未経験から独立できる!おすすめ資格5選と成功する始め方ステップ
経験ゼロからでもOK!資格取得後に失敗しないためのポイントも解説
「資格を取れば独立できるって本当?」「どれが自分に向いてるのかわからない…」そのような未経験者の不安に答えるために、本記事では“本当に使える資格を5つ厳選しました。
取得〜実践〜開業までの具体的ステップもあわせてご紹介します。
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この記事の目次
なぜ「資格」だけでは独立に失敗するのか?
資格を取得できたとしても、未経験の場合は独立に失敗してしまうケースが多いです。
知識を身に付けて資格を取得できたのに、なぜ独立をすると失敗に陥ってしまうのでしょうか。その理由として、以下の3つが挙げられます。
取得後に「どう稼ぐか」の設計が甘い人が多い
資格を取得しても独立に失敗する理由として、取得後のマネタイズについて十分に考えられていない点が挙げられます。
起業や独立をする際に、自己実現や社会貢献を目標に掲げる人も多いかもしれません。しかし、事業を運営するためにはまず「収益化」に成功する必要があります。
資格を取得して独立し、自分のやりたかった仕事ができたとしても、収益化できずに赤字状態が続けば、やりたかった仕事を辞めざるを得なくなる可能性があります。
このような状態に陥らないためにも、取得後に「どう稼ぐか」を十分に設計しておくことが大切です。
現場経験がないと顧客獲得に苦戦する
たくさん勉強をして難易度の高い資格を取得できたとしても、「未経験」という理由で顧客獲得に苦戦し、独立に失敗するケースもあります。
例えば、行政書士に依頼をしようと考えた時、自社と同じ業種を対応した実績のある行政書士に依頼しようと考える傾向にあります。
なぜなら現場経験があった方が、自社の状況に合わせて柔軟に対応してもらえそうとイメージできるためです。
こうした理由から、現場経験を持たずに独立してしまうと、いくら実力はあっても顧客獲得に苦労する可能性が高いです。
独立前に「テスト段階」を踏むことが重要
独立に失敗しやすい要因として、その業種について理解できていないのに独立してしまうことも挙げられます。
「稼げる資格」と聞いて取得したものの、自分が何をすべきか、どのように営業すれば良いのかがわからず、そのまま失敗に陥ってしまう可能性があります。
このような状態から回避するためにも、独立をする前にその業種でテスト段階を踏むことが大切です。
具体的には副業として始めてみると良いでしょう。
副業として始めればリスクを最小限に抑えられ、副業が軌道に乗ってから独立することで実績も積み重なっており、安定した収入を得やすくなります。
資格取得後にやるべき5ステップ
独立するために資格を取得したら、次に何をすればいいのか迷いがちです。ここではやるべき5つのステップについて解説します。
①副業・小規模テストマーケティングで実務経験を積む
まずはいきなり独立するのではなく、副業や小規模案件によるテストマーケティングを行いましょう。
副業や小規模案件なら低リスクで実践力を磨く(みがく)ことができます。資格取得のために勉強して身に付けた知識が、実際に現場ではどのように役立てるのかがわかります。
また、そのまま独立・開業をするための資金に充てられるのも魅力です。
さらに、副業や小規模案件をこなしていく中で顧客ニーズや課題を理解できるようになります。
将来独立する際の基盤を作れるので、まずは副業などで実務経験を積むところから始めてみてください。
②SNSやnote等で発信し「顧客予備軍」を育てる
独立する前にやっておきたいこととして、SNSやnoteなどを使い、情報発信することが挙げられます。
SNSやブログなどを通して顧客から依頼を受けるケースも珍しくありません。
例えば、SNSやブログ、noteなどを活用し、資格で勉強した専門知識・活動報告などを発信していきます。
情報を発信することで自分が持つ専門性を認知してもらい、見込み客になり得る顧客予備軍に育てていくのです。
定期的に情報を発信することで信頼性も高まり、開業後の集客もスムーズになります。こうした理由から、独立前にSNSやブログ、noteなどで情報発信を行うのがおすすめです。
③サービスのメニュー化(料金・対象・流れ)
独立後に提供するサービスについて整理し、メニュー化してみてください。例えば、料金の設定や対象の顧客、サービスの流れなどを具体的に決めていきます。
メニュー化されていれば、顧客に説明する際にわかりやすく案内できることはもちろん、ホームページにメニュー化した内容を掲載すれば、問い合わせや申し込みの増加にもつながるでしょう。
ただし、メニュー化する場合、市場のニーズに合わせて柔軟に調整する必要もあります。
④事業用の屋号・開業届など整備
事業用の屋号を決めたり、開業届の準備をしたりするなど、独立に向けた準備を進めていきます。事業用の屋号は顧客にどういう店なのかを知ってもらうためにも重要です。
屋号が決まったら事業用口座の開設と名刺づくりを行い、準備が済んだら税務署へ開業届を提出してください。
事業形態を明確にすると金融機関からの信頼度も増し、融資や取引先の開拓などもスムーズに行えるようになります。
