SGE(AI Overview)とは?Googleの検索機能はどう変わるのか。日本ではいつから使える?
SGE(AI Overview)の使い方!どうやって有効にする?スマホでも使える?SGE対策も解説
生成AIの出現によって、Webマーケティングのやり方が根本的に変わりつつあります。一部の先進的なインターネットユーザーはすでに、検索よりもChatGPTなどの生成AIを使って知りたいことを調べるようになってきている可能性すらあるのです。
そこでGoogleは、検索結果上に生成AIの応答を表示させるようにしました。それが本記事でご紹介するSGE(AI Overview)です。本記事でSGE(AI Overview)の詳細を知って、次世代のWebマーケティングに対応していきましょう。
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
SGEとAI Overviewとは?
SGEは「Search Generative Experience」の略で、Googleが提供する生成AIを活用した新しい検索機能です。SGEの目的は、ユーザーが入力した検索クエリに対して、AIが生成した要約や回答を表示することで、検索結果をより便利で直感的なものにすることです。
SGEの特徴として、検索結果の最上部にAIによる回答が表示され、ユーザーは従来のように複数のリンクをクリックして情報を探す手間が省けます。また、SGEは個別の質問に対しても追加の質問をすることが可能で、詳細な情報を得ることができます。
SGEの導入により、ユーザーがWebサイトにアクセスせずに検索結果だけで満足する「ゼロクリック検索」が増えると予想され、Webサイト運営者にはアクセス数の減少という影響が出る可能性があります。そのため、SEO対策としては、質の高いコンテンツを提供することがますます重要になります。
このように、SGEはGoogle検索の使い勝手を向上させる一方で、Webサイト運営者に新たな課題をもたらす可能性があります。
またSGEは、2024年5月にAI Overviewに名称変更しアメリカで全ユーザーに一般公開されました。
SGEから更に進化したAI Overview
新たに、次の 3 つのモードが用意されました。
・Original(標準)
・Simple(簡略)
・Break it down(詳細)
これによって、回答の長さの調整ができるようになりました。
また、これまでよりも、複雑で、複数の条件を入れた要望にも、回答ができるようになったといいます。
例えば、「〇〇駅から徒歩5分以内で、1000円以内で食べられるおすすめのラーメン店を教えて」というような複雑な質問にも回答できます。
他にも、プランを立てるのが上手くなったり、アイデアの整理整頓が上手くなったりなどしたといいます。
さらに、一番大きな進歩が、動画検索ができるようになったことです。
例えば、買ったばかりの掃除機が動かなくなったけれども、その症状について言葉で説明するのが難しいというときなどに、動画で見せて、その解決策を検索できるようになりました。
これらの機能はすべて米国向けに先に提供されるということです。日本でいつ、これらの機能がリリースされるかは未定です。
日本ではGoogle検索にSGEやAI Overviewがいつから表示される?
SGEは、日本でもすでに2023年8月から試験運用が開始されています。また、アメリカでは、SGEから名称を変更したAI Overviewが2024年5月15日から本格的に一般公開されました。
日本においてAI Overviewの公開についてはまだ正式発表されていませんので、今後の公開に注目です。
SGE(AI Overview)の使い方!どうやって有効にする?スマホでも使える?
