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最先端血管内治療を実現する高度管理医療機器を開発する「Global Vascular」が2.5億円調達

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2023年5月10日、Global Vascular株式会社は、総額2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Global Vascularは、高度管理医療機器「下肢閉塞性動脈疾患用ステントデリバリーシステム」の膝下領域への実用化を中心とした研究開発に取り組んでいます。

この基礎研究~実用化研究は、東海大学医学部と慶應義塾大学理工学部の医工連携共同研究チーム「Hasebe Research Group」(HRG)の研究成果から生まれたものです。Global VascularはHRG発のスタートアップとなります。

HRGで研究・開発されてきたバイオマテリアル「フッ素添加ダイヤモンドライクカーボンコーティング(F-DLC)」を下肢ステント表面に実装することで、生体と人工物との異物反応を極小化し、膝下以下におけるステント留置術を実現します。

今回の資金は、承認取得試験の実現性を検証することを目的とした開発品の承認取得試験のプレ試験の実施に充当します。


動脈硬化や血栓などにより、血管が閉塞し適切に血液が届かなくなる(虚血)ことが長く続くと、さまざまな二次疾患が引き起こされます。

たとえば、足の虚血が進むと、足に痛みが生じて歩行が困難になったり、最悪の場合は足が腐り、下肢切断が必要となることもあります。

ステントとは、金網でできた筒状の医療機器であり、こうした虚血が起こっている血管を内部から広げたりなど、人体の管状の部分を広げることを目的としています。

このステントを利用した治療は、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、がんなどによる各種器官の狭窄で適用されています。

このステントはしばらく生体内に置かれることになるため、なるべく異物反応を起こさないような素材が利用されます。

膝下以下の血管は、血流が細くて遅く、さらに歩行などによってよく動くことから他の部位よりも適用できる要件が厳しく、使用が認められているステントはいまだ存在していません。

こうした背景から、Global Vascularは、膝下領域でも利用できる「下肢閉塞性動脈疾患用ステントデリバリーシステム」の実用化を目指しています。

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カテゴリ 有望企業
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