個人事業主の肩書きはどう決める?使える肩書き例や選ぶポイントを紹介!

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個人事業主で名刺を作成するなら肩書きを決めよう!


個人事業主として活動していると名刺の肩書き選びに悩むことがあります。
会社員であれば「部長」「営業担当」などの明確な肩書きがありますが、個人事業主は自由度が高い反面、どのような肩書きを使用すれば相手に伝わりやすいか迷うことがあるかもしれません。

肩書きは仕事の内容や専門性を一目で理解してもらう重要な情報です。
この記事では、個人事業主が肩書きを選ぶ際に考えるべきことや注意点をわかりやすく解説します。
初めて名刺を作る人や自身の肩書きに迷っている人はぜひ参考にしてください。

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個人事業主が肩書きをつけるメリット


個人事業主が名刺に肩書きをつけることで様々なメリットが得られます。ここからは、3つのメリットを紹介します。

安心感を与え、信用性を高められる

個人事業主は法人格を持たないため、事業を展開する上で信用を勝ち取っていくことが非常に重要です。
しかし、取引相手からすると本当に信頼できるかどうかを見極めるのは難しいかもしれません。そこで活用できるのが名刺です。

名刺に記載された肩書きなどから、企業の担当者や取引先は個人事業主がどういった事業を手がけており、どのような専門性を持っているのか把握できます。
単に名前と連絡先が書かれた名刺よりも、肩書きが書いてあるほうが社会的な信用を得やすいです。

業種やビジネスの目的が伝わりやすい

個人事業主が名刺に肩書きを加えることで、相手に自分が手がけている業種やビジネスの目的が伝わりやすくなります。
例えば「グラフィックデザイナー」や「エンジニア」のように、業種や業務内容を工夫し、肩書きに取り入れれば自分の強みや専門分野をアピールできます。

また、手がける業種やビジネスの目的が伝われば、企業の担当者や取引先も理解した上で話を進めることが可能です。
一から説明しようとすると手間がかかるため、効率性を求める上でも肩書きはつけたほうが良いでしょう。

取引先や顧客に強い印象を与えられる

個人事業主の名刺に肩書きをつけることで、取引先や顧客に強い印象を与えられるのもメリットのひとつです。
例えば、単に「フリーランス」と書かれているよりも、「Webマーケター」と名乗ったほうが専門性や仕事の方向性が伝わり、結果的に取引先や顧客の記憶に残りやすくなります。
そこから問い合わせや仕事の依頼につながることも考えられます。
強い印象を与えられる肩書きは、個人事業主の信頼性や専門性をアピールするための大きな武器です。

個人事業主が使える肩書き例


個人事業主が名刺に肩書きをつけるメリットについて解説しましたが、具体的にどのような肩書きをつければ良いか迷ってしまう人も多いかもしれません。
そこで、個人事業主が使える肩書きの例をいくつか紹介します。

代表

個人事業主の肩書きとして主に活用されているのが、「代表」です。
ひとりで事業を担う個人事業であっても、その事業の代表であることは変わらないため、肩書きとして用いても問題ありません。
特に、誇張せずフォーマルな印象を与えたい場合にはシンプルな「代表」を用いるのがおすすめです。
また、「代表」はビジネスの規模にかかわらず使用できるのも特徴といえます。

ただし、代表という肩書きを使用する場合は、何の代表なのか明確にすることが大切です。

CEO

最高経営責任者を意味する「CEO」も、個人事業主の肩書きとして使用することが可能です。
CEOは経営・ビジネスの責任者であることを強くアピールできるため、相手からの信用性を高めたい場合に用いられる傾向にあります。
また、海外の取引先や顧客とやり取りがある場合は、CEOと肩書きをつけることでプロフェッショナルであることをアピールできます。

ただし、CEOという肩書きは大企業で用いられるケースが多く、事業規模の小さい個人事業主がCEOを名乗ることで、相手が混乱したり大げさに感じたりするかもしれません。
CEOを肩書きとして用いる際には、事業規模や実績なども考慮することが大切です。

