TikTokで企業が変わる?アカウント作成から成功事例まで

創業手帳

TikTokは企業の戦略を変えるきっかけになる


「TikTok」は動画をシェアするサービスです。
個人間だけでのサービスではなく、多くの企業がアカウントを保有しています。
広告やハッシュタグを使うことで、顧客との接点を作れるだけでなく情報を拡散できるなど、使い方は企業により異なります。

企業の知名度を高めて親しみを持ってもらうほか、商品や企業を知ってほしい場合にも「TikTok」を使った施策が効果的です。
「TikTok」を効果的に運用するために、この記事では実際の事例なども紹介します。

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今さら聞けないTikTokの基本知識


新しい流行の発信源として注目を集める「TikTok」は、短い動画をアップロードしてシェアできるスマートフォン向けのサービスです。

音楽に合わせて踊ったり歌ったりするほか、おすすめのアイテムやファッションコーディネートを紹介するなど、若年層を中心に広く閲覧されています。
BGMやフィルター、加工の機能もあるので、撮影から編集、投稿までスマートフォンだけでハイクオリティな動画をシェアできます

TikTokはショート動画を中心にしたプラットフォーム

「TikTok」は世界的に流行しています。
モバイルマーケティング企業の「Apptopia」が発表した2022年のグローバルおよび米国のアプリダウンロード数ランキングでは、「TikTok」がトップに輝きました。
2位には「Instagram」、3位は「WhatsApp」が続きます。

ここまで「TikTok」が普及したのは、優れた動画投稿サービスであることだけが理由ではありません。
短尺で強制視聴がない点、アルゴリズムによっておすすめの動画が選出されるのでユーザーが離脱しにくい仕組みです。
いいね・シェア・コメントなどのエンゲージメントを得やすい機能など多くの工夫が凝らされています。

「TikTok」を閲覧する人は、特定の目的で検索するのではなく、何か面白いものを探して回遊しているのが特徴です。
企業から見るとユーザーから反応を得やすくて広告配信にも適したプラットフォームといえます。

企業がTikTokを使うメリット・デメリット


企業がユーザーとのつながりを深めるために、商品だけでなく企業のファンになってもらう試みは今までも多く行われています。
実際にSNSアカウントで、交流や発信をする企業はたくさんあります。

いろいろなSNSが存在する中で「TikTok」を使うメリットはどこにあるのでしょうか。
メリットとデメリットを紹介します。

メリット①若者を中心とした新規ユーザーの獲得

「TikTok」にはタイムライン機能があり、フォロー済みのアカウントの投稿である(Following)と、ユーザーにおすすめの投稿(For You)に分けられます。

おすすめの投稿(For You)は、「TikTok」のアルゴリズムでユーザーの趣味や視聴傾向に合わせた動画を表示する仕組みです。

SNSでの情報発信は、フォロワーが少ない状態では拡散力の低い点が課題です。
しかし、「TikTok」ではフォローしていなくても表示されるため、フォロワーが少ないアカウントでもコンテンツの質が高ければ一定のユーザーには表示されます。

「TikTok」はまったく無名の個人や小さな企業であっても10万から100万再生を稼ぐといった驚異的な拡散力の高さが大きな特徴です。
トレンドに敏感な若者のユーザーが多く、商品や企業を知ってもらうため、新規ユーザーを獲得するためにも最適なツールです。

メリット②購買意欲が高いユーザー層

「TikTok」のユーザーは、好きなものを軸として人とつながることが多く、興味がなかったものでも、新しく知ることで購買意欲が高まる点が特徴的です。
動画を閲覧して誰かの好きなものやサービスに出会うことで自分の好きにつながる、さらにほかのユーザーと好きなものでつながるといったサイクルは、商品やサービスを紹介するために適した土壌です。
購買意欲が高いユーザー層にアプローチすることで、より商品やサービスの購入につなげやすくなります。

メリット③トレンドに乗りやすく流行の発信源にもなれる

「TikTok」はトレンドに乗りやすい点が特徴的です。
若年層から流行りだした歌や音楽、ダンスはバズりやすく、多くの人に閲覧されやすくなります。

また、トレンドの発信源になりやすいのも「TikTok」の特徴です。
拡散力の高さから新しい流行になりやすく、自社商品やサービスの認知度を高めるチャンスも生まれます

