起業の準備期間はどのくらい?目安やスケジュール例を解説!
起業準備期間は平均6カ月〜1年が目安

起業を考えた時、「どれくらいの準備期間が必要なのか」と悩む人は少なくありません。
思い立ってすぐに開業することも不可能ではありませんが、事業の成功確率を高めるためには、事前の準備が非常に重要です。
一般的には、起業の準備期間は6カ月から1年程度がひとつの目安とされています。
本記事では、起業準備期間の目安やスケジュール例、準備期間を考える際のポイントについてわかりやすく解説します。
これから起業を目指す人は、計画的に準備を進めるためにぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
【ケース別】起業準備期間の目安

起業の準備期間は、事業の内容や企業の方法によって大きく異なります。
設備投資がほとんど不要な副業型のビジネスであれば、数週間から1~3カ月程度でスタートできるケースもあります。
一方で、店舗の開業や許認可が必要な業種では、物件探しや設備準備などに時間がかかり、1年以上の準備期間が必要になることもあるでしょう。
ここで、代表的なケースごとに、起業準備期間の目安を見ていきます。
副業型の場合:3〜6カ月
会社員として働きながら副業として事業をはじめる場合、比較的短い準備期間でスタートできるケースが多く、3~6カ月程度が目安とされています。
例えば、Web制作やライティング、オンライン販売など、初期投資が少ないビジネスはスモールスタートが可能です。
この期間で、サービス内容の整理やターゲット顧客の設定、簡単な事業計画の作成、必要に応じた開業届の提出などを進めます。
副業型はリスクを抑えながら実績をつくれる点が大きなメリットであり、将来的に独立を目指すための準備段階としても有効です。
会社を辞めて独立する場合:6カ月〜1年
会社を退職して事業を本格的にはじめる独立型の場合、6カ月~1年程度の準備期間を確保するケースが一般的です。
収入源が事業のみになるため、事業計画や資金計画をより慎重に立てる必要があります。
この期間には、市場調査や競合分析、ビジネスモデルの構築、資金調達の検討、顧客獲得のための営業準備などを行います。
また、生活費を含めた資金の確保や、独立後の収入が安定するまでの期間を見据えた計画を立てておくことも重要です。
店舗・許認可業種の場合:1年以上
店舗ビジネスや設備投資が必要な事業など、いわゆる「開業型」の起業では、1年以上の準備期間が必要になることも珍しくありません。
飲食店や美容室、サロン、クリニックなどは、物件探しや内装工事、設備導入、各種許認可の取得など、多くの準備工程が発生します。
また、金融機関からの融資を受ける場合には、詳細な事業計画書の作成や審査の期間も考慮しなければなりません。
開業後の運営をスムーズに進めるためにも、資金計画や集客戦略を含めて、十分な時間をかけて準備することが重要です。
起業準備期間が長くなる主な理由

起業の準備期間は平均で約6カ月~1年とされていますが、事業内容や準備状況によってはそれ以上に時間がかかることもあります。
特に店舗型ビジネスだと物件探しや契約、内装工事などにも時間がかかるため、準備期間は長くなる傾向にあります。
また、飲食業や美容業など許認可や資格が必要な業種では、申請手続きや審査に一定の期間が必要です。
さらに、金融機関から融資を受ける場合は、事業計画書の作成や審査のプロセスにも時間がかかります。
こうした要素が重なることで、起業までの準備期間が長くなるケースも少なくありません。
起業準備期間のスケジュール例