店長・オーナー

店長やオーナーという肩書きは、店舗や施設を運営している場合に用いられることが多い肩書きです。
店長は現場の責任者であることを示し、オーナーは店舗の運営や経営戦略の決定権を持っていることをアピールできます。

オーナーというと、「組織内で特に役割を持っていない人」とイメージされるかもしれません。
しかし、個人事業主や中小企業であれば特に伝えなくても業務に対して積極的に関わっていると考えられるため、使用しても良いイメージを与えられます。

マネージャー・ディレクター

マネージャーやディレクターは、プロジェクトに関わる業務を取りまとめ、管理する肩書きとして用いられます。
より具体的なイメージとして、マネージャーは経営資源を有効的に活用し、戦略に基づいて業務の遂行を目指す役割である一方、ディレクターはマネージャーを含めたチームやプロジェクトの監督・サポートをする役割になります。

マネージャーやディレクターはどちらも組織やチームを管理する役職であるため、個人事業主としてひとりで事業を展開している場合にはあまり用いられません。
しかし、フリーランスや個人事業主でチームを組み、企業の制作案件などを受託する際には、マネージャーやディレクターという肩書きが適切です。

アドバイザー・コンサルタント

アドバイザーやコンサルタントといった肩書きは、特定の分野において専門的な知識を持ち、クライアントの悩みや問題点に対して的確なアドバイスを送る事業で用いられることが多いです。
例えば、「キャリアコンサルタント」は労働者の職業選択やキャリア形成、職業能力の開発・向上などに関する助言・指導を行う職種です。
この肩書きを見た人は「人事の専門家」というイメージを持ちます。肩書きで専門性がアピールできるため、相手に信頼感・安心感を与えることも可能です。

エンジニア・デザイナーなどの職種

具体的な職種を肩書きとして用いるのもおすすめです。職種を肩書きにすることで、名刺を見た人はこの人がどのような仕事をしているのかすぐに理解することができます。
肩書きにはより細分化した職種を活用すると、役割やスキルなどを明確に示すことも可能です。

例えば、「エンジニア」と付けるよりも、「SE(システムエンジニア)」や「Webエンジニア」、「フロントエンド・バックエンドエンジニア」など、事業内容と合うものを選んだほうが専門性のアピールにもつながります。

個人事業主が避けるべき肩書き例


個人事業主の肩書きはある程度自由ではあるものの、制約がまったくないわけではありません。ここで、個人事業主が避けるべき肩書き例を紹介します。

代表取締役・取締役

まず注意すべきなのは「代表取締役」や「取締役」といった肩書きです。これらは法人の中で用いられる肩書きであり、会社法に基づいて定義された役職でもあります。

代表取締役は、会社の代表者として契約・意思決定を行う権限を持つ役職であり、取締役は会社の方針や経営について決める経営陣のひとりという意味を持ちます。
会社法によって定義されていることから、法人でないと名乗れない役職であり、個人事業主が名乗ることは法的にも禁止されているのです。
トラブルを避けるためにも、代表取締役や取締役といった肩書きは使わないようにしてください。

執行役員・部長・課長などの役職

執行役員や部長、課長などの役職も避けるほうが良い肩書きです。
これらの肩書きは会社法で定義されているわけではなく、職制(職場で管理する役割を担う役職)に分類されます。そのため、個人事業主が使っても法的なリスクはありません。
しかし、これらの役職は会社内で用いられることがほとんどで、個人事業主の肩書きとして用いてしまうと相手が勘違いをしてしまう可能性があります。

名称独占資格を無資格で名乗る

名称独占資格とは、有資格者のみが名乗れる資格です。
資格を有していないのに名称独占資格を肩書きとして用いてしまうと、法律違反となり処罰の対象となることに注意が必要です。
例えば、管理栄養士や栄養士、技術士、技能士は名称独占資格にあたります。似たような紛らわしい肩書きも処罰対象になる恐れがあるので注意してください。

