農業向け交付金・セーフティーネット対策「経営所得安定対策」

subsidy

農林水産省は「経営所得安定対策」を実施しています。

経営所得安定対策では、担い手農家の経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件の格差から生ずる不利を補正する交付金と、農業者の拠出を前提とした農業経営のセーフティネット対策を実施しています。

また、食料自給率・食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米、麦、大豆などの戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図る水田活用の直接支払交付金(水活)を実施しています。

2023年産(令和5年産)から、高負担か、免税事業者向け単価と、課税事業者向け単価にわかれます。

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)

諸外国との生産条件の格差により不利がある国産農産物の生産・販売を行う農業者に対して、「標準的な生産費」と「標準的な販売価格」の差額分に相当する交付金を直接交付する制度です。

「対象農産物」
・麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたね

米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)

農家拠出を伴う経営に着目したセーフティネットであり、米及び畑作物の農業収入全体の減少による影響を緩和するための保険的制度です。農業者の米、麦、大豆等の当年産の販売収入の合計(当年産収入額)が、標準的収入額を下回った場合に、その差額の9割を補てんします。

「対象農産物」
・米、麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ


農業は、人間の生存に不可欠な食料供給を担う重要な産業です。しかし日本の食料自給率は1965年のピーク時の73%から減少を続け、2021年には38%まで低下しています。この輸入に依存する状況は、危機時に食料供給に対するリスクを浮き彫りにしています。

近年は、コロナ禍においてこのリスクが明確になり、食料自給率の向上が国家的な課題として認識されています。

一方で、農業は少子高齢化による労働力不足、高齢化する農業人口、厳しい営農環境などといった課題に直面しています。農家の所得が低いことは指摘されますが、これには農業以外の職業を持つ農家や、年金を受け取りながら農業に従事する農家も含まれています。

専業農家(主業農家)に絞っても、1経営体あたりの所得は約420万円であり、これに補助金などが追加されます。しかし、農業は災害などによる収入の不安定さや、近年の肥料などの資材価格の高騰に直面し、利益が減少しています。そのため、補助金、助成金、交付金などを最大限に活用することが不可欠です。

起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「補助金ガイド」では、専門家に監修してもらいながら、創業手帳が実際に補助金申請を行った経験をもとに補助金・助成金のノウハウを解説しています。

また、日々更新される補助金・助成金の情報を、個人に最適化してメールでお知らせする「補助金AI」も運営しています。こちらもご活用ください。

ほかにも、資金調達のノウハウを集めた「資金調達手帳」も無料でお送りしています。ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 公募
関連タグ ゲタ対策 セーフティネット ナラシ対策 水活 生産 経営所得安定対策 農家 農林水産省 農業 農産物
詳細はこちら

経営所得安定対策

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説

公募の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

令和5年度「持続的生産強化対策事業」第2次公募
農林水産省は、令和5年度「持続的生産強化対策事業」の第2次公募について発表しました。 公募対象事業 本公募の対象事業は、持続的生産強化対策事業のうち次に掲げる事業。 【全国公募事業】 (1)畜産経営体…
プロセスシミュレーター「assimee」などを手がける「ビットクォーク」が1.8億円調達
2024年3月6日、ビットクォーク株式会社は、総額1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ビットクォークは、プロセスシミュレーター「assimee」や、デジタルツイン事業、ソリュー…
わさびの自動栽培に取り組む「NEXTAGE」が資金調達
2023年2月22日、株式会社NEXTAGEは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス・ソリューションプロバ…
令和6年度「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」(10/31締切)
農林水産省は、令和6年度「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」の表彰候補者の募集について発表しました。 持続可能な農業の確立を目指し意欲的に経営や技術の改善、普及等に取り組んでいる農業者、農業…
令和5年度「野菜種子安定供給緊急対策事業」3次公募
農林水産省は、令和5年度「野菜種子安定供給緊急対策事業」の3次公募について発表しました。 近年は、気候変動や人口増大による食料生産との競合等により、国外採種適地における各国種苗会社との競合及び競争が激…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集