注目のスタートアップ

設計事務所がタッグを組むマッチングサービス「アーキタッグ」などを展開する「青山芸術」が1.2億円調達

company

2023年10月3日、株式会社青山芸術は、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

青山芸術は、設計事務所がタッグを組むサービス「アーキタッグ」、こだわりの家をつくりたい方やデザインを依頼したい企業と建築家をつなげるプラットフォーム「titel(タイテル)」などを開発・運営しています。

「アーキタッグ」は、事務所の垣根を越えて、案件ごと・作業ごとに建築家同士がタッグを組むことができるマッチングサービスです。

これにより人手が足りない設計事務所の課題解決と、案件に携わりたい建築家の案件探しをサポートしています。

今回の資金は、一級建築士など建築人材の採用による「アーキタッグ」の精度向上やサービス向上、営業・マーケティングの強化、プロダクト開発に充当します。


一級建築士として登録されている人数は約37万人となっていますが、この人数には引退したり逝去後の登録削除を行っていない人も含まれており、現在実際に一級建築士として仕事を行っている人数は、半数以下の14万人と推定されています。

さらに、現役の一級建築士の年齢層は50代以上が半数以上を占めており、29歳以下は約1%ほど、30歳〜39歳は約10%であり建築士の高齢化が進展していることがわかります。

今後主力である高年齢層の人材の引退によって建築業界は一気に人手不足に陥ることが予測されています。

こうしたなか、建築業界において柔軟な働き方を実現する仕組みが注目を集めています。

建築業界は案件の受注が仕事のベースにあります。したがって、実績づくり、クライアントとの信頼関係の構築などが重要です。

こうした特徴から、同時期に複数の案件を受注することがあり、これによって短期的な人手不足が引き起こされてしまうケースがあります。その一方で、案件がない時期もあり、人手を持て余してしまうというケースもあります。

このように建築事務所は暇な時期と忙しい時期の差が激しく、そしてそれを予測することが難しいことから、人材の最適な活用が難しいという課題を抱えています。

「アーキタッグ」は、事務所の垣根を越え、案件・タスクベースで建築士をマッチングすることで、建築士事務所が構造的に抱える人材活用に関する課題解決に貢献しています。

株式会社青山芸術のコメント

このニュースを受けまして、株式会社青山芸術 代表取締役 桂 竜馬氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

今回の資金調達を機に、主には以下の施策を推進する計画です。

(1) 一級建築士など建築人材の採用による、アーキタッグの精度向上やサービス向上
(2) 営業やマーケティングへの投資による、アーキタッグ利用者の拡大
(3) プロダクト開発への投資による、ユーザー利便性向上のための機能開発や、機械学習や AI への投資推進

・今後の展望を教えてください。

より多くの方にアーキタッグをご利用いただけるようサービス拡大を図り、日本のあらゆる設計の現場でアーキタッグが貢献するべく普及活動を推進していく予定です。全国の設計事務所さんはもちろん、組織設計・ゼネコン・デベロッパー・ハウスメーカー・建設会社など多くの企業の設計部さんにもアーキタッグを利用していただき、設計現場の人手不足の解消や、波が激しい事務所経営のサポートでお役に立てればと思っています。

・読者へのメッセージをお願いします。

資金調達を経て、青山芸術では採用を強化しています。根深い業界課題の解決に取り組みたい方や、自分で起業する前に成長期のスタートアップで経験を積みたい方などはぜひ力を貸していただければと思います。

弊社創業時に非エンジニアの代表がプロダクトを自力開発した背景なども note にまとめていますので、創業を考えている方・新規事業創出に興味のある方などはぜひご覧ください。

創業期はさまざまなリソースが不足しているため、戦略的に外部の人材を活用することが成長の秘訣です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、アウトソーシングの導入方法や、外注の活用法について詳しく解説しています。

また、組織の成長のためには人材採用だけでなく、資金調達を成功させることも重要です。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB クラウドソーシング プラットフォーム マッチング マッチングサービス 建築 株式会社 案件 設計 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
起業するには何から始める?誰でもできる起業の仕方や手続き【5ステップで解説】
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「日本IBM」が「中小機構」用の起業・経営相談用チャットボットを開発
日本アイ・ビー・エム株式会社は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供する「E-SODAN(イーソーダン)」の開発を支援し、本格的に運用を開始したことを発表しました。 「E-SODAN」は、IBM C…
「創業手帳」による美容業界向けオンライン・セミナー「初めての競合比較分析講座」が1/18に開催
創業手帳株式会社は、「初めての競合比較分析講座」を2021年1月18日(月)に開催することを発表しました。 「初めての競合比較分析講座」は、美容業界向けに、誰でもすぐに始められるマーケティングの考え方…
「アーカス・ジャパン」が次世代ECサイトプラットフォーム「Arcury」と位置情報を用いた作戦管理・遂行・評価サービス「Arcury for Location」をリリース
2022年9月16日、アーカス・ジャパン株式会社は、「Arcury for Location」をリリースしたことを発表しました。 「Arcury for Location」は、作戦の計画から遂行・評価…
ワンストップ金融コンサルティングサービス「マネプロ」などを展開する「ブロードマインド」が「終活・相続サポートサービス」の提供を開始
2023年6月1日、ブロードマインド株式会社は、「終活・相続サポートサービス」の提供を開始することを発表しました。 ブロードマインドは、ワンストップ金融コンサルティングサービス「マネプロ」、資産運用・…
新たな完全栄養食「おにもち」を手がける「vitom」が2000万円調達
2024年11月1日、株式会社vitomは、2000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 vitomは、完全栄養食「おにもち」を開発・販売しています。 おにぎりと餅をかけ合わせた完全栄養食です…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集