SGE(AI Overview)は、簡単に使えます。ただし以下の方は現時点では使用できません。
・18歳未満の方
・Google Workspace アカウントの方
・教育機関向けの Google Workspace for Education アカウントの方
Google Search Labs とその試験運用版は、個人で管理している Google アカウントでのみご利用が可能です。
個人アカウントの方は、ChromeブラウザでまずSearch Labsにアクセスしてください。
続いて、「AIによる概要など」のところを、有効にすると、使えるようになります。
以下は、PCでSGE(AI Overview)が表示された画面です。
以下はスマホでSGE(AI Overview)が表示された画面です。
どちらも、Webサイトの上に「AIによる概要」が表示されています。この部分が、検索クエリ(質問)に対する、AIの回答です。
SGE(AI Overview)とSEOの違い
GoogleのSGE(AI Overview)と従来のSEOは、検索結果を強化するための異なるアプローチを取っています。SGEはAIの統合によって駆動されており、後者とは異なる特徴を持ちます。
SGE(AI Overview)の時代に成功するためには、ビジネスはSEOに適したコンテンツを作成するだけでなく、AIが理解しやすい構造化された情報豊富なコンテンツの提供にも注力する必要があります。これには構造化データマークアップの使用と、ユーザーの意図を理解して高度に関連する情報を提供することが含まれます。
以下、さまざまな観点について、両者の違いをご紹介します。
目的とアプローチの違い
SEOは、ウェブページを検索エンジンの結果で上位にランク付けするために、キーワード、バックリンク、およびコンテンツの関連性を使用して最適化することに焦点を当てています。目的は、よく最適化されたコンテンツを通じて有機的な検索の可視性を向上させ、ウェブサイトへのトラフィックを促進することです。
SGE(AI Overview)はAIを利用して検索結果ページ内で直接、簡潔で関連性の高い回答を生成し、ユーザーが複数のリンクをクリックする必要を減らします。SGEの目的は、ユーザーのクエリに基づいて即座に実行可能な情報を提供することです。
検索結果の違い
SEOは、ユーザーの検索クエリに一致するウェブページのリンクのリストを提供します。ユーザーはこれらのリンクをナビゲートして、必要な情報を見つける必要があります。
SGE(AI Overview)は検索結果の上部にAIが生成した概要や要約を表示し、直接回答、推奨事項、および実行可能なタスクを含めることで、検索体験を合理化します。
ユーザーインタラクションの違い
SEOは静的な結果に依存し、ユーザーはリンクをクリックしてウェブサイトを探索し、情報を収集する必要があります。
SGE(AI Overview)は動的でインタラクティブな結果を提供します。例えば、ユーザーは検索結果内でフォローアップ質問をすることで提供された情報を洗練させることができ、より会話的で直感的な検索体験を実現します。
コンテンツ作成と最適化の違い
SEOは、検索エンジンのアルゴリズムに合致する、高品質でキーワードをたくさん盛り込んだコンテンツの作成を重視しています。
SGE(AI Overview)は、AIが理解しやすく関連する要約やアクションを生成するために構造化されたデータを含む、明確で情報豊富なコンテンツを必要とします。情報の質と明確さがより重要視されます。
トラフィックとエンゲージメントへの影響の違い
SEOは、検索結果でウェブサイトを上位にランク付けすることでトラフィックを促進し、ユーザーエンゲージメントとコンバージョンを増加させることを目指しています。
SGE(AI Overview)はユーザーが検索結果内で直接回答を見つけるため、ウェブサイトのトラフィックを減少させる可能性があります。しかし、ユーザーはサイトを離れることなく迅速に回答を得ることができるため、ユーザーの満足度は向上します。
SGE(AI Overview)対策とは?どうやってやる?
SGE(AI Overview)対策を行うためには、従来のSEO戦略を進化させ、AIによる新しい検索体験に適応する必要があります。以下に具体的な対策を紹介します。
E-E-A-Tを高める
SEO対策において、E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)を高めることは従来から重要視されてきました。E-E-A-Tは、検索品質評価ガイドラインに基づく良質なコンテンツの指標です。
今後、SGE対策においてもE-E-A-Tの重要性がさらに高まると予想されます。E-E-A-Tを強化するための具体的な方法は以下の通りです:
経験(E):一次情報を提供すること。実際の体験や独自の調査結果を基にしたコンテンツは、信頼性を高めます。
専門性(E):特定の分野に特化し、その分野に関する専門知識の量と質を向上させること。
権威性(A):良質な被リンクを増やすこと。信頼性の高いサイトからのリンクは、コンテンツの権威性を強化します。