メリット④企業アカウントが少ない

「TikTok」は、まだ新しいSNSで利用企業が少ないため、ほかの企業と差別化するにも効果的です。
利用する企業が少ないため、ライバルもそう多くありません。
また、フォロワー数に関係なく配信されるため、新規参入から人気のアカウントに成長させやすい点も魅力です。

メリット⑤広告メニューが豊富で拡散しやすい

「TikTok」は広告メニューも豊富に用意されています。
例えば、起動時に表示される起動画面広告や一般投稿として配信される運用型広告、おすすめに表示されるインフィード広告といった多種類の広告があるので、自社のしたいプロモーションに合わせて選択可能です。
多様な広告メニューから広告したい商品の特徴や予算に合わせて依頼しやすい点が、大きなメリットです。

メリット⑥高クオリティの動画を簡単に作れる

「TikTok」は、プロに依頼しなくても高クオリティの動画を簡単に作成できます
動画の編集は多くの場合、専用のソフトや機材を必要としますが、「TikTok」であれば無料でエフェクトやスローや倍速、BGMを利用可能です。

動画は音と動きを組み合わせられるため訴求力も高く、写真と文字だけの広告よりも圧倒的に多くの情報を発信できます。
動画を使うことで、ストーリー性を持たせた情報も提供しやすくなります。

デメリット①炎上するリスクがある

「TikTok」によって、多くの人に企業や商品を知ってもらうチャンスが生まれる一方で、炎上の恐れもあります。
投稿した動画やコメントに対して、視聴者が不愉快に感じた場合、思いがけずに拡散されてしまうケースもあるようです。

例えば、悪ふざけが過ぎるものや人の気持ちを考えていないような投稿は炎上しやすいといえます。
炎上してしまうと企業のイメージを損ねるだけでなく、商品の売上げに影響しかねません。

企業アカウントで「TikTok」を利用する場合には、投稿内容は精査するようにしてください。
また、不適切な投稿をしないように担当者にもリテラシーの教育を行うようにおすすめします。

デメリット②ターゲット層に合わないケースがある

「TikTok」は、若年層を中心に人気があるサービスです。
そのため、ターゲット層に合わなかったり、客層が若年層に寄りやすくなったり場合があります。

近年では広い年齢層に向けて「TikTok」が浸透しはじめているものの、若年層へのかたよりは解消されていません。
上の年齢層にアピールしたい場合には、「TikTok」だけでは不十分な場合もあります。

デメリット③すぐに効果が表れるかはわからない

「TikTok」広告は、広告効果が表れるまでに時間がかかることがあります。
例えば、大規模なキャンペーンやセールであれば売上げや成果につながるまでスピーディーです。
しかし、「TikTok」の場合は投稿した動画がヒットして、さらに購買にまでつながらなければいけないため長期計画になります。

いつ投稿動画がヒットするかわからない上、宣伝になるかどうかもわかりません。
「TikTok」から商品やサービスの購買につなげるまでには、時間をかけてトライ&エラーを積み重ねていく必要があります。

企業がTikTokのアカウントを作る方法


「TikTok」の企業アカウントとは、企業が運営している公式アカウントを意味しています。
企業アカウントといっても、一般のアカウントを作成する方法と変わりません。
ここでは、企業アカウントを作る方法を紹介しています。

TikTokをダウンロードする

「TikTok」のアカウントを作成するには、まずアプリをダウンロードしてください。
アプリを起動してからアカウント作成に進みます。

基本情報を入力する

アカウントは、電話番号とメールアドレスで登録します。
また、「AppleID」・「LINE」・「Twitter」・「Google」・「Instagram」・「Facebook」・「CacaoTalk」のアカウントでも登録可能です。

登録してから基本情報として、生年月日・パスワード・ユーザー名を入力します。
生年月日は、会社の設立日や企業に関連するものを入力するのが一般的です。

ビジネスアカウントの設定をする

「TikTok」は、一般アカウントと企業アカウントのどちらかで運営することになります。ビジネスアカウントは、無料で設定可能です。
設定するには、「マイページ」の右上にある「…」をタップして、「アカウント管理」に進んでください。
「プロアカウントに切り替える」オプションがあるので「ビジネス」を選択します。

