仕事のオンライン化対応に間違わないために、変わりゆく形態に柔軟に対応する方法とは
近年の社会情勢で変化する仕事のオンライン化で、使えるノウハウから便利なツールまでまとめてご紹介します
近年の社会情勢により、仕事はリモートワークを取り入れオンライン化が進んできました。
オンラインでのビジネスは確実に定着しつつあり、懸念されていた仕事におけるパフォーマンスにも大きな影響を与えないケースが多いです。
それに伴い、ワークスタイルも変化しつつあります。この変化には様々なものがあり、ビジネスマンは変わりゆく環境に対応することが求められるでしょう。
今回は、仕事のオンライン化で変化が見られる形態と、それに対応する方法について解説します。
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仕事のオンライン化で変化しているもの
リモートワークが普及してオンラインで仕事をこなすことにより、従来のワークスタイルを覆す動きが見られます。その様々な変化には、どのようなものがあるでしょうか。
こちらでは、改革されつつある仕事の形態について、代表的なものをあげていきます。
商談や会議を行う時
以前から、商談や会議についてオンラインで行うケースは見られましたが、在宅勤務を導入する企業が増えたことにより、オンライン商談や会議は急増しました。
それにともない、オンライン会議ツールの普及も進み、実際に利用する人はビジネスマンの半数近くに上っています。
このような動きは、従来の対面型の仕事から意識を変えています。
書類に捺印する時
従来では、紙の書類に承認の捺印が必要であるケースがほとんどで、自粛期間中にも書類への捺印のために出社するという話も聞かれました。
しかし、こうした非効率的な動きを覆すべく、電子ハンコを利用して オンライン上で捺印を可能にする動きも見られます。
仕事のオンライン化によって、ペーパーレス化も進んでおり、電子ハンコの中には契約書や公文書等に使える法的効力を持つものも登場しています。
このような背景から、電子ハンコの文化もさらに普及していくと考えられるでしょう。
名刺交換をする時
取引先等と直接対面する時は、紙の名刺が必須でしたが、オンライン上でのやりとりではそれも難しくなります。
そこで注目されているのが、オンラインでの名刺交換やデジタル名刺の活用です。
オンライン会議の機会が増えると、相手の顔と名前が一致しない等の問題が生じます。
これを防ぐために、オンライン会議ツールの画面に、読み取ると名刺情報を取り込めるQRコードを表示したり、アプリでデジタル名刺を送り合ったりするツールがよく使われるようになりました。
オンラインで仕事をする際に便利なサービス
上記のように、リモートワークで仕事をする時にはオンラインでの様々なやりとりが必要です。
その際に、役に立つサービスやツールが多く存在しているため、ぜひ利用したいところです。
では、実際にどのようなサービスがあり、ツールをどう使っていけばいいのでしょうか。
オンライン会議に使用されている代表的なツールについて
こちらでは、オンライン会議でよく使用されている代表的なサービス・ツールを紹介します。
ビジネスに特化したZoom
オンライン会議をはじめとして、リモートワーク全般で広く用いられるようになったZoom。
参加者全員が画面上に表示されるほか、高画質かつ高音質で画面の共有も簡単であることなどから、特にビジネスでの利用に特化したツールです。
また、ビジネス以外にも世間が外出自粛を求められる中、プライベートでの対面にも多用されており、認知度の高さも誇ります。
スマホでも使えるSkype
Skypeは、PCもしくはスマホでもアプリをインストールすることで利用できるツールです。
国内外にユーザーが多数おり、どこでも安定した動作で通話・チャットが可能です。また、Meet Nowと呼ばれる機能は、アプリのダウンロードやサインアップがなくとも利用できる機能であり、ブラウザ上で使用することが可能。
さらに、Skypeをダウンロードしていないユーザーとも通話ができます。
Googleアカウントがあれば無料で使えるGoogle meet
Google Meetは、Googleアカウントを所有していれば無料で使用することができます。アプリをダウンロードする必要がなく、ブラウザを立ち上げれば準備完了です。
また、画面共有も簡単で時間制限もないことから、長時間のオンライン会議にも有用です。その他、Googleアカウントと連携するサービスも利用できるため、Googleユーザーには便利といえます。
参加人数無制限のBIZMEE
多人数でのオンライン会議に有用なツールが、BIZMEEです。参加人数は無制限で、アプリをダウンロードすることなく、登録不要で誰でも参加することができます。
また、どの機能も無料で使用できるため、初めてオンライン会議に使用するには入りやすいツールです。
