人材不足解消に大きな期待の「RPA」ーAIとの違いや活用例・役割を具体的に解説!

創業手帳

AIよりも身近で実用的?!業務効率アップのために利用したいRPAー違いを知って上手に使い分けよう!

(2020/07/21更新)

ここ数年、RPAの言葉を見たり聞いたりする機会が増えました。業務の自動化、効率化の場面でよく耳にするのではないでしょうか。
ところが、RPAが具体的にどのような役割を持ち実用化につながるのか、AIと何が違うのかよくわからず利用に至らない場合も多いようです。

そもそもRPAとは何なのか、似たような概念を持つAIとは何が違うのかを見ていきながらPRA実用化に向けたプロセスを解説します。

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RPAとは?広がりを見せるRPAの機能や役割とは

PC上で行う業務を自動化することで業務効率を上げてくれるRPA。
導入拡大の背景やそれに伴うRPAの機能拡充について見ていきます。

RPAとは

RPA (Robotic Process Automation)とは、コンピューター上で行う業務や作業を自動化する技術のことで、ある程度決められたパターンに従って行う業務を、RPAツールが自動的に実行してくれます。
単純作業や週次・月次で発生するルーティン業務との相性がよく、生産性向上のために導入されています。

RPAの広がり

RPAという用語が表れたのは、2000年代初頭でした。高度なプログラミング技術がなくても単純作業を自動化できるものであったため、主に経理、総務、人事、財務、労務など企業のバックオフィスを支えるツールとして注目されました。
少子高齢化に伴う労働人口の減少や、最低賃金引上げによる人材コストの増加に対応したいというニーズがRPAの広がりに拍車をかけました。

RPA導入によるメリットが広がりを見せると共に市場は発展し、現在はプレゼン資料の作成やマーケティング分析などを中心とした提案業務、在庫や入出荷の管理を中心としたサプライチェーン業務などにも多く活用されています。

RPAとAIの違いとは?

RPAと似たような用語の1つに、AI(Artificial Intelligence=人工知能)があります。人に代わって作業してくれるという意味ではRPAもAIも同じですが、実は考え方や使い道に大きな差があります。

RPAは、ある程度ルールの決められた仕事を淡々とこなせるという特徴があります。業務内容をRPAツールに記憶させ、定型のパターン通りに動くことを得意としているため、タスクをこなすための「機械」だと認識しておくのがよいでしょう。

AIは、定型通りでないパターンについても自ら判断し、業務を遂行することができるという特徴があります。「人工知能」の名の通り、今何が必要とされているのか、どんなパターンで仕事をすればいいのかを判断することができるため、業務を行う上での「頭脳」だと認識しておくのがよいでしょう。

RPAの活用例から見る各業務との相性


RPAを導入した場合にどのようなことができるのか、どのような業務に導入できるのか、実際の活用例に照らし合わせながら見ていきます。

人事業務への導入

・従業員からの申し出に合わせて、住所情報、家族情報などの人事データを変更する
・営業成績、人事評価情報を参照の上で、賞与案を作成する
・部署やエリアごとの人事属性(勤続年数、男女比、役職別)などを分析する

不定期に申請が続くため業務の流れを圧迫しやすい人事属性変更や、決まったデータを埋め込む作業においてRPAが力を発揮します。

財務経理業務への導入

・経費精算システムに提出があった情報を給与に反映させる
・通勤経路ごとに定期代や距離数を算出し、適正な通勤交通費を算出する
・従業員からの申請と社内規定とが合致した金額になっているか判断し、差し戻しを行う

正しい情報との整合性チェックを行ったり、その結果差し戻しもしくは給与への反映を行ったりするようなシーンにおいてもRPAが役立ちます。
チェックツールとして利用することで、業務時間の大幅短縮に役立ちます。

購買業務への導入

・顧客からの要望に合わせて、時期ごとの差を加味しながら見積書を作成する
・発注データを参考に請求書を作成する
・在庫情報を参照しながら不足分の追加発注書を作成する

定例的な書類の作成も、RPAを使用することでほぼ自動化することが可能です。取引先に提出する機会の多い書類については、RPAの導入によって人為的なミスを避けることができます。

総務業務への導入

・社内イントラネット上でのチャットボットに活用し、必要な提出書類について案内を行う
・従業員からの要望に合わせて、規定のルールブックや説明資料を提示する
・トラブルやクレームの相談が出た際、担当者に自動で連絡を送る

従業員に対して決められたフローを案内したり、連絡の優先順位を判断したりする際にもRPAの活用が期待できます。社内イントラ等に十分な説明資料資料を格納しているのに従業員からの問い合わせが絶えない、というような悩みにも対応できます。

更なる活用が期待されるRPAー今後の展望

 
様々な業務と相性がいいRPA。更なる拡大路線を辿っていくであろうRPAには、今後どのような役割が求められていくのでしょうか。

人材コスト削減の役割

これまで時間をかけて手作業していた書類業務や、アルバイトや契約社員に行わせていた単純作業の業務軽減が可能となります。
これらの作業に費やしていた人件費を削減したり、つい業務が圧迫されて発生しがちであった残業代を抑制したり、コスト面への大きな影響が期待されます。

労働力確保の役割

少子化に伴う労働人口の減少により、どの業界も人手不足に悩まされている昨今。
これまで人が担当していた業務をRPAに置き換えることができれば、労働力を確保しやすく本業に専念する人員を増やすことができます。それにより、会社全体が市場に与える付加価値やサービス価値を高めやすくなります。

労働環境整備の役割

在宅勤務やテレワークの拡大にあたり、クライアントとサプライヤー間で情報共有にラグが発生したり、紙ベースでの書類作業が困難を極めたりなど、労働環境の変化によるさまざまな問題が発生しています。
RPA導入は、これらの問題を解決して労働環境整備の役割も果たしてくれます。
働き方改革の一環としてRPAを導入する企業も多く、単純作業に充てる時間を削ることによってプライベートとのバランスを確保しようとする取り組みも始まっています。

AIとの組み合わせにより、業務の幅を広げていく

RPAはある程度決められたルール通りに動くツールであるというのは先述の通りですが、自ら判断や決断ができるAIと組み合わせることにより、遂行できる業務の幅は一気に拡大していきます。
例えば、ローン審査の場面において、与信審査ができるAIとローン審査の結果通知を作成できるRPAが共同作業を行う、というようなこともできるようになっています。
さまざまな業界・職種からのニーズが高まっていくことでしょう。

RPA導入のメリットは大きい!コスト削減と労働環境向上に役立てよう!

RPA導入のメリットは大きく、人材コストの削減、業務効率の向上などさまざまな面で役立ちます。上手く活用すれば、これまで人力で行っていた業務の多くをRPAに任せることができるため、労働環境の改善や本業に与えるポジティブな影響も期待できそうです。

活用例を参考にしながら自社の業務を見直してみると、意外とRPAによる自動化ができそうな部分も多いのではないでしょうか。

「人がやらなければいけない」という固定観念を一度白紙にした上で、より効率的な働き方を模索してみる時代が近づきつつあるのかもしれません。

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(編集:創業手帳編集部)

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