一般アカウントを利用する場合は、一般アカウントを企業アカウントとして運営するだけです。
ユーザーに認知してもらう目的であれば一般アカウントでも十分かもしれません。
一般アカウントは、利用できる楽曲に制限がなくトレンドの楽曲も使いやすい点が魅力です。

ビジネスアカウントは、商用利用できない楽曲は使えなくなるため、流行の音楽が使えなくなることがあります。
ただし、ビジネスアカウントであれば商用楽曲ライブラリーを利用可能です。

加えて、ビジネスアカウントは投稿動画の分析が可能です。
プロフィール情報に追加して自社のオウンドメディアURLを掲載できるほか、アカウントのカテゴリーも選択できます。
どのように「TikTok」を利用したいかを考えて適したアカウントを選ぶようにしてください。

企業によるTikTokの成功事例


すでに多くの企業が「TikTok」を活用して自社の情報を発信しています。
どのような手法で運用しているのか、参考にしてください。

【公式】ドミノ・ピザ(@dominos_jp)

「ドミノ・ピザ」は、「TikTok」を使ったキャンペーンで大きく話題となりました。
「#ドミノチーズ100万」というキャンペーンで、人気のインフルエンサーに「ウルトラチーズ」と名づけられたチーズたっぷりのピザを食べてもらう企画です。

当選者は報酬100万円が受け取れる内容で、多くの視聴者がハッシュタグをつけてキャンペーンに参加しました。
視聴者が楽しめるキャンペーンとして話題となり、同社の知名度が向上しました。

ロート製薬【公式】(@rohtotiktok)

「ロート製薬」は、ユーザーが知りたくなるような情報を発信して多くの視聴者を獲得しています。
同社の看板商品であるスキンケアや目薬の情報のほか、ユーザーからの質問に回答する形の投稿です。

コメント欄に寄せられた質問にも回答するといった真摯(しんし)な姿勢はユーザーからの好感度アップにも寄与します。
顧客との接点を作って商品や企業のファンを増やしている好例です。

資生堂 ビューティージャーニー(@shiseido.beauty.journey)

「資生堂」は、今までの店舗での接客だけでなく、オンライン上でサービスを提供する施策として「TikTok」を活用しています。
「資生堂ビューティーコンサルタント」が出演して、メイクの基本テクニックなどの情報を発信しています。
メイクのレクチャーやシーズンごとのおすすめアイテムの紹介が主な内容です。動画を通じた顧客体験は、新規顧客の獲得も期待できます。

三和交通@TAXI会社(@sanwakotsu)

「三和交通株式会社」は、神奈川県を中心としてタクシーや配送業を行っている地域密着型の企業です。
同社が「TikTok」に投稿した動画で人気を博しているのが、取締役部長と渉外課長代理の2人を中心とした動画です。
取締役が踊る姿や新しい流行にチャレンジしている姿に対して、親しみを感じると注目を集めました。

ブログやメディアでも取り上げられて認知度が向上し、求人採用や利用客増加に貢献しています。
採用活動は、求職者に自社を就職・転職先として認知し、検討してもらう広報活動がスタートです。
事業とは直接関係しないエンターテイメント性が高いものでユーザーを引きつけつつ、営業所の紹介のような会社を知ってもらうための動画を投稿して認知度をアップしています。

ユニクロ【公式】(@uniqlo_jp)

「ユニクロ」は、「TikTok」を活用して世界を巻き込んだキャンペーンを実施しました。
これは「#UTPlayYourWorld」のハッシュタグ企画で、日本・台湾・アメリカ・フランスで同時に開催したものです。

同社の商品を着用して動画を投稿してグランプリに選ばれると、同社のTシャツブランドのグローバル・インフルエンサーとして全世界の「ユニクロ」の店舗モニターや公式SNSに出演できるというものでした。

ユーザーが自然と同社の商品を宣伝するような仕組みで、結果、約9.5万人が参加。投稿数約18.5万、視聴数は約3.3億回と世界規模のキャンペーンとなりました。

まとめ

「TikTok」は、ただ動画をシェアするだけでなく情報を得るためのプラットフォームやコミュニケーションの場としても機能しています。
ユーザー層は広がっており、これからも活用したマーケティング施策は注目されると考えられます。
「TikTok」を利用して自社の魅力や商品をどう伝えられるか考えてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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