まくら 河元 智行|睡眠に必要不可欠な「まくら」で、 人々の生活をより良いものに
まくら株式会社 代表取締役 河元 智行インタビュー
(2018/07/03更新)
突然ですが、読者の皆様は「睡眠」ちゃんととっていますか?
睡眠がしっかり取れていないと、集中力が続かなくなるなど、仕事の効率が悪くなってしまいますよね。
実は、そんな睡眠に関するものの中で、「枕」に特化した企業があることをご存知でしょうか?
その名も「まくら株式会社」。まくらの通信販売でビジネスモデルを作り上げ、その収益をもとに、より良い眠りを提供できる枕を開発している企業です。
最近では、IoTを取り入れた枕を開発していることでも、注目を集めています。
今回は、まくら株式会社 代表取締役の河元 智行氏に、枕をビジネスにしようと思ったきっかけや、特徴的な運営方法について、お話を伺いました。
1975年、我孫子市出身。学生時代に宅地建物取引士(宅建)に合格し、不動産会社に就職が決まるが卒業間際に内定を辞退し自身で広告業を立ち上げる。大手に買収されたのを機に、都内の某家電量販店の携帯電話セールススタッフになり、トップ販売員に成長する。その頃からサイト制作を趣味で始め、携帯電話や家電量販店の裏ワザ情報を発信するように。後年、枕のポータルサイトを始めた事がきっかけとなり、ネット通販事業まくら株式会社を設立する。
枕が私たちの生活を支えてくれるモノになり得る
河元:寝具の中でも枕に特化し、枕の企画・販売を行っています。
さらに、私たちの眠りをもっと快適にする、もっと質の高いものにするために枕の開発も行っています。
一般的な寝具の「枕」については、月1回以上のペースで発売しています。また、寝具の域を超えた、IoT(※1)まくらの開発も進めています。
枕に機械を埋め込んだもので、寝具というよりは家電に近いものかもしれません。
※1
IoT:例えば、スマホや自動車、窓、カギ、衣服から芝生に至るまで、身のまわりのあらゆる「モノ」にセンサーを組み込んでインターネットにつなげる(単につなげるだけでなく、モノがインターネットのようにつながる)、情報交換することにより相互に制御し合う仕組みのこと。
河元:枕は毎日使っており、触れている時間も長いです。さらに、目鼻口耳の顔の近くにあるため、人間の一等地に常にあり続けるモノであり、10年後・100年後も無くならない普遍的なモノとも言えます。
そんな枕という特性から、「いずれは、枕が私たちの生活を支えてくれるモノになり得るのではないか?」と考えるようになりました。
そういう思いから、枕×IoTの相性は、とても良いと考えております。
河元:現在開発中のIoTまくらですが、「電源を必要とすること」「熱をため込まない設計」「火災などのリスクを無くす」など、今までの枕には無い苦労点があります。
その問題点や苦労する点をひとつひとつ改善し、商品開発を行っています。
河元:もちろん、「枕を使って眠るすべての人」に使っていただきたいですね。
IoTまくらがリリースされて世の中に広まっていったら、枕が私たちの生活を陰ながら支え続けてくれる、パートナー的存在になると考えています。そして、睡眠だけでなく、生活もより良いものにしてくれるはずです。
河元:商品企画、開発はもちろんのこと、商品撮影・WEBページ制作・販促活動・マーケティング活動・カスタマーサポート・出荷配送業務、さらにはシステム開発に至るまで、ネット通販に関する一連の業務を、すべて社内で行なっています。
河元:常に試行錯誤していくことです。
試行錯誤をしていく段階で意識しておきたいのが、「10戦やって2勝する」を目指すことです。
「10戦やって2勝だけ?」と思うかもしれませんが、まずは「10戦する」という数をこなすことが重要です。そして、「2勝したこと」より「なぜ8敗したのか?」の方に注目しましょう。負けてしまった内容から学び、成功につなげていくことが必要です。
「枕難民」となった経験から生まれたビジネス
河元:私は、もともと家電量販店で携帯電話を販売する仕事をしていました。その時に枕を買い換えたのですが、全然合わなかったんです。いわば「枕難民」です。
それから、自分に合う枕を探しているうちに、気付いたら枕について詳しくなっていました。
枕で起業しようと思ったのも、その経験が大きいかもしれません。
河元:開業当初は自己資金もなく、また職歴、人脈、経験も無かったため、苦戦しました。ですが、それらをひとつひとつ改善し、活路を見いだしました。
活路を見いだした瞬間は何度もありますが、その瞬間は何でも嬉しいものです。
河元:特にありません。
創業時は「何もない」が結果としてプラスとなり、現在の会社が存在しています。例えば、お金が無かったので、「在庫を持たない」「倉庫も持たない」「売れた分だけを仕入れる」など、お金が無いなりの運営方法を確立していくことができました。
河元:例えば、「22世紀を迎えた頃には、枕がすべての生活の中心となり、そしてインフラになる。」そんな世界をイメージし、それを実現させるために、これからも奮闘していきたいと思います。
(取材協力:まくら株式会社/河元 智行)
(編集:創業手帳編集部)