確定申告の必要書類と持ち物【A様式/B様式】それぞれ解説
確定申告書の様式によって異なる?必要書類と持ち物まとめ
(2019/2/19更新)
確定申告のシーズンですね。直前でバタバタして「あの書類持ってくるの忘れた…」なんてことにならないように、この記事をみて必要書類や持ち物をしっかりチェックしておきましょう。
この記事の目次
確定申告書の必要書類は、A様式かB様式かで決まる
確定申告初心者の方は、「A様式」「B様式」と聞いてもピンと来ないかもしれません。確定申告書には2種類あり、所得の状況によってどちらで申告するかが決まります。
確定申告書A様式とは
確定申告書のA様式は、一般的に「サラリーマン」「年金受給者」などが使用します。所得でいうと、「給与所得」だったり「公的年金」だったりという所得の形態の場合にA様式を選びます。
しかし、多くの場合は源泉徴収されているので、確定申告は不要です。注意が必要なのは、年の途中で退職した場合です。このようなケースはA様式となります。
確定申告書B様式とは
一方、確定申告書B様式とは、基本的に所得の種類を問わず、誰でも利用できます。多いケースだと、「個人事業主」「不動産」「株」などで収入を得ている場があげられます。
必要書類を準備するにあたって保管しておくものって?
必要書類を記入するにあたって、予め保管しておく書類があります。一通りあるかどうか確認しておきましょう。
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 現金出納帳
- 売掛金元帳
- 買掛金元帳
- 固定資産台帳
- 売上帳
- 仕入帳
また、保存期間5年の書類は以下です。保存期間後は、破棄して構いません。
- 棚卸表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 請求書
- 納品書
- 注文書
- 送り状
- 契約書
- 領収書
確定申告書A様式|給与所得者・年金受給者の必要書類と持ち物
前述の通り、一般的な「給与所得者」「年金受給者」は、確定申告が必要ありません。注意が必要なのは、年度途中に勤務先を退職しそのまま就職していない場合や、新たな就職先に前職の源泉徴収票が提出されていない場合です。この場合は、確定申告が必要です。
また、年金受給者の中でも受給額が規定以上になった場合、確定申告が必要です。他には、医療控除、住宅ローン控除などが適用される場合は還付を受けるために、確定申告をしましょう。
確定申告の必要書類1|給与所得や公的年金等の「源泉徴収票」
給与を貰っている人は、勤務先から源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票とは、「年収」「支払った税金額」が記載してある書類です。源泉徴収票は、サラリーマン・年金受給者どちらも必要な書類です。
年度途中で退職していて、新たな就職先にまだ源泉徴収票を渡していないサラリーマンは、前職の分の源泉徴収票も必要となります。年金受給者に関しては、年金の源泉徴収票が必要です。
確定申告の必要書類2|保険料の「控除証明書」
控除とはある金額から一定の金額を差し引くことを言います。収入から所得を割り出す際に、経費を計上しますが、そこから直接差し引けるのが控除です。納税額を少なく抑えるためにも、きちんと必要書類をチェックしましょう。
社会保険料控除証明書
- 国民年金保険料
- 国民年金基金保険料
生命保険料控除関係書類
- 生命保険料控除の証明書
地震保険料控除関係書類
- 地震保険料控除の証明書
医療費などを除く一般的な保険料控除は上記です。また、小規模企業共済を掛けている場合は、小規模企業共済等掛金の控除が受けられます。
確定申告書B様式|個人事業主の必要書類と持ち物
個人事業主の場合は、A様式の給与所得者と同じく必要な書類に加えて、青色申告・白色申告をするための書類も必要です。詳しくは、「青色申告と白色申告の違い、それぞれのメリット・デメリットとは。」をご覧頂くとして、簡単に2つの申告の違いを説明します。
青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告の違いは簡単で、「青色申告承認申請書」を税務署に提出し、承認を受けていれば「青色」、提出していなければ「白色」なのです。この青と白の違いは、「日々の取引を正確に記帳し、それに基づいて正しい申告をおこないます!」と税務署に宣言するのが靑、しないのが白という違いだけです。
- 几帳面に帳簿つける=青色
- どんぶり勘定=白色
と考えると、イメージしやすいでしょう。
確定申告の必要書類1|あれば「源泉徴収票」と「控除証明書」
さて、本題です。個人事業主も、該当する控除の対象があれば、社会保険料の控除や医療費控除や住宅ローン控除が受けられます。もちろん、副業の給与所得や年金を貰っている場合は、源泉徴収票も提出します。
確定申告の必要書類2|白色申告の場合
白色申告の場合、「確定申告書B様式」と「収支内訳書」を提出する必要があります。収支報告書は、一般的なもの、不動産向けのもの、農業向けのものがあります。ほとんどの方は、一般用で良いでしょう。青色申告と比べて提出物が少ないのが利点ですが、そのぶん青色申告の恩恵も受けられなくなります。よっぽどのことが無い限り、青色申告をした方がメリットは大きいでしょう。
白色申告の持ち物まとめ
- 申告書B(第一表/第二表)
- 収支内訳書
確定申告の必要書類3|青色申告の場合
青色申告の場合、「確定申告書B様式」と「青色申告決算書」を提出する必要があります。青色申告の場合は少し面倒ですが、4枚構成の決算書を用意しなければなりません。また、青色申告決算書にも、一般的なもの、不動産向けのもの、農業向けのもの、それに加えて、現金主義用があります。
- 一般用:通常の事業活動を行なう事業者
- 現金主義用:売掛金や買掛金を使用せず、現金のみで収支が成立している事業者
- 農業所得用:農産物による所得を得ている事業者
- 不動産所得用:賃貸料や礼金収入がある事業者
青色申告の持ち物まとめ
その他の場合の必要書類と持ち物
最後に、医療費や住宅ローン控除を受ける場合などについて、必要書類をご紹介します。
医療費控除を受ける場合
- 確定申告書AまたはB
- 源泉徴収票
- 医療費と診療費の明細書
- 診療にかかった交通費明細書
住宅ローン控除を受ける場合
- 確定申告書AまたはB
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 源泉徴収票
- 銀行ローンの年末残高等証明書
- 住民票の写し
※必要に応じて、売買契約書の写しや登記事項証明書の原本が必要となります
年の途中で退職した場合
- 確定申告書A第一表
- 確定申告書A第二表
- 源泉徴収票
- 社会保険料控除の支払証明書
株式等の譲渡所得等について申告する場合
- 申告書B第一表
- 申告書B第二表
- 申告書第三表(分離課税用)
- 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
※運用成績が20万以下での場合申告する義務はありません
雑損失の繰越控除を受ける場合
- 確定申告書AまたはBの第一表と第二表
- 第四表申告書(損失申告用)
(執筆:創業手帳編集部)
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