起業の準備は、具体的にどのような流れで進めていけば良いのでしょうか。ここで、1年前から起業直前までのスケジュール例を紹介します。
起業1年前の準備
起業を成功させるためには、直前だけでなく1年ほど前から計画的に準備を進めることが重要です。
この時期は事業の方向性を固めるための基礎づくりの段階になります。起業する1年前に行うべき準備は以下のとおりです。
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- 市場調査の実施
- 事業形態の決定
- 資格や許認可の取得
まずは起業したいと考えているビジネスの市場調査を実施します。
調査では、市場規模や競合状況、顧客ニーズについて調べることで、自分が提供する事業のコンセプトが明確になっていきます。
市場調査がある程度完了したら、事業の方向性やコンセプトなど、事業形態を決めていくことも大切です。
コンセプトが明確になっていないと主軸がブレてしまい、起業の準備も進まなくなってしまいます。
業種によっては開業するために資格や許認可が必要になる場合もあります。例えば、飲食店の開業には「飲食店の営業許可」が必要です。
ほかにも美容室を開業するなら美容師免許、中古品を取り扱うなら古物商許可書など、取得しておかないと開業できないケースも少なくありません。
これらの資格や許認可を取得するのに一定の期間がかかってしまうことから、1年前から確認しておくことが大切です。
起業半年前の準備
起業する半年前は、これまで検討してきたアイデアを具体的な事業として形にしていく重要な時期です。
市場調査の結果などを踏まえながら事業計画や資金計画を整理し、開業に向けた方向性を明確にしていきます。
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- 事業計画を立てる
- 資金計画を立てる
- 社名や起業場所の決定
最初に決めたコンセプトに基づき、事業計画を立てていきます。事業計画書は、事業内容や売上アップに向けた戦略などをまとめた書類です。
事業計画書は、資金調達で金融機関から求められるケースが多くあります。
事業計画と同時に資金計画を立てることも大切です。目先の資金に捉われてしまうと、運転資金を見落とす可能性があります。
開業時に必要な費用を洗い出し、どれくらいの資金が必要になるのか把握するようにしてください。
また、社名や起業場所も6カ月前に行います。社名は商号調査を実施し、類似するものがなければつけることが可能です。
社名・屋号は事業のブランドイメージにも関わってくる部分なので、覚えやすさや事業との関連性なども考慮した上で決めてください。
起業3カ月前の準備
起業3カ月前になると、事業開始に向けて最終準備の段階に入ります。
この時期は、実際に事業を運営するための環境を整えると共に、顧客に知ってもらうための広告宣伝の準備を進めることが重要です。
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- 起業する場所の環境整備
- 広告宣伝の準備
店舗型の場合、内外装工事に最低でも3カ月はかかることから、開業する日の3カ月前には不動産契約を結び、環境整備を行う必要があります。
起業する場所は見た目だけでなく、電気やガス、水道、インターネットなどのインフラ環境も整えておくことが大切です。
自宅で起業する場合でも、作業スペースの確保や必要機材の準備など、集中できる環境を整える必要があります。
また、屋号や営業時間、定休日まで決めておき、開業をお知らせするための広告宣伝も準備しておくと安心です。
宣伝ツールとしては、ホームページ制作やチラシ、ロゴマーク、看板などが挙げられます。
SNSアカウントを開設・運用することも大切です。起業前でもSNSから情報発信をはじめることで、事業開始時点で一定の認知を得られる可能性もあります。
起業直前の準備
起業直前に行うべき準備としては、以下2つが挙げられます。
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- 各種届け出
- 備品の購入・仕入れの準備
起業する際には各所に書類を提出することになります。提出期限も設けられている場合があるため、早めに準備しておくと直前で焦る心配もありません。
例えば以下の書類を準備・提出する必要があります。
- 【税務署】
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- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 【地方自治体】
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- 事業開始等申告書
- 【従業員がいる場合】
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- 給与支払事務所等の開設届出書(税務署)
- 労働保険関係成立届(労働基準監督署)
- 雇用保険適用事業所設置届(ハローワーク)
また、備品や仕入れの準備も進めていきます。業種によって必要な備品などは異なりますが、オフィス環境であれば以下の備品を準備してください。
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- PC
- プリンター
- 文具
- 固定電話
- FAX
- Wi-Fi回線
- デスク
- イス
- 収納キャビネット など
起業の準備期間を考える際のポイント

