副業の在宅ワークで経費に計上できるのは?認められる費用や家事按分のコツを解説

創業手帳

副業の在宅ワークでも経費計上できる場合がある


在宅でできる副業を始めたものの、「自宅で使っている電気代や通信費は経費になるのか」「そもそも副業で経費計上できる範囲がわからない」と悩む人は少なくありません。
在宅ワークは仕事とプライベートの境界が曖昧になりやすく、経費の判断に迷いやすいのが特徴です。
しかし、副業であっても、事業に必要な支出であれば経費として計上できるケースは多くあります。

この記事では、副業の在宅ワークで経費にできる代表例や注意点、家事按分のやり方・コツについて解説します。正しい知識を身につけて、税負担の軽減を目指しましょう。

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この記事の目次

副業の在宅ワークで経費と判断される条件3つ


本業とは異なり、副業かつ在宅ワークだと何を経費として判断できるか迷いやすいです。
しかし、以下に挙げる3つの条件に当てはまるかどうか確認することで、経費になるか判断がつきやすくなります。具体的にどのような条件なのか解説していきます。

1.副業の収入を得るために必要な支出である

まず重要となってくるのが、副業の収入を得るために必要な支出であることが経費として判断できる条件になります。
例えば、副業でプログラマーやエンジニアをしている場合、パソコンがないと仕事をすることができません。
そのため、たとえ自宅に設置していたとしても、パソコンの購入費は副業の収入を得るために必要な支出として考えられ、経費として計上できます。

2.プライベート利用と明確に区別できる

在宅ワークで副業をするとなると、プライベートで使っているものをそのまま仕事に活用する場合もあります。
例えば、上記にも挙げたパソコンを仕事用としてだけでなく、プライベートの時間に使用するケースもあるでしょう。
この場合、プライベートでの利用と明確に区別を付けられる時は、経費として計上することが可能です。

後ほど詳しく解説しますが、家事按分で計算することによって事業として使用した分の費用を計上できるようになります。
逆にプライベート利用と明確に区別ができないものは、経費として計上しても否認される可能性があるため、注意してください。

3.領収書・請求書など客観的な証拠がある

経費を計上するための条件として、領収書や請求書などの客観的な証拠があることも重要です。
副業の収入が300万円以上かつ確定申告が白色申告の場合、経費として計上した領収書は5年間保管しておく必要があります。

副業収入が300万円を超えていなかった場合でも、税務調査が入った時に提示を求められる可能性があるため、保存・整理しておき、すぐに提示できる状態にしておくことが大切です。

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副業の在宅ワークで家事按分が必要になるケースとは


在宅で副業を行う場合、自宅の家賃や電気代、インターネット料金などを仕事にも使っているケースが多く見られます。
ただし、これらの費用は私生活でも使用しているため、支出の全額をそのまま経費として計上することは認められていません。

そこで必要となるのが「家事按分」という考え方です。家事按分とは、仕事で使用した割合のみを経費として計上するための方法です。
合理的な基準をもとに仕事で使用した分の割合を算出し、その分の費用を経費として計上します。
副業の在宅ワークでは家事按分が必要となるケースが多いため、正しく理解しておくことが大切です。

仕事と私生活で共用している費用は原則そのまま経費にできない

家賃や水道光熱費、通信費などは、副業の在宅ワークで使用していたとしても、日常生活でも利用していることから「家事関連費」に該当します。
家事関連費に該当する支出は、仕事に使った分と私生活で使った分を明確に分けることが難しいため、原則として全額を経費にすることはできません。

そのため、「自宅のどのスペースを仕事に使っているか」「1日のうちどれくらいの時間を副業に充てているか」など、客観的に説明できる基準を用いて、仕事に使った分を家事按分し、経費として計上する必要があります。

家事按分が必要になる代表的な費用

副業の在宅ワークでは、仕事と私生活の両方で使っている費用については、家事按分が必要ですが、具体的にどのような費用で家事按分が必要となるのでしょうか。
代表的な費用は以下のとおりです。

  • 家賃
  • 電気代・ガス代などの水道費
  • インターネット回線やスマホ料金などの通信費 など

ほかにも家事按分が必要となる費用もあります。これらの費用については以下で詳しく解説しています。

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副業の在宅ワークで経費として計上可能な主な費用


副業として在宅ワークを行っている場合でも、業務に必要な支出であれば経費として計上できます。
ただし、自宅で使用する費用は私生活と共通になりやすいため、「仕事に使っている割合」を明確にすることが重要です。