個人事業主として開業する際は、必要に応じて青色申告承認申請も検討してみてください。
青色申告をすることで、最大65万円の特別控除を受けられたり、事業で赤字になった場合も損失額を原則翌年から最長3年間繰り越したりすることも可能です。
⑤開業後もリピーター育成+紹介導線を強化
実際に独立・開業をしたら、新規顧客を獲得することも重要ですが、リピーターを育成することも大切です。
リピーターを育成していけば売上も安定しやすくなり、毎月の見通しも立てやすくなります。
また、紹介導線も強化しておくと集客につながり、新規顧客の獲得もしやすくなります。
例えば、既存顧客に対して「友達紹介キャンペーン」を打ち出して新規顧客を紹介してもらえば、広告費を抑えつつ広告が届いていない層にもアプローチが可能です。
未経験でも再現性が高い!厳選6資格と独立プランと成功パターン
未経験でも利益を出すための再現性が高い資格として、以下の6つが挙げられます。各資格の特徴から、独立する際のプランについて解説します。
行政書士
行政書士は、官公庁に提出するための書類について代行サービスを提供できる資格です。
例えば、外国人ビザから建設業許可、遺言・相続に必要な書類まで、様々な書類の作成や許認可手続きの代行ができます。
行政書士の資格は年齢・学歴・国籍などを問わず受験できますが、合格率は10~13%前後と低めです。
出題範囲が広く、記述式での解答が必要になる問題もあるため、勉強を始めるなら早めに取りかかるようにしてください。
行政書士の資格を取得できたら、次に行政書士事務所でアルバイトや業務委託、OJTなどを行い、実務経験を積んでいきます。
アルバイトや業務委託、OJTなどを行っていた場合、単に技術を磨くだけでなく営業力も身に付けられるようにしてください。
営業力は収入に直結しするため、ネット集客のやり方や営業トークを学ぶことで独立の成功にもつながりやすくなります。
実務経験を積みながら開業資金がある程度貯まったら、事務所の用意や看板・名刺・ホームページの準備などを行ってください。
集客は基本的に地域SEOやホームページからの問い合わせ、士業紹介サイトへの登録などが挙げられます。
なお、行政書士の登録費用として約30万円がかかるので注意が必要です。
・ステップ1:資格取得(6〜12カ月)
独学+通信講座で勉強、行政書士試験に合格
・ステップ2:実務経験を積む(3〜6カ月)
行政書士事務所でアルバイト・業務委託・OJT
・ステップ3:開業準備(1〜2カ月)
事務所用住所・看板・名刺・Webサイトを用意
登録費用:約30万円(登録料・入会金など)
集客は地域SEO・ホームページ・士業紹介サイト
整体師・リラクゼーション系(民間資格)
整体師やリラクゼーション系は、仕事や家事、育児などで疲れた体をほぐし、心にも癒しを与えてくれる資格です。
整体師やリラクゼーション系の場合、開業するために必要な資格はありません。
しかし、顧客が整体院やサロンを選ぶ上で、施術者の技術や資格などをチェックすることも多いため、民間資格を取得しておいたほうが集客にもつながりやすくなります。
まずは整体師やリラクゼーション系の技術が学べるスクールに通学し、民間資格を取得してください。
スクールによって異なりますが、専門的な技術を身に付けられるだけでなく、独立・開業のサポートに入ってくれる場合もあります。
スクールを卒業して民間資格を取得できたら、副業としてレンタルサロンを借りたり、出張サービスメインで行ったりしながら実務経験を積んでいきます。
実務経験も十分に身に付き、固定客も出てきたらサロンを開業するのがおすすめです。整体師・リラクゼーション系だと自宅サロンで開業すれば初期投資も小さく抑えられます。
さらに、集客を狙うために、ホームページだけでなくSNSも活用してみてください。
・ステップ1:スクール通学(3〜6カ月)
民間資格を取得。施術技術+接客・開業ノウハウも学習。
・ステップ2:レンタルサロン・出張などで副業スタート
・ステップ3:リピート客を増やして自宅サロン開業
予約サイト・Instagram・LINE公式アカウントで集客
ネイリスト/美容系ライセンス
ネイリストや美容系ライセンスを活かし、美容系サロンで独立・開業することも可能です。
美容系ライセンスにも様々な種類がありますが、例として、まつエクやエステなどが挙げられます。
また、女性客向けの小規模開業に向いており、開業支援制度も多いのが特徴です。
これらの技術も整体師・リラクゼーション系と同様で、開業するために必要な資格はないものの、顧客へのアピールにつながります。
まずはスクールまたは独学で勉強し、資格を取得してください。次に知人やSNSを使って練習台になってくれる人やモデルを集めます。
資格を取得してからも技術を磨くために、練習台になる人を探してみてください。
準備が整ったら、いよいよ開業です。小規模開業に向いていることから、自宅での開業やレンタルサロン、出張サービスでの開業も可能です。
InstagramやLINE予約、ホットペッパービューティー、口コミサイトなどを活用して集客を強化していきましょう。
・ステップ1:スクール+検定取得(3〜6カ月)
