注目のスタートアップ

5G基地局データと生成AIを活用した次世代アプリケーションを開発する「FYRA」が資金調達

company

2025年5月31日、FYRA株式会社は、資金調達を発表しました。

FYRAは、5G基地局データと生成AIを活用した次世代アプリケーション「FYRA Suite」を開発しています。

5G基地局から取得されるリアルタイムネットワークデータを可視化し、生成AIによって分析することで、モバイル通信のボトルネック解消や基地局環境の最適化を図るサービスです。

今回調達した資金は、「FYRA Suite」の強化、5Gデータの実利用に関心を持つ企業・団体との実証実験の推進に活用します。


テクノロジーの進化は急速に進んでおり、さまざまな分野でその導入が広がっています。たとえば、物流倉庫では自律走行ロボットによる作業の自動化が進み、また自動運転車の実用化も現実味を帯びてきています。

こうした高度なテクノロジーの稼働には、安定した通信環境が不可欠です。しかし、従来の4Gでは通信性能が不足しており、多数の機器が同時に動作するような環境では十分に対応できないという課題がありました。たとえば、物流倉庫では数百台規模のロボットが稼働する場合もあり、4Gでは通信の容量や遅延の面で限界があります。

このような課題を解決する手段として期待されているのが、第5世代移動通信システム、いわゆる5Gです。5Gは高速・大容量通信に加え、超低遅延、そして多数同時接続といった特徴を持ち、これまで実現が難しかった技術の活用を可能にします。

一方で、5Gには新たな課題もあります。5Gで使われる高周波数帯は、従来の4Gに比べて通信エリアが狭く、電波が建物などに遮られやすいという性質があります。そのため、広範囲をカバーするには多数の基地局を設置する必要があり、通信事業者にとって大きな負担となっています。このため、5Gの普及はまだ限定的で、多くの人がその恩恵を実感できる段階には至っていません。

さらに、5Gのネットワークは多種多様な用途に対応する必要があり、システム全体が複雑化しています。このような背景から、従来のように人の手でネットワークの運用や最適化を行うのが難しくなってきています。

こうした課題を解決するための取り組みとして注目されているのが、RAN(無線アクセスネットワーク)のオープン化を進める「O-RAN(Open Radio Access Network)」です。O-RANでは、異なるメーカーが共通の基準でネットワーク機器やソフトウェアを開発できるようにすることで、柔軟かつ効率的なネットワーク構築を実現しようとしています。

この分野で取り組みを進めている企業の一つがFYRAです。FYRAでは、無線通信基地局の保守・運用の効率化を目的としたサービス「FYRA Suite」の提供や、5Gアプリケーション開発を支援するプラットフォームの整備を目指しています。これにより、より現実的で持続可能な5Gネットワークの構築が期待されています。

ビジネスを成長させるには戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、クラウドファンディングを成功させる方法など、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ 5G FYRA FYRA Suite O-RAN rApp アプリケーション サービス データ モバイル通信 リアルタイム 実証実験 最適化 生成AI 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

訪日中国人向けインバウンド総合プラットフォームサービスを展開する「Japan DX」が1.5億円調達
2024年3月8日、Japan DX株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Japan DXは、訪日中国人向けインバウンド総合プラットフォームサービスを展開していま…
クラウド在庫管理システム「zaico」を提供する「ZAICO」が2億円調達
2025年5月14日、株式会社ZAICOは、2億円の資金調達を発表しました。 ZAICOは、クラウド在庫管理システム「zaico」を開発・提供しています。 入出庫・発注・棚卸作業など、在庫管理業務の効…
医療支援クラウドサービス「LOOKREC」を提供する「エムネス」が「QRインベストメント」から資金調達
2023年11月21日、株式会社エムネスは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社北國フィナンシャルホールディングスグループの株式会社QRインベストメントです。 エムネスは、医療支…
AI技術と3DCG技術を組み合わせたキャラクター製品を開発・提供する「Gatebox」が2.3億円調達
2025年4月11日、Gatebox株式会社は、総額2億3000万円の資金調達を発表しました。 Gateboxは、キャラクター召喚装置「Gatebox」や、デジタルフィギュア鑑賞用ディスプレイ「デジタ…
データプラットフォーム「AirLake」などを提供する「DATAFLUCT」が「全日本食品」と資本業務提携
2023年6月7日、株式会社DATAFLUCTは、全日本食品株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 DATAFLUCTは、企業のデータ基盤構築やデータ利活用を推進するデータプラットフ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集