注目のスタートアップ

グローバルなトレーディングカード取引を革新する「PACKS」を運営する「D-Chain」が7000万円超調達

company

2024年8月20日、株式会社D-Chainは、総額7000万円超の資金調達を実施したことを発表しました。

D-Chainは、物理的なトレーディングカードをデジタル権利NFT「RFT」に変換し、グローバル市場におけるリアルタイムな取引を実現するプラットフォーム「PACKS」を開発・運営しています。

トレーディングカードの現物は「PACKS」の倉庫で保管し、カードの権利のみをブロックチェーン上で取引することで、偽物の流通を防ぎながら、トレカのスピーディかつ低コストなグローバル取引を実現しています。

今回の資金は、「PACKS」の開発加速に充当します。


ポケモンカード、遊戯王、デュエルマスターズ、マジック・ザ・ギャザリングなどのトレーディングカードは世界的にコレクターが存在しており、その2次流通も活発です。

また、レアなカードは高値がつくことも多いほか、その値段の変動も激しいことから、近年は資産(オルタナティブ資産)としての注目が高まっています。

一方で、現在の取引の仕組みは、従来のコレクションアイテムの取引の仕組みを踏襲しているものであり、現物のトレーディングカードの実際の受け渡しが伴っています。

しかし資産として投資する人にとっては、現物のトレカを実際に手に入れる必要がありません。これにより、トレーディングカードの取引における輸送コストが発生する可能性があるほか、偽物の流通が介在してしまう余地が増加するという問題を抱えています。

D-Chainは「PACKS」の運営を通じ、トレーディングカードの取引に関する上記の課題を解決することを目指しています。

株式会社D-Chain 代表取締役 堺 悠斗氏のコメント

このニュースを受けまして、株式会社D-Chain 代表取締役 堺 悠斗氏よりコメントが届きました。

堺 悠斗(さかい・ゆうと)
株式会社D-Chain 代表取締役
2022年、明治大学経営学部に入学時18歳の頃マーケティング、不動産、輸入業などで事業を起こす。さらに翌年の2023年8月には、Web3事業(ブロックチェーン開発事業)を行う「株式会社D-Chain」を創業し、現CEOに就任。就任後、弊社の事業は「東京都スタートアップ創業支援(運営元:東京都労働産業局)」に採択され、現在に至るまで様々なWeb3ハッカソンで審査員賞を受賞。Web3領域におけるRWAサービス「PACKS」のFounder。またアービトラム(ARB)のアンバサダーに就任後、日本人へのブロックチェーン理解促進活動やWeb3領域における育にも尽力。その一環として、2024年に東京大学で開講されるWeb3ブロックチェーン講座の作成に従事する。現在、明治大学経営学部3年生で、20歳。

・読者へのメッセージをお願いします。

世界には、エネルギー問題や人材不足問題など様々な課題がありますが、どのビジネスドメインでも物流が一つのネックとなっています。その中で物流を最小限に抑え、エコ取引を行うことに対する必然的ニーズは大きくなっていきます。

そこで我々が着目したのが、取引の中でもグローバルでその多くの取引割合を占める現実資産の転売業界です。
そもそも配送(物流)をしなければ取引はできないといった固定概念がある取引がある中、その概念を破って新しい取引体系を提供します。
なぜなら、本来は転売において転売者間の物理的なもののやり取り(中間取引)は必要ないからです。

転売において物理的な物のやり取りを最小限に抑えることは、転売者にとっても有益なことであり、また対外的にも今後の世界に必要とされるエコ取引の先駆けとなるプラットフォームとなるはずです。
「その構想を実現したい」、その想いで今回の調達に動いていました。このアイデアは誰かが実現しなければならないと感じています。不必要な「モノの配送」をなくし、よりスムーズな取引体系を標準化する必要があると強く考えています。

・起業を目指す学生へのメッセージをお願いします。

私は明治大学2年の頃、ちょうど1年弱前(2023/08/28)に会社を設立いたしました。

今回のリリースでも出ていたと思いますが、そこから、1年も経たないうちにシードラウンド1stクローズにて7000万円超の資金調達を実施しました。
ここに至るまでに、いろいろな事業のピボットを経験しました。この経験を通じて、重要なことを学びました。それは、挑戦を恐れずに新しいことに取り組む勇気が大切だということです。学生という立場は、リスクを取るチャンスでもあります。私自身、周りから「まだ早い」「無理だ」と言われたこともありましたが、それでも自分のビジョンを信じて行動し続けたのを覚えています。

ここ1年の間の様々な事業推進や、今回の資金調達を進める中で、明治大学の方々や切磋琢磨する他の学生起業家をはじめとした多くの人々からご支援をいただきました。また、今回投資家として本ラウンドで支援してくださったVC、エンジェル投資家の方々、誠にありがとうございました。

私の目指す世界は必ず誰かが形作っていかなくてはいけない世界です。必ず、弊社D-Chainでその世界の実現にむけ、チーム一丸となり精進してまいります。

事業の拡大には戦略的な資金調達やシナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NFT PACKS RFT オルタナティブ資産 カード グローバル デジタル トレーディングカード トレーディングカード投資 トレカ プラットフォーム ブロックチェーン リアルタイム 保管 取引 投資 株式会社 権利 流通 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

トークン・エコノミーでオープン・ソース・ソフトウェアの収益化を支援する「フレームダブルオー」が資金調達
2020年6月15日、フレームダブルオー株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 また、「Dev Protocol」を活用した最初のDAppsとして、暗号資産を通じて、寄付よりも気軽に社会貢…
次世代型不動産エージェントファーム「TERASS」が10億円調達
2022年7月27日、株式会社TERASSは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 次世代型不動産エージェントファーム「Terass」、エージェント提案型家探しサイト「Terass O…
リモートワーク環境整備プラットフォーム「リモートHQ」提供の「HQ」が2億円調達
2022年4月6日、株式会社HQは、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HQは、社員ごとに最適なリモートワーク環境の構築を実現できる福利厚生サービス「リモートHQ」を提供しています。…
多機能・高機能の小型センサー「SIRCデバイス」を開発・製造する「SIRC」が「山陰酸素工業」から資金調達
2023年4月10日、株式会社SIRCは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、山陰酸素工業株式会社です。 多機能・高機能の小型センサー「SIRCデバイス」の開発・製造や、「SIRCデバイ…
オンライン型ファクタリングサービス「OLTAクラウドファクタリング」を提供する「OLTA」が25.3億円調達
2023年6月21日、OLTA株式会社は、総額約25億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 OLTAは、オンライン完結型のファクタリングサービス「OLTA(オルタ)」や、「OLTA」…

大久保の視点

スタートアップワールドカップ九州大会:優勝は医薬品開発のStapleBio!熊本で開催
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選である「KYUSYU REGIONAL 2024」が、2024年8月27日(火)に開…
(2024/8/27)
「スタートアップビジネスMBA講座」明治大学MBAの執筆陣と出身起業家が解説
創業手帳代表も執筆陣に参加。注目のスタートアップ本 起業家教育が近年注目を浴びています。しかし、スタートアップはまだ新しい領域であり、不確実性も高く、学問に…
(2024/7/29)
世界最大級のビジネスコンテスト・スタートアップワールドカップ東京大会優勝はDigital Entertainment Asset山田耕三さん
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の東京予選である「TOKYO REGIONAL 2024」が、2024年7月19日(金)に開催…
(2024/7/19)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】