JNAジェルネイル検定、まつエク技能資格などを取得。
・ステップ2:知人・SNS経由で練習台・モデルを集める
・ステップ3:自宅・レンタルサロン・出張で開業
セルフブランディング用のSNSアカウントを運営
集客にInstagram、ホットペッパービューティー、LINE予約を活用
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPは、個人や家族のライフプランに基づき、個人の資産や資金調達、資金計画に対するアドバイスができる資格です。
スクールに通うことも可能ですが、独学で学び資格を取得することもできます。
また、家計相談や保険の見直し、ライフプランの提案などの相談業務に加え、副業でライターや講師、セミナー講演などの多様な働き方ができることも特徴といえます。
資格を取得できたら、まずは無料相談や知人の相談から始めてみてください。無料相談に乗ることで実績をつくり、口コミを集めることもできます。
また、SNSやブログなどを使って情報を発信して専門性を多くの人に認知してもらい、集客につなげることも大切です。
ある程度実績を積んだら、無料で行っていた相談を有料に変更して開業を行います。
有益な情報を集めて講座化したり、企業研修を行ったりするなど、徐々に仕事の規模をステップアップさせていきます。
また、法人契約や保険代理店契約、講座販売、書籍出版など、自分がやってみたい・進みたい道に拡張できるのも魅力的です。
・ステップ1:資格取得(3〜6カ月)
独学(2級FP技能士/AFP)で資格取得。
・ステップ2:副業として無料相談・知人の相談から開始
実績・口コミを集める
無料相談会・SNS発信・ブログ記事を書いて集客
・ステップ3:有料相談・講座化・企業研修にステップアップ
法人契約・保険代理店契約・講座販売・書籍出版などの拡張プランへ
宅建士(宅地建物取引士)
宅建士は、不動産仲介や売買取引のサポート、賃貸管理、不動産コンサルなど活動の範囲が広い資格です。
宅地建物取引業を行うには従業員5人中1人、宅建士を配置する義務があるので、不動産業界での独立・開業を目指す場合は宅建士の資格を取得してください。
宅建士は未経験でも独立することは可能ですが、顧客からの信頼を得ることが重要になってくる資格でもあるため、未経験で開業しても集客に失敗する可能性があります。
未経験からの独立・開業で失敗しないためにも、宅建士の資格を取得してから1~2年は不動産会社に勤務するか、業務委託で経験を積むのがおすすめです。
経験を積んだら独立・開業をします。不動産コンサルや仲介サポートなどを行い、将来的には法人の設立も視野に入れてみてください。
なお、宅建士で独立するためには登録費用と事務所の賃料、Webサイトの作成・集客費用なども必要です。
・ステップ1:資格取得(6〜12カ月)
宅建試験合格。
・ステップ2:不動産会社勤務 or 業務委託で経験を積む(1〜2年)
現場で営業スキル・物件知識を磨く
・ステップ3:独立開業
不動産コンサル・仲介サポート(法人設立も視野に)
登録費用・事務所賃料・Webサイト・集客費用が必要
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、働く人のキャリア設計や仕事の悩み相談にも乗れる国家資格です。
キャリアコンサルタントになるためには、厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了する必要があります。
もしくは3年以上の実務経験や技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格しなくてはなりません。
資格を取得できたら、集客につなげるためにSNSやブログを使って宣伝を図ります。副業で個人相談に応じる際には、1回あたり数千円程度に留めておくと良いでしょう。
実際に独立・開業をしたらキャリアコンサルタントとして法人向けにキャリア相談パッケージやキャリア研修などの提案を行います。
ほかにも人材紹介会社や就労支援会社と業務委託契約を結んだり、講座・セミナーを企画したりすることで、個人単価よりも高く料金設定ができる法人案件を取得してください。
・ステップ1:資格取得(6〜8カ月)
養成講座を受講し、学科・実技試験合格
・ステップ2:集客・実績作り
note・ブログやSNSで情報発信
副業で個人相談(1回3,000〜5,000円程度)を小さく始める
・ステップ3:法人向け拡大・単価UP
企業向けに「キャリア相談パッケージ」「キャリア研修」を提案
人材紹介会社・就労支援会社と業務委託契約
講座・セミナーを設計し、個人単価より高い法人案件の獲得
まとめ|未経験でも独立はできる。でも「設計力」がカギ
未経験だとしても、資格を取得して独立は可能です。大切なのは、資格を取るだけで満足せず「どうやって収益化するか」「どう続けるか」を考えることです。
無理なく・現実的な一歩を踏み出すために、資格+ビジネス設計の視点を持って独立を目指しましょう。
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(編集:創業手帳編集部)