ここでは、副業の在宅ワークで経費にしやすい代表的な費用を紹介します。

家賃(在宅ワークの代表的な経費)

自宅の一部を仕事用スペースとして使用している場合、家賃の一部を経費として計上できます。
この場合は、仕事に使っている面積や使用時間などを基準に家事按分を行い、合理的な割合で算出する必要があります。
例えば、部屋全体のうち仕事に使っているスペースが○%であれば、その割合分の家賃を経費にするイメージです。根拠が説明できる按分方法を採用することが大切です。

水道光熱費(電気代・ガス代など)

電気代やガス代などの水道光熱費も、在宅ワークで使用している分については経費計上が可能です。
パソコン作業や照明、空調など、業務に必要な使用分を家事按分して計上します。また、仕事の合間に自宅の水回りやトイレなどの設備を利用することもあるでしょう。
水道光熱費も家賃と同様に、使用時間や仕事部屋の面積を基準にすると、税務上も説明しやすくなります。

通信費(インターネット・スマホ料金)

インターネット回線やスマホ料金は、副業の在宅ワークにおいて欠かせない設備となる人は多いです。
そのため、業務で利用している割合に応じて、通信費として経費計上できます。
プライベートと兼用している場合は、仕事で使用している時間や回数などを目安に家事按分を行い、全額を経費にしない点が重要です。

パソコン・周辺機器の購入費

副業用に購入したパソコンやモニター、キーボード、プリンターなどの周辺機器は、業務に必要であれば経費の対象になります。
所得税法では取得価額が10万円未満のものに関しては、消耗品として経費計上が可能です。

購入金額が高額な場合は、減価償却が必要になるケースもあるため、金額や使用目的に応じた処理を確認しておく必要があります。
なお、取得価額が10万円以上20万円未満の場合、「一括償却資産制度」が活用可能です。
例えば、パソコンの耐用年数は4年に設定されているため、本来は4年かけて償却していきますが、一括償却資産制度を活用すれば3年で償却できます。
これにより、節税効果が大きくなります。

広告宣伝費

副業において集客や認知拡大を目的とした支出も、広告宣伝費として経費計上が可能です。
例えば、Web広告や動画広告の出稿費用、チラシ作成費、名刺代、SNS運用のための有料ツールなどが該当します。
広告宣伝費として計上する場合、「仕事の売上げにつなげるための支出」であることが判断基準となります。

調査費・新聞図書費

業務に必要な情報収集のための費用も経費になります。
例えば、専門書籍の購入費や業界紙・有料ニュースサイトの購読料、調査レポートの利用料などが代表例として挙げられます。
趣味や私的利用と混同しないよう、仕事に直接関係する内容であることを意識して管理することが大切です。

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副業の在宅ワークで経費として認められない費用


在宅ワークの副業では、経費にできる支出が多い一方で、内容によっては経費として認められないものもあります。
誤って計上すると、否認や追徴課税の原因になることもあるため注意が必要です。ここでは、副業の在宅ワークで経費にできない代表的な費用を解説します。

完全にプライベート目的の支出

業務とは無関係なプライベートの支出は、当然ながら経費として計上できません。例えば、私生活のための食費や衣類、趣味や娯楽の支出などが該当します。
在宅ワークでは仕事と私生活が混ざりやすいため、「仕事にも少し関係している気がする」と感じる支出でも、業務との直接的な関連性が説明できなければ経費として認められにくくなります。

税金・社会保険料・生命保険料

所得税や住民税、国民健康保険料、年金保険料、生命保険料などは、原則として経費にできません。
これらは事業運営のための支出ではなく、個人としての負担とみなされるためです。
生命保険料控除などの所得控除として扱える場合はありますが、必要経費とは別の考え方になるため注意してください。

なお、所得税や住民税などは個人が負担するものとして経費計上はできません。
しかし、仕事で使用する車の自動車税や在庫商品の保管に使っている倉庫の固定資産税といった仕事に関係する税金については、「租税公課」という勘定科目で計上することが可能です。

家族への支払い

同居している家族や生計を一にする親族に対して支払う給与や報酬は、原則として経費にはできません。
例えば、配偶者や子どもに支払った作業代や手伝い代は、必要経費として認められないのが一般的です。
青色申告であれば「青色事業専従者給与」として認められるケースもありますが、白色申告や副業だと制限が多いため、誤って経費計上しないよう注意が必要です。