ただし、注意すべき点はInternet Explorer,やMicrosoft Edgeで使うことができない点です。
電子ハンコを作成できるサービスやツールとは
こちらでは、オンライン上で書類処理をする際に役立つ電子ハンコを作成できるサービス・ツールをあげていきます。
Excel電子印鑑で簡単に作成
Excelのアドインに、電子印鑑を作成できるツールがあります。
ダウンロードすれば、右クリックでExcel電子印鑑の項目が出てくるため、使い方も簡単です。
ハンコを作成すれば、Excelファイルに手軽に捺印することができます。標準で搭載されている印面のほか、自分自身で印面を作ることも可能です。
その他、日付を入れる等の機能もあります。
Wordファイルにも使えるクリップスタンプ
クリップスタンプは、WordやExcelの書類に捺印するハンコが簡単に作れるフリーソフトです。
印面も様々な形から選ぶことができ、認印のほかにも多様な書類に活用が可能。
特に、Wordの書類を作成する機会が多い場合には、使い勝手もよく便利なツールです。
日付を自動的に反映するパパッと電子印鑑free
パパッと電子印鑑freeも、基本的に認印程度であれば無料で作成することができます。
そして、こちらにも日付を入れられる機能があり、PCと連動しているため自動的に当日の日付を生成してくれます。
その他、印面をイメージどおりに調整する機能や、捺印したい任意の場所に簡単に移動させられる機能等も便利です。
電子契約書が作成できるGMO電子印鑑Agree
GMO電子印鑑Agreeでは、電子契約書等の書類を作成し、そこに電子ハンコを捺印できるサービスです。
作成した書類を社内外で共有することも簡単で、捺印作業までスムーズに終了させられます。
その他、本人確認手続きにより、電子ハンコに実印としての効力を持たせることもでき、法的にも問題ない書類作成が可能。
オンラインで名刺交換するには
リモートワークで取引先等とやりとりするとき、オンラインで名刺交換ができる以下のようなツールを使うと良いです。
名刺をスキャンしデータ化するSansan
Sansanは、オンライン名刺として広く活用されており、名刺をスキャンすればAIとオペレーターによる正確なデータ化が行われます。
名刺交換はメールや検索等で行うことができ、オンライン会議中でも操作は簡単にできます。
その他、名刺データから相手のデータを自身の連絡先データや社内共有データに反映させられるため、名刺の管理の手間も格段に圧縮されます。
スマホからも名刺を取り込めるスマート名刺管理
スマート名刺管理の特徴は、PCのほかスマホからも名刺を取り込めて、それぞれ別に取り込んでもGoogleコンタクトにて同期させられることです。
また、顧客管理ツールや請求書作成ソフト、さらに年賀状作成ソフトやカーナビソフトなど様々なサービスと連携しており、名刺交換をすれば幅広い活用が可能となります。
Facebookと連携できるEight
スマホで名刺を撮影するだけで、オペレーターによる精巧なデータ化が可能となるEight。
リストの作成やラベルによるグループ分けだけではなく、Facebookとの連携によりアカウントとの紐づけができて便利です。
さらに、名刺交換した相手の名刺データ情報が変わると、その都度通知が届いて常に最新の情報に更新する機能もあります。
QRコードで情報を読み取る2bs
2bsでは、名刺データをQRコードで手軽に読み込めます。
生成したQRコードは、スマホやPCの画面に表示してお互いに読み取ることで名刺交換が可能です。
また、名刺データ画面に顔写真や動画を掲載する機能も搭載。
さらに、画面デザインの選択やコメント欄への情報入力など、多機能であることが特徴です。
仕事のオンライン化による環境の変化
仕事のオンライン化は、業務における変化だけではなく仕事環境にも影響を与えています。
働き方はもちろん、業務システムの見直しや顧客との関わり方など、変化した面は様々にあります。
では、仕事のオンライン化で変化してきた環境とはどのようなものでしょうか。
リモートワークにより変化した住環境
自宅等で仕事をするリモートワークが日常的となった現状は、住環境にも変化を与えています。
例えば、作業する部屋では長時間でも楽にPCに向かえるよう机や椅子を買い替える等、作業環境を整える人もいます。
また、オンラインでのやりとりで画面を見やすくするために、照明を調整したりインテリアを整理したりといった準備を行った人も多いのではないでしょうか。
さらに、会社に出勤する目的で近隣に住む必要がなくなり、都心から地方に拠点を変えて好きな土地から仕事を行うこともできるようになりました。
クラウドサービスを活用する
リモートワークで資料や書類を共有する場合、お互いにオンラインでデータを共有したり、業務システムにアクセスしたりすることもできます。