過度に誇張した役職

過度に誇張した役職を肩書きとして用いるのも避けるほうが良いでしょう。
例えば、「ハイパーメディアクリエイター」といった肩書きはインパクトを残せるものの、相手からすればどのような仕事をしているかわからず、不信感を与えてしまう可能性があります。

また、本来手がけている事業とイメージが飛躍してしまうケースもあります。
こうしたトラブルを避けるためにも、過度に誇張した役職を肩書きとして使わないように気を付けてください。

自分に合う肩書きをつけるポイント


肩書きは自分に合うものをつけることが大切です。ここで、自分に合う肩書きをつけるポイントを解説します。

業務内容や職種に合った肩書きを選ぶ

肩書きは、自身の役割を端的に伝える役割があります。
例えば、デザイン業を営んでいるなら「グラフィックデザイナー」、コンサルティングを行っているなら「ビジネスコンサルタント」といったように、具体的な業務内容や職種を反映させることが大切です。
業務内容がわかる肩書きであれば初めて会う相手にも理解されやすく、信頼感を得やすくなります。

実績に沿った肩書きをつける

自分の経験や実績に即した肩書きを選ぶことも重要です。
まだ実績が少ないにもかかわらず「業界のエキスパート」と名乗る場合、名刺を受け取った企業の担当者は、エキスパートの実績を見込んで仕事を依頼してくることも考えられます。
しかし、実際に実績が少なければ、信頼性を損ねてしまう可能性が高いです。
反対に、実績をアピールできる分野で肩書きをつけることで相手に安心感を与えられ、仕事の依頼にもつながりやすくなります。

ターゲット層に向けた肩書きにする

肩書きは、誰に向けて仕事をしているかを意識して選ぶと効果的です。
個人向けにカウンセリングを行うなら「メンタルコーチ」、企業向けの研修を行うなら「人材育成コンサルタント」のように、ターゲット層に響く表現にすると興味を持ってもらいやすくなります。
どのようなターゲット層に向けて事業を展開しているかを再認識し、その内容に合わせて肩書きを決めてみてください。

シンプルで伝わりやすい肩書きをつける

あまりに長く複雑な肩書きは、受け取った相手が理解しづらく、印象に残りにくくなります。肩書きはシンプルで、一目で何をしている人か伝わることが理想です。
「Webマーケター」や「グラフィックデザイナー」など、短くて明確な表現にすることを心がけてください。

個人事業主の肩書きに関するQ&A


最後に、個人事業主の肩書きに関するよくある質問について答えていきます。

肩書きを変更したい場合、どのタイミングで変える?

個人事業主が一度つけた肩書きを変更したい場合、事業規模の拡大や新たな業界に参入するタイミングで変更するのがおすすめです。
事業内容や規模が変わったにもかかわらず肩書きをそのまま使用すると、相手に勘違いをさせてしまう可能性があるためです。

ただし、肩書きを変更したいからといって頻繁に変えてしまうと、相手に不信感を抱かせてしまうリスクがあります。
肩書きを変更する際は、本当に変更して良いのか慎重に検討することが大切です。

肩書きが複数ある場合、すべて名刺に書くべき?

個人事業主の中には複数の事業を展開しており、それぞれ肩書きが異なるというケースもあります。
すべての肩書きを名刺に書いたほうが良いかと考える人もいますが、ひとつに絞ったほうが良いでしょう。

なぜなら、肩書きをすべて名刺に記載してしまうと、結局何をしている人なのか、何を専門としているのかが伝わりにくいためです。
どの肩書きを記載すればいいのか迷う場合は、重視したい肩書きをメインに置き、補足として短く付け加えると良いかもしれません。

まとめ・個人事業主は業務内容や実績に合った肩書きをつけよう

個人事業主にとって、名刺の肩書きは専門性や仕事の方向性を相手に伝えるための大切な要素です。
業務内容をわかりやすく示すことで信頼を得やすくなり、実績に沿った肩書きにすることで説得力も増します。
大切なことは、「業務内容や実績に合った肩書きをつけること」です。取引先が印象に残りような、専門性を感じさせる肩書きを選んでください。

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(編集:創業手帳編集部)

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