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家事按分のやり方・計算のコツ


仕事用とプライベート用で混在している場合、家事按分を使って仕事で使った分の割合を算出します。ここでは、家事按分のやり方や計算のコツについて紹介します。

家事按分の基本的な計算方法

家事按分のやり方は業務内容や経費の内容、家族や使用人の構成、利用状況など、様々な観点を含めた上で判定されるため、法的に定められた計算式などはありません。
ただし、経費として計上するためには合理的に説明できる計算方法を用いる必要があります。
そこで、実際にどのように計算すればいいのか、3つのパターンを紹介していきます。

副業に使うスペース割合から家賃を計算する場合

家賃を家事按分する際は、自宅兼事務所の専有面積から副業に使っているスペースの割合を出し、家賃を計算するのが方法の1つです。

例えば、自宅兼事務所の専有面積が30㎡、そのうち副業の在宅ワークで使っている書斎のスペースが5㎡(約3畳)だったとします。
この場合、自宅兼事務所の6分の1(約16%)を副業として使用していることになります。
もし家賃が月12万円だった場合、月19,200円が仕事用、残りの100,800円が生活に使用している金額となり、19,200円分を経費として計上することが可能です。

副業に充てた時間から家賃を計算する場合

副業に使うスペースの割合から家賃を計算したくても、いつも決まった場所で行っていない場合や、副業で使用するスペースが点在しており、計算しにくい場合もあるかもしれません。
そのような場合は副業に充てた時間から家賃を計算する方法がおすすめです。

例えば、1週間(168時間)のうち、副業に充てた時間が合計20時間だったとします。この場合、1週間あたりの按分率は以下の通りです。

20時間÷168時間×100=11.904≒12%

家賃が月20万円だった場合、按分率をかけることで経費に計上できる分が24,000円ということになります。

副業に充てた日数から電気代を計算する場合

電気代や通信費などの家事按分をする場合は、副業に充てた日数から計算する方法も用いられています。
例えば、副業の在宅ワークを1週間のうち3日行っていた場合、3日÷週7日間=42.8≒43%が業務に使っている割合です。
月の電気代が2万円であれば、8,600円分を経費として計上できることになります。

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在宅ワークの副業でも確定申告は必要?


在宅ワークの副業をしていると、「自宅で少し作業しているだけだから申告はいらないのでは?」と思いがちですが、確定申告が必要かどうかは働き方ではなく所得金額で判断されます。
ここでは、在宅ワーク副業における確定申告の基本的な考え方について解説します。

在宅ワークに限らず所得が20万円を超えたら必要

会社員が副業として在宅ワークをしている場合、副業による所得(収入-経費)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
これは在宅ワークに限ったルールではなく、雇用形態を問わずすべての副業に共通しています。
収入ではなく所得で判断する点が重要で、経費を差し引いた後の金額が基準となります。

確定申告が不要なケース

在宅ワークの副業をしている場合、基本的には確定申告が必要となりますが、一定の条件を満たしている場合には確定申告が不要になることもあります。

所得額が一定額以下の場合

副業の所得が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされています。
例えば、在宅ワークでの売上げが少額で、経費を差し引くと20万円以下に収まる場合が該当します。
ただし、確定申告が必要なかったとしても、所得があることで住民税の申告が必要です。
住民税については、自分が住んでいる自治体のルールをよく確認しておいてください。

本業の勤務先で年末調整をしている

本業が会社員で、勤務先で年末調整を受けている場合も、確定申告が不要とされる前提条件の1つです。
逆に年末調整をしていない場合や、複数の給与収入がある場合は、20万円以下であっても確定申告が必要になることがあります。

20万円以下でも確定申告すべきケース

副業の所得が20万円以下でも、確定申告をしたほうが良い、または申告が必要になるケースもあります。
例えば、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合や、国民健康保険料・住民税の軽減措置を受けたい場合、各種証明書(所得証明・非課税証明)が必要な場合などです。

在宅ワークの副業でも確定申告が必要かどうかはケースによって異なります。所得金額だけでなく、自身の状況や今後の影響も踏まえて判断することが大切です。

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まとめ・在宅ワークの副業でも経費にできるものは忘れずに計上しよう

在宅ワークの副業であっても、業務に必要な支出であれば経費として計上できます。
家賃や水道光熱費、通信費などは家事按分を行うことで経費にできる一方、完全にプライベートな支出や税金・保険料などは経費として認められません。
また、所得金額によっては確定申告が必要となるため、収入だけでなく経費を差し引いた所得額を正しく把握することが重要です。
経費を漏れなく計上することで無駄な税負担を防ぎ、安心して副業を続けられるようにしましょう。


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(編集:創業手帳編集部)

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