しかし、さらに効率的かつスピーディに複数人で共有するためにクラウドサービスの利用も広がっています。
クラウドサービスにデータをアップロードすることで、アクセス権限があれば自宅や出先などどこでも仕事をすることができます。
システムメンテナンスの手間も省けるため、リモートワークでも管理の心配が生じません。
さらに、セキュリティ面でも社内システムにアクセスするよりもクラウドサービスでアクセス権限を制限した方が、安全性が高まるといったメリットもあります。
顧客ともオンラインでコミュニケーション
では、従来は対面でセミナーや営業を行っていた顧客との接し方はどうなるかというと、こちらでもオンラインでコミュニケーションをとる方法が広まりつつあります。
例えば、セミナーや展示会であれば配信や動画のアップロードで顧客に公開する、また商談や営業はオンライン会議ツールを活用する等です。
資料を共有できるツールを利用すれば、会議や商談もスムーズに進むはずです。
さらに、BtoBに限らずBtoCの接客業についても、オンラインで接客できるシステムを導入している企業が増えてきました。
このように、顧客とのコミュニケーションもオンラインで十分に取れる工夫がなされています。
スムーズなリモートワークを進めるコツとは
仕事のオンライン化により、リモートワークが普及すると、社内の人や顧客と直接対面することはほぼなくなります。
従来のコミュニケーション方法が変化しているということは、その方法に対応する意識にも変化を持たせなければならないということです。
こちらでは、リモートワークをスムーズに進めるためにコツを紹介します。
細やかに意思疎通を行う
オンラインでのやりとりでは、直接相手と対面しない分、相手の細かな反応や空気を察知することが難しくなります。
相手の顔が画面に映っている状態でも、やはり直接の対面と比べて意思の疎通はしづらいことは否めません。
そこで、従来よりもさらに細やかに自分の意思を言葉に起こして伝えたり、正確に指示を送って動いてもらったり等の配慮を行うことが求められます。
意識してきちんと意思を伝えることを怠ると、直接対面では想定しなかった認識のずれや相違が起こる可能性があり、ビジネスの過程を滞らせることにもなりかねません。
コミュニケーションしやすいサービスやツールを活用する
よりコミュニケーションを密に取るために必要なことは、お互いに情報を共有しやすいツールを最大限に活用することです。
オンライン会議ツールをはじめとして、プロジェクトの進行等にはスケジュール管理ツールも便利です。
また、会議ではなくても業務上での軽い質問等が行えるよう、チャットツールを日常的に取り入れることもおすすめです。
その他、息抜きに同僚と少しだけ雑談しながら進めたいときにも、チャットツールが役に立ちます。
これらのツールを状況によって使い分ければ、リモートワークをより快適かつ正確なものにできます。
セキュリティ対策を万全に取る
リモートワークにおいては、機密データや個人情報の保持、利用しているPCへのサイバー攻撃など、セキュリティに対するリスクが散見されます。
万が一重要な情報が漏洩してしまうと、社内外に大きな損失をもたらし、重大な責任を負うことになりかねません。
そこで、社員全員にセキュリティ対策の強化を求めることが大切です。
例えば、社内でデータのやりとりや持ち出し等にルールを設けて遵守する、セキュリティソフト導入の義務化やデータ暗号化を実行する、プライベートネットワークやセキュリティ体制が整ったクラウドサービスへの移行を進める等です。
さらに、作業をする場所に関しても他者が介入できない場所を選ぶ、PC本体やメモリ媒体の管理を厳重にするといった対策も必要です。
評価制度を見直し公平に評価する
リモートワークでは、社員の働きぶりが実際に見えない分、仕事に対する評価をつけづらい面があります。
社員の評価は、実際の成果のほかにオフィスでの業務態度等も見られるものです。
それが叶わないリモートワークでは、業務態度や労働時間ではなく成果等で公平に評価するシステムを構築することが求められます。
個人個人の働きぶりに左右されないルールの策定が行われれば、自宅で仕事をしない人や、逆に1日中仕事をし過ぎてしまう人の格差を埋めることが可能です。
まとめ
近年の感染症拡大によるものだけではなく、業務の効率化等の理由で仕事のオンライン化は今後も進んでいくと見込まれます。
そのため、ビジネスシーンにおける様々な変化は今だけのものと捉えずに、柔軟に変化に対応していかなければなりません。
仕事のオンライン化に適応するためのサービスやツールは多くあるため、うまく活用することでリモートワークの不自由さを十分解消できます。
仕事の形態の変化にしっかりついていけるよう、新しい働き方を見直すことが必要ではないでしょうか。
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(編集:創業手帳編集部)