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軽貨物と荷主のマッチング・プラットフォームなど運営の「CBcloud」が資金調達

2019年10月15日、株式会社CBcloudは、資金調達を実施したことを発表しました。

8月に行った、総額約12億3,900万円の資金調達に引き続き、JR東日本スタートアップ株式会社、BORベンチャーファンド1号投資事業有限責任組合(運営会社:株式会社りゅうぎん総合研究所)、株式会社沖縄タイムス社の3社を引受先とする第三者割当増資を実施しました。

CBcloudは、軽貨物と荷主を即時につなぐマッチングプラットフォーム「PickGo」や、AIやブロックチェーンを活用した動態管理システム「ichimana」を提供しています。

CBcloud株式会社 代表取締役CEO 松本 隆一氏のコメント

今回のニュースにつきまして、CBcloud株式会社 代表取締役CEO 松本 隆一氏よりコメントが届きました!

松本 隆一
1988年生まれ、沖縄県出身。高校時代に独学でプログラミングを修得。高校卒業後、2007年航空保安大学校入学と同時に国土交通省へ入省。2009年より航空管制官として羽田空港に勤務。2013年に退省、他界した義父の運送業を継ぐ。会社経営をしながら自身も配送ドライバーを経験。同年10月にCBcloud株式会社を設立。運送業経営の現場で、多重下請け構造や非効率な慣習から、業務改善に余力がない物流業界の現状を実感。自身の会社だけでなく、あらゆるドライバーの環境を改善することで業界全体をより良くすべく、ITによる業界変革を決意。これまでに、ドライバーに意思決定権のある自由な働き方、効率的な稼働、正当な業務評価により努力が可視化される環境を提供してきた。ドライバーの価値が正当に評価され尊敬される存在になることを目指し、常に「現場で働く人のため」に尽力する。

ーこの事業を始めた経緯について教えてください。

松本:2012年に軽自動車の販売会社を経営していた義父から、フリーランスドライバーの方々がおかれている過酷な環境について教えてもらったことがきっかけです。

彼らは小型のバンや軽トラックを利用して荷物を配送する「軽貨物運送」という事業に従事しています。個人宅への荷物や少量の荷物など、いわゆる「ラストワンマイル」の配送です。車1台から起業できるため、事業主数15万7000のうちほとんどが個人事業主と言われています。下請けの個人事業主であるドライバーは、条件が悪くても基本的に配送の依頼を断れません。なぜなら、一度荷主からの依頼を断ると、次からは声がかからなくなるケースが多いからです。ドライバー側にはほとんど意思決定権がないような状況でした。

この理不尽な構造を改善しようと考え、義父が配車サービスの事業を始めました。運送会社から配送依頼の電話を受け、その仕事を登録ドライバーの方に紹介するという仕組みです。そこでプログラミングの知識を持っていた私が、航空管制官を続けながら、1年かけて配車の流れをデジタル化するシステムを作りました。その後、義父から「一緒に起業しよう」という誘いを受け、2013年に国土交通省を退省しました。しかしCBcloudを設立した矢先、義父が急逝してしまったのです。

それから2年間は、私が義父の事業を丸ごと引き継ぎ、実務作業をこなしました。ドライバーの方々と接する中で知ったのは、彼らは配送に関して高い技能を持っているにもかかわらず、年収や待遇の面であまりにも過小評価されているという現実でした。

現在、日本では個人事業主が登録している軽貨物車両は約26万台ありますが、ドライバーの環境を根本的に変えなければ、ドライバー不足は解消しません。何とかしてこの問題を解決しなければならないという思いが募り、2015年末にこれまでの事業をすべてリセットし、ベンチャー企業として「PickGo」のシステム構築を開始しました。

ー今回の資金調達について、どのような反響がありましたか?

松本:事業面、採用面において様々な反響がありました。事業面においてはPickGoの知名度が向上し、新規顧客だけでなくドライバー登録も増加しました。

資金調達と合わせて、次世代の宅配システム構築や、一般貨物への進出など新たな事業展開が公表された反響も大きかったです。自社物流網の構築を目指すEC事業者や、業務効率化を目指す運送会社などから事業連携の問い合わせが増え、新たな展開の可能性を感じています。

採用面でも、一部上場企業から注目の有力ベンチャー出身者まで幅広くエントリーが増えており、特に経営・管理職候補となる優秀な方の入社が増えてきています。新たなサービス提供に向け、ビジネス面だけでなく組織面においても強化を進めていく予定です。

ー今後どのような事業展開をしていきたいと考えているか、教えてください。

松本:今後、当社では精度の高い「モノのMaaS」を実現していきます。軽貨物自動車だけではなく、トラック、航空便、鉄道などをシームレスに活用し、最適な配送手配を世の中に広げたいと考えてます。また上記の一環として一般貨物領域への拡大も視野に入れており、PickGoで小型〜大型トラックの配送依頼も可能にします。

また、荷主とドライバーをマッチングするサービスにおいてドライバー登録数日本最大15,000名以上(2019年10月時点)のネットワーク、評価データを活用し、toBだけでなくtoC向けにも新サービスを展開予定です。

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