信頼性(T):運営者の情報を明確にし、サイトをSSLなどで暗号化することで、ユーザーに安心感を提供すること。
特に、被リンクを増やすことは、Webサイトの信頼性を高め、検索エンジンの評価を向上させるために有効です。
E-E-A-Tを意識して良質なコンテンツを作成することで、検索結果での上位表示が期待でき、さらにSGEの概要に参照される記事として選ばれる可能性も高まります。
起業家の方々は、ホームページ制作においてE-E-A-Tの要素を取り入れ、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することが重要です。信頼性と専門性を兼ね備えたコンテンツを作成し、検索エンジンの評価を高めることで、自社のオンラインプレゼンスを強化することができます。
一次情報の比重を高める
SGE(AI Overview)は、生成AIによって作成された回答を提供するシステムです。生成AIは、膨大なビッグデータを基に回答を生成するため、原理的にはすべての情報が二次情報となります。
しかし、情報のジャンルによっては、一次情報でなければ価値が低いと考えられる分野もあります。例えば、旅行の体験談やレストランの口コミなどは、実際に経験した人の生の声が重要であり、生成AIが作り出す情報では、その価値を十分に伝えることができません。
ユーザーも、こうした一次情報が重視される分野においては、SGE(AI Overview)の回答だけでは満足できない可能性が高いでしょう。生成AIによる回答は、あくまでも一般的な情報の提供に留まり、個人の体験に基づく具体的かつ詳細な情報を求めるユーザーのニーズに応えることは難しいと考えられます。
したがって、SGE対策として、一次情報を充実させたページを用意することが、今後ますます重要になってくるでしょう。企業のホームページにおいては、自社の商品やサービスに関する生の情報、例えば、お客様の声や従業員の体験談などを積極的に掲載することが効果的です。
また、一次情報を提供する際には、情報の信頼性を担保するために、情報源の明示や、具体的なエピソードの提供など、情報の透明性を高める工夫も必要でしょう。
SGEの時代においては、生成AIによる二次情報だけでなく、一次情報を適切に組み合わせ、ユーザーに価値のある情報を提供することが、重要な要素となります。またそれは、同時にSEO対策にもなるのです。起業家の方々は、自社の強みを生かした一次情報の発信に注力し、ユーザーの満足度を高めることを目指しましょう。
SNS流入の重視
SGE(AI Overview)の登場により、検索結果ページにAIによる回答が表示されるようになると、ユーザーが検索結果先のWebサイトにたどり着くことが構造上難しくなる可能性があります。AIが生成した概要や回答で十分な情報が得られる場合、ユーザーがあえてWebサイトを訪問する必要性を感じなくなるからです。
このような状況において、企業がユーザーとの接点を維持し、自社のWebサイトへの誘導を図るために有効な手段の一つが、SNSの活用です。SEO対策と並行してSNS運用に取り組んでいる企業もあるかもしれませんが、SGEの普及に伴い、SNSユーザーを重視する姿勢がこれまで以上に求められるようになるでしょう。
SNSは、企業とユーザーの直接的なコミュニケーションを可能にするプラットフォームです。企業は、SNSを通じて、自社の商品やサービス、ブランドの魅力を発信し、ユーザーとの関係性を構築することができます。また、SNSでは、ユーザーの反応や意見を直接知ることができるため、ユーザーのニーズを把握し、それに合わせたコンテンツの提供や改善につなげることも可能です。
さらに、SNSでの情報発信は、ユーザーによるシェアや拡散を通じて、より多くの人々に届く可能性があります。企業は、魅力的で価値のあるコンテンツを提供することで、ユーザーに自社のWebサイトへ誘導する動機を与えることができるでしょう。
SGEの時代においては、検索エンジン経由だけでなく、SNSを通じてユーザーとつながり、自社のWebサイトへ誘導するという多角的なアプローチが重要になります。起業家の方々は、SNSの特性を理解し、ユーザーとの関係性構築に注力することで、自社のオンラインプレゼンスを強化していくことが求められます。
画像、動画コンテンツの重視
SGE(AI Overview)によって表示される回答は、非常に簡潔なテキストコンテンツです。そのため、リッチなコンテンツを求めるユーザーからすれば、物足りなく感じてしまいます。
そこでやるべきことは、画像や動画など、SGEの欄には表示しきれない、リッチなコンテンツです。画像や動画をWebサイトに豊富に入れ込むことは同時にSEO対策にもなるので、これまで以上に画像や動画コンテンツをサイトに入れ込んでみましょう。
SGE(AI Overview)対策をしましょう
以上、 SGE(AI Overview)の概要や対策などについてご紹介しました。ぜひこの記事を参考に、対策をしてみてください。
SGEという新しい概念が出てきましたが、SEO対策も企業にとっては重要なことです。創業手帳では、SEOの対策方法についてチェックリスト形式にまとめた「SEO対策チェックシート」を無料でお配りしています。是非ご活用ください。
(編集:創業手帳編集部)