドのTwitterビジネスアカウントは、運用開始後1か月で約9,000件ものフォロワーを獲得。この要因は、フォロー&リツイートキャンペーンによるものです。

この事例では、単純にユーザーにプレゼントをする企画ではなく、ファンの獲得につながる工夫が見られます。「赤い帽子」のキャンペーンでは、「洋菓子の缶をどう使っていますか?」というエピソードを募集しました。ユーザーとのコミュニケーションを図った点が、高い効果につながったと言えそうです。

参考)https://keywordmap.jp/sns/cases/tivoli/

Twitterの拡散性を生かし「冷凍餃子の手抜き論争」を巻き起こした「味の素」

味の素冷凍餃子のTwitterビジネスアカウントは、あるユーザーの「冷凍餃子は手抜きと言われた」というツイートに対し「手抜きではなく手間抜きです!」と反応。これをきっかけにTwitter上で「冷凍餃子は手抜きか?手間抜きか?」という論争が起こり、話題を集めました。

商品のPRに直接つながるものではありませんが、Twitterビジネスアカウントの存在を知ってもらえるという宣伝効果はかなり高かったはずです。またこの投稿によって、「家事を担う方々を応援する企業」というイメージアップ効果もあったと思われます。

参考)https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/07/news100.html

有料版「Twitter Blue」は利用するべき?

「Twitter Blue」のメリットとデメリット

Twitterビジネスアカウントは無料で利用できますが、Twitterには有料版もあります。2022年からスタートした有料サービス「Twitter Blue」は、月額980円(Webブラウザ経由の申し込みの場合)で利用できます。

「Twitter Blue」の大きな特徴といえば、アカウント名の後ろに青いチェックマークがつくことでしょう。なお「Twitter Blue」が始まる前の青いチェックマークは、公式アカウントの証明だったため、ビジネスアカウントにとって信頼感向上に必須でした。しかし「Twitter Blue」開始後の青いチェックマークは単に有料版を使っている証明であり、かつてほどの信頼感はありません。

「Twitter Blue」には、青いチェックマーク以外にもツイートを編集できるなどの機能はありますが、ビジネスアカウントとして重要な機能はそれほどありません。月額費用が掛かるデメリットを考えると、現状はビジネスアカウントにとって「Twitter Blue」は必須というほどではありません。

認証済みビジネスアカウントに付与される「金色チェックマーク」

チェックマークには、青だけではなく金色のチェックマークもあります。金色のチェックマークは「認証済み組織アカウント」に与えられるもので、Twitterが公式に認証したビジネスアカウントという意味です。

ビジネスアカウントとしては金色のチェックマークを狙いたいところですが、取得するには月額135,000円のプランに申し込む必要があります。どちらかと言うと大企業向けと言えるでしょう。

まとめ

少ないコストで手軽に始められるTwitterビジネスアカウント。予算の限られたスタートアップこそ、活用したいマーケティングツールと言えます。炎上などのリスクに注意しながら、Twitterビジネスアカウントにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

起業直後に商品名や社名の知名度をどう上げるかは、起業家にとって大きな悩みのひとつです。創業手帳では、起業家の方に向けたマーケティングやPRのノウハウも提供していますので、ぜひご活用ください。

(※本記事で紹介しているTwitterの機能や料金などは2023年5月時点のものです)

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