起業するための準備期間を考える際に、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、起業の準備期間におけるポイントを5つ解説します。
準備期間は長すぎても短すぎてもリスクがある
起業するための準備期間はどれくらい設けるべきか迷う人もいるでしょう。中には1年以上前から準備を進めれば不安も少なくなると考える人もいます。
しかし、準備期間を長く設定しすぎると、起業のモチベーションが下がってしまうため注意が必要です。
また、情報収集をしているといつの間にか行動できなくなってしまうこともあります。
一方で準備期間が短すぎると、準備不足によって起業が失敗に終わるおそれがあります。
例えば、起業前に資金調達をしたくても間に合わなかったり、広告宣伝が不十分で顧客が集まらなかったりする場合もあります。
また、準備期間の短さによって事業計画や資金計画が蔑ろになってしまうと、せっかく起業できても事業が行き詰まったり、資金繰りがうまくいかなかったりするかもしれません。
このことから、起業するための準備期間は長すぎても短すぎてもリスクがあるため、適切な期間で準備を進めていくことが大切です。
コストはかけすぎない
起業に向けた準備の中で、コストがかかってくる場合もあります。
準備期間から運用までずっとコストがかかっているような状況だと、運転資金もすぐに底をつく可能性が高いです。
資金面で苦労しないためにも、起業準備の段階からなるべくコストをかけすぎないことが大切です。
例えば、一般的にオフィスを借りて起業する場合、毎月の賃料に加え初期費用として仲介手数料や敷金・礼金などの金額が発生します。
しかし、バーチャルオフィスを活用することで、初期費用をかけずに毎月数千円程度で住所が借りられます。
ほかにも、オフィス家具などは中古品を活用したり、無料のフリーソフトを活用したりするなどです。
ちょっとした工夫を取り入れることで、コストを抑えながら起業することが可能です。
税関連や法関連の知識を身につける
起業をするなら、事業のことだけでなく税務や法務についても知っておかなくてはなりません。
例えば、法人税や消費税、所得税はどのように納めれば良いのか、どうすれば正しく申告できるのか、などです。
また、法律や契約に関する知識も身につけておくことも大切です。
法関連の知識を身につけておくと、取引先や従業員との法的トラブルを回避するための対策を講じたり、万が一トラブルに発展した場合も適切な対応を取ることができます。
法関連の知識も業種によって覚えておきたい知識が変わってくるため、自分が関連する法律の知識を身につけておいてください。
ツールやサービスの活用を検討する
起業に向けた準備では様々な手続きが必要となり、起業家は多くの時間をかけることになります。
しかし、ツールやサービスを活用することで、起業準備の手間を削減し、効率的に進めていくことが可能です。
例えば、オンラインの会社設立サービスを活用すれば、設立に向けて必要な書類の準備から登記申請に至るまで、オンライン上で完結させることができます。
法的な手続きに慣れていない人は特に、会社設立サービスの活用がおすすめです。
起業に向けて文書作業の負担を軽減させたいなら、書類作成の自動化ツールを活用してください。
書類作成の自動化ツールは、繰り返しの作業を自動化によって効率的に処理できるようになります。
書類のフォーマットを決めれば、法的要件に沿った内容で文書を作成できるため、安心して利用することができます。
専門家へのサポートを依頼する
起業をするためには様々な準備が必要であり、ひとりだと挫折する可能性も否定できません。
そのような時は、税理士や法務専門家などにサポートを依頼するのもひとつの手段です。
最新の法律知識やノウハウを活かし、複雑な手続きも進められるようにアドバイスをもらえます。
また、起業前から専門家にサポートを依頼してもらっていれば、起業後のサポートも相談しやすくなり、起業家は事業に専念しやすくなります。
専門家からのサポートは費用もかかってしまいますが、安全に起業をスタートさせるためにも、専門家からアドバイスを受けつつ起業に向けた準備を進めていくことが大切です。
まとめ・着実な準備を進めて起業での失敗を防ごう
起業を成功させるためには、思いつきで事業をはじめるのではなく、計画的に準備を進めることが重要です。
一般的に起業準備には6カ月~1年ほどの期間が必要とされており、その間に市場調査や事業計画の作成など、様々な準備を行うことになります。
自分のビジネスモデルに合ったスケジュールを立て、段階的に準備を進めていくことが大切です。
焦って開業するのではなく、十分な準備期間を確保しながら着実に準備を進め、安定した事業スタートを目指してください。
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(編集:創業手帳編集部)






