注目のスタートアップ

藻類開発プラットフォームを提供する「アルガルバイオ」が5.9億円調達

company

2022年7月26日、株式会社アルガルバイオは、総額5億9,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

アルガルバイオは、藻類の研究・開発・生産・販売を行う東京大学発ベンチャーです。

藻類ライブラリーの構築や、藻類のスクリーニング、培養、機能性探索、機能性開発、受託研究、共同研究・開発、コンサルティング事業を展開しています。

また、用途や目的生産物に最適な藻類種を藻類ライブラリーと蓄積データからスクリーニングし、育種改良や培養製法の最適化を通じて事業化・実用化に必要な“藻類技術パッケージ”を顧客に提供するバイオファウンダリー型の藻類開発プラットフォームとして、藻類由来のプロダクトやソリューションを開発しています。

今回の資金は、バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォームのさらなる強化や、パートナー企業と共同での藻類由来の新たなプロダクト・ソリューションの事業化の加速、グローバルな事業展開の加速に充当します。

世界的な人口の増加により、早くて2030年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れ始めると予想されています。これをタンパク質危機と呼びます。

既存の畜産の仕組みは、環境負荷が高いこと、倫理的な課題、気候変動などの課題を抱えているため、畜産業の大幅な拡大は実現できません。

そのため、新たなタンパク質とその生産方法の確立が求められています。

新たなタンパク質としてすでに市場で知名度が高まっているのが大豆などの植物を原料とした植物肉です。大手飲食店などでの導入もあり、今後も植物肉への置き換えが進んでいくと考えられます。

ほかにも有望なタンパク質として、藻類(そうるい)に期待が集まっています。

藻類とは、光合成を行う生物のうち、コケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称です。

ノリ・ワカメ・コンブなどは大型の藻類として有名ですが、その多くは顕微鏡でしか見ることができない小さな生物(微細藻類)です。

微細藻類は、糖質・タンパク質・ミネラル・食物繊維・脂質を含んでいます。またタンパク質の含有量は肉類並かそれ以上であるため、有望なタンパク源のひとつです。

また藻類はゼロからタンパク質を生産でき、大豆の1/30の面積と1/4の水の量でタンパク質を生産できるため圧倒的な生産効率であることも大きなメリットです。

ほかにも人間にとって有用な成分をつくりだす藻類も存在するため、食品以外にも、健康・環境・工業などでの活用も研究されています。

研究開発系のビジネスにとって資金は研究を進めるための重要なもののひとつです。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ アルガルバイオ タンパク質危機 バイオファウンダリー バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォーム 大学発ベンチャー 東京大学 株式会社 生産 研究開発 藻類 販売 資金調達 食品
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ15選の制度
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

グローバルサウスを中心にメッセージアプリ「Nocturne by Atlas」を展開する「Atlas Associates」が資金調達
2023年8月31日、Atlas Associates株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 Atlas Associatesは、グローバルサウスを中心に、ユーザーの送受信内容を監視・活用…
趣味のオンライン・レッスン・サービス「miroom」運営の「ミコリー」が2億円調達
2020年11月30日、株式会社ミコリーは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 趣味のオンライン・レッスン・サービス「miroom」を運営しています。 著名な講師による趣味の本格的なレ…
電・発電デバイスに向けたカーボン新素材を開発する「3DC」が2.5億円調達
2024年1月23日、株式会社3DCは、総額2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 3DCは、革新的カーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の開発・製造・販売を行う、東北…
「TSUIDE」が完全並走型の営業DX支援サービス「UENI」をリリース
2022年6月9日、株式会社TSUIDEは、「UENI」の提供を開始することを発表しました。 「UENI」は、完全並走型の営業DX支援サービスです。 営業DXのための、ツール選定・ツール導入後の運用・…
ヘリコプター遊覧・タクシーサービス「ARIAir」を展開する「アリラ」が資金調達
株式会社アリラは、2023年4月28日付けで資金調達を実施し、当初の1000万円から3600万円に増資したことを発表しました。 アリラは、ヘリコプターの遊覧・タクシーサービス「ARIAir(アリエア)…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集