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「設立」と「創業」と「創立」と「発足」の違いは?

「設立」、「創業」、「創立」、「発足」の意味、違いと使い方についてくわしく説明します。
会社において、設立は法人として登記すること、創業は事業を始めること、創立は会社だけでなく組織や機関を初めて立ち上げることを意味します。それに対して、発足は会社以外の組織や機構などが活動を始めることを意味します。
それぞれの違いは、法律で定められているものは設立のみで、創業は一人または複数人で事業を始めること、創立は複数人で初めて立ち上げること、発足は会社以外の組織や機構に使われる点であると言えます。

これら四つの用語の定義と使い方について順に説明します。
第一に設立は、会社を法人として管轄の法務局に申請、登記することを示します。株式会社においては、会社法49条「株式会社の成立」で設立の定義が次の通り定められています。
・株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。

設立の一般的な手順は、会社の規則である定款を作成し、会社財産の形成、取締役などを決定した後、公証人の認証を受けて、登記を申請します。株式会社であれば株主を決定する必要があります。
また、登記の申請とは具体的に、法務局に対して資本金の額、取締役の氏名、代表取締役の氏名と住所、発行可能な株式総数など記した書類を提出することです。
このように、法律に基づいた法務局への登記の申請を経て、会社を設立することができます。
使い方の例は、ある会社が以前から事業を始めていた場合にも、数年後に株式会社として登記の申請をした際に、登記によってこの会社が設立となります。法律と登記があることで、会社が設立となることを注意しなければなりません。

第二に創業は、会社や個人として事業を始めることを示します。事業を始める際に、必ず登記の申請をして会社を設立する必要はありません。老舗となる会社などは、数百年前から創業をして事業を始め、近代になって株式会社として設立する場合もあります。
このように、創業は設立と比べると法律での定義はなく、単に事業を始めることであり、始めた時期を意味するものでもあります。
使い方として、ある会社で事業の開始と登記の申請が同じ時期であれば、創業日または年と設立日または年が同じとなります。逆に、事業を始めたあと改めて登記の申請をした場合は、創業と設立の時期が異なります。

第三に創立は、組織や機関を初めて立ち上げて事業を開始することを示します。創業と同じく法律での定義はありませんが、創業が個人で事業を始めることも含むのに対して、創立は個人ではなく複数人の組織を対象とします。
このように、創立は複数人で組織や機関を初めて立ち上げる点が創業との違いであり、主に学校などの組織にも使用されます。
使い方として、ある学校が創立100周年となる、といったものとなります。また、既に設立された会社が子会社や新規事業を開始する場合には、創立でなく創設という言葉が使用されます。

第四に発足は、一般的な読み方が「ほっそく」であり、会社以外の組織や機構などが活動を始めることを示します。こちらも創業や創立と同じく、法律での定義はありません。会社以外の組織や機構として、委員会や政治団体などを対象としており、活動の開始が初めてでも、または再開であっても使うことができます。
このように、発足は創業や創立と異なり、会社以外のものが活動を始めること自体を指しており、活動が初めてでなくても使う点が違いと言えます。
使い方の例として、行政機関のある委員会が発足をした、といったものが挙げられます。

最後に、四つの用語の意味と違いをまとめると、次の通りとなります。どちらも混同しやすい用語ですが、正しい理解と使い方をするように心がけましょう。
・設立は会社を法人として法務局に申請、登記することを意味する。
・創業は会社や個人として事業を始めることを意味する。
・創立は組織や機関を初めて立ち上げて事業を開始することを意味する。
・発足は会社以外の組織や機構などが活動を始めることを意味する。
・それぞれの違いは、法律で定義されるものが設立のみで、創業は個人も対象とするのに対して創立は複数人が初めて開始することであり、発足は会社以外の組織や機構を対象とする。

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